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2023-06-09

みんなもフィルムカメラやろうよ

みんな~。

フィルムカメラやろうよ。

値上がりしてるからこそ買って応援しよう。

フィルムカメラ文化だ。このままオワコンにするにはもったいない

みんなで延命しよう。

フィルムカメラに触ったことがない若者も、昔はバリバリ使っていた中年も、またフィルムをやろう。

オワコンからこそ楽しいよ。

フィルムのいいところ

いろいろあるよ。よく言われるのは、一発勝負から緊張感があるとか、写りがその場でわからいか現像上がりが楽しいとか、写りが勝手レトロになるとかだよ。

デジカメと違って1枚1枚にコストがかかるから、撮るときも見るとき気合が入って、写真芸術により真摯に向き合えるようになると思うよ。iPhoneで手軽に写真を撮って手軽に見れる時代からこそ、フィルム面白いよ。俺は最新フルサイズミラーレスデジタル一眼も使うけど、やっぱりフィルムの楽しさは格別だよ。本当はフィルムで取りたいけど金をケチるためにデジカメを使ってるまである

こうやってフィルムのいいところを挙げていくと、俺が挙げたいいところに対して反論を試みる謎の人間がかならず現れるよ。たとえば「レトロな写りが良いならデジタルで撮って編集しろよ」とか言い出す謎の人間がかならず現れるんだけど、俺たち絶対そんなめんどくさいことしないじゃん。フィルムで撮ったほうが話が早いよ。「写りがその場でわからないのが良いとか言うけど、デジカメで撮ってモニター見なきゃいい話じゃん」とか言い出す謎の人間も現れがちだけど、俺たち絶対そんなめんどくさいことしないでしょ。そういう面倒なのを全部すっとばして手軽に緊張感のある撮影体験レトロな写りが得られるのがフィルムの良いところだよ。フィルム愛好家はこの時代にあえて不便な方法選択している奇人に違いないと思われがちなんだけど、じつは逆で、怠惰からフィルムを選んでるんだよ。フィルム写真の良いところは手間がかかることではなく、むしろ手間がかからないところにあると言って良いよ。

ランニングコストについて

一番安いフィルムで36枚撮りのカラーフィルムが1600円くらいだよ。1枚44円。きょう富士フィルムの値上げ発表があったように、値段は上がる一方なんだけど、少なくともあと数年は1枚50円くらいだと考えておけばいいと思うよ。たけ~。

現像は好きなところに出せばいいけど、俺はPriNet1ってサービスを使ってるよ。郵便フィルムを送ると現像してデータCDに書き込んで送り返してくれるよ。36枚撮りのカラーネガフィルムで760円だよ。1枚あたり21だね。

フィルム代と現像代で合わせて1枚65円だね。高え~。高すぎる。

まあでも、月50枚撮っても3250円からね。安くはないし、5年くらい前と比べて倍近くなったけど、大人趣味って考えれば法外な値段だとは思わないよ。

イニシャルコストについて

フィルムはなんといってもイニシャルコストの安さが魅力だよ。フィルムカメラはめちゃくちゃ安い。ライカみたいな一部のブランドカメラじゃなきゃ、たいていは5000円もだせば動作保証のある機種が買えるよ。国産の不人気機種なら2000円くらいで買えることもある。昔は家1軒買えるといわれたライカみたいな舶来高級カメラですら、今は物によっては3万円くらいで買えるよ。デジカメの最新高級機がいつの時代100万円くらいする一方で、フィルムならその時代フラグシップほとんどが1,2万円以下で買えるよ。

カメラっていうのはバネと歯車でできた機械からマニュアルの高級機は触ってるだけで楽しいよ。これもフィルムの魅力だね。

ぶっちゃけカメラ趣味って続く人はかなり少ないから、イニシャルコストが安いのは魅力的だよ。10万のデジタル一眼を買ってすぐ飽きるのと、5000円のフィルムカメラを買って1万円分撮って飽きるのとだったら、後者のほうが圧倒的に傷は浅いよ。フィルムは金がかかるって言われがちだけど、入門者だけに絞って見ればフィルムのほうが安く済んでる人も多いと思うよ。

●はじめかたについて

まずお店に行って見た目が気に入るカメラを選ぶといいよ。フィルムカメラは見た目がおしゃれなのが一番の魅力だから、見た目から入ったほうがいいよ。ぶっちゃけ画質や性能ではデジタルカメラ絶対勝てないから、持ったときフィーリングとか、身につけたとき自分イケてるかどうかで選ぶべきだよ。ビビときカメラを買おう。

この段階ではショールーミングするだけだからお店はなんでもいいよ。どこにでもある系のお店だとハードオフが良いかな。都心なら専門店がいっぱいあるよ。ビビっとくる機種があって、値段に納得できたらそこで買おう。納得できなかったらヤフオクとかメルカリとかネット通販で調べてみて、そっちのほうが安かったらそれを買おう。

このとき、35mmフィルムが使えるかどうかを確認するのが重要だよ。フィルムには、圧倒的に普及している35mmフィルムの他にも、中版フィルム(ブローニー)とか、110フィルムとか、APSフィルムとか、いろいろあるよ。けど、中版フィルム死ぬほど高い、APSフィルム絶滅、110は虫の息だよ。このへんはとりあえずは避けたほうがいいよ。

フィルムカメラはどこかしらに不具合がある機種が普通に売られている世界だけど、不具合があると書いてあるカメラはなんであれやめたほうが良いよ。簡単に直せる不具合だったりもするけど、そうは言っても買ってきてすぐに使える完動品のほうが最初はいいよ。

本体を買ったら次はフィルムだよ。モノクロカラーがあるから好きな方を選ぼう。カラーにはネガフィルムポジフィルムがあるんだけど、ポジは難しいか最初ネガを使おう。フィルムの箱には、100とか200とか400とか800とか謎の数字が必ずでかでかと書いてあるんだけど、最初は400がいいよ。この数字は感度ってやつで、数字が大きいほど光への感度が高くなって暗い場所でもしっかりとした画が撮れるよ。そのかわり値段が高くなったり、画質が落ちたりするんだけど、安くて画質が良いのが好きなら究極的にはiPhoneが最強になってしまうからね。400くらいがちょうどいいよ。100は屋外じゃないと基本的に使えないし、800は高すぎて買えないからね。昔は1600とかもあったけど、フィルムオワコンになって消えてしまったね。

フィルムにはサイズがあって、これを間違えると使えないから注意が必要だよ。いちばん普及している35mmフィルムを買おう。135とか35mmとか書いてあるのを買えばいいよ。

富士フィルムとかコダックかいくつかメーカーブランドがあるけど、感度が同じならぶっちゃけ銘柄はなんでもいいよ。どれを選んでもそれっぽいレトロな感じに勝手になってくれるよ。俺も適当に選んでる。何も考えずに選びたいならKodakのUltraMAX400でも買えばいいよ。

最後

最後になんとなくヨコハマ買い出し紀行の有名な一節を載せておくよ。みんな好きでしょ?

お祭りのようだった世の中がゆっくりとおちついてきたあのころのこと

のちに夕凪時代と呼ばれるてろてろの時間

つかの間のひととき ご案内しましょう

夜が来る前に

まだあったかコンクリートにすわって

2013-07-03

あの夏の日のこと

車の免許を取って、バイトで稼いだお金20万円のオンボロ中古車を買った。

彼女助手席に乗せることができれば、かっこがつくところだが、隣に座ったのは、うだつのあがらない同じ学部友達だった。

授業をサボってのドライブ

開放感に満ちていた。

海沿いの国道は、松林と砂丘の間をまっすぐに貫いていた。

先輩の話だと、この国道の先のはずれにアメリカの議事堂を模したラブホテル廃墟の状態で取り残されているらしい。

特に目的もないドライブ

エアコンが効かない国民車。

全開にした窓から夏の太陽の光と海の風がドバドバと車内に入り続けていた。

国道を外れると海の青さはより深くなり、浜茶屋看板もなくなり、補修頻度が減った道路自然にかえりかけているようだった。

案内の看板も白地に赤い矢印と黒い文字で書かれた今では見ることのないタイプのものが残っていた。

好奇心。ただそれだけだった。

おばけが出るとうわさの廃墟だが、夏の太陽サンサンと照りそんなそぶりはまったくなかった。

廃墟となった白い建物は、放置された朽ち果て感と不良にいたずらされた無残さが際立っていた。

厳重な柵と立て看板の警告を見たぼくらは、探検する意欲をなくし、ぶよが飛び回る廃墟をあとにした。

道路はこの廃墟の向こうにも続いていた。地図で確認するとなぜか袋小路になっていてどこにもつながっていない。

何もない道の先はどうなっているのか。地図上の空白地帯は一体なにがあるのか。

僕らの探検心はグングンと大きな盛り上がりを見せたのだった。

少し走ったところであっけなく探検は幕切れをむかえた。

道路はなくなり、入り江に囲まれた静かな砂浜がそこにはあった。

茶屋もなく、波消しブロックもない。

人間が入り込む前の海岸がそこにあった。

風と波の音しかしない。そんな場所だ。

誰もいないであろう無人と思しき砂浜をぼくらは探検の成果としてカメラにおさめた。

圧倒的な天然感をグイグイと僕らに強いてくる大自然は、総天然色のポジフィルムに焼き付けるには格好の対象であり、夢中でシャッターを切った。

水着彼女がその中にいればどんなにすばらしい写真になるとわかっていても、誰もいない自然被写体だった。

真夏の午後2時の日差しは容赦なく僕らの皮膚に対して紫外線照射し続けた。

一通り探検を終えて車に戻ったとき、この人気のない海岸山手に唯一人の気配がある建物がひっそりとあることに気が付いた。

探検の続きとして、好奇心だけでそこへ行ってみると、小さな事務所が建っていた。

事務所前には、車が一台停まっていた。人がいるようだ。

ブラインドのすき間から部屋の蛍光灯が見えた。

近くまでいって看板を見ると、電力会社出張所だった。

こんな僻地出張所。どんな出張をするのだろうか。

看板には、土地の所有を主張する説明も書いてありほとんどは、電力会社が買収していた。

この大自然は、電力会社のものだった。

静かな青い海も白い雲が浮かぶ青い空も緑に染まる山も電力会社のものだ。

急によそよそしい気持ちがフツフツとわいてきた。

うだつのあがらないコンビは、顔を見合わせて、この場所が何なのか急に思い出した。

ここは原発建設予定地だったのだ。

新聞テレビニュースをにぎわせたあの場所だ。

事務所の近くには、最後地主が売り渡さなかった土地が柵で囲まれていた。

柵の中には、所有を主張する看板が立っていた。

のものなのかは覚えていない。

地元に巨額のお金を落とすプラントは、建設されることはなく、ずっと塩漬けになっていた。

塩漬けになったおかげで、人間の気配がない場所になっていた。

皮肉にも人類の英知を集めた巨大プラント建設される予定地が、もっと自然が色濃く残る日本有数の自然遺産となっていたのだ。

あの夏の日からだいぶ時間が経過した。

あの海も空もあの日のままなのだろうか。

気が向いたら、足向けてみたいと思う。

 
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