学部新卒から10年以上お世話になったNTTの事業会社を辞めました。(以下NTTと記載します)
大変お世話になりました。
最近ブームになっている各種NTT退職エントリー(こことかこことか)が出回っている中、どこまで需要があるのか分かりませんが、NTTグループのさらなる発展に向けて少しでも糧になればと思って筆をとってみます。
MPLSや広域イーサネットなどの企業向けネットワークサービスを売る仕事。世間的にはプリセールスエンジニア。
全社を通して、非常にスマートで、理路整然と考えられる人が多く、上司にも恵まれていました。
体育会系という雰囲気もありません。最近、『ラグビー部も職場「乱入」』が話題になっていますが、13年間勤務した限り、そのような場に出くわしたことはありません。仮にそのようなイベントを開催する場合においては、社風から鑑みるに、事前のアナウンスは必ず(少なくとも管理職には)あったはずです。
ラグビーのことは個人的にファンではありませんでした。しかし自社のラグビーチームをチームビルディングなどのイベントで活用するのは、企業として当たり前だと思います。
その時点で業務遂行の能力が不足していたとしても、チャレンジさせてもらえました。
私は帰国子女でもなく、留学、駐在などの経験が全くなく、ほとんど満足に英語が喋れない状態でしたが、希望したグローバルビジネスにチャレンジさせていただけました。その後、日本語を理解しない海外籍上司のもと、世界中の海外籍の方を相手に仕事する経験を長くさせていただきました。結果、TOEICスコアで数百点分英語力が向上しただけではなく、グローバル観点でのビジネスマインドや仕事の仕方を学ぶことが出来て、人間的に大きく成長できたと感じています。
会社や部署、チームとしての役割は当然ありますが、自由に仕事をさせていただきました。
例えば、本来「完成されたサービスを売って売上目標を達成する」ことが目標であるプリセールスでありながら、「目標達成に必要な新サービス開発」や「販売活性化のためのデモ環境整備」などの開発に近い業務もやらせてもらいました。自己成長に繋がり、周囲に認めてもらえたことに、とても感謝しています。
部署・チーム、時期により状況は異なりますが、私の場合、月20時間以下でほぼ収まっていました。そのため、業務後の時間を使って、情報処理技術者試験の上級試験対策や趣味でファイナンシャルプランナーを取得するなど、十分な余力を持つことができました。またプライベートではちょうど子育て期だったのですが、フレックス勤務・リモート勤務などの制度が活用でき、さらに同僚・上司からのサポートや理解が深かったので、仕事と家庭の両方に全力で取り組めました。(子どもを保育園へ送るため、始業時間を30分遅らせたり、子供の病気による突発的な年休取得が出来たり、平日の学校行事へも参加できたり...などなど。)
GAFAに人材流出防げ NTTコムの新キャリアパスなどに代表されるように、NTTの人事・制度は改革の途でありますが、一個人の経験を記録を残したいと思います。
一言で言えば、人事制度に納得できずでモヤモヤしていたところに、やりたい事と方向性が異なる仕事がアサインされたことが決定打になりました。
私が辞めることを決心した時点では管理職になることが唯一のキャリアパスであり、中堅社員にとっては唯一の昇給のプロセスでした(若手のうちは年に5%程度は昇給していたように記憶しています)。当初はそれを当たり前と思ってはいましたが、徐々に現行制度のあり方に疑問をいただくようになりました。
また、上位の職責に上がるためには業績評価とは独立した「選考」があるのですが、周囲の先輩・後輩の選考結果や、自分自身の結果と得られるフィードバックの内容には必ずしも納得はできませんでした(同じ理由である年は通らず、翌年通るなど)。また数ヶ月にわたる選考とその準備のため、毎年疲弊し、100%業務に集中できるとは言い難い状況でした。
初期配属や人事異動といったキャリアパスは入社以来3回は100%希望を聞いていただけていたのですが、4回目でやりたい事とは方向性が全く異なる仕事にアサインされました。
当時私は、「自分が職業人生をかけて実現したいこと」をようやく見つけたところでした。その実現に最も注力したい旬の時期に自社でその活動ができないのは非常に耐え難く感じました。本人の希望とは逆のことをやらせて経験を積ませる育成方法は、かのSteve Jobs氏のConnecting the dotsのようでもあり、私は必ずしても否定するものではありませんが、事前に本人と十分すり合わせをした上で判断されるべきなのだと考えます。(私もタイミング次第では成長の余地として許容したと思います。)
GAFAMではない外資系企業にご縁があり、今はそちらでお世話になっています。外から改めてNTTを見たときに感じることは以下のようなことです。
Job description がない日系企業だからこそ、自分が役に立つと考えたことが自由にできるし、数値以外の観点での評価があるからこそ、評価されうる=取り組むことができると確信しています。中の人は殻を破ると違う世界が見えてくると思います。
自由に意見が言える、極めて民主的な文化であると思いますが、それ故に「意思決定で様々な関係者の意見を聞きすぎること」「一度決めたことを実施前に声が大きい人が覆せる」などの弊害をあるように思います。それがよく作用する時代もあったのかと思いますが、今のスピード感には合わなくなってきていると感じています。より適切なレベルに意思決定権限を落とすことはもちろん、一度なされた意思決定を全社で尊重する風土になれば、と思って見ています。
また賃金体系や人事評価制度も平等性・一律性が行き過ぎていると感じています。年次・職責を問わず評価に値する人はもっと評価するべきだと思いますし、逆もまた然りだと思います。この点は会社側は改善に動き出したような噂は聞いていますが、労働組合側で前向きに検討しているような噂話が聞こえてこないのは残念でなりません。
PCなどの環境は、生産性に直結します。IT環境の整備は Quality of Work に直結するので、是非投資していただければと思います。(それだけで離職率は下げられると思います。)
など
「頑張っている人をもっと評価するべきだと思いますし、逆に頑張っていない人については評価しないべきだと思います。」 頑張ってるって何? 語弊を生みやすい言葉なのでもうちょ...
はてなの鉄板、退職エントリなのに誰も注目してないの、かわいそうだろ!