はてなキーワード: パート譜とは
既に亡くなって久しい日本人指揮者が、英語圏の某国のオーケストラを振ったときに経験した話。
あるときの演目で、オケのパートとしてピアノが加わる曲があり、その練習でエキストラのピアニストが参加した。
なお、そのピアニストは今で言うところのLGBTに当たる属性が、その国の音楽業界では有名だったそうな。
それで、ピアニストは元々用意されたパート譜の書き方に不満があるとかで、自筆のパート譜だけを現場に持参してきた。
しかし間抜けなことに、この自作パート譜の内容に思いっきり不備があり、曲の途中から演奏開始するタイミングで、必ず指揮者のスコアを覗きに来る始末。
ちなみにプロオケの練習は通称リハーサルというのだが、内容的には練習というより「申し合わせ」に近く、しかも基本一回のみ実施。
その一回の時間も限られているので、とにかく一分一秒が惜しいのだ。
だからこそ、件のエキストラの下手というか、時間の浪費でしかないアホ過ぎる言動に、指揮者はもちろんオケも苛立ちを募らせていったと。
そんな中リハが進んだところで、とうとう指揮者がキレた。
"I don't know how about your part!!!"
途端にオケ全員がワァーーーーッ!!!と大歓声を上げて拍手喝采、大爆笑の大ウケになってしまった。
その後ピアニストは妙にシュンとなってしまい、実に大人しくなったと。
なお日本人である指揮者が、なぜそこまで自身の叱責がオケにウケたかを知ったのはリハ後の楽屋(個室)で、コンマスだか誰だかが代表して来室し事情を説明してからだったとのことで、英語の難しさを痛感したらしい。
ということで、読者諸兄はなぜ現場がこんな大盛り上がりになってしまったか、おわかりいただけただろうか??
結論から言うと、間抜けな楽譜についてオケの気持ちを代弁した叱責を行い、かつ彼の性的指向をからかう、ネイティブだったら天才的な洒落になってしまったというわけ。
「お前のチ◯コのことなんか知るか!」
それで問いたいんだけど、今だったらこの発言は、日本人であっても許されない暴言扱いになるのかな?
読者の皆さんのご意見をぜひ伺いたいです。
IMSLPという、無料で使用できる楽譜などの電子図書館を目指すプロジェクトがある。
これができたお陰で、楽譜の入手コストが劇的に下がり、演奏可能になった楽曲は非常に多い。
ただ、それでも気になることがある。
こういう、汚くてとてもじゃないが演奏不可能な楽譜を平気で上げているケースが散見されるのだ。
作曲家の手書きによる「貴重な歴史的資料」ではなく、上の例のように演奏用のパート譜がこれって、ふざけるにも程があるというか、一体どういうつもりで上げているんだと思う。
使えないもの上げても意味ないじゃん。だったら上げないほうがマシ。
何よりこういうのがあるせいで、中身の可読性関係なく「演奏できるじゃん、大丈夫だよ」などとほざくクソな輩に言いくるめられるのがすげー不愉快。
そりゃお前が耳コピで弾いてるから大丈夫ってだけだろ。音符きっちり読まないと弾けない奴に喧嘩売ってんのか。
そんなに文句があるならお前が書いてアップしろって?そういう問題じゃねーんだよ。
こっちは「読むのにストレスを感じない楽譜」が入手できる曲だけ弾きたいんであって、汚い楽譜を書き直すために音楽やってるわけじゃねーから。
あと買えって意見がトラバにあったけど、こういう曲に限って日本で楽譜買えるかどうか全く分からない曲だったりするんだよなあ。
なんでメロディと、せいぜいコードしかない譜面からパート譜を「創造」する話になってるわけ?
全パートきっちり書き込まれたクラシックのスコアから殴り書きのパート譜起こされたって、読むコストがかかりすぎてまともに演奏できないって話だろ。
せっかくなかなか興味深い曲を見つけて弾いてみたかったのに、出回ってるパート譜があまりにも汚く乱暴な書き方とか、ふざけんなマジで。
てか、こんなファだかソだかも分からないような紙屑以下の楽譜をアップするとか、一体どういう神経してるんだか。
特にこの曲はスコア見る限り、裏拍から始まるシンコペだのフラットがやたら付いた転調だの、演奏自体結構難しそうから、楽譜がこんなんじゃ絶対弾けるようにならねーわ。
耳コピで弾ける人ならともかく、こっちは楽譜を睨んで読み解くタイプなので、尚更厳しい。
そうなると出版社から買うことも検討したけど、そもそも日本でパート譜を買えるかどうかも相当怪しい曲ときた。
スコアから起こすとか、手書きで写譜は時間かかるし絶対ミスるし、スコア切り刻みも写譜よりはマシだろうけど譜割りとかめんどくさそうだし。
もしかしたら今はパソコン上でどうにかするのかもしれないけど、やり方以前にそもそも機材やソフトに何が必要なのかすら分からない。
楽譜の書く・写すについては全くド素人なんで、何よりストレスかからないやり方じゃないと無理。
めったに演奏されない曲だからなのか、紙で印刷されたスコアしかない楽譜が少なからずある。
これだといざ演奏する場合、パート譜の作成から始めないといけないのだが、今時の楽譜ソフトで、スキャンした紙のスコアを、印刷状態の良し悪しに左右されず正確なデータとして認識できるものなんてあるのだろうか。
そもそもスキャナも家にないので、最近のスキャナの性能もよく分からないし。
ちなみにコピーしてハサミと糊で切り貼りとか、スコア見ながらまっさらな五線譜にペンでとか、楽譜ソフトに打ち込んで・・・は論外。
そんな作業をしながら譜めくりのタイミングとか、長い休符の後で入りにくい箇所に他の楽器のガイドをどう書くかとか、そんなこと考えていくのは無理ゲー過ぎるので。
その楽器では超有名な協奏曲なのに、スコアとソロパート譜、ピアノ伴奏譜くらいしか出回っていない曲が少なからずあるらしい。
プロのサックス奏者をオケに招いて一曲やるとすれば、ほぼ確実にグラズノフかイベールになると思うんだけど、どっちも肝心のオケ用パート譜が売ってないとか、どう考えてもあり得ない。
だってこれを演奏するために、昔なら写譜屋にお金を払ってパート譜を作ってもらい、今だったらスコアを紙からスキャンするなり電子書籍で購入したものを、楽譜作成ソフトにぶち込んでパート譜を自動生成するという作業を、世界中のオケがいちいちやっていることになるわけで。
正直バカじゃねーのと思わずにいられない。
そもそも「パート譜を打ち直してまで用意する」習慣は、普通のアマオケや学生オケでは聞いたことがない。
これは誰がやるか(ライブラリアン?インペク?)という問題と、出来上がり品質の問題がある。
1・2箇所のミスならともかく「あちこち間違いだらけ」で1回の練習まるまる楽譜の訂正で終わったともなれば、高確率でオケメンバーや指揮者の怒りを買ってしまう。
普通のアマオケや学生オケでは、そこら辺の仕組み(いざとなったらほぼノーミスなものを素早く用意する人やツール)がどうにも弱いんだと思う。
こっちは作編曲を趣味にしているわけじゃないから全然知らないんだけど、作曲も編曲も作るのはスコアだけで、パート譜は写譜屋さんとかに任せるか、スコアからのコピペでコツコツ作るんじゃないの?
パート譜は他の楽器との絡みもあるから場合によっては他楽器の音符を書いたりとか、長い休みの休符の打ち方とか、可読性についてはソロ譜以上に色々考えないといけない。
それが何ページもある。
それこそ浄書しただけでは読みにくさが手書きとあまり変わらないという事態も起こりうる。
以前、某管楽器と弦楽合奏のための協奏曲を演奏したことがあったが、これが今までのアマオケ経験で最もキツかった思い出だ。
実はその曲をやることが決まった時点では、出回っているのはスコアのみで、ソロパート譜とピアノ伴奏譜以外のパート譜が存在しなかった。
それが出版社からのアナウンスによると、練習開始時期までには正規のパート譜一式がリリース予定だから大丈夫ということで、ゴーサインが出たのだそうだ。
しかし予定は未定であって決定ではないという言葉のとおり、必要なタイミングになってもパート譜は出版されなかったわけで。
慌てていろんな所のアマオケからコピー譜をかき集めることになり、それで練習予定は遅れに遅れ・・・。
どうにか用意できたパート譜も、自分とこのパートだけ「ベートーヴェンやモーツァルトよりはマシかも」というレベルの、超汚い手書きの楽譜だったと(当然コピー欠けやミスプリもバッチリある)。
お陰で何回練習しても音符を拾うのに難航して落ちまくりでパートのほぼ全員が苦しみ、まともに弾けたものではなかった。
楽譜の手配遅延で短くなった練習期間はあっという間に過ぎ、結果ソリストに大変な失礼を働いてしまったことが一番申し訳なく、それだけ取ってもこの演奏会は大失敗だったと、今でも思う。
あと、この曲はソロをやる管楽器ににとっては貴重なレパートリーらしいけど、伴奏する方にしてみると曲想からして微妙すぎる曲で、それに楽譜の件も合わさって「もう二度とやるか」というのが個人的な感想。
もし今いるオケで万が一選曲候補に上がったら強硬に反対してやろうと思う(IMSLPにもソロとごく一部の弦パートしかアップされていない)。
ちなみにこの曲の録音や映像は、一応いくつかある。
ということは、プロにはきちんとしたパート譜が出回っているようだけど、楽譜作成ソフトが普及した最近はともかく、昔はどうやって用意したんだろう。
スコアからコピーしたものを切り貼りしたくらいでは読みやすいパート譜が作れると思えないし、手書きするにしても大バッハの清書並に綺麗なものじゃないと演奏に支障が出そうだ。