「悪魔の実」を含む日記

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2012-12-14

■ソーシャルゲームの予算規模を軽くまとめる続き

確認したらなんかはみ出てたのではみ出た部分をこちらに移動

版権ものの増加について（漫画やアニメのゲーム化）
- ソーシャルゲームの流行により版権側の理解が進んだ。
  - 以前は無料ゲームに版権を提供するなんてありえないという姿勢が大半でした
- レベニューシェアの浸透
  - 開発側と版権側で売上を山分けするスタイルが普及した
  - 版権側がオワコン作品の版権をライセンス料金なしで提供するようになった
    - 版権作品の絵素材と世界観がそのまま使えるので開発側にとっても楽
    - オワコン作品の版権でもゲーム側の出来次第ではヒットする
- 合成カードゲームの発明
  - どんな版権でも（バトル要素のない原作でも）キャラクターをカードにするだけでゲームにできるようになった。合成カードゲームはノーベル賞クラスの発明
  - 同じシステムなのでカードの絵と文章を取り替えるだけで開発できる
- （201209追記）以前に比べると下降気味
  - 乱発されすぎて使える原作が減ってきた。
  - 大ヒット原作でもハズレるソーシャルゲームが多かった（原作のファン層がソーシャルゲームをやらない層だと大失敗する）
  - ワンピースなどの１流の原作が使われるようになってきて２流作品では太刀打ちできない
  - コンプガチャショックによるイメージ低下

ソーシャルゲーム向きの版権ものと不向きな版権もの（201209追記）
- 版権ものはもはや定番
  - どうせ全く同じシステムのカードゲームなんだから親しみのある版権テーマのゲームのほうが人が集まる
    - ここ半年くらいオリジナルタイトルの人気はダダ下がり。パチンコって言われていたけどほんとうに似てきた。
- ソーシャルゲームで人気が出る版権もの
  - 幅広い年代に知名度が高い作品。特に30代～40代の知名度が重要。またマニア人気ではなく普遍的な人気がある。
    - 中高生に人気があったところで課金してくれないからね
    - ただしあまりに国民的人気が高すぎる作品はデリケートな扱いが必要になるのでものすごく扱いにくい。ドラえもんとか。
  - 原作のキャラクター数が多い作品
    - キャラクターが多ければそれだけカードの種類が増やせる
  - 原作がバトル系の作品
    - 当たり前の話だけどバトル系はゲームと相性が良い
  - 原作の世界観がゆるい作品。なんでもアリ系の世界観。
    - 世界観を破壊することが難しい作品はカードやルールを設定しにくい
  - 例としてはワンピースは最高の素材。超有名作品だけどドラえもんほど国民的作品ではないから扱いやすいしキャラクター数はアホみたいに多いしバトル系だし悪魔の実があるから結構なんでもありだし。
  - アイドルマスターはキャラクターの少なさが致命的だったのだがオリジナルキャラクターを大量投入する荒業に出た。普通のメーカーなら原作のキャラクターだけで作る。開発元はよくわかっている。
- ソーシャルゲームで人気が出ない版権もの
  - マニア人気は高いが知名度は低かったり知名度は高いがコアなファン層に限られる作品
    - 何度も言っているようにソーシャルゲームはプレイヤー人口が全て。人数を集められない原作には価値なし。
  - 原作のキャラクター数が少ない作品
    - カードの枚数が増やせないから運営がやりにくい
  - 原作がバトルではない作品。特に日常ほのぼの系。
    - 当たり前の話だけどゲームと相性が悪い
  - 原作の世界観がキッチリしていてゲーム用の設定を盛りめない作品
    - 原作の世界観を大事にするとどうしてもカードの種類が限られてしまうので運営が難しい
  - 例としてはけいおんは原作人気はあるけれどソーシャルゲームは向かない。人気が20代男性に限定されすぎ、キャラクター少なすぎ、バトルしなさすぎ、現代日本だからやれることが無さすぎ。
- 版権ものを持ち込まれるクライアント様はここをよく読んでソーシャルゲーム向きの原作なのかしっかり考えて。
- 原作はゲームかアニメ（アニメ化された漫画）が理想。ラノベはアニメ化されていないと知名度がなくて駄目。映画やドラマはものすごく扱いにくい。芸能人など実写系も扱いにくい。

合成カードゲームについて
- ノーベル賞クラスの発明だと思う
- 開発が容易
  - どんな世界観でもカードに当てはめるだけでゲームになる
  - どんな絵でもカードの枠にはめ込むだけでそれらしくなる
  - キャラクターもアイテムもカードで表現できるのでプログラムが楽
  - 上位アイテム（レアカード）も枠の絵を取り替えるだけで良い。
  - 同じシステムなのでカードの絵と文章を取り替えるだけで開発できる
- 終わりがない、キリがない
  - コレクションすべきカードは無尽蔵に追加できる
  - 最強のカードと最強のカードを合成すれば最強のカードを上回る最強のカードになる
    - ここが現実のカードを超えた箇所。
- カードだから許される
  - カードだから種類がやたらと多くても許される
  - カードだから絵柄の違うキャラクターが混ざっていても許される
  - カードだから戦闘時にアニメーションしなくても許される
  - カードだから同じキャラクター同士で合成したりしても許される
  - カードだからキャラクターにセリフがなくても許される
  - カードだからキャラクターとアイテムがおんなじ扱いをされていても許される
  - カードだから有料で売っても許される
- ソーシャルゲームの陳腐化につながっていることは否定できない

モバゲーとグリーについて
- モバゲー
  - ゲーマーが多い（ソーシャルゲーム的な意味で）
  - 男が多い
  - バトルものがウケる
  - モバゲーによるランキング操作がある（としか思えない）
    - 伸びているゲームは更に伸びるが伸びていないゲームはどんどん落ちぶれる両極端なプラットホームになっている
- グリー
  - ゲーマーじゃないユーザーも多い
  - 女性も多い。新着ゲームの半分は乙女ゲー。
  - 面白ければなんでもウケる
  - グリーによるランキング操作はない。（多分。違和感を全く感じたことがない）
    - モバゲーに比べフラットなプラットホーム。当初不人気だったゲームがあとからのアップデートとそこからの宣伝攻勢で伸びてきたりする。
- 現在のおすすめはグリー。モバゲーより無難。

コンテンツの質とヒットの因果関係について
- コンシューマーゲームに比べるとクオリティとヒットとの因果関係は薄い
- ある一定以上のクオリティに達していることは必須
  - スマフォアプリでは「学生の作った荒削りだけど味のあるアプリがランキング1位」になったりするがソーシャルゲームではそういったことは起こらない
    - ライトユーザーにはゲームの味を見極める眼力はない
- 最も重要なのは継続性。そのために重要なのはゲームバランスとプレイ人口。
  - ソーシャルゲームは人がたくさんいるから面白い。人が少ないとつまらない。
  - 新規プレイヤーとベテランが全体に満遍なく分散していて、ユーザーがどのレベル帯にいても最適な対戦相手がいる状態が理想。
    - ユーザーのレベルはどんどん上がるので、たえず新規ユーザーを供給しなければならない。
    - ユーザーを供給するには宣伝が一番。ソーシャルゲームが宣伝合戦になっているのはこれが最大の理由。
      - 宣伝で力ずくにでもプレイ人口を一時的に上げれることができればゲームが盛り上がるのでそのまま継続につながりやすい
      - 宣伝には未プレイの人を呼び込む効果だけでなく、プレイ中の人にプレイを促す意味や、プレイからしばらく離れている人の復帰を促す意味もある。
    - やたらイベントを繰り返すのも一時的にでもプレイ人口を増加させる狙い。
    - プレイ人口が多いようにユーザーに錯覚させるためのBOTプレイヤーが稼動しているゲームもある。
      - ソーシャルゲームには無言ユーザーも少なくないのでBOTでもバレない。
      - アクションゲームじゃないので複雑な操作アルゴリズムは不要。BOT 製作は簡単。
        あなたが負けたくないと思って必死に課金しているライバルはもしかしたらBOTかもね。
  - ユーザーを綺麗に分散させてあらゆるレベル帯のユーザーにライバルを用意し課金につなげたい
    - 新規プレイヤーとベテランが全体に満遍なく分散しているのが理想だがそれを維持するのは非常に困難
    - ソーシャルゲームにおけるゲームバランスとは上記のことを指す
      - 間違って難しいミッションを作ってしまうとそこでプレイヤーに層ができてしまう
      - 逆にどのミッションも大差ない難易度だとプレイヤーに差が生まれない
      - この問題の手っ取り早い解決策も宣伝でプレイ人口を増やすことである。人数が多いほど当然分散する。大手はこの手法が使えるので成功しやすい。逆に中小ほどソーシャルゲームは苦しい。
        稀にゲームバランスが奇跡的にうまく行って、プレイヤーが綺麗に分散して、大して宣伝しなくても自然流入だけで活発に動くゲームが生まれることがある。狙ってできるものではない。
        「95%くらいのゲームは開始1か月で閑古鳥が鳴いてしまいます。私はよくクライアント様に20本作れば1つは大ヒットしてその1つで他の19本の赤字は余裕で補填できるので、同時に20本、あわよくば50本ぐらい作りましょう、同業他社を紹介しますよと持ちかけるですがいまだにのってきたクライアント様はいません。」というのはその奇跡のゲームをまぐれ当たりで生み出すのが目的。
  - 結局、ゲームのクオリティはコンシューマーゲームや他のコンテンツに比べると重要ではない。プレイ人口こそが面白さに直結する。ただしプレイ人口を増やすための（ユーザーを釣ってくるための）クオリティは絶対に必要。

アタリショックについて
- ソーシャルゲームではアタリショックは起こらないと思う
  - そもそものアタリショックの原因
    - ゲーム雑誌もインターネットもなく、どれが面白いゲームなのか全くわからなかった。ジャケ買いするしかなかった。
    - 捨て値中古ゲーム、劣悪なニセモノ、海賊版ソフトの氾濫（起動すらしなかったものも）
      - 当然ハズレを掴まされることが多く、皆買い控えるようになった。
  - ソーシャルゲームの場合
    - ゲーム雑誌でもインターネットでも情報は豊富であり、人気作がすぐに分かる
    - プラットホーム自らがランキング形式で人気ゲームをリストアップしてすらいる
    - 中古ゲーム、海賊版、ニセモノ、などは存在しない
    - そもそも基本無料であり、やり込まないならタダ。プレイしたゲームがクソゲーだったらすぐに辞めて他のゲームにいけばいい
      - だから不人気ゲームは1ヶ月で閑古鳥が鳴くんだけどね。
    - つまり、「ゲームソフトの買い損」がまず起こらないのでアタリショックは起こらない
- ただし安定した市場だと言い切れる自信はない。1%の超重課金ユーザーに支えられている歪な環境であることは否定できない。

ソーシャルゲームをキャバクラに例えてみる（そのようなブログがあったがズレた内容だったので例え直す）
- 入場料無料。水ならタダ。キャバクラ嬢と話すのもタダ。
- ただし、課金ユーザーがやってきてお酒を注文すると、キャバクラ嬢は一斉にそのユーザーに群がる。
  - 無料ユーザーの心理
    - （運が良ければ）タダでキャバクラ嬢と話せるなんて素晴らしい。ありがたすぎて申し訳ない。
      - 真面目な日本人の特性なのか、タダでソーシャルゲームを遊んでいるのが申し訳なくて、必要ないけどたまに課金している人がいるらしい。日本のソーシャルゲームの課金率の高さは日本人の生真面目が理由ではないかと思っている。
    - 有料ユーザーがキャバクラ嬢を一斉に奪っていくのは正直うらやましい。ボーナスが入ったら俺も豪遊する。
      - 無料で短時間でもキャバクラ嬢と話しているからこそその楽しみを理解している。だからお金を払う気になる。
        いずれは有料ユーザーになる。
    - 無料ユーザーでも長期間通えばキャバクラ嬢とそれなりに親しくなることは可能。
  - 有料ユーザーの心理
    - お酒を注文するとキャバクラ嬢が一斉によってきてハーレムになるのが気分爽快。
      - お酒の注文をやめるとハーレムが消えてしまう。ハーレム状態を維持するためにお酒を延々と注文し続ける。
        （201209追記）自分より高い酒を注文する客が来ると一部のキャバクラ嬢はそちらに行ってしまう。ハーレムを復活させるにはその客よりも高い酒を注文する。こうして客同士で争い合ってどんどん高い酒が注文される。