はてなキーワード: Haasとは
元増田です。
Le Monde のあの記事を読むには、フランスにおける男女関係のあり方という背景を知らないと、正しく読めないなぁ、ということが、いろいろ調べてわかりました。
こちらでは、「不器用な告白」と「セクハラ」の境目の曖昧さが熱心に議論されていますが、フランスにおける境目はそんなところで問題になっていません。
一応「ウザがらせる自由」と訳した liberté d'importuner ですが、辞書を引いたぐらいじゃニュアンスが全然わかりません。
あるツイートに「 draguer とか séduire はokだけど、importuner は駄目」というのがありました。最初の二つは「ナンパする」とか「口説く」という意味です。
みなさんイメージされるように、フランスの男女の距離感は、日本のそれよりもずっと近いものです。ナンパすることは、男女どちらにとっても、ずっと容易なことです。
レイラ・スリマニの記事でも、自身が男を誘ったりしていたことがはっきり書かれています。
日本ならば、ナンパ自体不快であるという人がいるでしょうが、フランスでは、気に入れば付き合い、気に入らなければ振る、というそれだけのことです。
それはウザいかもしれませんが、そこを問題にしていません。だからウザがられる/ウザがらせるは、importuner ではありません。
ではdraguer, séduire と importuner の境目はどうなっているのか。ナンパがimportunerとみなされて不当に告発されることはないのか。
なぜなら、前者でも十分近い距離感なだけに、 importuner に転んでしまうと、明白な性的侵害行為に踏み込むからです。importuner とは以下のようなものです。
要するに、importuner はここで議論されているような不器用な告白とかそんなものではありません。「ただイケ」でも許されない行為が importuner です。
ですから、liberté d'importuner とは、信じられないかもしれませんが、上記のような「性的侵害をする自由」です。
あの記事は、そんな自由を男に認めてやれ、というものなのです。
このとんでもない主張に賛同している人たちには、かなり特殊な性生活を公にしている方々が含まれていて、とてもフランス人女性を代表するものではありません。
彼女たちの主張を噛み砕いていえば、こうです。
「ちょっと触られたり、下ネタ言われたりしても、どうってことないじゃない。男の性欲はしょうがないんだから、軽くあしらうか、一緒に楽しめばいいじゃない。
それが女の性的自由よ。気に食わない相手なら、一発叩いてやればいいのよ。」
通りで急に抱きつかれた女性が男を引き剥がすと、逆上した男がナイフで突き刺した、というもの。
これでも、ノーという自由があるのか、と。
先に、#BalanceTonPorc は攻撃的すぎる、と書きましたが、ツイッターではなく、このキャンペーンサイトの匿名投稿欄を見ると、そのほとんどがレイプ、残りが未成年に対する性的行為です。
微妙なセクハラ行為をでっちあげているのではありません。怒るべき人が怒っているだけでした。
結論としては、日本における性的関係の問題をこの記事をもとに語るのは、止めたほうがいいんじゃないか、ということです。
実は、はじめあの記事を好意的に読もうとしていました。告白ハラスメントとか、おかしいと思っていますし。
ただ、後半に出てくる「痴漢にあっても、大したことないものと思ってもいい」とか「レイプされても、心は自由」とかが、
Le Monde に掲載されている記事とは信じられなくて、自分のフランス語読解能力がおかしくなったのかと思い、いろいろ調べだしたのです。
結果、あの記事は、穏当な言い方をするならば、私達とは別の世界に生きている人々によって書かれたものでした。何かの参考になるものではありません。
彼女たちは、不器用な口説き(彼女たちだけは importuner を不器用さの結果ということにしたいのです)と本物の性的侵害の区別はつく、と言っています。
でも、その実、巻き込まれてしまう危険を真剣に考えていません。大した事のないものと思っているからです。それが明白になったのが、昨日のテレビ討論会でした。
討論者は、署名者の一人、元ポルノ女優で現在司会者として活躍している Brigitte Lahaie と女性の権利省の大臣 Caroline de Haas の二人。
「あなたは女性の性は弱いものだと思っているけど、そんなことないわ。女性の性的魅力はパワーがあるの。母親は娘にそのパワーの使い方を教えてあげるべきなの」
「でも、その性的魅力のせいで、レイプされ苦しんでいる娘たちがいるのです。その人たちについてどう考えているのですか」
最高位No.1
最高位No.2
最高位No.3
最高位No.4
最高位No.5
なんだか違和感があるのです。
なんでそんなしょーもない嘘をついたんだろう。
意図的というより、都合よくナチュラルに嘘をつくタイプかしらん。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080810
ちきりんは「古き良き時代の日本企業」で働いた後、極端にアグレッシブな人事制度をもつ米系の投資銀行でも働いたことがあります。
転職前には「そのうち日本企業も年功序列や終身雇用を維持できなくなる。だったら早めに欧米的な組織環境に慣れておいた方がいいよね。」と思っていました。
けれど実際に外資系企業で働いてみてわかったのは、「こんなに高いプレッシャーの下で楽しく働けるのは、ごく一部の人達だけだ。大半の人はこんなところでは力が発揮できないだろうな・・」ということでした。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/23/news018.html
ちきりん 私は普通に大学を卒業し、大手の金融機関で働いていました。しかしそこを退職し、外資系の投資銀行で働こうと思ったのですが、その会社は日本の大学を卒業した人を相手にしていなかった。米国の大学を卒業していないと、「最終学歴を満たしていないわよ」といった雰囲気。
「じゃあ私も海外に留学しよう」ということで、27歳から2年間、海外で過ごすことに。そして日本に戻って来て「また金融機関で働くか……」と考えたのですが、当時はバブル経済がはじけたばかり。これから“落ちていく”業界を選ぶよりも「違ったところのほうがいいかな」と思い、今は畑違いの外資系で働いています。
●1986年 – 1991年 日興證券 引受本部(当時)勤務
●1991年 – 1993年 University of California at Berkeley, Haas School of Business (MBA)
●1993年 – 2010年 McKinsey and Company, Japan 勤務
・1993年 - コンサルタント(Associate, Engagement Manager)