12話全部見た
何がク◯なのかの備忘録
ただし原作モノアニメだとしても原作の知識はないものとして視聴する習慣である
結成→最終話までの大目標設定→それまでの小目標の設定と解決→最終話で大目標が解決
という流れを取ることが多いが本作はW.I.N.G.(6-7話)といい事務所合同ライブ(11-12話)といい全部いきなり沸いてくる
それ自体は別にどうでもいいがおかげで2-5話が各ユニットの顔見せ以外になんの意味もない
だが1話で事務所に16人目として入った櫻木真乃が8話以降のストーリーの軸である合同ライブでセンターを務めるというストーリーの流れがあるので
そこまでに視聴者が櫻木真乃の成長とかを感じられるお話がなければならないが、そういったものは存在しない
それを8話以降全員がなんかよくわからない理由付けで特に問題もなく受け入れる
このアニメはキャラごとにダンスの上手い下手を描いたりするのはやっているのだが
月岡恋鐘は売れっ子アイドルグループアンティーカのリーダーだが283プロに入る前に他事務所のオーディションで落ちまくっていたこととか
杜野凛世は呉服屋の娘なので着物を常用し戦場カメラマンみたいな口調のわりに陽キャであることとか
大崎甜花は大崎甘奈の姉で基本ニート気質だが要所要所でやるべきことができないわけではないこととか
このアニメではそういうキャラの見た目からはわからない個性をまともに描写していない
なぜかというとこのアニメでは各話でノルマ的に全員がセリフを最低1つは貰うという平等主義が徹底されているので
逆に言うと焦点が当たるキャラがおらず、各キャラの人となりが一切深堀りされない
このため1話で提示されたキャラからどのキャラも一切成長しない
せいぜい風野灯織が同じユニットメンバーを名字で呼んでいたのが名前で呼ぶようになるなど最初は距離感があったが打ち解けられたことと
園田智代子が実はチョコレートキャラで売っていることくらいしかこのアニメの視聴者はキャラの個性を見出さないだろう
カレーに板チョコをぶちこむくだりで魔法でも使ったかのように一撃で割り砕くことでわかる個性というのも嫌だし
カレーに入れた分量も大概なのでちょこ先輩がそういう変人であると見えてしまうのも嫌なものである
それでマズかったらまだひと下りだねで済むのだが美味しく終わるのも不愉快
ちなみに主人公の櫻木真乃は鳩を飼っていてアウトドア系だがこのアニメ内でそれが分かった人はいるのだろうか
モブの描き方も謎で通行人とか他事務所のライバルであるモブアイドルとかも表現されない
「客の集まったイベントにいる書き割りみたいなモブ」か「シナリオ進行上必要なキャラとしてのモブ」がごく少数いるだけ
ダンスに細かいキャラ差をつけるのに全員集合シーンでは等間隔に整列するのも面白い
2-5話までは各ユニット回ということで
という普通なら色々あるであろうテンプレの流れを踏襲するがこれが絶望的につまらない
2話の撮影でPV撮影で雨が降ってきたから外の撮影ができない→頼み込んで雨中で撮影とか
(室内カット撮影してるヒマがあったら天気予報見て前撮りしろ)
3話のフラワーフェスティバルだかでつまらなさそうにしている男の子→花をプレゼントして解決とか
4話のヒーローショーがダブルブッキングでできない→プロデューサー含めて6人で即興ヒーローショーとか
(服屋に衣装を買いに行く以外の「解決に要した工夫」はなく魔法のようにヒーローショーが完成する)
5話のイルミネーションスターズ初ライブでフォーメーション(そういうダンス)をするかしないか→する
(まずフォーメーションが何なのかの説明もないし、しなかったらどうなるかも提示されないし、すると決断してどう努力したかもロクに描写しない)
4話がマシとか言われるけど相対的にマシなだけで普通のアニメだったらダメダメである
ちなみに5話のイルミネーションスターズは多分初ライブだと思うのだが、客入りはあるしサイリウムも統制されている
こんなに簡単な話ならお隣の事務所の本田がアイドル辞めるとか言わないのでは
またここまでの区間では絶対にユニット同士の越境をしてはならないという鉄の掟でもあるのか
せっかくのアニメ化なのにキャラ同士の新たな関係性の提示とかも一切なされない
後半ではそもそもハードルが設定されることもなくなり合同ライブに向けて仕事か練習して終わりという筋になり
そこでは越境はあるにはあるが「すごいねー」「そっちもすごいねー」的な上っ面会話しかなされない
正確に言うと2-5話では各ユニットのライブシーンはあるがそれはとりあえず措く
このアニメでは6-7話にてW.I.N.G.という大会的なものがあり、4ユニットすべてが出場する
ここで何をとち狂ったかこのアニメはそのシーンを全カットし「出場前の特集番組に出ました」→「全ユニット敗退」
というアイドルアニメ史上に類例のない大技を発動し描写を放棄する
W.I.N.G.はどういう大会でどういうことが求められているのかはこのアニメからはなんと一切わからない
ストーリーライン上まったく必要のない大会が設定された上にさらにそれに勝手に敗退する異常事態が発生
そして11-12話は事務所合同ライブなのでさすがに描写するだろうと思っていたが
11話は「ライブ会場の紹介→リハーサル→本番8曲」までやるのだがもちろん詰め込めるわけがない
ここでこのアニメはまずライブ会場の紹介からリハーサルまで全部止め絵で描写を放棄し
そうして余った時間にこれまでロクな絡みもなかった他ユニットが舞台袖でなんか分かったようなことを言ったり
ここまできて未だに人格的個性が見えてこないプロデューサーが眺めているのであろう描写が入ったりする
12話はさすがに新譜(なんと1曲しかないのだが…)があるだけありちゃんと通しでダンスするのでまだマシだろうと思ったら
各キャラに感情移入するための努力を放棄しているのにこの演出をされるととてもイライラするというのはこのアニメを見て得た収穫
2期はあと7人増えるはずだが2期も平等に割り振るつもりなのですか?
このアニメは3Dアニメなので多少の無理も効くだろうと思ったらライブシーンである
接写しすぎているせいで手や顔が見切れるだの
ダンスを見せようという努力と真っ向から反するカメラワークをぶちかましてくる
細かいことはできるのに基本ができないのがこのアニメの全体的特徴
楽曲とか3Dモデルそのものについては特に記憶にも残らなかった
シナリオがひどすぎて気にする気にもならなかったとも言う
公共の電波でミリしらの人間も見るであろうことを考えれば絶望的にひどい
このアニメを擁護する様々な言辞が弄されているが究極的には台本がカスすぎる
12話すべて見た理由は12話すべて見たという事実を獲得したかっただけだが
それだけだとあまりに寂しいのでここまで書いた