はてなキーワード: 地方企業とは
地方からITエンジニアがいなくなる|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
予測と希望をごっちゃにすること。 : ひろゆき@オープンSNS
などの記事に関して、
「地方には仕事が無い。有っても内容のレベルが低くて成長出来なさそう」
「出勤したくない」
「海外の方が安い」
これについて、東京と地方両方で働いた経験から個人的に思うところを書いていきます。
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ちなみに私はこれまでの社会人生活の中で東京で働いていたのが3分の2、地方で働いているのが3分の1の地方人です。
これについては『集め方が下手な地方』はどんどん衰退していくというのが本当だと思います。
例えば、ダイヤモンドの記事で「まつもとゆきひろとかはメジャープレイヤーだから地方で大丈夫なんだよ」という言説がありますが、
まつもと氏が住んでいる島根県は5年連続でITエンジニアの雇用者が増えていて、県内IT企業の売上や県外からの新規立地数も右肩上がりです。
「Rubyで活気づく島根にUIターンを」、島根県が首都圏IT技術者と県内IT企業の交流会開催へ:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130930/507760/?SS=imgview&FD=-692683090&ST=selfup
島根県はまつもとゆきひろさんというメジャープレイヤーの起用法が非常に上手く、
日本人Webエンジニアなら名前だけなら誰でも知っているプログラミング言語Rubyを前面に押し出して
Ruby推進団体を作ったりカンファレンスを開いてクックパッドやGitHubを呼んだりしてWeb系エンジニア狙い撃ちで名を上げているわけですね。
「どうすりゃ地方に技術者が来るんだよ」という自治体の方は、まずメジャーな人・企業を誘致、育成することを考えた方が良いでしょう。
※ ITに詳しくない方のために書いておくと、Rubyは世界中のプログラミング言語の中でもトップランナーの部類です
http://sogrady-media.redmonk.com/sogrady/files/2014/01/lang-rank-114-wm.png
島根県のIT企業は上記の通りRubyを活用して地元の案件をこなしたりパッケージソフトを作っている例が多いようです。
島根県以外にも、最近では福岡県のソフトウェア産業がかなり伸びています。
福岡市、3月に東京在住クリエイターらに向け誘致イベント--LINE「福岡拠点構想」も - CNET Japan
福岡は島根県と違って元からド田舎では無く、旧帝大もあるので新卒の人材が確保できる上に、レベルファイブやポリフォニーデジタルなどの有力な地元企業が昔から存在するのでそのうち一大IT都市になるんじゃないかと思います。
福岡に開発拠点を持つ IT ベンチャーまとめ - present
「地方にも逆にエンジニア増えてる所もあるよ(というか島根でも増えてるのに減ってる所って逆にどこだ…?)」と書いた所でダイヤモンドの記事に戻ってみましょう。
この記事の中で重要な一文は
地域子会社を統合し、首都圏へ集約するという戦略がでてくることになる。さらに、大手SI事業者の下請けとして事業展開している中堅・中小のSI事業者も、元請けの大手が首都圏に集約されるにあわせて、エンジニアを転勤させている。
です。
これ、何が起きているのか簡単に説明すると地方で採用されたITエンジニア達が
「地元の有名SIerグループ会社に就職したと思ったら地方所属のまま東京に連れて来られたンゴwwwwwww」
ということになります。
私の知っている範囲だと、この手のSIer系企業の首都圏転勤は大手SIer企業の地方支社・地方子会社で採用された未婚の若手社員がメインです。
地方待遇に住宅手当という毛を生やした程度の賃金で本社の社員を使うまでも無い首都圏の案件を転がせられるんですから、SIer企業としては万々歳でしょう。
連れて来られた若手社員も家庭を持っていないのが多数ですし東京に憧れがあるでしょうから、「ンゴwwwww」と言うほどの被害意識はゼロでWin-Winの関係なんでしょうね。
めでたしめでたし、とはなりません。
こういった地方SIer企業は、その地方では最大級の「IT企業」だったりします。地方には産業が少ないので「県内最大手級企業」という所もあるかも知れません。
そのため、こういった行為が大々的に行われると
「地元大学(高専)から大手IT企業に行った地元のホープが軒並み東京で働いてるんだけど…!?」
ということになります。
地元SIer子会社からすると大して戦力にもならない新卒採用の社員を送って本社に恩を売って代わりに鍛えてもらえますし、
本社と転勤した社員にとっては上記の通りなんですが、外野から見ると『エンジニア東京行き過ぎ。地方は終わった』と物凄く目立つ事案になってしまうわけですね。
「てか、地方勤務のまま本社の案件を地方子会社にやらせれば良いだけなんでないの…?」と思ったそこのアナタ。
東京のSIerと地方子会社なんて別会社のようなものだしシームレスに仕事が出来るネットワーキング環境に投資する暇があったら転勤させた方が速いでしょ。何言ってんだ。
…みたいな事情とかあるんですかね?SIerは知り合いも少ないので分からないので知ってる方が居たら教えて欲しいです。
ちなみに私の会社はネットワークで本社と繋いで仕事をしているので地方から東京にわざわざ転勤させてる理由が本気で分かってないです。
上と被りますが、現在の会社では本社や客先とはネットワークと電話のみ(ごくたまに出張)でやりとりをしながら仕事をしているので
会社がやろうと思えばいつでも在宅リモート勤務する環境は整えられるんですよね。
ですが仕事用のマシンがオフィス以外にあるとセキュリティ上の問題もありますし、自宅の自室だと間違いなく別のことやってしまうだろうし、住宅街の自宅よりも山にある職場の方が遥かに静かなので個人的には出社してる今の方が性に合います。
東京の時は会社の下にコンビニがありましたが、すごい勢いでお金が飛ぶ上に太っていったので歩いて立ち読みに行ける以外のメリットを感じたことは無いです。
地方とやり取りする手間とコストすら拒む会社が更に遠い上に言語の壁がある海外と同レベルでやりとりできるとは思えないんですが…そもそもそういう会社にビジネスレベルで海外エンジニアと話せるエンジニアを首都圏で雇うお金があるんですかね…?
「ワタシ日本語シャベレマスヨー」な現地の人を雇うだけで済ませたりするんでしょうか。色々な意味でリスク高いと思うんですが。
地方に仕事を出してる会社が海外にも仕事を出すということはあると思いますが、地方をすっ飛ばして海外のみという会社は地方だけじゃなく首都圏でもエンジニアを雇わないので「海外の方が安い。日本終わった」の間違いかと思います。
ガンホー会長の孫泰蔵(孫正義氏の弟)氏とDeNA顧問の川田尚吾氏のITベンチャー対談がありまして、
「スマホにはもうあまりイノベーションがない」 孫泰蔵氏らが語る、スタートアップの次のキーワードとは? | ログミー[o_O]
孫:普段からずっと言っているんですけど、とにかく会社辞めなくてもいいから、週末起業でもいいから、手を動かして仲間と一緒に集まって何か作ってみようとか、やってみようというのをぜひトライしてもらいたいと思うんです。
アントレプレナーシップってよく起業家精神って訳されますけど、アントレプレナーシップって本来は独立して会社を作ることではなくて、「何か新しい価値を生み出そう」というクリエイティブな行為、それで「社会に大きなインパクトを与えるようなものを」とか、そういう行為のことを言うんであって。
そういう意味ではフィンランドの首相だって非常にアントレプレナーシップを持った首相でいらっしゃったと思いますし。たとえ行政にいようが民間にいようがNPOにいようが、起業家精神を発揮して何か新しい価値を生み出すというのはすごく大事なことですし、まさに今の日本に求められていると思うんですね。
ぜひこれをご覧の皆さんも何か友達と一緒に。自分一人でというより友達と何かやるほうが、苦しい時は分散されますし、嬉しい時は何倍にも増幅されるんで。気の合う仲間とバンドを組むようなノリで何か新しい価値を生み出す取り組みをやっていただけたらなと思います。
川田:いいですね、何か感動しました(笑)。私もですね、その昔はエンジニアとか研究者を養成するような教育を長らく受けていたわけですが、そういうモノづくりとか、新しい知の最先端で活躍しているような人たちが、自らの価値を発揮する場って昔は大企業とか大学の研究機関とか、とにかく巨大な組織でしかなかったんですけども。
世の中どんどん変わってきていて、資本の仕組みが変わってきたので、ぜひそういった自分の培ったスキルとか能力で何か新しいものを作っていくという場として、ベンチャーというのを前向きに考えていただけたらと思っています。
と言ったやりとりが出てくるわけです。
最初の3つのURLの感想として「一度は東京に出ないと技術は付かないよ」というものもありましたが、
『メジャープレイヤー』扱いされているまつもとゆきひろさんは静岡県浜松で働いている時にRubyを作り始め、名古屋、島根県松江市と気の合う地方企業へ移りながら現在のRubyを作り上げました。
まつもとさんは筑波大→島根大なので東京の大学にすら通っていません。
Rubyは地方勤務経験だけで生み出された世界トップクラスのプログラミング言語です。
「東京でしか身に付けられない技術」って何なんでしょうか。それって今バブってるだけの会社の中で使い捨てられる技術という可能性はないでしょうか。
「地方に仕事が無い」とはどこの世界線なんでしょうか。仕事がある島根県はいつの間にか都会になっていたということでしょうか。
世間の空気に縛られ過ぎると、民主党に政権を取らせちゃったりと言った手痛いしっぺ返しを食らうことになるので、
もしあなたがエンジニアなら、もしくはエンジニアを使う仕事に就いていると思うなら、
目の前の箱とインターネッツで世の中を調べてもう一度エンジニアの在り方を考えてみては如何でしょうか。
うーん…首都圏と地方のエンジニアの話になるとどうしてもまつもとゆきひろさんと島根県を出さざるを得なくなる…
全世界にスペランカーやHappy Hacking Keyboardを輸出している石川県辺りを主題に話を作れば良いんだろうか…