学生時代は挨拶もせずに暮らして、テスト受けて宿題出してたまにパワポで発表すればいいだけだった。
今は毎日のように会議して、仕様書の内容について質問して、周りとも必死に仲良くして、飲み会やって、とにかくコミュニーケーションまみれだ。
気が遠くなってきた。
何が会社の方が楽だよ。
嘘松乙
妙にリアルに感じる
アニメ映画のペンギン・ハイウェイが面白かったので、森見登美彦の小説の四畳半神話大系を読んだ。
面白かったが、これで終わるとは思っていなかった為、期待外れな感じはした。
主人公が別の選択をした平行世界がどのように影響し、どのように繋がっていくのかな、その原因は何かなと思ったら。
平行世界の影響も不透明な部分も多く、影響を与えた理由も分からず、楽しみたかった部分があまり描かれていなかった。
これで終わりなのという感がペンギン・ハイウェイよりも強かった。
15年友人関係続けて耐えられなくなって逃げた。
俺が大学とかバイト先で新しい友達ができたと知るとこの幼馴染は
「はっ!?ふざけっ…んだよそれよお」
頼まれるがまま遊びに誘って引き合わせると
「どうもはじめまして~。なんだよ、全然普通そうな人じゃん!!お前、悪口ばっか言ってるからどんなヤバい人くるかとドキドキしてたわ〜w」
と冗談めかして完全な嘘をぶち込んでくる。
当然、このせいで新しくできた友達と徐々に疎遠になる。
なんであんな嘘ついたんだ、なにがしたいんだと幼馴染に猛抗議しても
「ちゃっと待ってよ〜w言ってたじゃん!!www」
とシラを切り続ける。
第三者がいるときならともかく、俺とこの幼馴染、事実を把握できてる者二人きりのときにこういう無意味な弁明をするから唖然してしまった。
機嫌が悪いときは手がつけられない。
電気屋の店員をテメエ呼ばわりしたり、観光案内所の人に「(バスのルートを)とっとと教えて?バカでもできる仕事なんだからさあ」と八つ当たり目的で挑発したりと、完全にぶっ飛んでる。
どういうときに幼馴染の機嫌が悪くなるのかは全く読めない。上機嫌だったのに突然癇癪を起こすときもある。
ある日、遊んだ帰りに幼馴染が強引に俺の実家に上がり込んだときがあった。
とか独り言の体で冗談っぽくタカる芝居を始めたから、そもそも出前目当てで家に来たんだなとすぐにわかった。
そんな要求を適当にあしらってたけど夜の6時過ぎても幼馴染は帰ろうとせず、俺の母親が気を利かせて出前を提案したので彼は目論見通りピザにありつくことに成功した。
ピザ食ってる最中に母親が「お漬物あるんだけど食べる?」と勧めた瞬間に幼馴染の上機嫌は吹っ飛んだ。
とピシャリ。
俺も母親も完全に凍りついてた。バラエティ番組ノリの冗談かと思って幼馴染の顔を見たら完全にブチ切れた表情してた。
機嫌を直したときも幼馴染は油断できない。
ある友人が遊びの待ち合わせに大幅に遅れたときがあった。
当然、幼馴染は機嫌を損ねてブチ切れる。
駅前だというのに周りが振り向くくらいキレまくってた。俺は周りの視線が痛いのでずーっと幼馴染をなだめていた。
やっとこさ姿を表した友人は青い顔をしていた。人前で恥ずかしいからやめてくれ、ってくらい大袈裟に謝ってきた。
そしたら幼馴染が
「なあ、もうお前許してやれよ。こんなに謝ってんのにまだキレてんの!?こいつ来るまでずーっとキレて、こいつが来てもまだムスッとして…いい加減にしてくれって…」
と悲しそうな顔で俺に苦言を呈してきた。
遅れてきた友達は大慌てで謝り倒しながら「この前借りた2000円、今返すよ。遅れて本当にごめん」とまで言ってきた。
「いや、俺そもそもキレてねえから!それにこの返され方じゃカツアゲしたみたいになるからタイミング的にちょっと」
と困惑してると再び幼馴染が
「わかったわかった!俺がその2000円代わりに払うよ。で、お前は今度俺に2000円返せばいいよ!
いや、2000円ごときいいわ(笑)俺に返さなくてもいいよ。完全に精算!これで終わり!かわいそうになあ、こんな無理矢理払わせるみたいなマネされてよお」
と同情を禁じ得ないという感じで一芝居打ち、表情を強張らせ俺をキッと睨みつけながら
「ほら、お前もういいだろ…これで収めろって」
本当に恐ろしいやつだと思った。
敵に回したら怖い、とかそういうのじゃなくて得体のしれないモンスターのような恐ろしさを幼馴染から感じ取った。
人を陥れたり、誰かに寄り添ったりするこういうでっち上げの立ち回りを幼馴染はよくやっていたので、周りから信頼されていた。
たとえ幼馴染が発作的な不機嫌を起こしても、皆困惑しながら自分たちの行いをひたすら思い返しては責めていたくらいだった。
幼馴染はこういうめちゃくちゃな行動を相手選んでやっていたと思う。
実際、俺はなかなか縁を切れなかったわけだし、他の友達も突然の八つ当たりやブチ切れに目をつむってこの幼馴染をしたい続けていたし。
それに、目上には徹底的に礼儀正しかった。体育会的なわざとらしい服従ではなく、自分の生殺与奪を握っているような目上に対しては本当に常識的にごく自然に敬意を払っていた。
「連休のたびに上司から餅つきや釣りや食事に連れ回されてさすがに困ってる」とかそういう話をよく聞いた。
15年経ってこの幼馴染の行いがようやく俺の中での許容値を超えてフェードアウトすることになったのだが、
縁が切れた今気になるのはなんでこいつがこんな人間になってしまったのかということだ。
意外に思われるかもしれないが、この幼馴染は家族仲がすこぶるいい。
付き合いが長いからよく知っているけど、両親は良識ある物凄く良い人たちだ。
学生時代にイジメを受けた過去もなく、むしろ同級生たちのリーダー的存在だった。教師からもとにかく可愛がられていたし。
俺と違って思春期に彼女もいたし、一流大学にサクッと合格してた。就職先も一流。
コンプレックスらしいコンプレックスとは無縁の人間だった気がする。
それだけに、この幼馴染がモンスターになった原因が全くわからなくて途方に暮れている。
遺伝でもなく、環境でもなく…じゃあ他になにがあるよ?っていうのが正直なところだ。
全くわからない。
ニートなのに公務員になれた時は嬉しかったが、やはりニートに出来る仕事ではないな。
技術のない技術職として民間と官僚の間を取り持つ仕事なんて俺には無理だよ。
そしてきっと他へ行っても無理だ。
俺はもうニートに戻るよ