IVS(Infinity Ventures Summit)という、ベンチャー企業の経営者や投資家に向けた招待制のカンファレンスイベントが、6月10日(水)・11日(木)・12日(金)に、宮崎県で開催されました(年2回、札幌とか京都とかでもやってる)
実際ご招待といった感じではないんですが、参加する機会を得て初めて参加してきたので感想と、特に継続して参加されている方に質問を見てもらえるといいな、と。
①なんぜ宮崎?
宮崎じゃなくていいでしょ、3日間でなくていいでしょ、と思いました、率直に。
上場企業の経営者なら4半期決算(3月決算なら本決算)のIRだったり、3月決算の会社なら株主総会の準備でみんな忙しいんじゃないんですかね?
開示がなかったとしても3日間、移動時間も入れれば下手すりゃ4日間、みんなそんなにヒマなの?
正直、宮崎でやるということに、時間と費用の無駄は感じましたが、メリットは感じませんでした。
②高額な参加費
参加者の属性によって違うんですが、10万円とか20万円とか、すんごく高いんですよ(参加費は非公開だったはずなのでこのような書き方です)、もちろん宿泊費交通費は別。
ベンチャーってそんなことにお金使っていいんですかね?少なくとも私はそうは思いません。
で、その対価としてあの高級ホテルの豪華パーティー、豪華食事、豪華装飾、あれがベンチャーのイベントに必要なんでしょうか。
少なくともイベントの内容という本質には、全く関係ないですよね。
いくら豪華といってもひとり10万、20万という費用と比べれば、相当儲かってると思うんですが、どうなんですかね(笑)
割高、割安、といった基準は相対的なものなので、IVSにそれ以上の価値を感じている方々が継続して参加されているんだろうな、とは思いますが、
私にはそれがなんなのか、いまも理解できていません。
③内輪感がハンパない空気と、まだ成功してないのに壇上から語る人々
お金を払って参加するメンバーも、登壇するメンバーもピッチの審査員も固定化がすごい、ネットベンチャーや投資家の仲良しグループ。もうこれ東京で飲み会やってりゃいいじゃん、って思います。
新しい出会いなんか到底期待できないし、こういった仲良しグループに加わりたいと思ってもお仲間バリアがすごくてとても入れたもんじゃない。
で、登壇する方の多くはベンチャーの経営者だったりするわけで、まだ成功の途上な方々なわけです。
ご本人たちもそれは自覚があるんでしょうが、「おいおい、いまお前が語るのかよ」というテーマが多いです。
若き経営者で経験も浅いですから、話も当然ヘタクソな人が多くて、とにかくつまんないんですよほんとに。
例えば海外で成功する方法をまだ成功していない人が語る、良い会社の作り方みたいなことを良い会社だとかあんまり思えない(良い会社だと聞いたこともない)会社の経営者が語る、みたいな。
パネルディスカッションのテーマ設定もマンネリっぽいし、登壇者のチョイスも微妙すぎる、登壇ハードル低すぎないですかね、10万とか20万とかとってるんですよこれ?
招待制とか高額な参加費とかのハードルがあるにも関わらず、700人参加とのこと。
700人が入手する情報って、基本的に価値が無いですよね、ネットでもガンガン共有されてるし。
雰囲気とか直接聞けるメリットとかいうなら、コストは合わないと思います。
(やっぱり私が貧乏だからですかね、でも3日間という時間のコストだけでも合わないと思います)
ピッチコンテストで優勝された方は、審査員に奢りまくっただの、事前アドバイスを受けただの、メールやらでお願いしてただの、やれることは全部やった!と、受賞してすぐ暴露しまくってました。
元上場企業の経営者とは思えないワキの甘さで、自ら根回し活動を暴露されてました。審査員の皆さんとはお友達ですもんね。
もうこれピッチコンテストの革命ですよ、事前活動が許されるピッチコンテストとか。普通は失格じゃないでしょうか。
審査員が決まるタイミングが遅くて審査員に決まる前に相談していた、という不可抗力はあるのかもしれませんが、
だったら審査員はその会社の採点は棄権する、とかのモラルはあってもいいんじゃないかと思うんですよね。そういうモラルがなかったから優勝したんでしょうけど。
そもそもこういう成り立ちの会社にピッチさせるのがどうかと思うんですけどね。
他の真面目なピッチ参加者は本当にお気の毒です、優勝したピッチが如何に優れていたとしても、これは納得いかないですよね。
ボランティアの意識高い系の皆さん、意識高く一生懸命やってるのは伝わってくるんですが、運営全般やホスピタリティは、ド素人運営の無料イベントよりははるかにマシですが、
都内でやっている同種同規模のイベントと比べて、良いということもないです。
世の中の3日間で20万円とるレベル(1日5万とか)のまともなイベントを知らないから、自分たちは最高の仕事をやってると思い込んでるのでしょうか、可哀想です。
ボランティアの皆さんは、IVSを手伝っても成長の機会など殆どの人は得られないと思います。
ボランティア参加者のSNSなどの発言を検索して見てみても、「刺激」「成長」「優秀な仲間」「感謝」という抽象ワードばかりで、実際には成長機会になっていないんじゃないかと思います。
聞けばマニュアルがバッチリ整備されているとのことですが、参加した側から言わせてもらえばどう見てもそんなにちゃんとしたマニュアルで運用されているとは思えないし、
どんなに一生懸命やったとしても所詮素人の付け焼き刃仕事でしかありません。これでプロのクオリティと並んでる仕事だ、とか間違っても思ってはいけません。
ちゃんとしたマニュアルで仕事することを学ぶなら、マクドナルドでバイトしたほうがお金も貰えてはるかに高度なマニュアルオペレーションを体験できます。
ボランティアもあれだけ人数がいて担当業務が細分化されてたら、成長の機会なんか本当ににないと思います、こういうボランティアでの成長機会はカオスから得られることが多いと思うので。
きちんとしたイベント運営を学ぶというには、おそらくマニュアルや運営ノウハウはプロレベルには全く及んでないと思います、良いと思われる部分はホテルがホテルのノウハウでやってるのでは。
こういう場合の成長は、個人個人でスタート地点が違うので、アルバイトで家庭教師くらいしかやったことない学生さん、みたいな方なら、あれで成長できるのかもしれません。
そんなボランティアの仕事に、さも成長の機会があふれているように意識高く取り組ませてるのはスゴイとおもうんですが、ボランティアの子に直接聞いたところ、旅費も宿泊費もボランティアの自己負担で、しかも無給だそうです、n=1ですが。
もしIVSが儲かってるんだとしたら、ボランティアという名称で仕事してもらってるとはいえ、旅費宿泊費負担して給料払わないといろいろマズイんじゃないですかね、よく知らないですが。
Infinity Ventures Summitを主催しているInfinity Ventures Partnersは、ベンチャーキャピタルファンドを運営しています。
ファンドということは、投資家から資金を預かって運用する仕事なわけですが、このIVSがよっぽど儲かるのか、ファンドの仕事はほっぽり出してイベント屋にばかり精を出しているように見えます。
ファンドの投資家さんはこの状態を許してるんでしょうか、許してるんでしょうね(笑)
ちょうど嫌がらせのように開催期間中に以下のような記事があったり、やっぱり同じようなことを思ってる人はいるんだなと(笑)
700人参加(10万円〜20万円)とスポンサー料で売上1億円くらいはいってるんですかね、
それで聞いた話が事実で、ボランティアの交通費宿泊費も負担せず、さらに無給で使ってるんだとしたら、
こっちだけやってても儲かってしょうがないんじゃないでしょうか。
⑧最後に
こうやって書いてみると、最初から最後までお金の話ばっかりですいません。
やっぱり私が貧乏なので、10万円とか20万円とかいう参加費を基準にした不満が多くなるんだとおもいます。
こういう大金をポーンと出せる人だと、また違う感想になるんですかね、そういう人になりたいものです。
金額の負担感を極力排除して考えてみても、パネルディスカッションの中身は素晴らしいものもあればクソつまらないものもあります。ほとんどはクソつまらないです。
話す人が話せるだけの経験がない人たちで、話もうまくないので当然だと思います。これは登壇者の責任じゃなく運営の責任だと思います。
運営者も参加者も良し悪しの比較基準がない、本当に良い物を知らない人が良いものだと信じて一生懸命やってる印象です、
参加者の内輪感とあいまって、「井の中の蛙イベント」といった印象を強く感じました、ちょっと痛々しい感じすら。
豪華な食事や装飾も、ベンチャーのイベントだと思って参加した私にとっては正直不思議で不快なものでしかありませんでした。
私にとってはやっぱり時間と金銭の費用対効果があわない、に尽きます。
価値がなかったらあれだけの人数が継続して参加していないと思うので、価値がないということは絶対にないと思うんです。
むしろあれだけの時間と金銭のコストに見合うかそれ以上の素晴らしい価値があるに違いないんです。
参加されている多くの経営者のお一人お一人の時間の価値は、私自身の時間の価値の数百倍できかないわけですから。
ただそれはおそらく、イベントの内容の絶対的な価値ではなく、立場や考え方によって変わる相対的な価値なんだろうと思います。
ベンチャー関係で最大最高のイベントと言われているIVSの価値ってなんですか?
継続して参加している人にそれを聞いてみたくて、(お金を持っていない)私が感じた疑問をぶちまけつつ、この日記を書いてみました。