2021-11-21

温泉むすめ騒動で考える「表現の自由」と「男女平等

結論から先に

温泉むすめ騒動

発端

2021年11月15日に、社会活動家仁藤夢乃氏がTwitter投稿した一文をきっかけにして「温泉むすめ」というキーワードが1週間近くTwitterトレンドに乗り続けるという騒動があった。仁藤氏たまたま温泉旅館で見かけた「温泉むすめ」キャラクター等身大パネル不快に感じ、公式ウェブサイトを開いて詳細を確認したところ、公式ウェブサイト記述性差別性搾取表現のあることを発見したそうである

https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1460060377379602434

出張先で「温泉むすめ」のパネルを見て、なんでこんなものを置いているの😩💢と思って調べたらひどい。スカートめくりキャラ夜這いを期待、肉感がありセクシーワインを飲む中学生、「癒し看護キャラセクシーな「大人女性」に憧れる中学生など。性差別性搾取https://onsen-musume.jp/character/

温泉むすめとは

温泉むすめ」とは、ご当地アイドルテーマとしたキャラクターコンテンツ企画であるソーシャルゲーム運営は終了しているが、声優アイドルグループの方の温泉むすめは活動継続しており、キャラクターグッズも販売されている。声優アイドルライブ活動を核としたコンテンツツーリズムという斬新さと5年間の活動実績を評価され、2021年10月29日観光庁スポーツ庁文化庁共同開催スポーツ文化ツーリズムアワード2021で「新しい観光賞」を受賞している。https://onsen-musume.jp/

展開

藤氏投稿は140文字制限専門用語多用のせいで意図を掴みづらい。「温泉むすめ」運営会社は未成年配慮観点飲酒セクハラを推奨していると誤解される恐れのある箇所を修正したが、仁藤氏は納得いかず「性的消費・性差別性搾取性犯罪」という強い言葉で「温泉むすめ」を批判した。

https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1460064641686536195

昨日指摘した性差別性搾取表現中等部の設定などをこっそり削除しているようだが、見れば見るほど男の願望を形にしたキャラクターばかり。肌の露出やはだけた制服、頬の赤らみ、胸の膨らみ、スカートに陰部がわかる不自然な影。胸が大きくても小さくても容姿も体つきも性格趣味性的に消費する。

https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1460467598324211712

少女性的に消費することはもちろん、スペックを書いて女の子を並べ「選べる」存在として扱うこと自体少女をモノ化している日本社会性差別の深刻さ、少女支配して楽しむ人権意識の低さそのものを表している。そして現実性差別性搾取性犯罪と本当に地続きの切実な問題です。

この当時、2021年9月に全国フェミニスト議員連盟松戸警察署によるVTuber戸定梨香の起用は女性差別に当たるとして抗議したことに起因する一連の騒動により「フェミニスト社会理不尽要求ばかり突きつける迷惑集団」というイメージが高まっていた。当然のことながら前述の仁藤氏投稿にも批判殺到した。

藤氏への批判

感情的批判が多いので具体例は挙げないが、理性的な部分だけ要約すると以下の通りである

藤氏側主張の論点整理

藤氏投稿は140文字制限専門用語多用のせいで意図を掴みづらいが、ここからは筆者なりの解釈で仁藤氏の主張を論点整理する。

まり藤氏の主張は「女性の性被害を防ぐためには社会全体の人権意識を高める必要があり、そのために性差別助長するコンテンツである温泉むすめを規制する必要がある」ということになる。

性的消費と萌え絵

性的消費はおそらく「性的対象化(女性尊厳無視女性性的手段として扱うこと)」を指していると考えられる。いわゆる「いやらしい目で見る」という奴である。「温泉むすめ」は女をいやらしい目で見たいという男の願望を満たすことを目的としたコンテンツであり、「温泉むすめ」を介して女性尊厳無視する快楽に慣れたユーザーは、いずれより強い刺激を求め、現実女性に対して性差別性搾取性犯罪を行うようになる、という理屈である

もっといえば「萌え絵」と呼ばれる画風そのものが「男の願望を満たす要素のみで女性表現する画風」なのであり、「萌え絵」を介して女性尊厳無視する快楽に慣れた男は、いずれより強い刺激を求め、現実女性に対して性差別性搾取性犯罪を行うようになる、という理屈でもある。

大人現実虚構区別がつく

藤氏の間違いは「大人現実虚構区別がつく」という事実無視して論理を展開していることである犯罪映画が大ヒットしても犯罪者は増えないし、ポルノビデオ流通しても性犯罪は増えない。犯罪統計がそれを証明している。

藤氏論理破綻しているし「温泉むすめ」は性差別助長しない。

女性にも萌え絵歓迎派がいる

藤氏の失敗は「女性にも萌え絵歓迎派がいる」という事実を見逃していることである。仁藤氏フェミニスト諸氏にとっては「手遅れ」ということなのであろうが、女性にも萌え絵歓迎派がいる。萌え絵を好んで描く女性イラストレーター大勢いるし、男性向けキャラクターコンテンツを好む女性消費者大勢いる。個別性的表現不快感を抱く女性であっても萌え絵自体不快感を抱くとは限らないのである

藤氏感情的性差別を叫んでも女性全ての共感を集めることはできず、表現規制の機運が盛り上がることはない。

個別性的表現について

肌の露出や胸の強調などの個別性的表現について、ミニスカートノースリーブ現実女性普通に着用しているものであり、直ちに性的と言い切れない。どこまでが許容範囲でどこから性的表現かは個人主観に大きく依存するものである。仁藤氏の挙げた「スカートに陰部がわかる不自然な影」も筆者は「不自然」としか認識できず性を感じない。

多種多様表現のどれが女性差別肯定に該当するかについて社会的合意はまだない。「温泉むすめ」が女性差別肯定に該当すると断じることはできない。

藤氏に期待したいこと

藤氏のすべきことはやはり「説明」だろう。なぜ「温泉むすめ」は性差別助長するのか、仁藤氏科学裏付けの元に論理的に説明すべきである論理説明のできないうちは、フェミニストの目指す理想社会は到来しないと考える。

温泉むすめ」運営に期待したいこと

温泉むすめ」運営にも着手して欲しいことがある。「女性不快感を与える描写の削除」である。上段で述べたが女性にも萌え絵歓迎派がいる。今は男性ファンしかいないとしても今後必ず女性ファンは増える。ラブライブ!アニメ化の際に大きく路線変更して女性ファンを大幅に増やした。「温泉むすめ」もいずれその日が来ると考える。

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