2023-06-08

子供を産むことをオススメはできない

30代、2人の子持ちの主婦

ここ数日で見かけた小さな子供産むべきか論争」を見てふと自分も呟きたくなったので記録したいと思う。

結論としては、子供を産んでよかったが、子供を持つことを他人オススメ絶対できない。

私は昔から自分より年下の子供が好きで、近所のちびっ子達の親御さんに、いまだに感謝されるくらいに面倒見がよい子だった。

中高の職業体験では幼稚園選択したし、電車赤ちゃんを見かけたら可愛くて思わずいかけてしまったり、手を振ってしまったりするタイプ

(職業体験を通じ、多くの幼児の命を預かる責任自分には重すぎると感じて早々に見切りをつけた。保育士幼稚園教諭には頭が上がりません。)

「いずれ子供が産みたい」と漠然とした思いを持って大人になったが、それが"女は子供を産むもの"という社会から刷り込みによるものか、はたまた生物本能なのか、そんなことはわからない。

中学校の保健の授業で女性妊娠についてざっくり学ぶのだが、そこで妊娠の適齢期や高齢出産による染色体異常などのリスクについて知り得た。

身体妊娠機能という一点にのフォーカスするなら、早く産む方がいいのだという意識をこのころから持つようになる。授業を人一倍真面目に聞き、そして自分と関連づけて反芻するタイプの生徒だった。

中学高校と成績は優秀で旧帝大に進学。新卒地元企業就職した。

職場は"産休育休が取りやすい"ことを売りにしていたのも大きなポイントとなった。この時点では産休取得は社会的にメジャーになっていた為、働きながら子育てすることにポジティブイメージを持っていた。

大学に6年通い、この時点で24歳。

私は産休育休3回取ったからね!と豪語していた女性の先輩をロールモデルに頑張ろうと働き始めた。

ママさん社員たちは時短勤務である。他の社員が早めに出勤して掃除をし、朝礼を済ませ、諸々の雑用を終わらせた頃にやってくる。そして一切の残業をせずに帰っていく。ロールモデル先輩はもう10年程この働き方を貫いていた。

子供がお熱ですと連絡があれば早退していくし、高確率で次の日も休む。運動会卒園式などイベント目白押しだった。

皺寄せは確実に他の社員にきていた。産休とりやすい!のカラクリは、他の社員の頑張りでしかなかったのだ。そこまでの実情は大学生の私には見抜けていなかった。

10年かけて先輩社員子供を産み育てている間に、中堅の先輩達は結婚適齢期にさしかかりながら、デートする間もなく残業の日々だった。

私は結婚もしたいし子供も産みたいが、他人犠牲の上に成り立つ"そっち側"にもなりたくないという思いがただひたすらに募った。

Twitter上では"他社員への負担会社側の問題であり、ママ社員問題ではない"という論調が目立つし、まあそうなんだけど、じゃあ実際問題どうすればいいのだろう。

常に余裕を持った人員配置をしたとて、穴を空けることにより少なくとも通常なら不要なはずの手間なり迷惑はかかるし、どうしても子供のいない人の方にばかり負担がいくことになる。

時間勤務でもパフォーマンスさえ良ければ問題ない職種もあるだろうが、早退や欠勤がモロに損失となりうる職種もある。(ママ社員だけ取り立てて有能でなければ生き残れないというのも不公平な話だけれど)

自分が休んだとて全く問題ないなら、それはそれで最初から必要なくないか?ただの給料泥棒じゃ...という思考にも陥った。

私の場合入社後すぐに海外出張ありきの新しいプロジェクトを任されており、子供を産むとなれば確実に継続は難しかった。

26歳のとき結婚の話が出たときに、私は潔く退社を決めた。(これは夫のある程度の収入ありきの話で、一般化できる話ではないが。)

子供はいつか欲しいと双方の合意はあったし、彼の勤務地に引越すに際して私が退社することも相談して決めた。

ここまでの文章で私がまるでキャリアに興味のない女に捉えられたかもしれないが、仕事は充実していたし本当に天職だと思えていた。かといって働く為に生きているタイプでもない。

パートナーを愛していたし、結婚して家族を作りたいという私の人生は優先するとして、確実に周囲に迷惑をかける前提で仕事を続けることが、性格上できなかったのである

時間は不可逆である。私はもう、あの教科書でみた25歳を超えていた。

結婚後は新しい土地で割とすぐに妊娠したのだが、つわりが人の倍重いタイプだった。ここで地獄を見ることになる。昼夜問わずに吐き続け、一切の水分も受け付けず、極度に痩せて入院となる。

病名は重症妊娠悪阻。食事が摂れないので点滴での栄養と水分補給となった。

そしてトラブル続きの出産となり、緊急帝王切開出産。息子はNICUに入ることとなる。

(現在特に問題なく元気に育っています。)

人よりは子育てへの解像度は高いという自負があったが、それでも初めての育児想像を絶した。

(というか、子育てで極限の状態に追いやられた時に自分がどれほどしんどいかなど完全に予想するのは不可能では?)

よく「わかってて産んだんだろ」という母親への辛辣コメントを見かけるが

文字通り"何があっても"自分は心身共に大丈夫だし、愚痴の一つもでないと誓える人間などいるのだろうか。

我が子はとにかく睡眠が下手で、そして食べない子であった

つわりが始まったこから、そして息子が朝まで寝るようになるまでの計4年半の間、私はたった一晩たりとも朝まで眠れたことがなかった。なんの誇張もしてない、事実であるシンプル寝不足。この一点だけでも育児はキツすぎた。

マミブレインとも呼ぶらしいが、自覚できるほどに頭が正しく働いていなかったし、この状態復職など私には無理だった。

睡眠食事、お風呂トイレなど生物として基本的欲求が満たされないので、高次のところに欲求いかなくなる

ものすごく下等な生物に成り下がった気分を日々味わう。

もう何回も擦られたフレーズだが、「社会から取り残されて子供自分だけの世界」で、なんの金銭も生み出さずゴミのような気持ちになったりもする。

身体的に辛い時間が長かったのもあり、第二子は4歳差になった。

そんなしんどいのに第二子作るんかい!?というお声が聞こえるけど

本当に私だって自分でそう思う。

でも子供達はどうしようもなく愛おしくて可愛くて間違いなく私の宝物なのだ

子育てが最高にしんどいのと、子供が最高に可愛いのは両立し得る。なんの後悔もない。

ただ、どういうところがいかに辛く大変なのかはいくらでも言語化してTwitterに垂れ流すことはできるが、どういうところがプラスなのかはこのくらいフワフワした言葉しか説明がつかない。

子供いらない派を引き込んでアピールできる材料は私にはない。

それくらい育児過酷であるし、女性妊娠出産に適した時期に結婚して子供を産み、無理なく安心して生きていける社会構造では全くない。

そして何より、産むことそのもの身体的負荷はどっちにしろ回避できない。

子供産むのサイコー!」とは絶対に言えない

耐えかねる人は絶対にいる

無理な人は絶対にいるし理解できるというのが私のお気持ちである

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