はてなキーワード: 風間八宏とは
神戸の増益はイニエスタなどによるもので、一番大きいのは観戦チケットを大幅値上げしたことだろう。主収益はチケット収入である上にノエビアスタジアムはキャパが限られてるのでチケット収入には上限がある。
一方で、ちょっと負けが込むと監督をクビにして低空飛行、なんてサイクルを繰り返してたら、ロートルのスター選手が居なくなった後にはぺんぺん草しか生えないだろうな。チケット値下げしなおさなきゃいけなくなるかもしれない。
そもそもバルセロナのサッカースタイルは「バルセロナスタイルのサッカーが身に染みてる選手」が11人揃わないと上手くいかない。イニエスタを、ビジャを生で見りゃ一目瞭然だが、そもそもボールの持ち方が違うしボールを受ける体の向き、顔の向きも他の選手よりタイミング2つくらい早い。神戸が上手くいってないのはこのタイミングのずれが大きなところで、前後が分断したサッカーをしているように見える。ちょうど欲しいタイミングでボールが来ずにイライラするポドルスキを(そして鳥栖では諦め顔のトーレスを)、1試合のうち何度も見ることができるわけだ。
神戸が安井に変えたら上手くボールが動くようになったり、鳥栖が豊田を前線で使ったら得点できるようになったりという現象の原因は同じで、日本でサッカーを習った選手とスペインでサッカーを習った選手には決定的な差があるんだろうと思う。指導者経験が無いから分からんが、俯瞰で見てる限りだと選手間の小さなタイミングの問題が起きてることが分かる。あとボールの受け方が本当に、天と地ほどの差がある。
ハイラインサッカーをやるには増田が指摘する初手の奪取力、球際の強さもさることがら、奪取の仕方の差が大きい。タイミングひとつ相手より抜きんでるために、どうやって「より速いタイミング」を蓄えるかということだ。
この「より速いタイミング」を作り出すために、川崎や横浜は「向き」から入ってるのに対し、鹿島と東京は「強さ」で優越を取ろうとしてるのが少し違う。
向き、というのは、どういう体(顔)の向きでどちら側に向かってボールを奪うか、その方向の決定が周辺にいて前につなぐ役割の選手と共有できているか、ということだ。これには体の扱い方(ザックジャパンの頃はしきりに体幹体幹言われていた)や球扱いはもちろん、個々の選手がピッチで起きてる状況を把握でき、複数の改善方法(どこを埋めればいいか←どこで受ければいいか←どこに向かって蹴ればいいか←どこで奪取すればいいか←どこを埋めれば(以下ループ))の中からその瞬間に最善の策を選手間で共有して対応できるか、ということで、これには体幹、技術に加えて、フォーメーションの引き出しがいかにたくさんあるか、ということが大切になる。(これを具体戦術図に落とすと最近流行りの5レーン理論とか言われるようなものになったりする)
実は過去の歴代「お雇い代表監督」は全員、この3点について日本サッカーに苦言を呈し続けてる。つまり日本のサッカー指導はどこか根本的なところで圧倒的に足りないというか全く手を付けられてない教育分野があるのではということだと思う。(これについては今治で社長をやってる岡田さんが話し出すと止まらなくなるほどの問題意識を持ってて、とても興味深い)
川崎が強くなったのは風間八宏の力が大きかったが、川崎で、風間が代打教祖となり革命を始めたシーズンは散々な結果だった。横浜については今のポステコグルーが方向転換したようでいて実はその以前のシティフットボールが入ってきてから徐々に選手の教育スタイルを変えてる。それでも去年はあわや降格のラインに足を踏み入れてたが。
川崎、横浜、あとは大分や札幌もそうだが、こちらのスタイルは、選手のボールの取り扱い(というかボールに向かう向きやピッチのどこを見るかなど含めた取扱い)から矯正しているので時間がかかる。時間はかかるが一度そういうサッカーが身に染みてしまえば強い。多くの局面で先手が取れれば、簡単にワンサイドゲームになる。去年の横浜のお笑いサッカーは、まだスタイルが身に付いてない選手たちを連れてやらざるを得なかった分、GKが通常より数メートル前、更にCBがサイド領域までカバーするという色んな意味でオモシロサッカーだったが、降格圏に居るのになぜかたまに酷いワンサイドゲームで勝ったりしてた。
風間は今名古屋でも2シーズンちょっとやってるが明らかに名古屋のサッカーが変化したから、解説者時代は陰気くさいけど的確な好事家向けのニクイタイプだったが、指導者としては相当実力が高い。さすが教祖だと感服する。仙台の渡邊監督は意欲やヨシなのだが、イマイチ指導力というか指導ノウハウに追いついていない部分があるのではと思う、仙台はあと、まぁやりたいだろうなと思われるサッカーと選手の構成がちぐはぐなのもあるのだが、まぁこれはまた別の話か。
一方で鹿島や東京はハリルホジッチがイメージしてたような方向というか、日本サッカーの現在の実力を踏襲して強度による奪取力を高めたもので、川崎・横浜(大分広島)型と、似ているようでかなり違う。どちらも面白いサッカーだ。みんな違ってみんないい。プレミアのペップ・シティvsクロップ・リバプールみたいなバチバチのやつをJリーグでもぜひ見たい。
一方で、日本代表を見る目戦で言うのなら現状のリソース踏襲型の強度でギャップを作る方向性を進めていっても、W杯でベスト8を勝ち抜くのは無理だろうなという予感がある。ACL、アジアでNo.1は上手くすれば取れる、ただ対ヨーロッパだとあるレベル以上の国には全く歯が立たない。それは上記で述べた、選手が体現できる戦術の数や種類が圧倒的に違うからだ。
なので、神戸に関しては、スター選手を連れてくる以前に、三木谷を羽交い絞めして監督の首を切るのを止めさせるのが一番手っ取り早いと思う。ベンゲル連れてきても面白いとは思うが、ベンゲルおいさんもチーム作るのに時間がかかるし何より年だ。ポドルスキをはめるならリージョよりベンゲルのが上手いかもしれないが…、でもアーセナルですでにアウトオブデイト感が出まくってたわけで、金の使い方が分かってねえな…という感じである。
の二点が心に残った。風間八宏氏のサッカー解説は、常に、ああ、そういう所を見るべきなのか、なるほどという知的感動がある。
あまり、こういうことを言うのはなんだが、セルジオ越後は辛辣だが、結局どこを見ているのかよくわからない。ネガティブなことを言いまくって、弱いうちはそりゃ当たってるんだろうけど、結局何をどうしたら、良くなるのか全然わからない。
風間氏はフロンターレを率い、デポルキラー大久保に「ストーリー立てて話してくれるので大変わかりやすい」と言わしめ、キャリアハイのゴール記録へと導く。素晴らしい指導者だと思う。それは、評論家時代からそうだったように思える。
今はやべっちFCでテレ朝がすごくいいサッカーTV局になっているが、ちょうど10年前ぐらいはフジテレビだった。中田英寿がペルージャに移籍し、活躍しているその様をなんとも表現豊かに的確に、オフザボールから解説してくれたのが風間八宏氏であった。
Numberももちろんそう。最新号のスカウトの目というのも素晴らしい。どこまでもよく見ているし、俺が見た試合の中で評価した。評価される場所にいない人はもちろん入っていない。それも運だよ。みたいな事が書いてあって、軽い評論家の数字の羅列↓
http://sakabuta.jp/archives/34386778.html には、全く現されない、重みがあった。
10年前のサッカーでは、FWの決定力不足が絶望的であった。だから、批評家にも価値が(無いけど)あるように思えた。悪い状態のチームの何がどう悪いのか具体的に提示するのは、非常に簡単な事に思えた。
サッカーのようなゴールが入りにくいスポーツにおいて、決定力の無いサッカーほどフラストレーションを具現化したような状態はない。批評する人も存分に叩いておけばよかった。欧州を見よと、あれができてない。これもできていない。大体言っときゃあたりの評論家。
状況は変わり、若い才能が、世界へと飛び出して、徐々に形を作った。今や、ミランとインテルに日本人がいる状況である。この状況においても、数字の羅列で表現している人がいる。
Numberでは、今の日本の課題はDFであり、その課題は育成フェーズでの基礎がなっていない、ということになっている。いまの日本代表は細かいパスサッカーを展開し、昔のMF大国の良い所を、世界の風を吸収することでフォワーディングして、前線が強くなった。
攻撃的に日本が進化して、むしろDFが置き去りにされているというのは、面白い現象だと思う、日本は工業国家で、クリエイティブさが少ない、真面目な国民性という紋切りでは、そうは言い切れないだろう。DFが育成が遅れているのは、MF側→FWへという昔の決定力不足の記憶がそうさせていて、その創造的な発展の次はFWを抑えるDFの育成になるということを考えると面白い進化途中の日本が見えてくる。
先に進化したのはFWであり、選手である。次はDFが進化しようとしている日本のサッカー。色々よく言われる日本の画一ばった、おとなしい周りに合わせる工業国という姿はもう、論じるに足りない。
そんなのいらないでしょう。もしいたら、真っ先に退場願いたいものだ。