きつめのきれいな人がいて。
目を合わせたらスキになってしまいそうで。目を合わせなくて、スルーしていたら。
あああああ。終わったー。
そうだよね。。相手にならなかったら、からかいがいもないよね。
忙しいよね。
挨拶ぐらいすれば、良かったな。
「後、1万円で本○、出来るよ」
100kgのフクヨかな方に耳元で呟かれた。。
どうしよう...。財布には、一月の家賃を払えるぐらいのお金は入れてきたけど。
実際、こんな所で、風俗童貞?を捨ててもいいのかと、思ってしまった。
『うん、払う』
(払うと言い、財布からお札を出した。途端にふんだくるように立ち上がり、カーテンを払い奥に消えた。直ぐに戻ってきた。)
自分でも、なぜ、そんな無謀なことを話したのか。なぜ、自分の方が、接待プレイをする必要があるのか、みたいな考えは...あったのかな。とにかく、風俗童貞を捨てたくて興味・好奇心が勝った。
(お札を受け取った後の態度の変化にはびっくりしたが)
やってみたことないことをしないと。
ドラム缶というか、ダルマさんのような、巨体を上げて、狭いソファ席の上で、暗闇の中で、座った状態で、向かい合って、上下運動を繰り返す。
繰り返す。
(もう一度、甘い声が出て来た。あん、とか、ハンとか。)
首もとをキューっと吸われている。吸われている。時折、シャンプーの匂いが鼻についてくる。
タイマーが一度、鳴ったのか?直ぐに消えて。いや、タイマーなんてなかったのかもしれない。
終わって、賢者モード。店が、暗くて、良かった。
マトモに前の視覚を見られなくて、絶望を味わうこともなかったから。
すっと一杯、出されたビールを飲み干して、あめ玉をもらって帰る。
コンビニに寄って、水を買って、帰った。その前にトイレにも行ったが、手を洗うときに鏡に映った首元に、赤いアザが出来ていた。あまり嬉しくない勲章だなと、思った。帰り道は、もう、黒服に声を掛けられることはなくなった。だいぶ、夜が更けていたからだろう。
最後の学生生活のお年玉が、こんな風に泡となって消えてしまうなんて。若さって怖い。。
叩いてる現場はどこだ
金曜なのにコンパも飲み会も予定が無かったので誘ってみたら飲みに行くことになった。
それまでのやり取りで、コカボムが好きと言ってたので、「金曜だし爆飲みするかー」とか適当なことを言ってたのだが、コカボムをピンポイントで置いている店など知らず、店はクソ女がオススメがあると言っていたのでクソ女に任せていた。
考えてみれば待ち合わせがピカデリー前の段階で怪しいのだが、区役所通りをぐんぐん進み、バッティングセンターの手前くらいの雑居ビルに入った。
いかにもぼったくりな感じのバーだった。一杯飲んで別の店に行こうと思っていた。
ビール1杯1500円、ウーロンハイ1200円、カクテル1600円テキーラ2000円とか。私はビール、クソ女はカクテルを注文。クソの役にも立たない中身の無い会話をし、「ここ高いから別行くよ」と言ったらクソ女は全くゴネずに快諾。お会計。
このパターンはクソ女がショットを頼みまくるか、氷代とかいう謎の金額が乗せられるかかと思っていたが、ぼったくりの割には良心的なサービス料2000円を追加されて2杯で8000円程度で済んだ。
案の定店を出るとクソ女が電話をし始め、「一緒に住んでる子が鍵忘れちゃったみたいだから一瞬帰っていい?」って言ってきて、テンプレ通りすぎて笑ってしまったのだが、お好きにどうぞ、って言ったら走って逃げてった。
なんつーか、やるならYouTuberのヒカルとか朝倉未来のぼったくり企画くらいのレベルで来て欲しかったし、クソ女もグイグイ変なの頼んでこないし、ネタにするにも中途半端過ぎてつまらんかった。
まぁ待ち合わせまでの間にタワレコ寄ったらカッコいいバンド発掘できたから良しとしよう。
みんな思い思いの食材を持ち込んで楽しそうだよ!
トリッピー「順番?」
しまじろう「そう!トリッピーのお父さんはお仕事なんだっけ?」
トリッピー「たしかわくわく物産の課長だけど...それが何に関係あるんだい?」
しまじろう「何も関係ないように見えて実はすごく大事なことなんだ!
わくわく物産は最近、商社最大手のアニマル商事に買収されたよね?
わくわく物産は経営に困ってたところ助けてもらったんだけど、僕のお父さんはそのアニマル商事の部長。
君は僕のお父さんのお陰で食えてるんだよ!
アニマルランドでは2008年のリーマン・ショックの影響をもろに受けてしまって多くの会社が倒産の憂き目にあったよ。
政府と癒着している財閥系企業はそこをぬくぬくと生き残り、ハイエナのごとく潰れそうな会社をドン・キホーテもびっくりのディスカウント価格で買収、
バードシティとの敗戦以降財閥を解体されたこのアニマルランドは戦前の格差社会に戻りつつあったよ。
これは序の口に過ぎなかったよ。
完