はてなキーワード: 牡蠣とは
19歳から20歳にかけて付き合いのあった男のことをいまだに考える
若かったと一言で済ませてしまうこともできるけれど、そうはしたくないなとも思う
一生懸命だった。インターネットで知り合って、いわゆるセックスフレンドになった。わたしも彼もそれを望んだのだ。誰とも付き合いたくなかった。当時のわたしに幸せになる権利なんてなかったし、幸せにしてもらおうだなんて思っていなかった
知り合って数ヶ月後の雨の日、しわくちゃで彼の家に行ったらもういいから俺と付き合えば?と言われた
そうか、もういいのかと思って付き合うことにした。
あとからわかったことだが、彼にはずっと付き合っている恋人がいたらしい。ただ単に10歳も歳の離れた女で遊んでいたのだと考えることもできるけれど、たぶんほおっておくのが可哀想になってしまったのだと思う。中途半端に助けてしまうほどには優しい人だった。
そんな風に始まった関係だから当然うまくはいかなかった。彼はわたしを信用しなかったし、わたしも決して彼を信じはしなかった。それまでしていたセックス遊びに意味はなかったのでとりたて他の人と会ったりはしなかったけど、そのかわり信じてもいない彼を片時たりとも離さなかった。最初からわたしも彼も誰でもよかったのだと思う。
わたしは生きていくために浮き輪みたいな誰かが必要だったし、彼もまた自分を生かすために死なせてはならない誰かを求めていたのだろう
終わった日は暑くも寒くもなかったと記憶している。別れる時彼は、お前の好きなものを少しは増やせたか、と聞いた。一個も好きなものなんて増えてないと答えたことをいまでもほんのすこしだけ後悔する。
牡蠣だけ食べられるようになった
牡蠣だけは好きになったと言ったら彼の優しさやわたしの醜さも少しは救われたんだろうか。
しばらくして牡蠣は食べられなくなった。
アンソロに呼ばれなかったのをきっかけにジャンルを卒業することになった。
とある2次創作界隈で活動しきて、小規模ながらも楽しくやっていた。
それがある日アンソロの企画が立ち上がった。結構息の長いジャンルだけどアンソロが出るのは初で、みんな湧き上がった。
当然自分は呼ばれることはなかったけど当初はとても楽しみにしていた。
アンソロのメンバーも面識があったりツイッターで相互だったりする人が多かった。主催者さんもそうだった。
企画が進むにつれ色んな人がアンソロに参加できて嬉しいですとかここはダメだったけどよろしくね、とかそんな言葉がたくさん流れて来るようになった。
ミュートしとけば良くね?と思うかもしれないけど、普段はアンソロの話なんかしないし忘れた頃にぽこっと湧いてきていちいちダメージを受けるのだ。
だいいち本人達は全く悪くない。
初のアンソロは本当にお祭りで、参加者達もとても浮かれているのが良く伝わってくる。
ちっとも悪くない。むしろ微笑ましいと思う。
でもつらい。
私も出来ればお祭りに参加したかった。参加者を見守るならただ応援できる余裕が欲しかった。
でも自分はそこまで人間ができていなかったし、苦しい余りにジャンル自体が苦手になってきてしまった。
色々な作品に触れるの好きだし楽しいと思う。でも同時に苦しい気持ちを思い出す。
牡蠣に当たった人がその後牡蠣が食べられなくなるというのはこういう事なんだなと。味を美味しく感じても身体が受け付けなくなるんだなと。
ずっとずっと好きなジャンルだったけどこんな形で嫌いになるとは思わなかった。
楽しい事もたくさんあったけど、今はジャンルの作品を見ると吐き気がするので去ることにしました。
まだまだやりたい事たくさんあったけど、今は出来ない。いつかまた好きになれる日がくるといいな。