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2021-03-28

fff -フォルティッシッシモ-』〜歓喜に歌え!〜 第13-14場

anond:20210314223160

ネタバレ

第13場実況

A 雪原〜雪のシンフォニー

雪組だけに?

これ一幕ものでよかった、と思う。

雪原?ロシアロシアナポレオンが敗北したロシア。でもサクサク動いてみんなを助けて、いい人なんだなあナポレオンさん。

ここは少し気持ちがダレた。もうちょっと演者側でやりようがあったように感じる。ワンスマックスやこのナポレオン、月城かなと氏だったらどう演じたかなと考える。city hunterは楽しみにしている。

ベートーヴェン「おれたちは何のために生きてるんだ」

ナポレオン「苦しむためだ」「苦しむためじゃなかったら、おまえは何のために生きてきた」

人間はあらゆるもの発明することができる。ただ幸福になる術を除いては」不可能あるやん、ていう。

ベートーヴェン平和の、敵、ブオナパルテ」

出生名

ナポレオン「そ!こ!そ!こ!」

わらった。

ナポレオンヨーロッパの国々を、ひとつ連合にする」

!!ナポレオンEU構想持ってたの⁈つながった!第九、the European Anthem。なるほど、ヤバ!

ナポレオン世界が豊かになる方法は、人と、モノと、情報自由に遠くまで運ばれ、優れたものが交換されることだ」

おやリカード比較優位論、貿易大原理。1817年か。

音楽数学だし、昔は世界を解き明かす学問として必修科目だったしね。

再び勝利

ナポレオン勉強は好きか」

「愚人は才人にまさる大いなる利得を有する。彼は常に自らに満足している」

ベートーヴェン所蔵のカント『実践理性批判』

ナポレオン「生きることは、不幸だ。不幸に敗北するか、それとも不幸に戦いを挑むか、それとも」

ナポレオンって銃弾に倒れたわけではないやんな。

B 彼女名前

ナポレオンが死んだのは1821年。ウィーン会議から6年経ってる。第11ウィーン会議ロッシーニいたことを考えると、あそこで1822年ぐらいまで描いていたと考えてもいいのかもしれない(『セビリアの理髪師』1816、『どろぼうかささぎ』1817、ロッシーニウィーン訪問1822)。

謎の女「かつて地上にあった人間のすべての苦しみ それがわたし

ベートーヴェン「おまえは、人類の、不幸」

謎の女「誰もがわたしを憎む もうひとりのあなたとも知らず 醜い不吉な女だと 憎んで恐れて逃げまどう 憎むほど自由奪われて ただ 死を 待つ」

ベートーヴェンも謎の女に失せろと言った。そして孤独期、曲も作れず、ただ…。

謎の女「死は、救いなの」

ベートーヴェン「哀しく強い、おまえの歌」

ベートーヴェン「強くてきれいな人類の不幸。おまえの名前がやっとわかった」「運命」

あーー。だから、曲、献呈。「やるならやってみろ、運命よ」は1816年の彼の日記のことば。

「今、運命が私をつかむ。やるならやってみよ運命よ!我々は自らを支配していない。始めから決定されてあることは、そうなる他はない。さあ、そうなるがよい!そして私に出来ることは何か?運命以上のものになることだ。」

ベートーヴェン「生きることが苦しみでも、おれは、おまえという運命を、愛するよ」

上田氏の京大講演会経験の中で一番痛いもの、辛いことが不愉快ものなら、当然、それがなくなることはない」

第13場まとめ

第14場 最後シンフォニー 実況

智天使ケルブ「この世界に別れを告げる時間だ」

1827年

ベートーヴェン「どうすれば音にできるだろう、この祈りを」

運命「これはいつくしまれた不幸の、よろこびの歌」

ここは本当にありがとうと言いたい。望海真彩(あと非常に聞こえづらいけど多分望海の右手)でメロディを歌いながら、真彩の右手オーボエパート、望海の左手クラリネットパートかな、をなぞってきっちり3声の対位法をやってのけた。歴史に残るメロディ爆誕の瞬間。1822年。

ヘンデルあいつ、なんと…」

モーツァルト「不幸と一緒になって、よろこびをうたってる!」

シラーの『歓喜に寄せて』は、もともと『自由賛歌』で、ベートーヴェンが感動して曲をつけようとしたのは『自由賛歌』のほうであるが、当時の体制下で云々。…というのは都市伝説であると、英語版のWikipediaには書いてあるなあ。日本語版の出典のひとつURLの変更があったっぽく今はたぶんこっち。もうひとつ出典では『自由賛歌』がシラー作品だとは言っておらず。セイヤー氏の著作都市伝説の元なのかな。

東西ドイツ統一式典では「自由バージョンで歌われた。

ベートーヴェン「あー」(A4)

運命「あー」(A5)

爆笑超音波なの?すごすぎ。

ベートーヴェン「苦悩を突き抜け、歓喜に至れ!」

1815年の手紙から日本語訳がピッタリこないけどドイツ語からいから2つの英訳

"We finite ones with infinite souls are born only for sorrows and joy and it might almost be said that the best of us receive joy through sorrow."

"we mortals with immortal minds are only born for sorrows and joys, and one might almost say that the most excellent only receive their joys through sorrows."

智天使ケルブ「まあいいだ〜ろう♪」

よかったね天国行きだよ!

歓喜のその歌 ともに歌うとき あなたわたしも」ベートーヴェン父・メッテルニヒ「ゆるしーあーえーるーだろー」

あー、早霧さんが出てた世界ふしぎ発見でやってた話。

  • 舞台後方真ん中でひとり手を広げて立つケルブ様

und der Cherub 音楽は おれたちのものだー! steht vor Gott, フォルテー! steht vor Gott, フォルティッシモー! vor Gott, フォルティッシッシモー! vor Gott.

ここだけドイツ語詞で、ケルブ様出てきた。第九の中のここの歌詞解釈はなかなか大変なようで、まあなんとなく壁・障害天国/楽園行きを阻むもの自由を阻むもの、ぐらいで自分は捉えておこうかなあというところ。

今作においては、ベートーヴェンさんお亡くなりになりました、ってことかしら?

コーダ⁈やば。3人の強きものfたち。

そりゃalla marciaには入らないよね。音楽配信も始まってしまったわけだけど、これ音だけで聴いてると爽快にズッコケる、爽快。そのうち慣れるだろうけど。

リズム隊が醸す歌謡曲感。

ベートーヴェンアンコール!」

きたー

ベートーヴェン人生幸せだったー!」

諸君拍手を!喜劇は終わった」

キンキラキンのすごい背景ー笑、衣装は白いし。

ベートーヴェン葬儀には多くの市民が続々と駆けつけ参列者は2万人、異様な様相、大混乱だったと。

世界果てなく 祈り 響かせ

うたえ 生きとし生けるもののうた

なんかここのベートーヴェン推定54歳)と運命さん(年齢不詳)の振り付けかわいいな。

第14場まとめ

全体総括

ぴあの上田久美子インタビュー記事より(2020/3/16 コロナ前)

耳が聞こえなくなって絶望し、一度は死ぬことも考えたけれど、神から与えられた才能は自分だけの物ではないから、身体の中の音を外に出すまでは死ねない、どんなに不幸でも生きていようと思ったそうなんです。すごいですよね。そうやって作った最後交響曲が第九で、その合唱部分の『歓喜の歌』は、今で言ったら異常に盛り上がるロックみたいな感じだったと思うんです。それを、音楽のために一切の個人的幸福を諦めた人がどうして作れたのか、ぜひその物語を書きたいと思いました。

予習の段階で目を通したこの通りの内容。第九誕生物語

お見事。

配役を見て?が浮かんでいたところに次々とピースがきれいにはまっていく気持ちよさ。タイトル意味しかり。

重くなりがちなベートーヴェンの話をできうる限り軽快に描き、新しいベートーヴェン像を見せてくれた(そもそも楽聖ベートーヴェンイメージシントラーやロマン・ロランによって作られたもの)。

おまけ:ミュージカルシンフォニア

第14場がコーダっぽかったので、ソナタ形式に当てはめて考えてみた。

*一瞬だがベートーヴェン真ん中でナポレオンゲーテが左右におり、謎の女もいるので。


うーん、苦しいか?意外とうまくハマった気がしている。

2021-03-14

fff -フォルティッシッシモ-』〜歓喜に歌え!〜 第6-9場

anond:20210214042836

ネタバレ

第6場 野外コンサート 実況

野外コンサートだったのかぁ。歌詞で言ってるのね。うんもうちょっとがんばってほしいぞ。いや素人っぽさがよいのか。

ベートーヴェン野外コンサートなんてしてたのかな。チラッと調べた限りでは見つけられず。

ケルビム「人間どもが熱狂しています

智天使ケルブ「ンームムー

できましたか(1808)。かっこよいアレンジ。冒頭ヴェルディの《運命の力》かと思った。あ、運命つながり?

ドル大公(歌)「奇跡スピード 次々生み出す 交響曲 協奏曲 未知の大きさ 新しい音 今こそ 目覚めた かく めい かー」

テレマンまさか、聞こえなければ、書けないはずだ」

モーツァルト「どれも傑作だぁー」

ハイゲンシュタットの遺書を書いた後10年間ほど(1802-12)はベートーヴェン中間の充実期とされている(傑作の森)。実際は交響曲第3番《英雄》が皮切り。《運命》は"傑作の森"期の後半に入るころの作品で、ここまでにヴァイオリンソナタ《クロイツェル》、ヴァイオリン協奏曲ピアノソナタ23番《熱情》、交響曲は第5番《運命》と同時に作られた第6番《田園》までかな。

智天使ケルブ「ムムー

かわいすぎる。

第6場まとめ

第7場 ルードヴィヒの下宿 実況

1809。ピアノ協奏曲皇帝くるかな、ルドル大公

あらま!改訂中?それともまだ完成前だった?あらま!望海氏弾いてる!生観劇時も配信も同じところでミスタッチ?わざと?

あんこさん、また面白い役やってる。

  • パパパパ、タタタタ

げー、無声口唇破裂音(p)ってあんなに速く出せるものなの?そして望海氏はダブルタンギング要らずの人か(t)。うーむ、滑舌の訓練のたまものなのかな。管楽器かじった人間として恐れ入る。

ヴェーゲラー夫妻は1807年からブレンツに移り住んでたようだけど、まあボンとそれほど離れてないか

「もし対位法と同じぐらい戦術精通していたら、目に物を見せてくれように」

第7場まとめ

ナポレオンウィーン侵攻中、謎の女が《運命》を献呈されつつ家政婦としてがんばっててかわいい

第8場 ナポレオンの陣中 実況

ナポレオンゲーテの場面きた。史実では1808年の諸侯会議の場で、日を接して3度会っているとのこと。ちょっと遡ってるのか。ナポレオンはウェルテルの愛読者で、エジプト遠征中(1798-9)に7回読み返ししたという。

ナポレオンあなたこそ人間だ」

「これこそ人間だ」「ここに人有り!」ナポレオンゲーテを見るなり言った。

ゲーテ戦争をおやめになるべきです」

ゲーテナポレオンに傾倒していたとのことで、ほんとはこんなこと言ってないと思われるけど、なるほど。

キーになるであろう年、1812年ロシア遠征失敗を示唆

ゲーテ「現状、あなた命令が届くのは早馬が届く範囲だけ」

まあこれがロシア遠征の失敗の理由ではないとは思うけど。

ゲーテ「申し上げたことはすべて、お心のうちにあったことです」

ナポレオン理想を認めつつあくまでその達成手段には否定的な本作のゲーテ主人公ベートーヴェンとの現実の関わり度合いからしてなぜゲーテが2番ではなく3番なのかと思っていたけど、ゲーテナポレオンの心の代弁者役割か。まあゲーテとは年齢も開きすぎか。

ナポレオン「余を毎夜さいなむ問いは、進むべきか、否か」

第8場まとめ

第9場 ルートヴィヒ下宿 実況

ベートーヴェン「否ー!」

再び盆が回っての見事な場面転換。あれ部屋きれいだ。

ファッ⁈謎の女ピンクドレスになってる⁈

謎の女「今日は食べてもらえますか」

かいがいしく世話してる笑。家事からきしダメだったけどがんばったのか、掃除食事も。なんでがんばってんだ笑。

ベートーヴェンの部屋はずっと汚かったっぽいけどな。ごはんも食べずに、とかはどうだったかなあ。食事に招いても現れずに作曲に夢中になっていたというのはNHKプロフイラーでやってたか

ベートーヴェン「なんだその格好は」

ツッコんでくれてありがとう気になってた気になってた!

謎の女「これ?すてきでしょう?あたしを見てどう感じる?」

なんかここ、市原悦子みがあった笑。家政婦だけに?

謎の女「わたしあなた想像の生きものなの」

ほう!

ベートーヴェン「お前は、俺の才能なのでは⁈ もしそうだとしたら、まさにお前という才能こそが、俺の、恋人ということになる」

不滅の恋人、才能説?やっぱ謎の女は不滅の恋人なのか?

  • 接近戦の大きめの声の場面で手紙で顔を覆う謎の女

コロナ対策…!

ベートーヴェン「俺に会いにくる、ゲーテがだ」

配役になかったしベッティーナは飛ばしますわね。そしてゲーテベートーヴェンがテプリッツで会ったのはまあ一応偶然だった模様。

1812年きてる!

ベートーヴェン「彼こそ、ほんもの人間だ」

謎の女「こっちの手紙はいいの?」

悲愴》1798が今きた。難聴に苦しみ出したころの作品、と思うと、エレオノーレの語ることばとシンクロする。

ナポレオンウィーン侵攻から3年経ってるから、エレオノーレは2人目の懐妊?

なお3楽章はショーで使われるのでした。

レオノーレ「耳のことを隠して」

ベートーヴェンっていつまで難聴秘密にしてたんだっけか、少なくともハイゲンシュタットの遺書まではそうだとして。

レオノーレ「だからこそ、すごい音楽だわ」

謎の女「いいの?帰らなくて」

第9場まとめ

2021-02-13

fff -フォルティッシッシモ-』第2場 プロローグfff

anond:20210213142609

ネタバレ

第2場実況

ヘンデル後継者って、誰だっけ」

モーツァルト「たしか…」

フランス革命戦争ないしナポレオン戦争

ナポレオンきたー!

か、かっこいいやん、、そしてまさかコロナを逆手に取ってオケピ使って演出してくるとは

ベートーヴェン「タッタッタタッタタ」

「タッタッタタッタタ!」

こんなリズムあったっけ。

モーツァルト「そうだ、あいつだー!」

モーツァルトさんベートーヴェン君のこと覚えててくれてありがとう

ベートーヴェンもっと強くナポレオンのように!もっと大きく、ゲーテのように!」

fffffはもっともっと強くもっともっと大きく。

これは、自筆なのかな。

あ、これ一時期待ち受けに使ってたやつと多分同じ。やっぱ自筆だ。

ベートーヴェン「我が音楽は、人間の心」

ナポレオン「我が戦闘は、人間の願い」

ゲーテ 「我が文学人間の光」

人間人間

あ、この3人ひとりひとりがfで、3人でfffてこと?

ヘンデル「時は19世紀夜明け」

テレマンフランス革命によって熱せられた、ヨーロッパという溶鉱炉の中で鍛えられた、鋼の男たちがいる!」

うむ。

ベートーヴェン「くらいよるーにめざめてー」

オリジナル曲きた。さすがに全部ベートーヴェンは無理か。

ナポレオン「余が求めるのは、人間勝利だ」

ベートーヴェン「俺が求めるのは、人間勝利だ!」

真彩さんどっかにきた!

  • 女の高笑い

ありがとうございます

ベートーヴェンもっと大きく、フォルティッシッシモー!」

お、史上初めてfffが使われたのは交響曲第7番だけどそこはやはり変えますね(さらにすぐ手に取れる手元のスコア2種を見る限り第九にfffは無い)。もっともっとじゃないのか。

最高か。極上の影コーラストップ娘役という奇跡よ…。

大砲戦争

智天使ケルビム「うるさーーい!」

fffだもんね笑。最後のドカーンは雷でしたか

ヘンデル「そうだ、この雲を、耳に入れるんだー!」

ベートーヴェン難聴の原因までもが判明…天才か。

雲を耳に入れられるときベートーヴェンかわいい

第2場総括 - かっこよし

要人物顔見せ(謎の女は声のみ)と、時代状況、難聴の原因の提示

交響曲第3番もかっこいい(実在ベートーヴェンがすごいだけ。いやアレンジもかっこよかった)、よく動くセリと盆もかっこいい、ナポレオン軍・市民楽団員の群舞もかっこいい。ナポレオン軍の衣装もかっこいい。ベートーヴェンナポレオンゲーテの登場もかっこいい。

fff -フォルティッシッシモ-』〜歓喜に歌え!〜 第1場 天国の扉

https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2021/fortississimo/index.html

ネタバレ

はじめに

人並み以上にはクラシック音楽をやってた増田が、さら結構気合を入れて改めて学習・整理して臨み、観劇した時に脳内で埋めた行間など記録。

公演開始後は一切情報を入れず(開始前も稽古レポートは見ないようにした)、プログラムも買っていないので、場面のタイトル等の情報記事を書くにあたりネットから拾った(ルサン電子版だけ買っている。物理本は原則買わない主義。ルサンク以外も電子希望)。場面の切れ目は感想の切れ目。起こしたセリフ文字遣いも脚本と違うだろう。

S席前寄りセンター配信で補足(画質悪し)。

記事都度追記修正

※ひょんなことからプログラムと紙版ルサンクが手元に。チラ見してそれぞれなるほどと思うことは多いが、今のところその内容には触れない方向でいく。ルサンクで脚本をしっかり見たの初めてだけど、面白いなあ。

第1場実況

交響曲5番《運命》第4楽章冒頭ファンファーレ

(1808)

おお勝利から華々しくスタート

ケルビム「おつかれーさまー、じーんせーい」

これは、、タカラヅカ!しびれる

モーツァルトテレマンヘンデル登場

モーツァルト死去1791(35歳、ベートーヴェン14歳上)

テレマン「なぜバッハはさっさと天国へ通されて、我々は審査待ちを」

バッハ死去1750、ヘンデルバッハと同い年)死去1759、テレマンヘンデルの4歳上)死去1767。ヘンデル30年以上、テレマン20年以上審査待ち。

智天使ケルブ「では問おう、音楽は誰のものだ」

マリアントワネット登場

1793処刑

モーツァルトアントワネットさま!ではギロチンに…」

モーツァルトが亡くなる2年前にフランス革命モーツァルトが6歳の頃アントワネットモーツァルトの1歳上)にプロポーズしているエピソードを思い出して微笑ましいことこの上なし。そしてアントワネット天国に行けるんだな。

ヘンデル「そうか、僕らを雇ってくれたのは王侯貴族だし」

テレマンヘンデルモーツァルト音楽は、貴族のもの!」

智天使ケルブ「否、音楽は神のもの、神が人に貸し与えたもの。神の秩序を音で表す。バッハは神の歌をうたった」

ケルビム「お前たちが現れるまで、音楽教会のためにあった!」「それをお前たちは貴族の娯楽に!」「お金のために!」

資本主義

ヘンデル「じゃあ僕、地獄へ?!」

智天使ケルブ「奢るな人間よ、ひとりの短い人生で決着のつく問題ではない。お前たちの後継者が、受け継いだ音楽をどうするか。神のお与えになった美しい音、その連なり、それを人間が何のために使うのか、最後まで見届けてから全員で連帯して裁かれるのだ」

大事な箇所なのでたくさん。

ケルブが話すときBGMチェンバロバッハっぽい音楽に変わって清々しい。

第1場総括 - テーマ提示に感心…

男役2番ナポレオン男役退団3番ゲーテという配役から見えていたもの

偉人オンパレードすぎて大きく出たなと。市民社会創成期の芸術自由主義という大きなテーマを持ってくるなと思っていた。(トップ娘役が謎の女であることはまだ謎。)

バッハの不在(配役)

事前に配役を見たときに、音楽史やベートーヴェン古典派〜ロマン派)との絡みという意味でも、

エントリーは納得。古典ハイドンはまだ生きているし(1809死去)。問題は、バロックからのもう1人のエントリーが、なぜバッハではなくテレマンなのかだった(しかも若手路線男役)。答えは、尊敬とか影響受けたとかじゃなかった。

しかバッハは役としてはなくても、やっぱり名前は登場するよね!

そういえばテレマンが一番歳上(死んだ年齢も)なのに、なぜ縣さんだったんだろう。背の順?一般的ネームバリュー

智天使ケルブ(ケルビム)

彼らももちろん配役にあり、しかも専科の重鎮。どのように絡んでくるのか、第九の歌詞に出てくるし、第九でも歌うんかな歌うまい子もいるし、と思っていた。ちがった。ケルブ様おこだった。

第九の歌詞智天使ケルビムは神の前に立つ」。なおこの前にトートさまがいる「死の試練を受けた友」。どちらも予習時にスコア見ててたまたま見つけた。昔ドイツ語詞の下に英単語書いたりして学んでいた模様。

なるほど、これは非常にうまくテーマ提示したな、と…。

芸術史・音楽史の流れ、芸術という概念自体最近のものであること。それ以前は芸術家は例えば大工と同じような職人という扱いであたこと。"art" は芸術ではなく技術を指していた。"fine art"になって芸術誕生アーティストではなく、アルチザンだった。

このあたりは美学史や風景画の講義で叩き込まれてきた。高校生の時に読んだ渡辺裕『聴衆の誕生』も。確か高校国語教科書に載ってた阿部謹也氏の文章もかな(ぐぐっても何だったかからなかった)。暗い中椅子に座って静かーに聴くクラシックコンサートの今当たり前の風景は、ベートーヴェンよりも後、ワーグナーが始めたもの

今回テレマンが引っかかって新たに電子書籍で購入して関係しそうな箇所だけさくっと読んでた片山杜秀ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』も役に立った。

ピースがはまって大変に納得感のある第1場。

からの、第2場以降への期待

フランス革命が起こった年、ベートーヴェンは19歳(ナポレオン20歳、ゲーテ 40歳)。神から王侯貴族のものになった音楽を、彼はどうするのか(それはそのまま現在まで続いている)。それは如何にして起こったか。ケルブ様のご機嫌はなおるのか、テレマンヘンデルモーツァルト天国へ行けるのか。

 
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