毒ママなんつーカジュアルな言葉が出てきちゃってる昨今、毒親育ちの皆さま方におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
さて。
この度私は、親に住所を知られないようにする支援措置を受けました。
それは
住民票は、まぁ読んで字のごとくですね。
一度でも引っ越したことがあれば、だいたい縁があると思います。
そして、戸籍の附票というのは、住所の移転履歴を記録したもの。
あちこち引っ越して姿をくらましているつもりでも、これを毒親に見られてしまうと、今まで住んだ場所がぜーーーんぶバレてしまうってこと。
オソロシィ…
そんなのムリ!!コワイ!!というわけで、ググってググっていろいろ調べて、私も恐る恐るながらもがんばって申請してみたのですっ!
毒親の凸や不法侵入に怯えてるひと、遠方だけどいつトチ狂って押しかけてくるかわからなくて怯えてるひとのお役に少しでも立てればいいなと思って、私の踏んだ手順を記しました。
(長くてゴメンね!でも覚えている限り詳しく書きました。)
※ちなみに私は後者。遠方の上に高齢で凸の心配は低いが、命尽きる前にいつ押しかけてくるかと怯えていたのです。
近々引っ越すかもしれんってなったとき、そのとき住んでいたA区の市民課に電話してみた。
↓
私「あのね、B区に引っ越す予定なんだけど、その前に住民票の閲覧制限しときたい」
支「引っ越すならばB区に転入届を出すときに申請することになるよ。そのときに今のA区の住所も一緒にロックできるから」
私「なるほど」
支「ちなみに、引っ越す予定がなく現住所のみをロックしたい場合は、対象者に現住所がバレてないことが前提になるお」
私「バレてるかもわからん」
私「ほほう」
支「引っ越す二週間くらい前までに、警察かB区役所内にある家庭相談室に相談実績作っとくとスムーズだよ」
私「おけ、ありがと」
この電話の冒頭で、支援担当の女性がちょっと慌てた様子で「ストーカーかい!?DVかい!?」と訊いてきた。
と答えたら、切迫した感じはなくなり、落ち着いて説明をしてくれた。
程なくして引っ越す時期がおおまかに決まったので、引っ越し先のB区役所に行ってみた。
窓口は市民課だけど、どこにあるかわからなかったので、入り口にいた案内係のひとに住民票の閲覧制限について相談にきた旨を伝えて案内してもらった。
担当部署の通路の端っこに設けられたパーテーションで仕切った小さなスペースに案内され、机を挟んで市民課の支援担当さんと向かいあって座った。
まず、誰に対しての閲覧制限かを聞かれ、母親であることを話す。
ここからはちょっと記憶が曖昧なんだけど、どういう理由かを聴取され、手順の説明を受けた。
ここでは申請理由は省くけど、まぁ堤防決壊して大変だったよね。
こんなこと、見ず知らずのひとに話すなんてことはないと思ってたから、もう大変だった。
担当さんが席を外してる隙に、胸の内をつぶやいたTwitterでフォロワーさんにたくさん助けていただいた。本当に感謝。
申請に行くときは、誰か信頼できるひとと行ってもいいかもしれん。
最初にA区の支援担当さんから聞いた話では、家庭相談室に相談することになるとのことだったんだけど、B区にあるのは「子育て支援課」というものだった。
多分これは、住民票と戸籍の附表の閲覧制限というものが、元々は主にDV被害者に対する支援措置であったことに起因するからかなと思う。
私の場合は親から受けた過去の虐待での申請になるので、基本的には子育て支援課では受けられないとのことで、まず警察の相談窓口に行くように言われた。
もしも警察でダメなようだったら、子育て支援課でなんとかするから再度来るようにとのことだった。
幸い警察署は区役所のすぐ近くにあったので、そのままその足で警察署の相談窓口に行った。
住民票と戸籍の附表の閲覧制限について相談したい旨を伝えると、体格のよいひとのよさそうなおっちゃんが出て来て、隣の個室に案内してくれた。
自分の名前と、閲覧制限をする対象者を記入する紙を渡され記入。
それを見ながら、どんなことがあったのか、現在はどういう不安があるのかを聴取され、B5のノートに鉛筆でサラサラとメモしてゆく。
区役所で一度堤防決壊してるので、警察署では比較的冷静に「そんな大学ノート(死語?)に鉛筆でいいんだ…」などと考えながら、
それでもたまに泣いたりしながら訊かれたことを答えた。
おっちゃんは、私があまりうまくしゃべれないのを察してか「申請のときに役所から訊かれたら、大袈裟目に言っとくけど、それでいい?」と言ってくれた。私は「お゛ね゛がい゛じま゛ず…」とずぴずぴと返事をした。
話している中でわかったのは、
「現在においてどんな被害があるのか、または今現在被害がなくても対象者と接した場合どんな被害が予想されるのか」が肝っぽい、ということ。
最後におっちゃんはちょっと寂しそうに「弟さんとだけでも連絡取るわけにはいかん?」と尋ねてきた。
「弟にも暴力振るわれたことあるんで…」と答えるとおっちゃんはずっこけてちょっと笑いながら
「んならしょうがないね!じゃ、大袈裟目に言っとくから。安心していいよ」と言って帰してくれた。
ひとまず事前相談はここまで。
警察署を出てから、再度区役所に向かい、親身に相談に乗ってくれた支援担当のひとに警察署での聴取で大丈夫だと言われた旨を伝えて、その日は終わり。
その後、引越し先の家も決まり、いよいよ住民票を移すときがきた。
住民票の異動届を書き、窓口に渡すときに「閲覧制限の申請をしたいんだが」と伝え「がってんちょい待ち」
椅子に座ってしばらく待った。
担当のひとが奥のスペースに案内してくれた。
警察に相談済である旨を伝えると、申請をしたい理由を再度詳しく訊かれ(内心もうやめてー)、いよいよ申請書類に記入をする。
③児童虐待
④その他
とあった。(ざっくりだけど)
私は真っ先に③にマルをつけたが、担当のひとは「違う」と言う。
④なのだそうだ。
詳しくは訊かなかったけど、③は現在起こっている児童虐待に対する措置なのだろうかね。
・配偶者が来ても発行不可。配偶者も発行できるようにするならば、配偶者の身分証明のコピーを持って申請すること。
代理人発行の委任状なんていくらでも偽装でき、その偽装を調べる術がない。対象者が業を煮やして配偶者の委任状を偽装して住民票発行請求をしてくる場合があるので念のため、とのこと。
などなど。
申請を受けたあと、役所のひとが警察に電話して相談内容を詳しく聞き、支援が必要かどうかの決定をするんだって。
支援措置が決定されたか否かの通知が3〜4週間後に書留で届くので、きちんと受け取るように、と言われた。
郵便局の保管期間を超える不在や住所が違うなどで返送されてきたら、支援は取消になるんだそうだ。
まだ引越しが完了していなかったので、旧居から新居に3日おきくらいにポストを見に行った。
その後、無事に通知を受け取り、内容を確認して終わり。
1年ごとに更新で、来年また申請に行かねばならないのが面倒だけど、これで安穏を得たという感じ。
手順②③ではややこしくなるので省きましたが、私の引っ越し先の住所の管轄は出張所になるので、申請窓口も出張所になるから住民票を移すときは出張所に行ってね、とのことでした。
事前相談は役所なのか警察なのかあるいはまた別の窓口なのか(児相というケースもあるらしい)、
とか。
関係各所の名称や、相談・申請の手順は各自治体で違うのだろうと思います。
悩んだら、まずはお住まいの自治体に問い合わせてみることです。
私は正直、親を対象にして自分の個人情報に閲覧制限をかけることに迷いがありました。
私はそこまでひどいことをされていないのではないか?
自分は親に対してとんでもないひどいことをしようとしているのではないか?
でも私、「すうのお母さんと偶然会ったよ」という地元友人からのメールや、玄関開けたら母親が立ってた!という妄想などで寝込むくらいだったんですよ。
これじゃどうにもこうにも、いつ精神の崩壊が訪れるかわからんな、という感じで過ごしていました。
体調や精神に不調が出て生活に支障をきたすくらいなら、それをずっと恐れて生きるくらいなら、と申請を決断したわけです。
あとは親戚や義家族や友人などが親切という名の余計なおせっかいをして母親に転居先を漏らしたりしないように用心するのみ。
今の所、親戚・義実家には引っ越したことを言っていない。別に訊かれてないからな。
もし引っ越したことを話すようなことがあったら、
「行政の支援を受けて母親に住所を知られないようにする措置を受けているので、住所を教えるわけにはいかない」と言うつもりです。
また、私は閲覧制限をかけると強く決意した後も、問い合わせの電話をする前は
とかなり怯えていました。
しかし実際にそんなことはなく、電話に出てくださった支援担当の方は親切に手順を説明してくれました。
「その程度の被害では申請はできないよ!とか言われるかもしれない」
と震えていました。
これも実際にそんなことはなく、役所のひとも警察のひとも親身になって話を聞いてくれました。
ちなみに私が母親にされたことは、
・片親疎外
・機嫌を損ねると食事抜き
などの、主に精神的虐待に分類されるもので、箇条書きで表せるのはこんなもんです。
そのうち、警察での相談で話したのは「言葉の暴力」と「たまに行われる身体的暴力」のみでした。
当初は、どうせ支援してもらえるかわからないんだったらチクショー全部話してやるぜ!と意気込んでいたけど、涙で言葉が詰まってしまって無理でした。
それでも警察の方は私の様子を見て、
「それはひどいね」
と、そう声をかけてくれました。
もう大人になったのに、独立したのに、仕事してるのに、家庭があるのに…
毒親が自分の人生をコントロールして絡め取ろうとしてくるのを必死で避けて生きているひとびと。
自分と、自分の大切なひととの生活を守るために行動していいんです。
申請は正直めんどくさいし、支援が決定したあとも住民票発行などに制限があったり1年ごとの更新だったりと、何かと不便だけれど。
案外、ポンっと飛び越えられるハードルかもな、と感じられるはずですから。
2016/12/18 追記
大切なことを忘れていました。
閲覧制限をかけても戸籍の大元のものは閲覧できるので、例えば結婚した、離婚した、子どもが生まれた、というのはわかってしまうそうです。
ただ、現住所は記載されません。
みなさん読んでくださってありがとう。
「誰か困ってるひとがいたときのために」という方もいらっしゃって、ありがたい限りです。
2017/08/28 追記
まず、役所から電話があり、再度警察に相談に行くように言われ、警察に行って来ました。
警察の方が前回の資料に目を通しながら、この一年間で押しかけなどはなかったか、状況に変化はないか、支援継続を希望するかなど訊かれました。
そして注意事項として、もし押しかけなどがあった場合は迷わず110番すること、戸締りなどには気をつけること、配偶者の親などにも住所は黙っておいたほうがよい、などを言われ、相談自体は10分ほどで終わりました。
前回と同様に支援決定の通知がそのうち届きます、と言われて終わり。
警察署と役所と毎年ふたつ行かねばならないのか〜と思うとめんどうですが、ここ一年を振り返ってみると、住所が親にバレない・突然押しかけて来ないんだ!ということでだいぶ精神が安定したなぁと思います。
みんなもがんばって。
毒親に対する支援措置の例をたくさん作って、困っているひとたちが今後もっとスムーズに手続きできるようになるといいな、と思います。