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はてなキーワード: 命名権とは

2015-07-11

国立競技場ネタで反対してるやつ見るとつまんねえなと思う。

コストとかについて、言ってることはまともなのは分かる。冷静なコンサルタントって感じがするよ。

でもさ、バカなこと言ったって良いじゃん!美しいからコスト高いけど作っちまおうぜ!って言っちゃダメなの?

増えたコストだって国家予算からすれば小さなもんだぜ?一戸建ていっぱい買えるから高いように見えるけど、所得税を1年間1%上げたら(1600億くらい)足りる程度だぜ?

結局そこまで言い切れるカリスマリーダーが居ないんだよね。小泉純一郎文科相五輪相やってたらマスコミが味方になってたんじゃないかと思う。

マスコミが味方になれば、例えばSPAとかで「コスト2倍!それでもイケてる競技場が欲しい!」みたいな記事が載る。経済誌では建造物がかっこいい場合とそうでない場合経済効果を試算するとか。それだけで世論の印象は変わってる。

まあそれでも、金は全然足りないわけだ。それならとりあえず考えようよ。

例えば命名権1000社に売るとか

まあ実際には売るというより寄付だけど

国立霞ヶ丘競技場(正式名称:NTTソフトバンクトヨタなんとかかんとか…競技場)みたいな感じで寄付の額順でつけるとかね。

世界一正式名称の長い競技場としてギネスブック話題にも宣伝にもなる。

そして寄付競争なのでバカみたいに金が集まる。ソシャゲと同じだね!

それで足りなけりゃ10万円以上出した個人の名前をお尻につけてくとかね。1万円なら頭文字だけとか。孫の名前を入れるおじいちゃん続出しそう。

現実的にはその正式名称は飾りなわけで、記念碑でも作っとけば十分。これだけでほぼノーリスクで金が集まる。

冗談みたいな話だけど、自分担当者なら提案するけどな。

とりあえず、役人無能を嘆くだけの無能ブコメは嫌いだ。

2015-04-04

DQNネーム違法判決が出たらしい

 自分の子に「あほ」や「ぷう」などのいわゆるキラキラネームをつけた両親らに対し、大阪府命名権の濫用であるとして改名命令処分をしたことに対し、両親らの弁護団である原告が府を相手取って大阪地裁行政処分取消訴訟を提起していた事件で、先月27日、大阪地裁は、請求を棄却する判決をしていたことが分かった。近年流行しているキラキラネームに関する判決が出たのはこれが初めて。

 大阪地裁第7民事部の田中健治裁判長は、判決理由で、「キラキラネームは単に幼稚な感情を表す音や形を漢字の印象や読音を借りて表現しているだけであることが社会通念上一見明白であり、しかもその内容も堕落淫靡の極で、我が国伝統の命名の仕方や内容を逸脱し、将来の我が社会においても容認されるものとはとうてい考え難く、命名権の濫用であることは明らか」と指摘、キラキラネームは命名法として社会的に許容されないと判断し、自分の子堕落淫靡な命名をする両親らを非難した。

 両親らの弁護人は、「判決内容を熟読して、控訴するかどうか決める」と述べている。

毎日新聞

2015-04-03

速報 キラキラネーム命名権の濫用 大阪地裁

両親数百名が子供に「アホ」や「ぷう」といういわゆるキラキラネーム

つけたことに対して、大阪府が両親らに対し命名権の濫用として改名

処分をしたことに対し、両親らが行政処分取消訴訟大阪地裁に起こ

していた事件で、大阪地裁は先月27日、両親らに対し、請求棄却判決

を言い渡していたことが分かった。近年流行しているキラキラネームに対

する行政改名命令処分に関する判決が出たのはこれが初めて。

 大阪地裁第7民事部の田中健治裁判長は、判決理由で、「キラキラネーム

は単に幼稚な感情を表す音や形を漢字を借りて表現しているだけのもの

あることが社会通念上一見明白であり、しかもその内容も堕落の極であり、

我が国伝統の命名の仕方を逸脱しており、将来の我が社会においても容認

されるとはとうてい考え難く、命名権の濫用であることは明らか」と指摘、

自分の子堕落淫靡な命名をする両親らを非難した。

両親らの弁護人は、「判決内容を熟読して、控訴するかどうか決める」と述べている。

ソース 産経新聞

キラキラネーム命名権の濫用」 大阪地裁

 数百名の両親が子供に「アホ」や「ぷう」といういわゆるキラキラネーム

をつけたことに対して、大阪府が両親に対して命名権の濫用として改名命令

処分をしたことに対し、両親らが大阪地裁行政処分取消訴訟を起こしていた

事件で、大阪地裁は先月27日、原告等に対し、請求棄却判決を言い渡した。

近年流行しているキラキラネームに対する行政改名命令処分に対する判決

出たのはこれが初めて。

 大阪地裁第7民事部の田中健治裁判官判決理由で「キラキラネームは単に幼

稚な音を漢字を借りて表現しているだけのもので、内容も堕落淫靡極致であり、

我が国伝統の命名法を逸脱しており、将来の我が社会においても容認されるとは考

え難く命名権の濫用であることは明らか」と指摘、自分の子堕落淫靡な命名をす

る両親らを非難した。

ソース 産経新聞

2015-03-30

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

主  文

 本件行政処分取消ノ訴ヲ棄却

理  由

 本件ハ近年俄カニ子供ニ名付ケラルルヤウニナッタ所謂キラキラネーム」ト呼称サルル諸種ノ名前ニ就テ行政官庁ヨリ之カ命名権ノ濫用トシ違法ナル故ニ改名ヲ命セラレシ事ニ対シテ之ヲ命セラレシ両親数百名カ当該行政処分ノ取消ヲ訴求スル事案ニシテ原告等ノ弁護人及ヒ処分庁ノ主張ハ左ノ如シ

 弁護人ハ親ニハ命名権アリテ本件諸種ノ命名ハ一部ノ物ヲ除外シテ別段公共ノ安寧ヲ害スル所モナク何等違法性ナシト云ヒ

 処分行政庁ハ本件諸種ノ命名ヲ具体的ニ列挙スルニ水子(みずこ) 野風平蔵重親(のかぜへ) 四駄霊(よだれ) 幻の銀侍(まぼろしのぎ) 精子(せいこ) 新一(こなん) 羽姫芽(わきが) 光宙(ぴかちゅう) 愛歩(あほ) 愛歩(らぶほ) 希空(のあ) 宝冠(てぃあら) 黄熊(ぷう) 孟沙孜(むさし) 三二一(みにー) ハム太郎(はむたろう) 麗音菜愛梨亜(れおなあ) 永久恋愛(えくれあ) 亘利翔(ぎりしゃ) 誠希千(せいきち) 甲子園(こうしえん) 在波(あるふぁ) ゆとり沙利菜愛利江留(さりな) ララ桜桃(ららさくらん) 愛保(らぶほ) 泡姫(ありえる) 美勇人(みゅうと) 六花(りっか) 雪愛(ゆあ) 正義(じゃすてぃす) 本気(まじ) 最愛(もあ) 大熊猫(ぱんだ) 紅多(べーた) 心結(みゆ) 心愛(ここあ) サラン(さらん) 菜七(ななな) 空詩(らら) 聖星夜(あだむ) 水子(みこ) 真剣祐(まっけんゆう) ぷもり連夏江(れげえ) 麗姫愛(まひめ) 波波波(さんば) 彩華(いろは) 陽葵(ひまり) 愛梨(まりん) しきみ花実(かさね) 俐亜武(りあむ) 澄海(すかい) 出誕(でるた) アロエ(あろえ) 頼音(らいおん) 珠丸(じゅまる) 希和(まな) 楽愛(らあ) 鈴愛(りあ) 琥珀(こはく) 天子(てんし) 桜花(さくら) 宇佐美(うさみ) 匠音(しょーん) 陽愛(ひなあ) 憧れ(あこがれ) 月(らいと) 愛桜(あいさ) 亜紅弥(あくび) ソフィア百花(そふぃあ) 水野(みずの) 姫涙(きるい) 櫻司(おうじ) 希苺(きいちご) 心夏(ここか) 伽羅(きゃら) 結弦(ゆづる)其他数千ニ上ル命名例カアルモ概シテ我国通例ノ命名例セハ男子ニ就テハ「章」「雄二郎」「治」「照義」「正太郎女子ニ就テハ「由美子」「理恵子」「良子」「沙織」「愛子」「桜」等ノ命名カ為サレ来ル所ナルモ本件ノ如キ命名ハ明ラカニ堕落淫靡ナル土着的聴覚視覚心象ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ名ツケタル上其実質即チ音形ニヨル聴覚視覚心象トシテモ善美ニアスシテ醜悪ナル物多ク我国ノ之迄ノ経緯ニ照ラセハ明白ナル異常現象逸脱事態ニシテ斯クノ如キ命名ノ流行ハ断シテ法カ臣民付与セシ子ニ対スル命名権機能ニアラス其ヲ超脱スルモノニシテ宜シク裁判所ハ当庁ノ処分ヲ追認スヘキト云ヒ

 依テ案スルニ処分庁カ列挙セシ所謂キラキラネームナル物ハ或ヒハ水子(みずこ)精子(せいこ)心結(みゆ)心愛(ここあ)水子(みこ)桜花(さくら)宇佐美(うさみ)櫻司(おうじ)心夏(ここか)結弦(ゆづる)等ニ就テハ命名トシテ有得ルト思惟サルルモ処分庁カ列挙セシ圧倒的多数ノ命名例ニ就テハ処分庁ノイフ如ク外観ノ如何ニ関ハラス其実質ニ於テハ我国土着ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ表現シタル物ナル上ニ其大半ニ就テ殆ト善美ナルモノナク堕落淫靡極致ヲ為シ例セハ野風平蔵重親(のかぜへ)ナルハ意味不明発狂的ナルモノニシテ四駄霊(よだれ)ハ妄語ノ極ナリ新一(こなん)ハ単ニアニメノ主人公ノ名ヲ結合セシメタルニ過キス羽姫芽(わきが)ハ自分ノ子ニ腋臭ワキガ)ナル名ヲ付ケントスル物ニシテ醜悪ノ極ナリ光宙(ぴかちゅう)ハ之モアニメ登場人物名ニ之ヲ類推シメ漢字ヲ強引ニ当テタル物愛歩(あほ)ハ之モ妄語ノ極ニシテ愛歩(らぶほ)ハ所謂ラブホテル」ノ短縮ラブホ漢字音読ミシタル堕落淫靡極致ナリ希空(のあ)ハ「ノア」タル音形ノ聴覚心象トシテハ醜悪ナリトハ云ヒ得サル痴呆的ニシテ採ルニ足ラス其他圧倒的多数例モ要スルニ我国土着ノ何等カノ堕落淫靡極致ヲ為シタル聴覚視覚心象ヲ基礎トシテ之ニ適当ノ音形ヲ形成セントシ其形成物ヲ漢字ノ印象ト読ヲ借リテ表現シタル迄ノ物ニシテ此種ノ命名法即チ言葉ニ土着ノ自我感情付与シメトシタル物ハ必スシモ我社会絶対ニ許容サレサル訳テハナク其内容ニヨリテハ漢字ノ印象及ヒ読ヲ借リテ特定ノ土着ノ心象ニヨリ自己ノ子ニ命名シ得ルト云フベケンモ命名例中我国ノ公共ノ安寧及ヒ臣民ノ慶福ニ適合シ採ルニ足ルト思惟サルルハ例セハ「柏市柏の葉」ニ優シキ感情ヲ込ムルトカ「まなめはうす」「こなつみかん」ノ様ニ情愛溢レル心象ヲ平仮名表現スルトイッタ様ナ極限定的ノ例ニ限ラレ凡ソ高度発展ヲ遂ケタル我国社会ニ於ヒテ容ルルヘキヨウナキラキラネームノ例ハ十中八九モナク大半ハ堕落淫靡ニシテ公共ノ安寧ヲ紊シ且ツ歴史的形成サレ来タル臣民ノ慶福ヲ害スル所大ニシテ斯様ナル命名権行使ハ其外観ノ如何ニ関ハラ命名権トシテ許容サル機能ヲ超脱スルモノニシテ権利ノ濫用ニ他ナラス拠テ処分庁ノ為シタ原告等ニ対スル改名命令処分適当ニシテ何等違法性アルコトナシ

 依テ行政事件訴訟法相当法条ニ則リ主文ノ如ク判決

明治元年三月二十九日 東京地方裁判所第三民事部

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

主  文

 本件行政処分取消ノ訴ヲ棄却

理  由

 本件ハ近年俄カニ子供ニ名付ケラルルヤウニナッタ所謂キラキラネーム」ト呼称サルル諸種ノ名前ニ就テ行政官庁ヨリ之カ命名権ノ濫用トシ違法ナル故ニ改名ヲ命セラレシ事ニ対シテ之ヲ命セラレシ両親数百名カ当該行政処分ノ取消ヲ訴求スル事案ニシテ原告等ノ弁護人及ヒ処分庁ノ主張ハ左ノ如シ

 弁護人ハ親ニハ命名権アリテ本件諸種ノ命名ハ一部ノ物ヲ除外シテ別段公共ノ安寧ヲ害スル所モナク何等違法性ナシト云ヒ

 処分行政庁ハ本件諸種ノ命名ヲ具体的ニ列挙スルニ水子(みずこ) 野風平蔵重親(のかぜへ) 四駄霊(よだれ) 幻の銀侍(まぼろしのぎ) 精子(せいこ) 新一(こなん) 羽姫芽(わきが) 光宙(ぴかちゅう) 愛歩(あほ) 愛歩(らぶほ) 希空(のあ) 宝冠(てぃあら) 黄熊(ぷう) 孟沙孜(むさし) 三二一(みにー) ハム太郎(はむたろう) 麗音菜愛梨亜(れおなあ) 永久恋愛(えくれあ) 亘利翔(ぎりしゃ) 誠希千(せいきち) 甲子園(こうしえん) 在波(あるふぁ) ゆとり沙利菜愛利江留(さりな) ララ桜桃(ららさくらん) 愛保(らぶほ) 泡姫(ありえる) 美勇人(みゅうと) 六花(りっか) 雪愛(ゆあ) 正義(じゃすてぃす) 本気(まじ) 最愛(もあ) 大熊猫(ぱんだ) 紅多(べーた) 心結(みゆ) 心愛(ここあ) サラン(さらん) 菜七(ななな) 空詩(らら) 聖星夜(あだむ) 水子(みこ) 真剣祐(まっけんゆう) ぷもり連夏江(れげえ) 麗姫愛(まひめ) 波波波(さんば) 彩華(いろは) 陽葵(ひまり) 愛梨(まりん) しきみ花実(かさね) 俐亜武(りあむ) 澄海(すかい) 出誕(でるた) アロエ(あろえ) 頼音(らいおん) 珠丸(じゅまる) 希和(まな) 楽愛(らあ) 鈴愛(りあ) 琥珀(こはく) 天子(てんし) 桜花(さくら) 宇佐美(うさみ) 匠音(しょーん) 陽愛(ひなあ) 憧れ(あこがれ) 月(らいと) 愛桜(あいさ) 亜紅弥(あくび) ソフィア百花(そふぃあ) 水野(みずの) 姫涙(きるい) 櫻司(おうじ) 希苺(きいちご) 心夏(ここか) 伽羅(きゃら) 結弦(ゆづる)其他数千ニ上ル命名例カアルモ概シテ我国通例ノ命名例セハ男子ニ就テハ「章」「雄二郎」「治」「照義」「正太郎女子ニ就テハ「由美子」「理恵子」「良子」「沙織」「愛子」「桜」等ノ命名カ為サレ来ル所ナルモ本件ノ如キ命名ハ明ラカニ堕落淫靡ナル土着的聴覚視覚心象ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ名ツケタル上其実質即チ音形ニヨル聴覚視覚心象トシテモ善美ニアスシテ醜悪ナル物多ク我国ノ之迄ノ経緯ニ照ラセハ明白ナル異常現象逸脱事態ニシテ斯クノ如キ命名ノ流行ハ断シテ法カ臣民付与セシ子ニ対スル命名権機能ニアラス其ヲ超脱スルモノニシテ宜シク裁判所ハ当庁ノ処分ヲ追認スヘキト云ヒ

 依テ案スルニ処分庁カ列挙セシ所謂キラキラネームナル物ハ或ヒハ水子(みずこ)精子(せいこ)心結(みゆ)心愛(ここあ)水子(みこ)桜花(さくら)宇佐美(うさみ)櫻司(おうじ)心夏(ここか)結弦(ゆづる)等ニ就テハ命名トシテ有得ルト思惟サルルモ処分庁カ列挙セシ圧倒的多数ノ命名例ニ就テハ処分庁ノイフ如ク外観ノ如何ニ関ハラス其実質ニ於テハ我国土着ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ表現シタル物ナル上ニ其大半ニ就テ殆ト善美ナルモノナク堕落淫靡極致ヲ為シ例セハ野風平蔵重親(のかぜへ)ナルハ意味不明発狂的ナルモノニシテ四駄霊(よだれ)ハ妄語ノ極ナリ新一(こなん)ハ単ニアニメノ主人公ノ名ヲ結合セシメタルニ過キス羽姫芽(わきが)ハ自分ノ子ニ腋臭ワキガ)ナル名ヲ付ケントスル物ニシテ醜悪ノ極ナリ光宙(ぴかちゅう)ハ之モアニメ登場人物名ニ之ヲ類推シメ漢字ヲ強引ニ当テタル物愛歩(あほ)ハ之モ妄語ノ極ニシテ愛歩(らぶほ)ハ所謂ラブホテル」ノ短縮ラブホ漢字音読ミシタル堕落淫靡極致ナリ希空(のあ)ハ「ノア」タル音形ノ聴覚心象トシテハ醜悪ナリトハ云ヒ得サル痴呆的ニシテ採ルニ足ラス其他圧倒的多数例モ要スルニ我国土着ノ何等カノ堕落淫靡極致ヲ為シタル聴覚視覚心象ヲ基礎トシテ之ニ適当ノ音形ヲ形成セントシ其形成物ヲ漢字ノ印象ト読ヲ借リテ表現シタル迄ノ物ニシテ此種ノ命名法即チ言葉ニ土着ノ自我感情付与シメトシタル物ハ必スシモ我社会絶対ニ許容サレサル訳テハナク其内容ニヨリテハ漢字ノ印象及ヒ読ヲ借リテ特定ノ土着ノ心象ニヨリ自己ノ子ニ命名シ得ルト云フベケンモ命名例中我国ノ公共ノ安寧及ヒ臣民ノ慶福ニ適合シ採ルニ足ルト思惟サルルハ例セハ「柏市柏の葉」ニ優シキ感情ヲ込ムルトカ「まなめはうす」「こなつみかん」ノ様ニ情愛溢レル心象ヲ平仮名表現スルトイッタ様ナ極限定的ノ例ニ限ラレ凡ソ高度発展ヲ遂ケタル我国社会ニ於ヒテ容ルルヘキヨウナキラキラネームノ例ハ十中八九モナク大半ハ堕落淫靡ニシテ公共ノ安寧ヲ紊シ且ツ歴史的形成サレ来タル臣民ノ慶福ヲ害スル所大ニシテ斯様ナル命名権行使ハ其外観ノ如何ニ関ハラ命名権トシテ許容サル機能ヲ超脱スルモノニシテ権利ノ濫用ニ他ナラス拠テ処分庁ノ為シタ原告等ニ対スル改名命令処分適当ニシテ何等違法性アルコトナシ

 依テ行政事件訴訟法相当法条ニ則リ主文ノ如ク判決

明治元年三月二十九日 東京地方裁判所第三民事部

キラキラネーム命名権の濫用

キラキラネームの名づけ方は社会通念上明らかに社会安寧を紊乱し命名権の濫用であって法はこれを認容できないということ。

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

主  文

 本件行政処分取消ノ訴ヲ棄却

理  由

 本件ハ近年俄カニ子供ニ名付ケラルルヤウニナッタ所謂キラキラネーム」ト呼称サルル諸種ノ名前ニ就テ行政官庁ヨリ之カ命名権ノ濫用トシ違法ナル故ニ改名ヲ命セラレシ事ニ対シテ之ヲ命セラレシ両親数百名カ当該行政処分ノ取消ヲ訴求スル事案ニシテ原告等ノ弁護人及ヒ処分庁ノ主張ハ左ノ如シ

 弁護人ハ親ニハ命名権アリテ本件諸種ノ命名ハ一部ノ物ヲ除外シテ別段公共ノ安寧ヲ害スル所モナク何等違法性ナシト云ヒ

 処分行政庁ハ本件諸種ノ命名ヲ具体的ニ列挙スルニ水子(みずこ) 野風平蔵重親(のかぜへ) 四駄霊(よだれ) 幻の銀侍(まぼろしのぎ) 精子(せいこ) 新一(こなん) 羽姫芽(わきが) 光宙(ぴかちゅう) 愛歩(あほ) 愛歩(らぶほ) 希空(のあ) 宝冠(てぃあら) 黄熊(ぷう) 孟沙孜(むさし) 三二一(みにー) ハム太郎(はむたろう) 麗音菜愛梨亜(れおなあ) 永久恋愛(えくれあ) 亘利翔(ぎりしゃ) 誠希千(せいきち) 甲子園(こうしえん) 在波(あるふぁ) ゆとり沙利菜愛利江留(さりな) ララ桜桃(ららさくらん) 愛保(らぶほ) 泡姫(ありえる) 美勇人(みゅうと) 六花(りっか) 雪愛(ゆあ) 正義(じゃすてぃす) 本気(まじ) 最愛(もあ) 大熊猫(ぱんだ) 紅多(べーた) 心結(みゆ) 心愛(ここあ) サラン(さらん) 菜七(ななな) 空詩(らら) 聖星夜(あだむ) 水子(みこ) 真剣祐(まっけんゆう) ぷもり連夏江(れげえ) 麗姫愛(まひめ) 波波波(さんば) 彩華(いろは) 陽葵(ひまり) 愛梨(まりん) しきみ花実(かさね) 俐亜武(りあむ) 澄海(すかい) 出誕(でるた) アロエ(あろえ) 頼音(らいおん) 珠丸(じゅまる) 希和(まな) 楽愛(らあ) 鈴愛(りあ) 琥珀(こはく) 天子(てんし) 桜花(さくら) 宇佐美(うさみ) 匠音(しょーん) 陽愛(ひなあ) 憧れ(あこがれ) 月(らいと) 愛桜(あいさ) 亜紅弥(あくび) ソフィア百花(そふぃあ) 水野(みずの) 姫涙(きるい) 櫻司(おうじ) 希苺(きいちご) 心夏(ここか) 伽羅(きゃら) 結弦(ゆづる)其他数千ニ上ル命名例カアルモ概シテ我国通例ノ命名例セハ男子ニ就テハ「章」「雄二郎」「治」「照義」「正太郎女子ニ就テハ「由美子」「理恵子」「良子」「沙織」「愛子」「桜」等ノ命名カ為サレ来ル所ナルモ本件ノ如キ命名ハ明ラカニ堕落淫靡ナル土着的聴覚視覚心象ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ名ツケタル上其実質即チ音形ニヨル聴覚視覚心象トシテモ善美ニアスシテ醜悪ナル物多ク我国ノ之迄ノ経緯ニ照ラセハ明白ナル異常現象逸脱事態ニシテ斯クノ如キ命名ノ流行ハ断シテ法カ臣民付与セシ子ニ対スル命名権機能ニアラス其ヲ超脱スルモノニシテ宜シク裁判所ハ当庁ノ処分ヲ追認スヘキト云ヒ

 依テ案スルニ処分庁カ列挙セシ所謂キラキラネームナル物ハ或ヒハ水子(みずこ)精子(せいこ)心結(みゆ)心愛(ここあ)水子(みこ)桜花(さくら)宇佐美(うさみ)櫻司(おうじ)心夏(ここか)結弦(ゆづる)等ニ就テハ命名トシテ有得ルト思惟サルルモ処分庁カ列挙セシ圧倒的多数ノ命名例ニ就テハ処分庁ノイフ如ク外観ノ如何ニ関ハラス其実質ニ於テハ我国土着ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ表現シタル物ナル上ニ其大半ニ就テ殆ト善美ナルモノナク堕落淫靡極致ヲ為シ例セハ野風平蔵重親(のかぜへ)ナルハ意味不明発狂的ナルモノニシテ四駄霊(よだれ)ハ妄語ノ極ナリ新一(こなん)ハ単ニアニメノ主人公ノ名ヲ結合セシメタルニ過キス羽姫芽(わきが)ハ自分ノ子ニ腋臭ワキガ)ナル名ヲ付ケントスル物ニシテ醜悪ノ極ナリ光宙(ぴかちゅう)ハ之モアニメ登場人物名ニ之ヲ類推シメ漢字ヲ強引ニ当テタル物愛歩(あほ)ハ之モ妄語ノ極ニシテ愛歩(らぶほ)ハ所謂ラブホテル」ノ短縮ラブホ漢字音読ミシタル堕落淫靡極致ナリ希空(のあ)ハ「ノア」タル音形ノ聴覚心象トシテハ醜悪ナリトハ云ヒ得サル痴呆的ニシテ採ルニ足ラス其他圧倒的多数例モ要スルニ我国土着ノ何等カノ堕落淫靡極致ヲ為シタル聴覚視覚心象ヲ基礎トシテ之ニ適当ノ音形ヲ形成セントシ其形成物ヲ漢字ノ印象ト読ヲ借リテ表現シタル迄ノ物ニシテ此種ノ命名法即チ言葉ニ土着ノ自我感情付与シメトシタル物ハ必スシモ我社会絶対ニ許容サレサル訳テハナク其内容ニヨリテハ漢字ノ印象及ヒ読ヲ借リテ特定ノ土着ノ心象ニヨリ自己ノ子ニ命名シ得ルト云フベケンモ命名例中我国ノ公共ノ安寧及ヒ臣民ノ慶福ニ適合シ採ルニ足ルト思惟サルルハ例セハ「柏市柏の葉」ニ優シキ感情ヲ込ムルトカ「まなめはうす」「こなつみかん」ノ様ニ情愛溢レル心象ヲ平仮名表現スルトイッタ様ナ極限定的ノ例ニ限ラレ凡ソ高度発展ヲ遂ケタル我国社会ニ於ヒテ容ルルヘキヨウナキラキラネームノ例ハ十中八九モナク大半ハ堕落淫靡ニシテ公共ノ安寧ヲ紊シ且ツ歴史的形成サレ来タル臣民ノ慶福ヲ害スル所大ニシテ斯様ナル命名権行使ハ其外観ノ如何ニ関ハラ命名権トシテ許容サル機能ヲ超脱スルモノニシテ権利ノ濫用ニ他ナラス拠テ処分庁ノ為シタ原告等ニ対スル改名命令処分適当ニシテ何等違法性アルコトナシ

 依テ行政事件訴訟法相当法条ニ則リ主文ノ如ク判決

明治元年三月二十九日 東京地方裁判所第三民事部

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

明治元年三月二十九日東地方裁判所判決刑集1巻23頁キラキラネーム事件

主  文

 本件行政処分取消ノ訴ヲ棄却

理  由

 本件ハ近年俄カニ子供ニ名付ケラルルヤウニナッタ所謂キラキラネーム」ト呼称サルル諸種ノ名前ニ就テ行政官庁ヨリ之カ命名権ノ濫用トシ違法ナル故ニ改名ヲ命セラレシ事ニ対シテ之ヲ命セラレシ両親数百名カ当該行政処分ノ取消ヲ訴求スル事案ニシテ原告等ノ弁護人及ヒ処分庁ノ主張ハ左ノ如シ

 弁護人ハ親ニハ命名権アリテ本件諸種ノ命名ハ一部ノ物ヲ除外シテ別段公共ノ安寧ヲ害スル所モナク何等違法性ナシト云ヒ

 処分行政庁ハ本件諸種ノ命名ヲ具体的ニ列挙スルニ水子(みずこ) 野風平蔵重親(のかぜへ) 四駄霊(よだれ) 幻の銀侍(まぼろしのぎ) 精子(せいこ) 新一(こなん) 羽姫芽(わきが) 光宙(ぴかちゅう) 愛歩(あほ) 愛歩(らぶほ) 希空(のあ) 宝冠(てぃあら) 黄熊(ぷう) 孟沙孜(むさし) 三二一(みにー) ハム太郎(はむたろう) 麗音菜愛梨亜(れおなあ) 永久恋愛(えくれあ) 亘利翔(ぎりしゃ) 誠希千(せいきち) 甲子園(こうしえん) 在波(あるふぁ) ゆとり沙利菜愛利江留(さりな) ララ桜桃(ららさくらん) 愛保(らぶほ) 泡姫(ありえる) 美勇人(みゅうと) 六花(りっか) 雪愛(ゆあ) 正義(じゃすてぃす) 本気(まじ) 最愛(もあ) 大熊猫(ぱんだ) 紅多(べーた) 心結(みゆ) 心愛(ここあ) サラン(さらん) 菜七(ななな) 空詩(らら) 聖星夜(あだむ) 水子(みこ) 真剣祐(まっけんゆう) ぷもり連夏江(れげえ) 麗姫愛(まひめ) 波波波(さんば) 彩華(いろは) 陽葵(ひまり) 愛梨(まりん) しきみ花実(かさね) 俐亜武(りあむ) 澄海(すかい) 出誕(でるた) アロエ(あろえ) 頼音(らいおん) 珠丸(じゅまる) 希和(まな) 楽愛(らあ) 鈴愛(りあ) 琥珀(こはく) 天子(てんし) 桜花(さくら) 宇佐美(うさみ) 匠音(しょーん) 陽愛(ひなあ) 憧れ(あこがれ) 月(らいと) 愛桜(あいさ) 亜紅弥(あくび) ソフィア百花(そふぃあ) 水野(みずの) 姫涙(きるい) 櫻司(おうじ) 希苺(きいちご) 心夏(ここか) 伽羅(きゃら) 結弦(ゆづる)其他数千ニ上ル命名例カアルモ概シテ我国通例ノ命名例セハ男子ニ就テハ「章」「雄二郎」「治」「照義」「正太郎女子ニ就テハ「由美子」「理恵子」「良子」「沙織」「愛子」「桜」等ノ命名カ為サレ来ル所ナルモ本件ノ如キ命名ハ明ラカニ堕落淫靡ナル土着的聴覚視覚心象ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ名ツケタル上其実質即チ音形ニヨル聴覚視覚心象トシテモ善美ニアスシテ醜悪ナル物多ク我国ノ之迄ノ経緯ニ照ラセハ明白ナル異常現象逸脱事態ニシテ斯クノ如キ命名ノ流行ハ断シテ法カ臣民付与セシ子ニ対スル命名権機能ニアラス其ヲ超脱スルモノニシテ宜シク裁判所ハ当庁ノ処分ヲ追認スヘキト云ヒ

 依テ案スルニ処分庁カ列挙セシ所謂キラキラネームナル物ハ或ヒハ水子(みずこ)精子(せいこ)心結(みゆ)心愛(ここあ)水子(みこ)桜花(さくら)宇佐美(うさみ)櫻司(おうじ)心夏(ここか)結弦(ゆづる)等ニ就テハ命名トシテ有得ルト思惟サルルモ処分庁カ列挙セシ圧倒的多数ノ命名例ニ就テハ処分庁ノイフ如ク外観ノ如何ニ関ハラス其実質ニ於テハ我国土着ノ音形ヲ漢字ノ読ミヲ借リテ表現シタル物ナル上ニ其大半ニ就テ殆ト善美ナルモノナク堕落淫靡極致ヲ為シ例セハ野風平蔵重親(のかぜへ)ナルハ意味不明発狂的ナルモノニシテ四駄霊(よだれ)ハ妄語ノ極ナリ新一(こなん)ハ単ニアニメノ主人公ノ名ヲ結合セシメタルニ過キス羽姫芽(わきが)ハ自分ノ子ニ腋臭ワキガ)ナル名ヲ付ケントスル物ニシテ醜悪ノ極ナリ光宙(ぴかちゅう)ハ之モアニメ登場人物名ニ之ヲ類推シメ漢字ヲ強引ニ当テタル物愛歩(あほ)ハ之モ妄語ノ極ニシテ愛歩(らぶほ)ハ所謂ラブホテル」ノ短縮ラブホ漢字音読ミシタル堕落淫靡極致ナリ希空(のあ)ハ「ノア」タル音形ノ聴覚心象トシテハ醜悪ナリトハ云ヒ得サル痴呆的ニシテ採ルニ足ラス其他圧倒的多数例モ要スルニ我国土着ノ何等カノ堕落淫靡極致ヲ為シタル聴覚視覚心象ヲ基礎トシテ之ニ適当ノ音形ヲ形成セントシ其形成物ヲ漢字ノ印象ト読ヲ借リテ表現シタル迄ノ物ニシテ此種ノ命名法即チ言葉ニ土着ノ自我感情付与シメトシタル物ハ必スシモ我社会絶対ニ許容サレサル訳テハナク其内容ニヨリテハ漢字ノ印象及ヒ読ヲ借リテ特定ノ土着ノ心象ニヨリ自己ノ子ニ命名シ得ルト云フベケンモ命名例中我国ノ公共ノ安寧及ヒ臣民ノ慶福ニ適合シ採ルニ足ルト思惟サルルハ例セハ「柏市柏の葉」ニ優シキ感情ヲ込ムルトカ「まなめはうす」「こなつみかん」ノ様ニ情愛溢レル心象ヲ平仮名表現スルトイッタ様ナ極限定的ノ例ニ限ラレ凡ソ高度発展ヲ遂ケタル我国社会ニ於ヒテ容ルルヘキヨウナキラキラネームノ例ハ十中八九モナク大半ハ堕落淫靡ニシテ公共ノ安寧ヲ紊シ且ツ歴史的形成サレ来タル臣民ノ慶福ヲ害スル所大ニシテ斯様ナル命名権行使ハ其外観ノ如何ニ関ハラ命名権トシテ許容サル機能ヲ超脱スルモノニシテ権利ノ濫用ニ他ナラス拠テ処分庁ノ為シタ原告等ニ対スル改名命令処分適当ニシテ何等違法性アルコトナシ

 依テ行政事件訴訟法相当法条ニ則リ主文ノ如ク判決

明治元年三月二十九日 東京地方裁判所第三民事部

2009-11-03

人の名前に用いることのできる漢字、の件

玻南ちゃんダメ?…名前受理されず、最高裁へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091101-OYT1T01018.htm

ルールルールだから教 - good2nd

http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20091103/1257210744

ブクマで盛り上がっていたので気になって調べてみたら、知らなかったことが色々と。ブクマでも一部書いたのですが、せっかくなのでこちらに書いておくことに。個人的には色々思うところはあり、id:good2ndさんの言いたいことも分かるものの、「ルールルールだから教」という切り口では火に油を注ぐところもあると思ったので、事実関係を中心に(…と思っていたら、最後にぐだぐだ書いてしまった)。

そもそも子の名前に使用することができるルールはどのようなものなのか。

子の名前に使用することのできるルールとして出発点になるのが戸籍法第50条で、これは以下の通り。

第五十条  子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。

○2  常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。


この規定をうけて、使用できる漢字が限定的に列挙されているとのはご存じの通り。これを読むと、それ以外の漢字人名に用いることは不可能であるように思われるし、実務上もそれ以外の漢字を用いても受理されません。したがって、このルールが例外のないルールのように読めるのですが、それがそうでもないらしい。

今回の事件は、最近多様な名前がつけられるようになってきて生じてきた問題なのかとおもいきや、以前からこの手の問題はあったということが分かります。ちらっと調べた限りでリーディングケースっぽかったのは、東京家裁昭和48年11月30日審判(家庭裁判月報26巻5号102頁)で、「悠」という命名が問題となった事件(なお、悠の字はのちに人名用漢字に追加、現在では常用漢字)。

若干長めに引用しますが、この審判では「家庭裁判所の判断によって表外漢字名前に使うことが認められる余地がある」との判断を行い、結論としては悠の字の使用を認めています。

 そもそも当用漢字表なるものは、これを定めた昭和一年内閣告示三二号が、その「まえがき」に示すように、「今日国民生活の上で、漢字の制限があまり無理がなく行なわれることをめやすとして選んだもの」であつて、現代国語を平易に書きあらわすための基準を示すものであり、人名用漢字別表も同様の趣旨で当用漢字表に追加されたものである。もとより戸籍法五〇条によつて委任された同法施行規則六〇条が、子の名に用いるべき漢字を当用漢字および人名用漢字に制限したのは、わが国の国語政策に即応した妥当な処置であつて、戸籍事務担当者裁量によつては表外漢字を子の名に用いた出生届の受理を認めないものとする実務の取扱いも正当である。しかしながら当用漢字表制定の趣旨は前示のとおりであり、表外漢字を一切使用禁止とするような強力なものではないし、戸籍法五〇条の趣旨も、同法が戸籍事件について市町村長の処分につき家庭裁判所に不服の申立をすることを認めていることからみて、個々の場合に、家庭裁判所の判断により、表外漢字を子の名に用いた出生届の受理をも、実情に即して認容する余地を残したものと解するのが相当である。現に、実務においては襲名等による名の変更許可の場合は、表外漢字の使用が認められる取扱いである(昭和二四年一一月一五日民事甲第二六六六号回答)。


そして、より最近では「琉」の字が問題となった、那覇家裁平成9年11月18日審判(家庭裁判月報50巻3号46頁)があり、ここでも上記の判断が踏襲され、

規則60条が限定列挙であっても、家庭裁判所に限っては事後的な個別判断を否定する趣旨ではないと解するべきである。

という判断の下に、琉の字の使用を認める判断がされています(なお、琉の字も現在では人名に用いることができる)。

というわけで、子の名に用いることのできる漢字ルールは、基本的には戸籍法第50条のルールでなのですが、それ以外の漢字を用いる余地が全くないわけではない。家庭裁判所の判断で認められる場合もあり、それで認められた例もある。そして、今回の件では、家庭裁判所で認められなかったので、高裁最高裁の判断を求めた、という話です。ようするに「使える漢字が限定列挙されているので、例外など認められる余地がなさそうに見えるが、必ずしもそうではない」というのが一点目。

氏名未定の出生届?

ブコメで問題視する人が多かったのは、親のエゴで無戸籍という重大な不利益を来していることをどう考えるのか?という点。id:good2ndさんはそりゃ親のせいではないだろう、というご意見。この点は、子の命名権を、どのように法的に構成するか(親の権利と考えるか、子の権利を代理しているものと考えるか)など、いろいろあると思うものの、以上の家裁の審判例をみていて気づいたこととして、<いずれの事件でも出生届自体は提出されている>という点は、事実としてあるようです。

「悠」の字に関する事件では、

申立人は、やむなく「名未定」として出生届出をしたが、「悠」という字は、「悠遠」、「悠長」、「悠然」、「悠々自適」等、日常的な単語に多く用いられ、読み方も一般的なものであつて、人名にこの文字を用いることは、生活能率および個人の幸福に何ら支障はない筈であり、同区長の不受理処分は不当である。

という記載が判断中にあり、また「琉」の字に関する事件でも、名前未定として出生届が提出され、戸籍の記載がなされた旨の記述があります。さらに、氏名欄の名の部分を空欄として住民票が作成されていたものの、海外渡航の必要が生じて旅券の申請をしたところ、受理されないという事態が生じていたことが、問題となった理由の一つであったらしい。

実務上も、子の名の欄は空白でも受理するという取り扱いであることは、各自治体戸籍担当ウェブサイトなどでも確認できます。一般的には、子の名前をまだ考え中であるという場合が多いのでしょう。今回の件では、どういう経緯で無戸籍のままになってしまったかは短い新聞記事からは分からないのですが(「しようこ」のような事例もあるので、現場想像つきません)、法的に争っている間に、一方的に不利益を被ることを避ける方法は、一応ある模様。

めんどくさい親、なのか?

事実関係を中心に、と書いたものの最後に少しだけ。id:good2ndさんの矛先は「子が無戸籍状態になってしまっているのを「親の我侭のせい」というその発想」に向かっていますが、より広く言えば「なんかめんどくさい親!」という感覚意見に向けられたものなのでしょう。

id:Gakkuri-Kanabun_09 裁判制度変更等様々なコストとかけてまで変える価値は無いと考える人間が結構いるんだろ。お上ではなく我々の社会が譲歩するという意識があるのかも。クラス会で変な提案する奴うざいみたいな?

的な。

そもそも名前に用いることのできる字が制限されているのは、名前社会で用いるものである点に由来する(戸籍実務においては、一般人には想像つかないほど色々めんどくさいことがあるのは承知しています)ということのようですが、他方で名前というものは(漢字表意文字なので、その表記も含めて)、個人のアイデンティティの中核的な構成要素の一つであるということも言えるように思います。

ブクマでもありましたが、そう考えると、

id:zyugem 名付けというきわめて私的で個人的な領域に,公が制限をかける制度自体が間違っている。

という考え方は当然あり得ると思いますし、(書いていたら当初の想定より遙かに長くなってしまったので引用しませんが)「琉」の字に関する事件では、憲法上の問題としていくつかの主張が整然となされています(憲法上の主張はすべて退けられ、「琉」の字の問題として認容されましたが)。

私自身にはこの件について思い入れがあるわけではなく、子の名前はおよそ何も考えることなく、用いることのできる範囲から選んで名前をつけてしまうと思うのですが、

id:hit-and-run なんでここまでして「玻」にこだわるか他人には理解できない。でも他人には理解できないからってそれを求める自由がないなんてことがあるか!

というコメントが批判するように、「制限を緩和すると自分社会に問題が生じるから」というのではなく、既存の枠組みに対して自分には価値のないことを主張すること自体を門前払いの対象とするようなコメントが多かったことには、驚き、若干の危惧を覚えました。「悠」や「琉」が認容されるに至った判断で考慮されていた事情をみると、今回の「玻」は微妙なところな感じもしますし、制度論としては、ただちに、「自由に名前をつけるという人格利益重要だから制限をすべて撤廃しよう!」という話にはならないと思いますが、そうした考慮とは次元がかなり違うようでしたので。

また、

id:buyobuyo No!といってくれるこういう人がいなければ悪法や悪慣習や悪環境がそのままになるのがこの国なんだよ。こういう人の努力フリーライドしているくせに、こういう人を叩く奴は…

という指摘のように、声を上げることはみんなのためになっている、という点もあるのだと思います。こういう人がいなければそのままになるのは、この国に限ったことではなく、そういう風にできているのではないかと。特に名前に「悠」の字がついている人などは、そのあたりのことをどう考えるでしょうか。

2009-10-05

選択的夫婦別姓名前を巡る問題

少しでもマシになるという意味で、選択的夫婦別姓には賛成だけれども、

名前を巡る問題に関してはあまりにも小さな一歩だなと思う。

問題は次の2つのようなもの。



一つ目は、自身に命名権名前変更権がないということ。

現行制度では、親と結婚相手によって、名前が決められてしまう。

親や結婚相手と同一の苗字が強制されることは、プライバシーの問題にもつながる。


二つ目は、名前の構成の問題。

苗字 名前」という構成以外は許されていない。

名前 苗字」や、「名前ドルネーム 苗字」や、「苗字1 苗字2 名前」といったものは認められていない。

選択的夫婦別姓になっても、結婚の際に、二人の苗字を残す(苗字1 苗字2 名前)ということはできない。

また、外国人帰化した場合などは、カナ/かな化するか、漢字化しなければならない。

名前苗字の並びも、「苗字 名前」の順にしなければならなくなっている。

2009-03-11

なんとか基金による救済政策

フィリピンの件でふと考えた。

国家による登録管理制で個人救済の基金を作ればウケるんじゃないだろうか。

たとえば「自身も働けない上に病気の母の介護で大変な生活保護を受けているAさん」を対象募金を募る「Aさん基金」を登録。

募金に対して控除などを設けるとかなんとかしとけば税金逃れも可能でうはうは。

あいうえお順に並べれば五十音の前のほうの人ほどお金が集まる素敵システム

新興宗教や悪徳業者の募金詐欺にも合わず、あなたのお金善意に使えます。

そして基金管理者には年に一回、星の命名権を買う権利が送られるのです。

ね。素敵でしょう?

2009-01-31

家族制度問題点についてのメモ

結婚制度問題点

  • 同性であれば結婚できない
  • 複数の相手と結婚できない(Aさん-Bさん間、Aさん-Cさん間の両方)
  • 複数人での結婚ができない(Aさん-Bさん-Cさん間での結婚など)

ここで、結婚の意義、本質家族契約的なものであるとする。(子の養育に関しては別の制度で考えればいい)

そうすると、同性カップルが排除されるのはおかしいし、複数の相手と家族契約できてもいいはずだ。

親子関係の解除や改名

親子関係は子の希望により解除可能であるべきだ。

(親に関しては自ら子を作ることを選んでいるわけであり、責任が伴うという理由が考えられる。親が子への責任を負うべきかどうかという問題もあるが)

また、子(つまりすべての人は)は苗字を含む名前の変更権を持つべきだ。

子は自分名前を予め決定することはできず、

自身への命名権利を与えるだけでそれが可能となる。(もっともむやみな変更は避ける必要がある)

2008-05-05

パンダ

上野駅の出口にガラスケース入りジャイアントパンダの置物があるし、どうでもええんですけど。

ほんとに見たかったら、中国に行けばいいだけですし。狭い檻に閉じ込めておくほうがひどい話ではないのかな。

日本に初めてのパンダがやって来た3年後の1975年から、上野公園内で 「パンダ焼」を売り続けてきた「桜木亭」。50歳代の女性店員は「頭に来ました。 みんなに愛されてきたパンダなのに、都のトップがなぜそんなことを言うのか」と、KY発言に怒った。

ただの便乗商売してて、それはないだろう。命名権とかでお金払ってるならともかく。

ま、どうでもいいんですが。

2007-03-06

http://anond.hatelabo.jp/20070306080538

登大遊を見習って在学中にベンチャーつくっとけ

ってわけにもいかないのか(基礎系は)?

自分で自分のつぶしの利かないヤツラは

食わせる方も困ってます・・・

そういえば理研がとうとう元素命名権ゲットしてたなー

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