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2021-09-21

農業自動化の行き着く先はどこか?

●過剰生産で需給バランスが崩れ豊作貧乏

作ればいいというものじゃない。買って食べてもらわないと意味がない。

今は、生産と消費と災害補助金高齢化による離農と参入、規模拡大がある意味よくバランスされていると思う。

ただちょっとした揺らぎでどこでどう転ぶか分からないので、とても不安ではあるが、

そのリスクを打ち消してくれるのが農業収入保険という制度。もはやこれは社会保険一種だとも思う。

ただその効果は3年程度だ。過去5年の売上を平均して収入補填をする仕組みなので、

3年目で立て直せないと廃業まっしぐらだろう。

●消費拡大を唱えるが、輸出はできない

長期的に消費は落ちていく。

今のところ、輸出で成功しているのは高級果物と肉と加工品(日本酒など)だと思う。それ以外はムリ。

そこには色々な事情があり、個別農家ではどうしようもない。一例をあげる。

コメ

国際価格が安すぎて話にならない。円換算で42円/kgだ。

1俵2500円、安い安いと騒がれている今年のJA仮渡金(販売額みたいなもの)の一番安い地域の1/3だ。

もし輸出前提で作るコメ補助金がつくのであれば、その大義国防だと思う。つまり過剰生産しても国民食糧を守るということ。

そもそもコメ生産国は、自国消費分を作っているのがほとんどであって、生産量に比して輸出量が少ない。

基本的にはほとんどの国が国内消費を前提としている。例外的生産超過しているのがタイインド

中国は現時点ではコメ生産力不足で輸入超過状態しかリン鉱石産出量世界一という農業上の最大のアドバンテージがあるので今後は未知数。

肥料について、すでに中国に首根っこを掴まれている状態のようだ。

野菜

日本には野菜を長期保管するように加工できる施設が十分にない。

なぜなら、日本国土が狭く生鮮品が生鮮のうちに目的地に着くため、加工施設必要ない。

アメリカと違って、ほうれん草缶詰にする必要はない。

その他冷凍長期保存技術の普及状態などは、おそらく勝ち目がない(たぶん)

投資をしたところで、ほとんど輸出前提の場合のみに使える技術となるので、元から加工が必要な国と比べると分が悪いだろう。

すまないが、これは想像も入っているので、気になる人はファクトチェックをお願いしたい。

●最終的なボトルネック人間である

全ての工程自動化することは不可能だ。必ずボトルネック存在し、そこには人間がいる。

農業は種籾を入れたらコメになるような機械存在するわけではないし、

この例えですら「種籾を入れる」というボトルネックになりうる工程存在する。

(#追記:籾を入れてコメにする機械存在し、それを精米機というが、ここでは主題から外れるのは理解してもらえるだろう)

自動化をすすめるというのは「どこまでコストをかけてボトルネックを解消するか」という問題に半分は置き換えられる。

もう半分の問題人間疲労だ。

残念ながら、機械が高度になればなるほど、人間作業環境過酷になっていくのではないだろうか。

例えば田植え機を自動化できたとして、今の速度の2倍の速さで作業ができるようになったとしよう。

田植え期間は限られるので、機械の性能向上と達成可能な規模拡大の最大値はイコールになるだろう)

しか田植え機を動かすには、苗の補給必要だ。

苗の補給はというかコメ栽培で最も重労働ものの一つ、田植え作業の半分は苗運びと言っても過言ではない。

さて、この前提で能力2倍の機械を導入して達成される成果は

・2倍の作業者を投入して2倍の面積をこなす田植え機をボトルネックになる)

作業者数を同じとして規模を1.33倍にする(苗運びがボトルネックになる)

である高齢化人不足の業界で前者が容易ではないのは想像つくだろうし、

後者機械に乗る時間が規模拡大前の0.67倍になるが苗運びの時間は1.33倍になっている。

多分体がもたない上に2倍のはずの機械能力が発揮されている気がしない。

これでは規模を拡大しない方が正解な気がする。

余談だけど、ヤンマー提唱した密苗は、この業界では珍しく苗運びの負担減までを考えた優れたパッケージだと思う。徒長やすいという問題は残ったが。

●最終的に農業自動化が行き着くところはどこだろうか

僕の予想は

機械化はもう少し進むけど自動化は止まる。結局は人間がやる方が応用がきく。AIの出る幕は全然ない。

・分業が少し進み、プロ農家仕事野菜・作物を作ることにフォーカスされていく。イメージとしては酒蔵の杜氏が近いと思う。

セミプロ農家としての収穫家(とでも言うべきか、収穫調整に特化した人、今はパートのおばちゃん担当)の登場

野菜農家は農作業者(正規雇用)1名あたり700万円程度の売上で4人程度で1経営体あたり年商3000万円程度(北海道を除く)

コメ農家は1経営体あたり15-30ha程度、農作業者(正規雇用)が1-2名程度

多分、このくらいがそこそこ機械投資もできて利益も上がる、最も競争力が上がる領域ではないだろうか。

そこから上は、規模拡大だけならハイリスクローリターンの領域なので、

踏み込むのは地域を守るなどの義務感とか、別の大義必要だ。

突き出るためには、余程の工夫を凝らすか、余程良いビジネスモデルを構築できたものだけだろう。

・きちんと対策を打っていかないと、セミプロ農家低賃金化していく。

需要があれば規模拡大を狙う農家は出る。田んぼ一枚増えたところで限界費用は低い。それゆえ食糧不足にはならない。

生産性の低い圃場は耕作放棄となる。

・60歳あたりで参入してくる人は相変わらずいて、80くらいになれば誰でも限界が来る。農業従事者の高齢化は高止まりしたまま動かず70歳あたりを維持する

も付け加えておく。

大規模ガチ農家ではなく、中規模ガチくらいがちょうどいいのだろう。

anond:20210921082503

2014-04-11

http://anond.hatelabo.jp/20140410190517

それってさ。海外に売る専門。国内では売りません。という事なら

豊作貧乏にはならないんじゃない?

ようするに、海外専門ルートというのをちゃんと農協を通して作って、

たとえば、北海道農協だけじゃがいも海外専用ルート作りました

茨木だけきゅうり専用ルート作りました

1トンなら1トン買います。ただし、絶対に国内では売りません。なんらかの封印でも作って海外でそれを開けます

ならいいんじゃない

 

関税をかけることはTPP違反でも、海外にだけクソ安く売ることはTPP違反しない。

 

何度も言うけど、国内の話はしてない。国内は一切今までどおり。海外専門。

需要一定なんだから海外に売れば需要が増えるでしょ?って考えるのがこのディベート根本なんだけど。

しかも、海外専門だから国内が不作の時は売らなければいい。

目立ったデメリットはその規模の海外流通を誰がするんだ?という話だけで、農家その物には目立ったデメリットはないと思うけど。

 

多くの人は農家が増産は無理とおもってるけど、実際問題増産は余裕で政治的な問題が山積みなだけ。でしょ。つまり海外低価格野菜を売ることそのもの農家は可能。

そして、増産すれば(海外向けの)低価格化は実現される。競争になる。 そこをみんな間違えてるんじゃないのと。

 

本当に出来るかどうかは、別問題だし、競争に勝てるかどうかも別問題だから議論はもっと必要だけど。日本野菜海外価格競争に負けるというのは

どうやら元増田にそって考えなおすと。野菜は潰すくらい余ってるから海外だけなら価格競争は可能。って事でしょ。 それにより国内価格が下がるのが嫌だけど。内外価格差を付けて販売してるのは車だってやってる。 同じように 国内では高く海外では安く売ればいい。

2014-04-10

http://anond.hatelabo.jp/20140410185838

増産はほとんどの農家にとって余裕過ぎるよ。

でも、需要一定からさ、クオリティだ、無農薬だ、なんとか製法だ、とかいって単価をあげるしかないんだよ。

あと中途半端な買い付けなら意味がないの。

10年間、このぐらいの買い取りをして保証をするから増産をしてくれ、みたいな契約じゃないと、

こっちも周りの農家に恨まれるから、変なことが出来ない。

勝手にどこかの農家だけ動きを変えたら、豊作貧乏がおこっちゃうし、適度に手をぬかないといけない感じ。

2007-04-25

豊作貧乏

不景気の波をモロにかぶった団塊Jr.以降の世代は、豊作貧乏のようなもの。

就職市場や結婚市場で足下を見られて二束三文で買い叩かれるよりは、売り惜しんで“トラクターに踏み潰された”方が潔い。

もったいないし、努力無駄にしてる。努力して市場に持って行けば“キャベツ一玉200円で買ってくれる”客もいないとも言えない」などと寝言言ってる奴は、やれるもんならそいつらにマトモな職や結婚相手を恵んでやれってんだ。

こういう「売り惜しみ」は責任放棄や努力不足ではない。自己防衛だ。売れ残る事前提で、潔く売り惜しめ。

 
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