今から25年前の1997年ののこと。当時小学生だった自分の1歳年上の従兄が、夏休みにお婆ちゃんの家にこのゲームを持ってきていたのが全ての始まりだった。
「タクティクスオウガっていうゲームがあるんだ。すげーから一緒にやろうぜ。」
従兄に勧められるままゲームを始めたのだが、タクティクスオウガが『すげー』ことはすぐに分かった。
中世ヨーロッパ風の権謀術数渦巻く世界観。重厚なBGMの中で敵味方がターン関係なく立体的なマップで繰り広げるリアルな戦闘。
背中に翼の生えたキャラクターが民家の屋根の上に移動して弓を射ると放物線上に矢が飛んでいくわ、ふわふわと宙に浮かぶ幽霊が魔法を唱え敵が炎に包まれると足元の草が焼けるわと細部までこだわったビジュアル。
とにかく衝撃的なゲームだった。いてもたってもいられなくなり、従兄がお婆ちゃんの家から帰った直後にお小遣いを握りしめて町のゲーム屋さんに走った。
お店のレジで商品を買うときにすごくドキドキしたのを今でも覚えている。スーパーファミコン版のタクティクスオウガの商品パッケージは英語でタイトルが書かれており、フォントが英語の旧字体みたいな形だったので、読み方があっているかな、間違って別のソフト買っちゃうんじゃないかなとすごく緊張したのだ。ぜんぜん自信が無かったが、店員さんにタイトル合ってるか確認して無事に買うことができた。
ワクワクしながら商品を持ち帰り、ゲームを始めたが小学生にとっては、難易度が高く難しいゲームだった。初回プレイ時にはキャラクターの強さを表すパラメータが多すぎてさっぱり分からなかった。
だけど作りこまれたチュートリアルとオンラインヘルプ等の親切な機能がたくさんついていたおかげで何とかゲームを進めることができた。一番助かったのは戦闘中の中断セーブ機能だ。小学生の時には、1日ゲームは30分までというルールがあったので非常に助かった。
さて、ゲームを買ってから2週間くらいの時のこと。難しいながらも俺はどうにかChapter1の終わりまでシナリオを進めていた。このゲームはプレーヤーが会話中の選択肢を選ぶことでシナリオが分岐するんだけど、途中で出てきた選択肢が衝撃的だったのは今でも忘れられない。ネタバレになるので詳細は伏せるが小学生には重たすぎる内容だった。無茶苦茶悩ましい選択だったが、片方を選んでゲームを先に進めてみた。だが、すぐにゲームに行き詰った。キャラクター育成をよくわからずに進めていたので自軍のユニットが弱く戦闘で勝てなくなったのだ。このまま先に進めないのも悔しかったので攻略本を買うことにした。
ここで話は少々脱線するのだが、俺の生まれ育ったのは日本海側の田舎町だ。町の本屋さんはあまり大きくない。なので、地元の本屋さんの攻略本コーナーにはメジャーな作品のものしか置いてないわけだ。ゼルダの伝説とか、ドラクエとかFFとかまあそれくらい。それらに比べるとタクティクスオウガはマイナーだった。苦労を重ねて隣町の古本屋さんで偶然攻略本を見つけて手に入れるまで1か月かかった。その後は攻略本を熟読してゲームシステムの理解を深めて1から再挑戦したのだが、家の方針で1日のゲーム時間が30分に制限されていたので、クリアするまでにはさらに2ヶ月ほどの時間を要した。だけどその分クリアしたときの達成感は大きかった。興奮冷めやらぬ俺は、小学校の同級生たちにタクティクスオウガのすごさを布教したが上手くいかなかった。俺がタクティクスオウガに出会った1997年当時、家庭用ゲーム機の主役はスーパーファミコンからプレイステーションに移行しつつあり、同級生たちはファイナルファンタジー7やファイナルファンタジータクティクスといったスクウェアの大作ゲームに夢中になっていたのだ。
同級生のN君に、「タクティクスオウガってファイナルファンタジータクティクスのパクリでしょ?」と言われたのは傷ついたなあ。なんていうか、自分がイケてると思ったゲームをディスられるという経験がなかったので。残念ながら、うちの地元では最初にタクティクスオウガを紹介してくれた従兄以外に周りでタクティクスオウガファンを見つけることができなかった。
それから2年後の1999年。俺は中学生になり、田舎町の我が家でもインターネットが使えるようになった。ネットが使えるようになってすぐに、以前はまっていたゲームのタクティクスオウガの攻略情報を調べてみた。地元の田舎町にはいなかったタクティクスオウガファンは、ネットの向こうにはたくさんいるようだった。ファンの集めた情報は膨大で、攻略情報にとどまらずゲームの舞台背景の考察やクリエイターの音楽の趣味までカバーしていて、中学生の俺の知的好奇心はガンガン刺激された。ディレクターの松野氏の名前もこの時に知った。余談だが、「タクティクスオウガとファイナルファンタジータクティクスは主要な開発スタッフが同じ」というのも同時期に知ったので、小学生の時にパクリ呼ばわりしてきたN君に対して「両方同じ人が作ってんだよ、適当言うなざまあ」という気持ちが芽生えたのはここだけの話である。
ネットの情報から刺激を受けた俺はゲームの世界観をもっと味わいたくなって、前作の「伝説のオウガバトル」もプレイしてみた。ディレクターの松野氏が好んでいたらしいQueenの楽曲を聞いてみたくなり、生まれてはじめて洋楽のCDを買いにも行った。コーヒーを飲めるようになった時のように、背伸びして少し大人になった気分がした。
そのうち自分でも似たゲームを作りたくなって、おこづかいでVisual Basicを購入したりもした。プログラミングの入門書片手にそれらしい画面までは作ったが、しょせんは中学生。体系だったプログラミング言語の知識がないためサンプルコードのコピペに終始し、1年くらいかかって紙芝居のようなものが出来て終わった。その後は、高校入試・大学入試で忙しくなったのでしばらくゲームから遠ざかっていた。
そこからさらに時が流れて俺は社会人になった。中学生の時のゲーム作りの経験から、ソフトウェアエンジニアの適性は無いなと思ったのでハード系のエンジニアとして就職した。タクティクスオウガから受けた影響は俺の人生を変えたのである。ゲームから遠ざかっていた俺だが、2010年にタクティクスオウガの1度目のリメイクのニュースを聞いて再び情報を集めだした。そこでたまたま開発者の松野氏のプロフィールを見つけたのだが、なかなかの衝撃だった。
まずはスーパーファミコン版のタクティクスオウガ開発時の年齢。発売日の時点で29歳なのである。ゲームの開発期間が2年くらいだとすると、開発開始時は27歳くらいだろうか。その若さであの革新的なゲームの開発指揮を執ってたのかよ!松野氏と面識のあるゲームクリエイターがインタビュー記事で天才という理由が分かった気がする。次に出身地。新潟県の妙高市となっている。地方出身であのゲームの重厚なシナリオを描くだけの知識を身に着けたのか!というのがもう一つの驚きだ。
先に俺の出身地が日本海側の田舎町だと書いた。地方で育ったからわかるのだが、地方はゲームの攻略本に限らずあらゆる情報が都会に比べて乏しい世界だ。タクティクスオウガの世界観を形成している中世ヨーロッパの歴史や文学の知識を松野氏はどこで得たのだろう?世代的にインターネットが無い時代なので、俺が田舎で育った時よりもさらに情報は手に入れにくいはずである。これは今でも気になっているので、今度出る予定のリメイク版の開発者インタビューでだれか聞いてみてほしいところである。
最後になったが、今回出る2回目のリメイク版もすごく楽しみにしている。なんていうか2回もリメイクが出るだけでもすごいのに、2回ともオリジナルの開発メンバーがかかわっているのがまた驚きなのだ。
発売元のスクウェア・エニックスはFF・ドラクエ等の過去の作品をよくリメイクしているけど、オリジナルのスタッフが何度もかかわるケースは珍しくないだろうか?しかも開発者の松野氏はリメイク前にスクウェアを退社しているのだ。それでも声がかかるのだから、本人のカリスマ性がメチャクチャ高いのだろう。過去に会社を辞めた人が2回も開発現場に呼ばれるって相当なことだと思うんよね。
これほど愛していると言っているゲームにクソリプつけてけなすやつら どうしてこんなネジ曲がって育ったんだろうな?
自分の感想を述べてるだけだぞ
ちなみにリメイク作の「運命の輪」はクソゲー レベルアップをユニットではなく兵種にしたために 戦場での人数が多いほどレベルが上がる仕様になった ソルジャーが3人いて、クレリ...
俺も運命の輪と同じシステムだったらどうしようって心配だった一人 ユニット単位だって聞いて即予約したけど、「そこ言及しないといけないくらい評判悪かったんだな」って思った 運...
ロウが正義でカオスが悪って概念が壊されたゲーム ロウが教会の作った束縛でカオスが自由への解放みたいな感じかな 真・女神転生でもロウとカオスがあったけど、もっとはっきりした...
別に概念壊されてないんだよなぁ カオスでなれるのがテラーナイトなんだから システム的には「悪」となってる
おー、村の焼き討ちを正義と信じて実行した人ですか
「正義」でしょ 正義の形が複数あるんだとそういう作品じゃん その上で、カオス属性で人を殺すとなれるのが、テラーナイトだというシステムなのだよ ロー属性ではなれないんだよ
俺は当時の話してるけど、お前って今の考え方で「あれも一つの正義だよ」って言ってない? タクティクスオウガやったことある?
イミフだな ある世界設定で「奴隷制」が肯定されていた場合 奴隷の主人を殺して勝手に奴隷を開放する方が「悪」なんだよ 今の価値観だと、奴隷など許されないとなるかもしれんけど...
タクティクスオーガが狙ったのは ・現在の価値観に従って、「プレイヤーの正義」を執行するとカオスにされテロリスト扱い ・その時点の首長に従うと、行う事は非道だがロー(秩序)...
そもそも主人公がどっち選んでもあいつ反対するやん ただの逆張り野郎やんけ
あれ結局、選択肢に大した意味がないのが残念なんよね どっちにしろ虐殺を止める事ができないんだけど カオスルート後に覚悟をもってロウルートを選んでも、ヴァイスがしゃしゃり出...
増田が問われてるのは「リアルタイムでプレイした時に(子供だったと仮定して)そう思っていたのか」ってことじゃないのか、ある程度成熟してからのプレイだったらまあ仕方ないが ...
ロウが正義でカオスが悪って概念が壊されたゲーム だから、Law(秩序)、Chaos(混沌)であって、善悪ではないんだよ そもそも、LawとChaosが出てくる作品の方が珍しいし、それを善悪...
D&Dのアライメントがこんな感じ 秩序にして善 秩序にして中立 秩序にして悪 中立にして善 真なる中立 中立にして悪 混沌にして善 混沌にして中立 混沌にして悪 けど、セッシ...
FF1の発売日1987年 ラングリッサーの発売日が1991年 セーラームーン5期が1996年 タクティクスオーガの発売日が1995年 当時、ロウとカオスというよりも、カオスと言う単語自体が悪と...
混沌=敵にした有名どころならウォーハンマー(1983)じゃないか
俺もタクティクスオウガを布教したいと思って友人に話してみたんだけど、当時FFTというタクティクスオウガを万人に向けて遊びやすくした超大作が立ち塞がって全然うまくいかなかっ...
なんでリメイクなんだろうな。普通に続編にすればいいのに。チート弓とチート巫女と、チート剣聖でガシッボカッチーンをまたやんのかよ。
運命の輪が引っかかってたのかな?俺も続編出してほしい。まぁ予約しちゃったけど。
松野の才能が枯れちゃったしこだわる癖にいざとなると投げ出して逃げるマンだからな 続編なんて無理無理
松野さんは都内の大学を出てるしまあそこでいろいろ吸収したのでしょうね 大学では映画を作ったり洋楽ファンで英語は海外のラジオを聞いて学んだとか 日経平均が3万つけていた頃に...