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はてなキーワード: 救命ボートとは

2019-03-06

anond:20190305124019

健常な若者救命ボートに乗れず死ぬんだよね。東北震災の時、役場若い女職員がみんなが避難するまで職場にとどまって警報を鳴らし続けて自らは津波に流されたように。

彼女のおかげで逃れられた人間の中で彼女より世の中の役に立つ人間がどれくらいいたのか。ほとんどは財政を食いつぶすだけの老人

2019-03-05

anond:20190305124227

問題は、お金は確実に足りず、弱い立場の人は無限にいるように感じられることです。

誰が救命ボートに乗るべきか、誰もがフェアと思える答えはあるのか。。

anond:20190305115208

そうですよね。

結局、限られた人数しか乗れない救命ボートに、誰もが殺到するんですね。

我が家にできる事は、我が子たちの為に何とか筏をつくり、救命ボートに乗れる人を増やすことです。

それぐらい。無力ですね。

2019-01-03

anond:20190103171733

流石に小型船や救命ボートくらいの大きさのものは感知できないか

感知できてもクジラなのかゴミなのか判定できるまでの精度はないと思われます

2018-11-15

20年ぶりにタイタニックみて落ち込んだ

当時は感動したけど約20年ぶりにみたら落ち込んだ

なんだこれ

助かる人がいなかったり、救命ボートから人を突き落として自分だけ助かろうという描写に鬱になった

氷点下の海に落ちたらそら凍死当たり前やん

なんでだろう

全然感動しなかった

2018-09-13

酒鬼薔薇王国 沈没の記録

豪華客船酒鬼薔薇王国」号は氷山にぶっかって沈没した。乗客が次々とボートで逃げ出すなか、くそ餓鬼はこの船と運命をともにしようと思った。

もともとくそ餓鬼はこの客船世界をまわりながら元少年Aを探すつもりだった。旅行会社によってさまざまなツアーが組まれたが、すべては徒労に終わった。ツアー客が元少年Aに会うことよりも船内で酒を飲んで騒ぎたいだけと知ったときの怒りは大きかった。

上海に寄港したときお土産に鶴の掛け軸を買った。鑑定書を見せようとする店主に落書きして捨てるつもりだからそんなものはいらないと言うと殴打された。店主の怒りは激しく、何をしにきたか白状するまで日本には帰さないと言う。

元少年Aを探している」と言うと、元少年Aの屋敷は海底にあるので船旅では見つけられないという。おそらく旅行会社に騙されたのだろう、軍に頼んで潜水艦を用意してもらうといい、とりあえず二度と来るなと言われた。さっそく自衛隊に連絡を取り、潜水艦を手配してもらうことになった。「酒鬼薔薇王国」号の船旅は今回で最後、そう思った矢先の出来事だった。

救命ボートの奪いあいなどは起こらなかった。かといって整然としていたわけではない。泥酔したまま海に落ちる乗客が多数いた。ひどいのになるとドラッグをキメて「鶴に襲われている」とうめきながら海に落ちるのもいた。これが二十余年にわたって行われてきたツアー最後か、と思った。

柊は潜水服を着て「元少年Aに会いに行ってくる」と言って海に飛び込んだ。愛子は「海のなかにも都はございます」と言って夫と一緒に飛び込んだ。くそ餓鬼は金庫のある部屋で最後を迎えようと思った。金庫のなかに元少年Aに送ったラブレターが入っている。

金庫のある部屋に行くと、天野がいた。天野は金庫から元少年Aからラブレターを取り出し、一枚一枚丁寧に燃やしていた。天野は金庫破りのプロだった。くそ餓鬼はなんでこんなことをするんだと怒鳴った。天野は柊に対する嫌がらせだという。くそ餓鬼は柊が燃やせと言ったらしいということは理解できたが、それが柊に対する嫌がらせになるという理屈がさっぱり分からない。

とりあえずくそ餓鬼日本刀で天野斬首した。

2018-01-14

救命ボート

豪華客船沈没して、多国籍の人々が、救命ボートに乗りました。

しかし定員オーバーで、男の人たちに降りてもらわないと沈んでしまます。そこで、船長はこう言いました。

日本人 には「国際的にみんなが、黒塗りは差別だと言っていまいすよ」

イギリス人には「あなた紳士だ。紳士は黒塗りなんかしない」

イタリア人には「美女たちに黒塗りはモテないですよ」

ドイツ人 には「黒塗りは黒人差別です、そういうルールになっています

フランス人には「決して黒塗りはしないでください。」

アメリカ人には、「エディー・マーフィーになればヒーローになれるぜ」

ローリング・ストーンズには、「みんながカバーしていますよ」

2017-11-21

anond:20171121191223

君は同じ学歴で同じ仕事をしてても、黄色人種からと安い給料でこき使われ馬鹿にされ、同僚は自分より仕事が出来ないけど白人から元々の給料も高く出世も早い

犯罪が起こっても黄色人種から真っ先に疑われる

海難事故の際に黄色人種だけ救命ボートにのせてもらえず死ぬ

休日に家から出られる時間を厳密に決められている

みたいな世界に住みたいのか

2017-11-17

https://anond.hatelabo.jp/20171116220817

逆ですね

ショートショートはその状況に既に理解のある人が既存情報をもとに想像することで

自己解決感覚を一体感相互理解勘違いする高揚感でファンも多い作風

この前提が揺らいでいるとショートショートにまとめきれない

古代の神や社会通念性について変化と原型からはずれた例が多すぎる現在ではどんな例を出すにしても世代状態限定して説明する必要がありショートショートとして「既にある素材を使い状況だけを構成する小説」は造れなくなっていく

豊臣秀吉のような威厳をもって佇む何々」と表現したところで

豊臣秀吉は女ではない

豊臣秀吉イケメンではない

豊臣秀吉は魔術を使わない

豊臣秀吉はキレても超パワーを発揮しない

説明をするか、そういう状況であることを世界観として成立させる文字数必要になる

かつてのSFショートショートでも「宇宙空間に取り残された救命船」といえば想像がつかないので救命ボートから暗闇に取り残されたものだというところまでくらいしか想像がつかなかった

それが何とか粒子はない、循環システムは無制限ではない、ソーラー発電はあるがニュートリノ変電装置はない、宇宙文化があるのは地球のみである、外宇宙文化によるもので取り残されたのか、など前提が多く必要でなければ作者の誘導を大きく外れる

ショートショートではおさまりきらなくなる

またアイテムひとつ出すにしてもどのバージョンのものであるかを延々と説明する必要がでてくる

もうストーリーだけ出すのであればSNS大喜利が始まるので済む

逆にSNS大喜利ショートショートであると言えばそれは「ショートショートブーム」だと言えるかもしれない

2017-08-29

突然の嵐。 座礁する船。

救命ボートは有るが、十人の内のひとりは残らなければならない。

船長責任があると言って船長だけを残して脱出した。

でも、あとから気づいたんだ。 救命ボートの定員は15名だった。

救命って言うからパニックの中で9名しか乗れないと皆が思い込んでしまったんだ。

こういう錯誤を含む場面で犠牲を強いても緊急避難にあたるだろうか?

というどうでもいいことを考える夜明け前

2017-06-06

難破船上の騎士道幻想

という研究結果が出た

物語でよくある難破船から救命ボート女子供を先に乗せて男は沈むあれ。

18隻の沈没船の15142人を調べた結果、生存率が男性の34.5%に対し、女性17.8%だった。

女性生存率が高かったのはタイタニックとバーケンヘッドの二件のみで、いずれも船長女子供を優先するように指示し船員が武装して男性を止めた結果らしい。

そら生死の境に居たら力が強い方が弱者を押しのけて生き延びようとするだろうが、何度もドラマ映画で見たシーンが幻想だったのは何かがっかりだ。

2017-01-30

トランプカナダのやりとりをみて

船が沈むときに先に救命ボートに乗せる順番みたいな話を思い出して、先に乗るといわれる人と乗組員の間にいる人の気持ちに寄り添うことは難しいよなあという話が降ってきた

2015-07-09

幻を見る人 四篇  田村隆一

から小鳥が墜ちてくる

誰もいない所で射殺された一羽の小鳥のために

野はある

 

から叫びが聴えてくる

誰もいない部屋で射殺されたひとつ叫びのために

世界はある

 

空は小鳥のためにあり 小鳥は空からしか墜ちてこない

窓は叫びのためにあり 叫びは窓からしか聴えてこない

 

どうしてそうなのかわたしには分らない

ただどうしてそうなのかをわたしは感じる

 

小鳥が墜ちてくるからには高さがあるわけだ 閉されたものがあるわけだ

叫びが聴えてくるからには

 

野のなかに小鳥の屍骸があるように わたしの頭のなかは死でいっぱいだ

わたしの頭のなかに死があるように 世界中の窓という窓には誰もいない

 

 

はじめ

わたしはちいさなから見ていた

四時半

犬が走り過ぎた

ひややかな情熱がそれを追った

 

(どこから犬はきたか

 その瘦せた犬は

 どこへ走り去ったか

 われわれの時代の犬は)

(いかなる暗黒がおまえを追うか

 いかなる欲望がおまえを走らせるか)

 

二時

梨の木が裂けた

蟻が仲間の死骸をひきずっていった

 

(これまでに

 われわれの眼で見てきたもの

 いつも終りからはじまった)

(われわれが生れた時は

 とっくにわれわれは死んでいた

 われわれが叫び声を聴く時は

 もう沈黙があるばかり)

 

一時半

非常に高いところから

一羽の黒鳥が落ちてきた

 

(この庭はだれのもの

 秋の光のなかで

 荒廃しきったこの淋しい庭は

 だれのものか)

(鳥が獲物を探すように

 非常に高いところにいる人よ

 この庭はだれのものか)

 

十二時

遠くを見ている人のような眼で

わたしは庭を見た

 

 

空は

われわれの時代漂流物でいっぱいだ

一羽の小鳥でさえ

暗黒の巣にかえってゆくためには

われわれのにがい心を通らねばならない

 

 

ひとつの声がおわった 夜明けの

鳥籠のなかでそれをきいたとき

その声がなにを求めているもの

わたしには分らなかった

 

ひとつのイメジが消えた 夕闇の

救命ボートのなかでそれをみたとき

その影がなにから生れたもの

わたしには分らなかった

 

鳥籠から飛びさって その声が

われらの空をつくるとき

救命ボートをうち砕いて その影が

われらの地平線をつくるとき

 

わたしの渇きは正午のなかにある

2015-05-09

http://anond.hatelabo.jp/20150509084918

ちゃんと継続して連絡取れて、アバンドン判断して、救命ボートに移って、救助されたんだから、海の世界で求められている責任果たしていると思う。

クジラアタックは見張りでどうにかなる災難じゃないし。

車で高速走ってて下からジェットモグラタンク出てきても避けられないでしょ?

2013-03-10

http://anond.hatelabo.jp/20130309233920

残念なソフトウェア開発の現場は、沈みかけの巨大な船に乗った航海に似ている。

船底の穴から浸水必死でかき出しながら、どうにか進んで行く。そういう航海だ。

船のどこにどれだけ浸水箇所があるのかは分からない。

ある穴を塞ごうと船底に板を打ち付けたら、

それによって別の場所に新しい穴を空けてしまったりする。

船の構造はあまりに複雑で、膨大な部品の間にどんな依存関係相互作用があるのか、

誰も完全には把握していない。

それは、はるか昔に組み立てられた太古の船で、

構造把握の手掛かりは、代々伝わる不十分で不正確な古文書だけなのだ

新任の船員は、出た水に対してとにかく手当たり次第に対処した。

どんな物でも使い、徹夜で穴を塞いで回った。

ひたすら大きな声で号令を出し、

いかに早く穴を塞ぐかが、船員の間で競われた。

何人もの船員が過労と心労で倒れ、

航跡には水葬者が点々と残された。

船員たちが経験を積むうちに、浸水するのは船室の新しく手を加えた部分だと分かり始めた。

船室の改装作業の一部でよく穴を空けてしまうらしい。

そこで彼らは、改装作業を終えた時のチェックリストを用意する事にした。

穴を空けていないかの確認事項をリストに列挙し、

作業の後にそれを読んで各部を確かめれば、

穴を空けたままにしてしまう事は無くなるだろう。

しかし、浸水はあまり減らなかった。

穴を開けてしま作業パターンは膨大だった。

それが船底だったら・機関室だったら・客室だったら・甲板だったら・竜骨沿いだったら・板だったら・柱だったら・ドアだったら・蝶番だったら・ドアノブだったら……。

不思議な事だが、ドアノブを直しても浸水する事がこの船にはあった。事例が少なくて原因は良く分かっていない)

チェックリストの長さは、すぐに人が把握できる数を超えた。

複雑な船に対するチェックリストはそれ自体複雑になってしまったのだ。

浸水して沈みかけた船の構造を反映したチェックリストは、

それ自身浸水して沈みかけになった。

船員達はやがて、修正する部品を仮組みして水槽テストするようになった。

事前に水漏れが無いかをテストしてから実際に船に取り付ければ、

部品が新しい水漏れの箇所にはならないはずだ。

それでも、浸水はなかなか減らなかった。

まず、水槽と実際の大海原とでは、

水圧や比重やその他もろもろの条件が大きく違った。

また、既存部品と新しい部品とを取り付ける境界部分そのものについては、

やはり実際に取り付けてみないと分からない部分も多かった。

何より、部品のものが既に複雑だった。

それに対する事前のテストも、天候や波の高さ・潮の流れなど、

様々な特殊な条件を考慮する必要があり、

テストする項目も非常に複雑なものになってしまった。

テストが本当に妥当ものか、穴を見落としていないか、

誰にも分からなかった。

浸水して沈みかけた船の構造を反映したテストは、

それ自身浸水して沈みかけだった。

ある時、水平線上に別の真新しい船が見えた。

それは黒い小ぶりの船で、いかにも俊敏で頑丈そうな船だった。

自分達の乗る船が大波や嵐に遭って戦場と化している時でも、

その黒船は悠々と航海を続けているように見えた。

船員達の一部は、そんな黒船を憧れと羨望の眼差しで眺めた。

しかし、他の船員の一団は、

あの船は小さくて目新しいから、華やかで順調そうに見えるだけで、

俺たちのような信頼と伝統のある大型船舶とは違う、ヨット遊びみたいなものだ。

と、その船の小ささを馬鹿にしてみせた。

ある船員はその船の特徴的なマストの形状を真似て、

自分達の船にも似たようなマストを取り付けてみようとした。

しかし、船は俊敏にも堅牢にもならず、新たな浸水しか生まなかった。

それで結局、この船には今のやり方しか無いのだ、

という保守的な声が、船員達の間で支配的になった。

マストの取り付けが失敗するのを見ていたある船員は

「積荷信仰カーゴカルト)……」とつぶやいた。

その船員は、船に乗る前の学生時代から、小さなヨット作りに熱中していた。

最新の材料設計技法を駆使した小さなヨット自分で組み立て、海に浮かべて楽しんでいた。

自分ヨットが有名なヨット雑誌掲載されたこともあり、それが今でも誇りだった。

そんな彼が、今では大型船舶の穴埋めに奔走していた。

現実の足元で起きる浸水を、ひたすら塞いで回る日々だった。

ああなっていれば……こうなっていれば……そんな仮定が頭の中を何度もよぎった。

それでも彼は忠実に、言われるがまま、浸水を塞いで回った。

ある時彼は、比較的大きな船室の改修を任された。

久しぶりの新しい仕事に彼は熱中し、

自分の知識の全てを注ぎ込んで新しい船室を設計した。

上司がその設計を見たとき、彼の顔は曇った。

「このアタッチメントはなんだ?」

はい、それによって新しい部品既存部品と切り分けられて、

浸水がここより先に及ばないようになります

それに、今後また改修があった場合

アタッチメントの部分から丸ごと入れ替えることができます

「こんなアタッチメントなんて見たこと無い。

他と同じように作り直せ。

それにこの部分の文言はなんだ?」

はい、それによってこの部品使用箇所が限定されて、

他の部分で使われていない事が証明できます

「そんなの他の誰が読んでも分からないだろう。

これを見た客にも、何で今までと違うのか説明できない。

こんな文言は削って他と同じようにしろ

何でちゃんと今までと同じように作らないんだ?」

謙虚な彼は、ただうな垂れて、言われるがまま指示に従った。

彼は善良な人間だったので、自分のこだわりのために無闇に人と衝突するよりも、

職場雰囲気や他の船員達との関係を大切にしようと思った。

彼はそうやって、日々の仕事とどうにか折り合いを付けて、

船員稼業を続けていった。

大きな衝突も無く、仕事も手早かったため、

他の船員達からは頼りにされた。

ただ、週に一度の飲み会や船を挙げてのパーティーでは気後れを感じ、

自分の部屋に戻ってヨット雑誌を読んだり、

船の模型を作っていたくなった。

「皆さんの頑張りで今この船が航海できています今日はこの場の皆さんに感謝を込めて、乾杯!」

そんな乾杯音頭が、何だか空々しく聞こえた。

船底では、今も浸水を塞いでいる船員がいるのだ。

善良な彼も、つい冷笑を浮かべてしまった。

ある時、黒船が大きく進路を変えた。

目を見張るような素早い転換だった。

それから、船員達の集まり船長が怒鳴り込んできた。

「今すぐ黒船を追って進路を変えろ」

何でも、新しい大陸が見つかって、そこにたどり着ければ一攫千金だと言う。

「何が何でもすぐやれ。黒船に先を越されるぞ」

船員達は口々に、それは無理だと言った。

まず、ただでさえ浸水箇所が多くて、それを塞がないといけない。

進路を変えると負荷が掛かる部分が変わって、新しい浸水が無数に起こるだろう。

新しい部品必要だし、

それを作って水槽テストして長いチェックリスト確認して……とにかく無理がある。

「とにかくやれ。オーナー命令だ」

その日から、船上は戦場になった。

無理な進路転換とその影響で、新しい無数の浸水が生じた。

浸水が生じるとその原因を追究してチェックリストテストに反映する決まりになっていた。

まり浸水があるたびにチェックやテストが大変になった。

するとチェックやテストは消化不良になり、

浸水も見落としや誤魔化しが増え、

それがまたチェックやテストを難しくするという、悪循環となった。

船員の誰もが「これは無理だ」と感じていた。

船長はただ大きな声で怒鳴っていた。

ヨット作りの好きな船員も、一心不乱で働いていた。

しかし彼は、構造的にこの船が進路転換に耐えられないことを、

どこかで勘付いていた。

隣の船員が水葬に伏されるのを見送りながら、明日は我が身だと思った。

ある時、船室に大きな音が走った。

何かが裂ける音と、それに続く悲鳴のような音が船中に響いた。

船は船底から二つに裂けていた。

無理な進路転換のせいで、船体に大きな負荷が掛かったのだ。

もはや誰にも沈没を止められなかった。

船長やそのお気に入りの船員達だけは、

あらかじめ確保してあった専用の救命ボートでいち早く脱出していた。

しかし、一般船員向けの救命艇は不十分で、何よりそこに行き着く道も複雑で、よく把握できなかった。

多くの船員は、船と運命を共にした。

ヨット作りの好きな船員も例外ではなかった。

海の上に放り出された彼は、自分もこのまま死ぬのだと思った。

静かな海で、上司の怒号が聞こえないのが、ひどく幸福に思えた。

海のはるか向こうでは、黒船滑るように新大陸を目指して進んでいた。

僕はあの黒船を知っている、と彼は思った。

僕は知っている。あの船がどんな構造を持っていて、

どんな組織精神のもとに航海しているのか。

学生時代にも勉強したし、毎月のヨット雑誌でも扱っている。

僕はそれをずっと夢見ていたし、自分ヨット模型でも試してみたことがある。

僕はあの船のことをよく知っている。

ただ、この沈んだ船では、その知識が生かせなかった。

それは何故なんだろう。

黒船から目を離すと、周囲にはあらゆる汚物が浮かんで、

自分と同じように海を漂っているのが見えた。

彼は、パーティーの時と同じように冷笑を浮かべた。

理由はどうあれ、結局は、沈むべきものが沈むのだ。

それは真っ当なことなんだ。

あのままボロ船が航海を続けてしまった方が、

結局は、犠牲になる人も金も人生も多かったのだ、と。

きっと黒船新大陸に辿り着くだろう。

そこで目覚しい成果を挙げるだろう。

まれ変わったら、あんな船を作ったり乗る仕事に着きたい。

だが、この職業も同じ船乗りではなかったか

船が好きで、船に憧れて、この職業に就いたのでは?

それは間違った事なのか? 船が好きなのに?

疑問は尽きなかったが、冷たい海水ゆっくりと彼を殺していった。

最後の力を振り絞って水平線の黒船一瞥すると、

その優雅な姿をまぶたの裏に止めたまま、

船乗りの夢を見ながら、彼は死んでいった。

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