はてなキーワード: ボーイング787とは
飛行機には履歴書みたいなものがある、という話を anond:20210809215439 で書いたところ、少し反応があって嬉しかったのでもう1個書いてみる。
今回は2021年7月半ばに引退したばかりの「JA01VA」について話そう。JA01VAはANAのエアバスA320型機で、2010年代から最近にかけてのANAの苦悩が見える機材である。
https://www.planespotters.net/airframe/airbus-a320-200-ja01va-all-nippon-airways/ey1ly5
日本で本格的にLCCが登場したのは2011年である。ジェットスター・ジャパン(GK)、ピーチ(MM)、エアアジア・ジャパン(JW、当時)の3社が相次いで設立された。
GKはJALとカンタス航空の合弁、MMはANAと香港の会社の合弁、JWはANAとエアアジア(マレーシア)の合弁で設立された。
かくも合弁企業ばかりなのは、日本における航空会社の外資規制(全株式の1/3まで)があるからだ。
このうち、ジェットスターとピーチは上手くいっていたのだが、エアアジア・ジャパンは失敗してしまった。というのも、エアアジアとANAでLCCを巡る運営方針に大きな違いがあったからである。
喧嘩別れによってエアアジア(マレーシア)はジャパンの運営から手を引く。これにより、エアアジア・ジャパンは「バニラエア」に社名を変え、ANAの100%子会社として再出発した。
(なお、その後エアアジアは非航空業界の日本企業と連携して再参入を図り、名古屋に2代目エアアジア・ジャパンを設立するも再び失敗した。日本での事業があまりにも下手なようである。)
このとき、JWに5機あったA320(JA01AJ~JA05AJ)はエアアジア持ちだったようで、全機が東南アジアに移籍していった。
だが、この喧嘩別れの前に発注されていた機材がある。製造番号5844、JA01VAである。
一般的に航空機は、新造時にメーカー(エアバス、ボーイングなど)にて航空会社の塗装を実施して納入される。
しかしこの製造番号5844は納入先がゴタゴタしており、エアアジア塗装でいいのか、そもそも別塗装になるのかわからない状態で納入が進められた。
結果、真っ白な状態でエアバスから成田に回送され、大阪伊丹空港のANA整備拠点でバニラエア塗装が施されることになった。
https://flyteam.jp/registration/JA01VA/photo?sort=phototime&order=asc
さすがに内装は着工完了していたらしくらしく、エアアジア仕様、外装はバニラエアという機体が出来上がった。
ちなみに初期のバニラエアはANAから退役前の古いA320を転籍させるなど、JA01VA以外にもゴタゴタした機材が多かった。
こうして、ANA(ANAホールディングス)は自社傘下に2社のLCCを抱えることになった。
当初は「成田はバニラエア、関空はピーチ」「バニラはリゾート路線・訪日外国人に注力」などと素人目にはちょっと苦しい言い訳をして2社が棲み分けをしていたのだが、その境界線はどんどん曖昧になっていった。
LCCとしてのブランドはピーチの方が強く、業績も良かったことから2018年にはピーチへの統合が発表された。
バニラエア機材の大半はピーチ仕様に改修ののち、移管された。なお、日本の法令では国内で一度登録した機体番号は会社が変わっても変更できないため、ピーチ移籍後も「JA○○VA」となっている。
しかし、当然ながらピーチもそこそこの規模で機材を持っており、15機全部を移管すると過多になってしまう。そこでJA01VA~JA03VAが余り物となったのである。
この余ってしまった3機は2019年にANAが引き受けることになった。まだbeforeコロナの時代の話である。
ここでANAの機材運の悪さに触れておかねばならない。
ANAは老朽化した機材を三菱スペースジェット(MSJ、MRJ)、ボーイング737MAXなどで置き換えるプランを立てていたのだが、MSJの相次ぐ開発遅延(のちに中止)、737MAXの事故による世界的な運航中止など、どちらも見込みが立たなかった。
加えて、次世代の主力機としていたボーイング787のエンジン設計上の欠陥により改修作業を余儀なくされ、コロナ前の旺盛な需要の中、機材繰りがギリギリとなっていた。
余談だが、ANAはコロナ直前に明らかに供給過多で時代遅れなA380も掴まされて、クソ機材によって本来被らなくていいような赤字まで被っている。機材担当チームのセンスがないか、あるいは強烈に運が悪いかどちらかであろう。
ここでちょうどよく転がっていたのが旧バニラのA320である。ピーチとの統合で余ったとはいえ、機材のリース期間満了までは当時の段階で2年ちょっと残っていた。
しかし、これをANA仕様に改修するには時間もコスト、改修認可の手間も掛かる。その結果として「1年限定で、LCCの詰め込み仕様のままANA機として飛ばす」という奇策がとられた。
通常のANA仕様のA320なら166席のところ、LCCは同じサイズの機材に180席も詰め込んでしまっている。これをANAは機材コード「32G」と称し、塗装だけANAにしたのちに2020年1月から一部の路線に投入した。
ちなみに料金が安くなるわけでもない。何も知らず、ANAに乗ったと思ったらこの機材に当たった人は気の毒である。実際、ANAユーザからは「ハズレ機材」と言われていた。
2021年7月、JA01VAは予定通り約1年ちょっとの運航を終えて引退し、沖縄・那覇空港に回送された。おそらく現在、那覇にあるANAの整備拠点でリース会社に返却するための引退整備(片付け)をしていると推測される。
機齢は若く、まだ最前線で活躍できる。そのため、リースバック後には海外のどこかで活躍するだろう(尤も、コロナの影響でどうなるかわからないが)。
次はどこの航空会社に引き渡されるかはまだ不透明だが、製造番号をキーにしてまた追いかけることができるので楽しみである。仲間のJA02VA・JA03VAもまだ国内に留まっているが、順次同じ手続きを取ると思われる。
追記 0号相当は単体テスト用非動作機だったりメーカー通し(〇〇社試作第10031など)だったりして確かに現実には少ないかもしれない。
試行錯誤で出来た原型機がある場合は0になり得るが、ない場合には上に書いたような1番始まりの試作シリアルと量産シリアル体系がそれぞれ用意されるケースもある。
例えばボーイング787は試作機がMSN 40690/LN 1(ZA001)からMSN 40695/LN 6(ZA006)まであって、次の量産機が巻き戻ってMSN 34485/LN 7, MSN 34488/LN 8らしい。MSNとLNというのはボーイング通しの製造業者製造番号と787のラインナンバーだそうだ。
このケースでは試作と量産は同じシリアル体系のうち40kと34kという範囲違いだな。
F-15の場合は米空軍シリアル71-0280から71-0291が試作機として存在している。0280は0号機と言えるかもしれない。空自F-15DJの一号機二号機は02-8801と02-8802で、次の8機が飛んで12-8803から22-8810らしい。このNN-NNNNという体系は米空軍では共通のもの。頭二桁は初年度の会計年度かな。
ブコメで言われてる心神がX-2だかX-3だかいうのは米のXプレーンを真似たもので、F-15やC-135などと同じように「X-2」までが機種名になる。
あるタレントのブログを「デスブログ」と呼ぶ人たちがいる。「このデスブログに書かれた人物や企業などはかなりの確率で不幸に見舞われるため、「デスノートのブログ版」としてこの名が定着している」(ニコニコ大百科による説明)のだそうだ。今問題になっているボーイング787旅客機についてもこのブログで言及があったという情報が出ていたが、それだけでなく、少なくとも過去数年にわたって、数多くの例で、何かよくないことが起きるとこの「デスブログ」が検索され、「ほうらやっぱり書いてあったやっぱりデスブログだ」と囃し立てる事例が、少なくともネット上では相次いでいる。
よってたかって一人の人をってのはいじめの構図に似てるよね。そうだよね、これがSNSでやられていたならいじめだよ。
彼女はタレントとしてブログを書いている。彼女の意思として書いている。逃げる事もできるし、ブログを止める事だってできる。書いた内容がデスブログと呼ばれながら書いているんだよ。彼女の意思でプロとして。
彼女の本心はもちろん知らないけど、これをいじめだから止めろって言うのは彼女の仕事への侮辱だと思うの。例えば、誇りを持って風俗で働いてる人のお客さんに「彼女とセ○クスするなんて強姦と一緒じゃん」って言って、彼女の目の前でお客さんを帰らしてしまうって事に似てる。確かに彼女のブログをデスブログって呼ぶのは人間の負の一面かもしれないけど、それでもそれを楽しんでくれる人のために彼女は書いてるんじゃないかなって思う。
これをいじめだから良くないって言ったら、彼女の考えや気持ちが無視されるって事じゃないかって思う。
あまり知らないけどってこの記事に書いてあるけど、知らない人がぱっと見だけで判断するのはどうかなって思う。
でもしこの「デスブログ」を書きたくないって彼女が思ってるんなら止めてしまうべきだよって思う。そう思ってないから更新してるんだと思うんだけどなあ。