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はてなキーワード: リーガ・エスパニョーラとは

2023-01-16

【再掲】フットボール二重国籍

※以下に書くことはサッカーファンにとってはほとんど常識と言って良い内容だが、そこまでのサッカーファンでない、日本代表試合くらいは見るけどJや海外サッカーまで追ってないような人たちのために書いている。

1.ボスマン以後のクラブ

 つい先日、レアル・マドリードの先発にスペイン人が一人もいないという状況が起きた。

と聞くと「リーガ・エスパニョーラって外国人枠無いの?」と思うかもしれないが、半分は正しい。今のリーガ・エスパニョーラセリエAに『外国人枠』はない。というか作れないのだ。

ボスマンという選手移籍を巡って提訴した裁判判決1995年に出て、「EU内での労働者移動の自由」はサッカー選手にも適用されることになった。

からそれ以降、セリエAリーガエスパニョーラに存在するのは『外国人枠』ではなくて『EU選手枠』に改められた。

逆に言うと”EU加盟国選手であれば外国人でもいくら取っても可能”ということになり、2010年にはとうとうイングランド・プレミアリーグの試合なのに両チームでピッチに立っている選手にイングランド人が1人もいない試合という事態も発生した。むしろレアル・マドリードはよく持った方だ。

 とはいえ、ここまで来ると『チームのアイデンティティとは何か』という概念にも関わってくる。スポンサー料や放映権料も重要だが、クラブチームにとっては入場料も決して無視できる収入ではない。

そして、入場料を一番多く払い、あるいは国内向けの放送を熱心に見てくれるのは、自分クラブを『おらが街のクラブ』として長年応援し続けてくれる人たちだ。

(余談&完全に増田私見だが、この『おらが街のチーム』として熱心な固定ファンを掴むのに最も成功している日本スポーツチームは、プロ野球阪神タイガースである)

 そういう人たちが『外国人ばかりのチームでは自分たちのチームと思えない』と思うのは地域密着理念から当然のことであるか? それと排外主義差別主義者か?

少なくとも簡単に答えの出せる問題ではないし、『自分たちのクラブと思えないから”自分は”スタジアムに行かない』というのを止める権利は誰にもない。

だがそんなことが多く起こるようになったらサッカーの将来にとってあまりプラスにはならない。スタジアムに観客が少ないとやはり盛り上がりに欠ける。

 そういうわけでここ数年「ホームグロウン」という制度ができた。欧州カップ戦(チャンピオンズリーグおよびヨーロッパリーグ)に登録できるシニア(22歳以上)の選手は25名までで、

そのうちの最低8人までは、21歳までに3年間は『自国内のクラブ所属した(≒育てられた)』選手でなければならない。国籍で問うとEU判例に引っかかるので『育った場所』を基準とすることになった。

チャンピオンズリーグヨーロッパリーグに出ないクラブには関係ない(プレミアリーグのように、同様の制度自国で用意したリーグを除く)が、

資金力が小さくヨーロッパカップ戦に届かないクラブほど自国出身選手が多いのが常なので問題は少ない。

これも「EU理念からは後退なのかもしれないが、「地域に根ざしたスポーツクラブ」という理念からはむしろ正常化とも言える。



2.本題・”EU選手枠”と二重国籍

 とはいえアメリカ大陸アフリカアジア出身選手から見れば『EU選手枠』の中で争うよりは『EU内のどこかの国の市民権持ち』扱いになった方が色々と有利なのも確かだ。

そういう時に有効活用(?)されるのが先祖血統だ。南米アフリカ選手場合先祖を少したどればどこか西欧の国に行き着くことは珍しくない。

そういう場合血縁理由先祖の国の市民権を取得し、代表は変えず(というかFIFAルール上変えられない)にEU選手として潜り込むということが多い。

日本韓国選手はそういうことが基本的に出来ないから不利ではある。ハーフナー・マイク酒井高徳はもしかしたら可能なのかもしれないが……。

 少しFIFAルールに触れたが、現在サッカーではA代表(年齢制限のない代表)で試合に出たら他の国の代表として試合に出ることはできない。

オリンピックだと、前の大会卓球中国代表として出場していた選手が次の大会ではアメリカ代表として出ていたりするが、サッカーでそれはできない。

もちろん、ユーゴスラビアのように国そのものが分裂した場合は別である

 逆に言うと、『A代表試合に出ていなければ』2つ以上の国を天秤にかけて代表を選ぶこともできる。

(ちなみに以前カタールが『代表に選ばれない程度の、ブラジル人などの有力選手(カタールとは縁もゆかりもない)』

 に声をかけてカタール代表にし、手っ取り早く代表を強化しようとしたこともあった。流石にFIFAがそれをさせないルールを作ったが)

 だが一方で、フランスが若手の育成組織を整備して1998年W杯を制して以来、どこの国でも多かれ少なかれ”サッカー選手の育成”に金をかけて取り組んできた。目的はもちろん、自国代表の強化だ。

そんな中で上述したような『南米アフリカと、EUの国の多重国籍』の選手が、必ずしも自国代表を選ぶとは限らない。

2000年前後トルコが強かったのは、『ドイツで生まれトルコ移民の子孫が、トルコ代表としてプレーする』ことが多かったからだ。

最近ではドイツ代表にもトルコ系の選手が出てきたが、今度は”国策育成の本家フランスの方で問題になってきている。

 2011年、フランスサッカー協会の技術委員会役員が『アカデミーに入れるのは白人を中心とし、黒人やアラブ人は25%以下に抑えるようにできないか』と委員会で発言したことがリークされて物議を醸したが、

そのような発言が出るのは委員個人が極端な差別主義者だったからではなく、『フランスの金で将来のフランス代表として育成したのに、最終的には母国アフリカ諸国代表になる』

選手無視できなくなってきたからだ(もちろん、だからといって許される発言ではないが……)。

アフリカ諸国協会EU諸国協会ではEU諸国協会に金があるのは成り行き上当然のことであり、最終的には才能なのかもしれないが育成のために金があった方が効果なのは事実だ。

そんな中で協会としては『アフリカ協会欧州の金で育てた選手に”ただ乗り”している』という被害者意識が出てきている。

あるいは国が抱える民族問題の縮図のようなことが代表チーム内で起こることも今後増えることはあれど減ることはないだろう。

代表戦なくせ? FIFAの最有力の資金源ですし、それやったらサッカーでは欧州ますます発言力を増すことになりますよ。

2019-07-08

欧州サッカークラブとJクラブ経営比較2015-2016とおまけ

1.FAQ

Q1:2015-16ってどんなシーズンだっけ?

A1:レスタープレミアリーグ優勝しました。UEFACL決勝はレアルアトレティコのマドリッド・ダービーでした。

Q2:なんで2015-16なの?

A2:ぶっちゃけゼニトトップ20に入っていたからです(デロイトのランキングトップ20しか具体的な内訳が載ってない)。

Q3:ゼニトってどんなクラブ

A3:正式名称FCゼニト・サンクトペテルブルク名前の通りサンクトペテルブルク本拠とするロシアリーグクラブです。ロシア天然ガス会社ガスプロムスポンサーをしており、ロシアリーグの割には経営に余裕があるクラブです。

Q4:それってフィナンシャル・フェアプレー(FFP)的にどうなの?

A4:スポンサー料、スタジアムネーミングライツ料などは『親会社が不当に高値で買っている』と言いたくても『じゃあ正当な値段っていくらよ?』と言われると反論しづらい部分があり、そこが抜け道になっていますマンチェスター・シティパリ・サンジェルマンも似たような手法を使っています

Q5:2016年のJリーグってどんな状況?

A5:ダゾーン契約する前の年です。あと、ガンバ大阪は新スタジアムを使うようになった最初シーズンです。

2 経営数字

注意書きは前回(https://anond.hatelabo.jp/20190527234645)を参照してください。欧州2015-16シーズンJリーグ2016年です。1ユーロ=120円で計算しています

全体順位クラブ総収入入場料放映権商業平均観客客単価
1マンチェスターU689.0137.5187.7363.87532796.07
2バルセロナ620.2121.4202.7296.17972480.14
3Rマドリッド620.1129.0227.7263.47128095.25
4バイエルン592.0101.8147.6342.67501779.83
5マンチェスターC524.970.2215.8238.95401768.40
6パリSG520.992.5123.1305.346160105.47
11ユヴェントス347.143.7195.7107.73910658.81
12ドルトムント283.961.182.6140.28076044.50
14Aマドリッド228.636.0139.453.24308743.97
17ゼニト198.510.342.4145.81681340.84
18ウエストハム192.336.0115.940.43487354.33
19インテル179.225.798.654.94553829.70
20レスター172.115.4126.630.13202425.31
--------
-浦和レッズ55.119.82.732.63820828.08
-ガンバ大阪42.911.62.428.92534226.23

もうこの頃にはプレミアリーグ放映権バブルだったわけですが、レスター(優勝)とウエストハム(リーグ7位)を比較すると『プレミアリーグ自体』の放映権料は比較平等に分配されていることが分かります。(上位勢のプラスアルファチャンピオンズリーグ分)

(ちなみにこの年のウエストハムは前年のフェアプレー枠でUEFAヨーロッパリーグ予備予選1回戦から出場し、予備予選3回戦で敗退しているが、その分の放映権料は大したことは無いと思われる)

対照的なのがマドリッドの2チームで、RマドリーCL優勝、リーガ2位)とAマドリーCL準優勝、リーガ3位)は放映権料に大差がつけられています

どうもリーガ・エスパニョーラは放映権料が均等配分ではなくレアルマドリーバルセロナの2強に多くそれ以外に少ない配分になっているそうです。

本題に入ると、全体17位のゼニト商業収入親会社からスポンサー料)が収入の多くを占めています放映権料はそこそこ多いですがこれもチャンピオンズリーグ(ゼニトベスト16敗退)分を考えると、ロシアプレミアリーグ放映権料は多くは無さそうです。

この辺が、欧州中堅リーグ所属クラブリアルな入場料&放映権料かと思います

表には書きませんが、ゼニトよりさらに前だと2013-14の経営ランキングトップ20トルコリーグガラタサライランクインしていて、入場料と放映権料が5000万ユーロ弱、商業収入が7000万ユーロ弱でした。

そう考えると、Jリーグ位置づけも見えてきます放映権料以外は、J1の上位クラブ欧州中堅リーグの上位クラブプレミアリーグの下位クラブ程度に相当すると考えられます

この年に関して言うなら、客単価も含めた集客力だけ見るなら、レスターインテル浦和レッズが同程度という数字が出ています

3.おまけ

2015-16シーズンレスターは優勝し、当然ながら翌シーズンチャンピオンズリーグに出場しました。その2016-17シーズン収入比較が以下になります

全体順位クラブ総収入入場料放映権商業平均観客客単価
1マンチェスターU676.3125.2225.9325.27530587.5
2Rマドリッド674.6136.4236.8301.469426103.4
3バルセロナ648.3137.2214.9296.27867891.8
4バイエルン587.897.7146.7343.47502476.6
14レスター271.119.2222.029.93192031.7


バイエルン・ミュンヘンを軽く凌駕し、FCバルセロナすら僅差で越える放映権料がレスターに入ったことになります。結果、レスター収入は82%が放映権料という結果になりました。

……放映権バブルしゅごい

2018-07-03

anond:20180703170118

リーガ・エスパニョーラは「スペインリーグ」って意味だし、

セリエ・アー」は「シリーズA」っていう意味だぞ。

「A」より「J」のほうがかっこいいだろ。

2018-06-30

anond:20180630134042

スペインサッカーみたいにアホみたいに攻めるスタイルのとこもある。

リーガ・エスパニョーラの荒れたサポーターが暴れる理由推しクラブが負けるだけでなく、推しクラブが勝ってもつまらない試合だと暴れるんだw

からリーガ・エスパニョーラでは点取り合戦みたいな激しい試合展開が好まれるため、スペインサッカー全体が超攻撃スタイルになってる。

2017-09-12

5分で読めないカタルーニャ情勢の補足

5分でわかるカタルーニャ問題増田です。すごい伸びててビックリしました。増田ブクマ四桁行ったのなんて初めてです。みんなカタルーニャに興味あるんやな……!

https://anond.hatelabo.jp/20170910082231

ということで、補足説明の補足に来ました。

sgo2 東京税金地方にばら撒かれるのはうんざりから独立する!と言ったら他県民がどう思うか考えれば、スペイン中央政府辛辣なのも多少は理解できるかと。(その辺差し引いても愚行とは思うが)

その喩えでいうなら、東京はたくさん税金を払っているのになかなか高速道路は作られないし老朽化した鉄道しか走っていない、しかもどちらも他の地方では整備されているのに、という状況なんですよね(近郊電車整備計画実施率はマドリードがほぼ100%バルセロナでは10%以下)。

さらに、法律では介護費用中央政府自治州が均等に負担することになっているのですが、2014年度のカタルーニャ自治州拠出額は9億ユーロを超えるのに対して中央政府は2億ユーロ弱。2015年度のカタルーニャへの文化予算は凍結されたのですがプラド美術館への予算は増額。最も視聴率の高いカタルーニャ語TV放送局廃止対象として名前が挙がっています(この辺、詳しくは参考文献にある奥野良知「カタルーニャでなぜ独立主義が高まっているのか?」38~40ページを参照してください)。

仮に日本でこんなことされたら都民が怒っても許されるのではないかと。

mahal しか徴税権の上前問題ぶっちゃけバレンシアラマンチャアンダルシア辺りから見ても「ヤツら俺らより金持ってるやんけ」みたいな感情とかはありそうなのが、また難しそうな。

実は2006年カタルーニャ自治州自治憲章は、中央政府だけではなく、ムルシアラ・リオハアラゴンバレンシアバレアレス諸島の5自治州から違憲だとして提訴されていますムルシア自治州ラ・リオハ自治州はご承知の通り1県だけで1自治州構成しているところで、何やら思うところがあったのかもしれません。バレンシア自治州バレアレス諸島自治州というカタルーニャ語圏に属する自治州から提訴されてるのは、カタルーニャ自治州独立運動が単純に言語だけに根ざしたものではないことの証明といえそうです。アラゴン自治州は州内にアラゴン語という少数言語を抱えていますが非常に規模が小さく、むしろカタルーニャとの州境沿いに広がるカタルーニャ語勢力の方が強い州ですね(州としての多数派言語スペイン語)。要するにカタルーニャ隣接する全ての自治州から違憲だと訴えられてることになるわけで、ご指摘のような要素は間違いなくあるだろうなと。

shoot_c_na こういうアプローチだとカタルーニャ可哀想だろうが、視点変えたら「貧乏人の面倒をもう押し付けられたくない。中央が取り立てるから習い事が続けられない」にもなるので、憤る前に深呼吸した方がいい

スペイン語という習い事カタルーニャ人押し付けているのはスペイン政府の側なのですがそれは。

スペイン語を「学ぶのが当然」、カタルーニャ語を「地方しか通じない特殊言語で学ぶ必要特にない」扱いする態度こそがカタルーニャ人の怒りを買ってきたわけで。

IkaMaru そこまで経済力のある地方を懐柔するのでなく抑圧して怒りを買うって、善悪別にしても政治のものがヘタクソすぎないか

これはもう統治技法問題じゃなくて、国民党(や市民党からしてみたら国家のあり方の根幹に関わる問題なので、妥協できないんだろうなーと思います。彼らからすれば憲法無視国家統一破壊する暴挙を阻止しようと懸命なのでしょう。

hahiho これ中央政府側もカタルーニャに甘い顔した奴は失脚一直線みたいな空気感すごそう

ていうか、スペイン中央ではけっこう反カタルーニャ雰囲気が強いんですね。彼らにはカタルーニャ要求が反スペイン的なものに見えていて、カタルーニャへの反感が政治家だけでなく市民レベルでも見られるっぽいんです。正直それがどの程度「ふつう市民」の感覚を反映しているかは疑問ではありますが、与党国民党の台頭にあわせてそういう風潮も増大したとか。

もちろんカタルーニャ側もけっこう強引なことをやってたりするんですが、それでもカタルーニャ民意をそれなりに反映しているわけです。独立派独立するかどうかは別にして住民の声を聞くべきだよね派で議会のかなりの数を占めていますし。ところがマドリードの側は「一部の煽動政治家によって国家分裂が試みられている」という認識なんですね。これは話通じませんわ。

あと、分離独立ということで、カタルーニャ独立運動フランス国民戦線みたいな国粋主義的・排外主義運動だと誤解する人も結構ます。実際には既に指摘したように移民出自独立に賛成している人も大勢ますし、普段スペイン語生活してる人の中にも独立派がいますし、そもそもカタルーニャ独自ネーションと認めないのってスペイン国主義以外の何物でもないと思うんですが。カタルーニャ移住した子どもが無理やりカタルーニャ語を学ばされている! と憤るスペイン人も多いようです。自分たちカタルーニャの子どもにスペイン語を学ばせていることは気にならないみたいですね。

以下のような体験をした人もいて、割とナチュラルカタルーニャ人のことを下に見てるカスティーリャ人って多いんだろうなぁと。

これに関して、「みんながカタルーニャのこと悪く言うけど、実際に住んでみたら全然違うじゃん!」という内容の動画ようつべで人気になってたみたいです(上で挙げた論文の注9で紹介されています)。

https://www.youtube.com/watch?v=M14ebPJ-AtM

こちらの論文も参考になります

  • Kathryn Crameri, “Anti-Catalanism, Moral Panics and the Catalan Language: The Case of Ciudadanos de segunda,” Journal of Iberian and Latin American Research, vol.21, no.2 (2015)

atahara なぜそんなにカタルーニャには、民族的アイデンティティがあるのか?という辺りに興味がある。例えばフランスも強力に言語統一して、国を維持してるよね。イギリススペインよりうまくいってないし。

いや、フランスバッチリ少数言語アイデンティティは残ってますよ。公用語としての地位こそないですが、オクシタンでは地名の二言語表記なんかもされるようになってますし、フランス領バスクではバスク語が話されていますし、ブルターニュではブレイス語を公用語にしようという主張が昔からあります。そしてコルシカ島では第2次世界大戦後に分離独立主義者テロが絶えなかった時期がありました。かつて少数言語絶対認めないマンとして有名だったフランスですら、最近地域語の存在を徐々に認めるようになってきてます(まあ、それでも地域公用語にすら指定してなかったりするので、かつての面影は健在というか)。

ちなみに欧州の少数言語Wikipedia作りが盛んで、バスク語オック語などの有名どころだけじゃなく、コルシカ語版(https://co.wikipedia.org/wiki/Pagina_maestra)やピカルディ語版(https://pcd.wikipedia.org/wiki/Accueul)のWikipediaも作られてますね。

参考文献はこちらです。

stet "逆に言えば、それ以外の言語を使う「義務」を州が課すことは違憲"ここの論理おかしいと思った。後段を見ても「それ以外の言語のみを「義務」とする」のが違憲ということでは。

私もこの辺の法律論争は詳しくないので、具体的にどういう理屈違憲とされたのかは参考文献で挙げた『現代スペインの諸相』を見てほしいのですが、たぶんこれは「知る義務」との兼ね合いじゃなくて「使う権利」の方に引っかかってるんだと思います。「カタルーニャ語を使う義務」があったとしたら、それは「スペイン語を使う権利が侵されている」ということになりますよね。

anus3710223 仮に独立した際、ビルバオ処置は如何に/いいまとめ。元々カタルーニャには興味あったので、参考文献読んでみたい。

mrescape 独立したらリーガバルセロナとかビルバオも脱退なのか?それだけはやめてほしい。アメリカMLSにもカナダのチームあるよね?そんなイメージ

ビルバオバスク自治州のチームなので、今回の住民投票カタルーニャ独立宣言しても問題なくリーガ・エスパニョーラには残れますね……。バルサに関しては、スペイン側が「リーガには参加できない」と言明してたような。カタルーニャ共和国リーグを作るか、あるいはリーグ・アンに参加するか、になるんじゃないかと思いますhttps://www.soccer-king.jp/news/world/esp/20151028/364245.html)。まあ、もしリーガ側が計算高ければ、独立が確定して覆せなくなった段階で残留してもいいとか言い出す可能性もありますけど。

gomaaji バスクはかなりの自治権を認められて停戦したのかなとぼんやり思ってたが、これを読むとバスク自治権なさそうで、あちらの解説もお願いしたい。

whirl 5分でわかるバスク地方もお願いしま

バスク自治州ナバラ自治州自治制度に関しては

が詳しく説明してくれているので、ぜひ読みましょう。かなりオススメです。

yogasa 権限委譲をしてしまっているのと教育なのかな。それと比べると本邦はおおよそ全ての国民47都道府県単一民族と思ってるだろうし統治成功しているんだなあ

いやだなあ、日本にもあるじゃないですか。選挙で示された県民民意中央政府にガン無視され続け、県民の怒りを逆撫でするような政策発言ばっかりされている、独自文化歴史を持つ県が。

最後

「5分じゃ読めない」って反応だらけだったの何なの!? ちゃんと5分でわかるまとめパートと補足説明パートは分けてたでしょ!? はてな民、読解力だけは信じてたのにがっかりだよ!1!!!

2014-03-20

フットボール国粋主義地域密着

※以下に書くことはサッカーファンにとってはほとんど常識と言って良い内容だが、そこまでのサッカーファンでない、日本代表試合くらいは見るけどJや海外サッカーまで追ってないような人たちのために書いている。

1.ボスマン以後のクラブ

 日本代表の長友が所属していることでもおなじみのインテル・ミラノというクラブ(一応断っておくが、半導体屋のインテルとは無関係インテルナツィオナーレ=英でインターナショナルの意)には2014年1月現在イタリア人が4人しかいない。

というのを聞いて「えっ、セリエAって外国人選手でもいくらでも獲得して良いの?」と思う人がいるかもしれないが、そうではない。

ボスマンという選手移籍を巡って提訴した裁判判決1995年に出て、「EU内での労働者移動の自由」はサッカー選手にも適用されることになった。

からそれ以降、セリエAやリーガ・エスパニョーラに存在するのは『外国人枠』ではなくて『EU選手枠』に改められた。

逆に言うと”EU加盟国選手であれば外国人でもいくら取っても可能”ということになり、2010年にはとうとうイングランド・プレミアリーグの試合なのに両チームでピッチに立っている選手にイングランド人が1人もいない試合という事態も発生した。

インテルに多いのはEU出身者じゃなくてアルゼンチン人じゃん!』という話は後で触れる。

 とはいえ、ここまで来ると『チームのアイデンティティとは何か』という概念にも関わってくる。スポンサー料や放映権料も重要だが、クラブチームにとっては入場料も決して無視できる収入ではない。

そして、入場料を一番多く払い、あるいは国内向けの放送を熱心に見てくれるのは、自分クラブを『おらが街のクラブ』として長年応援し続けてくれる人たちだ。

(余談&完全に増田の私見だが、この『おらが街のチーム』として熱心な固定ファンを掴むのに最も成功している日本スポーツチームは、プロ野球阪神タイガースである)

 そういう人たちが『外国人ばかりのチームでは自分たちのチームと思えない』と思うのは地域密着理念から当然のことであるか? それと排外主義差別主義者か?

少なくとも簡単に答えの出せる問題ではないし、『自分たちクラブと思えないから自分は”スタジアムに行かない』というのを止める権利は誰にもない。

だがそんなことが多く起こるようになったらサッカーの将来にとってあまりプラスにはならない。スタジアムに観客が少ないとやはり盛り上がりに欠ける。

 そういうわけでここ数年「ホームグロウン」という制度ができた。欧州カップ戦(チャンピオンズリーグおよびヨーロッパリーグ)に登録できるシニア(22歳以上)の選手は25名までで、

そのうちの最低8人までは、21歳までに3年間は『自国内のクラブ所属した(≒育てられた)』選手でなければならない。国籍で問うとEU判例に引っかかるので『育った場所』を基準とすることになった。

チャンピオンズリーグヨーロッパリーグに出ないクラブには関係ない(プレミアリーグのように、同様の制度自国で用意したリーグを除く)が、

資金力が小さくヨーロッパカップ戦に届かないクラブほど自国出身選手が多いのが常なので問題は少ない。

これも「EU理念からは後退なのかもしれないが、「地域に根ざしたスポーツクラブ」という理念からはむしろ正常化とも言える。



2.”EU選手枠”の抜け穴とそこから生じた問題

 とはいえ、アメリカ大陸アフリカアジア出身選手から見れば『EU選手枠』の中で争うよりは『EU内のどこかの国の市民権持ち』扱いになった方が色々と有利なのも確かだ。

そういう時に有効活用(?)されるのが先祖血統だ。南米アフリカ選手場合先祖を少したどればどこか西欧の国に行き着くことは珍しくない。

そういう場合血縁理由先祖の国の市民権を取得し、代表は変えず(というかFIFAルール上変えられない)にEU選手として潜り込むということが多い。インテルアルゼンチン人が多いのはそういう理由だ。

日本韓国選手はそういうことが基本的に出来ないから不利ではある。ハーフナー・マイクや酒井高徳はもしかしたら可能なのかもしれないが……。

 少しFIFAルールに触れたが、現在サッカーではA代表(年齢制限のない代表)で試合に出たら他の国の代表として試合に出ることはできない。

オリンピックだと、前の大会卓球中国代表として出場していた選手が次の大会ではアメリカ代表として出ていたりするが、サッカーでそれはできない。

もちろん、ユーゴスラビアのように国そのものが分裂した場合は別であるクリミア出身ウクライナ代表選手(いるのか?)の扱いはどうするのかな。

今度のブラジルW杯ではウクライナ代表としてしか出られないと思うけど。

 逆に言うと、『A代表試合に出ていなければ』2つ以上の国を天秤にかけて代表を選ぶこともできる。

マンU香川真司からポジションを奪ったヤヌザイアルバニアベルギーイングランドトルコセルビア代表になる可能性があるらしく、先日ブックメーカーが賭けの対象にしていた。(※2014年6月追記:その後ベルギー代表を選んだ)

ヤヌザイの系図についてはよく知らないが、そういうこともあり得る。

(ちなみに以前カタールが『代表に選ばれない程度の、ブラジル人などの有力選手(カタールとは縁もゆかりもない)』

 に声をかけてカタール代表にし、手っ取り早く代表を強化しようとしたこともあった。流石にFIFAがそれをさせないルールを作ったが)

 だが一方で、フランスが若手の育成組織を整備して1998年W杯を制して以来、どこの国でも多かれ少なかれ”サッカー選手の育成”に金をかけて取り組んできた。目的はもちろん、自国代表の強化だ。

そんな中で上述したような『南米アフリカと、EUの国の多重国籍』の選手が、必ずしも自国代表を選ぶとは限らない。

2000年前後トルコが強かったのは、『ドイツで生まれトルコ移民の子孫が、トルコ代表としてプレーする』ことが多かったからだ。

最近ではドイツ代表にもトルコ系の選手が出てきたが、今度は”国策育成の本家フランスの方で問題になってきている。

 2011年、フランスサッカー協会の技術委員会役員が『アカデミーに入れるのは白人を中心とし、黒人やアラブ人は25%以下に抑えるようにできないか』と委員会で発言したことがリークされて物議を醸したが、

そのような発言が出るのは委員個人が極端な差別主義者だったからではなく、『フランスの金で将来のフランス代表として育成したのに、最終的には母国アフリカ諸国代表になる』

選手無視できなくなってきたからだ(もちろん、だからといって許される発言ではないが……)。

アフリカ諸国協会EU諸国協会ではEU諸国協会に金があるのは成り行き上当然のことであり、最終的には才能なのかもしれないが育成のために金があった方が効果なのは事実だ。

そんな中で協会としては『アフリカ協会欧州の金で育てた選手に”ただ乗り”している』という被害者意識が出てきている。

あるいは国が抱える民族問題の縮図のようなことが代表チーム内で起こることも今後増えることはあれど減ることはないだろう。

代表戦なくせ? FIFAの最有力の資金源ですし、それやったらサッカーでは欧州ますます発言力を増すことになりますよ。

追記:ちなみに同内容のtogetter増田本人が作成したものです。

 
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