「インフレターゲット」を含む日記 RSS

はてなキーワード: インフレターゲットとは

2010-07-30

http://anond.hatelabo.jp/20100730121053

この政策は、擬似的なインフレターゲットでしょう。

銀行に金があっても貸し出すとは限らないし、景気が悪いと貸し渋る。

起業する人にも貸さないだろうと思う。

取り付け騒ぎとは違うだろう。

2010-05-14

政策に向き合うということ

http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20100514/p1

BewaadさんのエントリーTwitterとかで盛り上がっていた。こういう良いエントリーを読むと自分も何か書いてみたくなる。とは言え、氏の議論への反応ではなく、氏の議論への反応を見ての感想なのだが。

twitterをつらつらと眺めていて、ある種いわゆるリフレ派の最大公約数的な意見だなと思ったのが以下のコメントだ。

個人的にリフレ派諸氏に言いたいのだけれど、開き直ってもいいと思うんだよ俺。「gdgd言わないで全部ボタン押せ、学術的な決着はその後だ」と。俺は少なくともこの立ち位置立脚してるし、この立ち位置が「ただの素人リフレ派」にとって最も強いと少なくとも俺個人は思っている。

http://twitter.com/kumakiti2ch/status/13936833688

感情論としては、正直同意せざるを得ない。不況長すぎ。いらだつ気持ちは自分にもある。そもそも、経済政策理論に先行したことは今まで何度もあった。むしろその方が多いんじゃないだろうか。ならば、限られた情報能力選択肢の範囲内で、最良のものを選んでいく、そういう割り切りは必要なはずだ。

ただ、この割り切りは我々外野人間がするものじゃない。それは為政者仕事であり、責務であって、我々が出来る事じゃない。残念ながら。もちろん、全部ボタン押せと言ってはいけない、とは言わない。それをやりたい人は政治活動・宣伝活動として大いにやればいい。でも、外野の我々にとってもっとも意義深い仕事はそれではないと思う。

本当に大切な外野仕事は、ボタンを用意すること。そしてそれを磨くこと。政策の選択肢を提案し、そのコストも、ベネフィットも、考え得る全てのリスクも、全てが出尽くすまで叩いて叩いて叩きまくる。もう鼻血も出ないほどに叩き合ったその末に出来たコンセンサス為政者の前に積み上げること。それこそが外野仕事ではないだろうか。

もちろん、いくら完璧に鍛え上げた最良のボタンを用意しても、それが採用されるとは限らない。ユーロ通貨統合の直前に、どれだけの学者が議論を積み上げ、賛否両論ボタンを用意してきたか。30代以上の人なら覚えているはずだ。そして、過半数の経済学者(と記憶している)が提出した反対意見は結局為政者達に却下されて、今の惨状に至ることになる。それでも、例え捨てられるとしても、政策オプションというボタンを磨き上げる行為が無駄だと思っている経済学者などいないはずだ。今は捨てられても、一度磨き上げられたボタンはいつか必ず何かの役に立つ。

翻って、過去5年間、いや10年間、リフレ派の論者の人たちは自分たちのボタンを磨き上げてきたのだろうか。自分にはそうは思えない。「インフレターゲットデフレ脱出」、という意見に「いや、コミットメントの問題が解決されてないでしょ」とツッコミが入った。それに対してリフレ派の人たちはどれだけ真っ向からの反論をしてきたのか。財政政策だってあるじゃん、みたいな議論に逃げてはいなかったか。それは「このボタンじゃ機能が足りないんじゃない?」という客の質問に、「その機能は別のボタンについてるから大丈夫です」というようなものだ。それじゃぁ意味がないんだよ。一つのボタンじゃ機能が足りないなら、その半端なボタンはさっさと捨てて、二つの機能を統合したボタンを客に見せるべきだ。客のツッコミに耐えられるようなボタンが出来るまで、スクラップアンドビルドを繰り返すべきだ。

それを怠り、自分ボタンケチが付けば「いつまで文句ばかり付けるんだ」「ぐだぐだ言ってないでボタンを全部押せ」と叫んでみても、それが為政者に届くわけがない。未完成品のボタンを山ほど差し出して、時間がないからとにかく全部押せと。国に大してそんな押し売りが出来るほど我々は強くもなければ偉くもない。我々に出来るのは、地道にボタンを改良していくことだけだ。いつか、どこかでそのボタンが役に立つことを信じて。

本来は、そのボタンは役に立つはずだった。リーマンやベアスターンズが破綻したときに。でも我々はその議論には殆ど貢献できず、結局似たような議論がアメリカブログで繰り返されて、あっという間に向こうの議論が先に進んでしまった。これは本当に恥ずかしく、悔しいことだった。少なくとも、自分にとっては。

最後に、ひとつだけリフレ派に提案したい。リフレ派は今すぐ内部抗争をするべきだ。インタゲインタゲと繰り返す人と、財政政策重要だという人が、同じ意見のはずがない。例えアイデアの95%が同じでも、残りの5%が違うなら、そこを徹底して叩き合うべきだ。そうしないと、お互いの前提条件に違いがあることに気づけない。自分が(多くの場合無意識に)仮定している前提条件を明らかにして、再検討して、その上で始めて政策オプションというボタンを改良することが出来るのだと自分は思う。そこを怠るから、インフレターゲット時間的不整合性を問う意見に「財政政策があるからいいじゃないか」というような議論のすり替えを行って、そのおかしさに気付けないのではないかと思う。

2010-02-22

http://anond.hatelabo.jp/20100221183451

コミットメントを前提とするインフレターゲット政策」を前提にしながら「コミットメントが困難だからリフレ政策は無理」ってあり得無くない?



君はコミットメントを「それを仮定しさえすればなんでも出来る魔法の杖」か何かと勘違いしているのか。

通常のインフレ目標コミットメントメカニズムを一から説明していては日が暮れるので、はしょって説明する。興味があるなら自分勉強して欲しい(コミットメントにこだわるなら、マクロだけでなくミクロテキスト学習すると良い。繰り返しゲームあたりなど)。重要なのはどうやってコミットするかということ。例えば、無限繰り返しゲームを仮定して、一時的なサプライズインフレーションを行うインセンティブを中銀がもっていたとする(中銀の目的関数はこの文脈で一般的なものを用いる)。この場合、例えば一度でもターゲットレートを上回るインフレ率を中銀が設定したら民間は以後中銀を信頼しなくなる、というトリガ戦略を敷くことで、中銀にターゲットレートを守るインセンティブを与えることが出来る(この戦略は、若干修正すれば中銀が経済のstatusに対してprivate informationを保持している場合、または中銀が完全にはインフレ率をコントロールできない場合にもある程度は対応することが出来る)。これによって、中銀はターゲットレートにコミットすることが出来る。

このコミットメントと、リフレ政策が要求する「いつか景気が回復したら均衡インフレ率以上にインフレ率を誘導する」ことにコミットすることとが「同じ」だと言えるのか、ということ。クルーグマンが仮定した「均衡実質金利が一時的にマイナスになっている状況」からの脱却がcommon knowledgeであればまだ何とか両立は可能かもしれない(同じなどでは全くないが)。しかし、それが例えば中銀のprivate informationであった場合には(均衡実質金利などという統計など存在しない)? 2つのコミットメントが異なるのは言うまでもなく、両立も困難と言わざるをえない(不可能であるとは言わない)。

加えて書けば、クルーグマンが仮定する「来期には均衡実質金利プラスに復帰する(中銀による過剰なインフレが実行可能になる)」の「来期」が遥か先のことだとしたら?その遠い将来に必要となる(より)過剰なインフレコミットすることが、本当に可能なのか? 今現在インフレーションバイアス抑制しているコミットメントメカニズムが、その遠い将来の過剰インフレへのコミットをも可能にするなどと何故簡単に断言できるのか。

もし依然としてこっちの書いていることに納得できないというなら、「なぜ同一視できるのか」、そのコミットメントメカニズムを分かるように説明してもらいたい(論文引用ももちろん構わない)。正直疲れてきたので、二つのコミットメントメカニズムが同じとは言えない、ということくらいはそろそろ納得してもらいたいのだが。

2010-02-21

http://anond.hatelabo.jp/20100221081435

だから、2%のターゲットレートを4%に引き上げることによって、コミットメントの問題が追加的に発生することはない。

いや、だから全然ずれてるよ。最初の2%のターゲットコミットメントが必要ないとでもいうのか?

コミットメントを前提とするインフレターゲット政策」を前提にしながら「コミットメントが困難だからリフレ政策は無理」ってあり得無くない?

2010-02-18

リフレ」は誰のためなのか

日本で「インフレターゲット」(リフレ)がうまくいかないと思う理由を書いてみる。

誰のための政策なのか?

誰の賃金が上がるのかわからないという点。いまや労働者3分の1が非正規雇用労働者といわれている。

仮にインタゲがうまくいって、緩いインフレマインドが続くとしても、21世紀に入ってからの「いざなぎ超え」景気時

企業同様、なかなか給与の伸び率は伸びないと思われるからだ。代わりに若年層の正社員就業率は伸びると思う。

さらに、非正規雇用労働者の時給はちょっと上がると思う。

労働者3分の2(つまり性社員)の給与はしばらく足踏みのままと想像される。

就業と住所の問題が解決するのか?

2008年から2009年にかけての非正規雇用労働者雇い止め雇用調整を見ていてわかったのは、「就職のためには住所が

必要だ」ということ。あと「若年労働者住職近接でない点で、選択圧力を受けているのではないか」ということだ。

不景気だといわれていても、人口の多い都市部にはまだまだ職があるのだ。住む場所(住所)があれば、職を選ばなけれ

ば働ける。

ただし、正社員でないとそもそも家賃を払えない。(特に)都内の家賃は高すぎる。正社員でも若年層はひとり暮らしで

精一杯なのではないか。

仮にインタゲがうまくいくと、都市部ではさらに求人が上がると思われ、人口の流入も考えられる。

普通、住居を求める人が増えれば家賃は下がるかと思われるが、逆だ。パオロ・マッツァリーノの指摘どおり、家賃は上

がるのだ。1Kやワンルームで7~8万というレベルがさらに上がると、住所を失う労働者が増えると推測される。

太田総理的解決提示

都心公示地価を半分に切り下げて、都心賃貸住宅を増やそう。家賃はもちろん7~8万以下に抑えるのだ。

だいたい日本では、土地価値付けの理由が不明だ。地価の価値付けを明確にすれば、おそらく日本土地はだいぶ下が

るかもしくは適当価格になるはずだ。それが決定できないのなら、強引に切り下げてしまえ。

単身世帯向けだけでなく、3人くらいまでのファミリー向けの賃貸も建てよう。そうすればコンパクトシティも実現する

し、ファミリー都心回帰(+プラス、家賃の心配が下がる)ので消費マインドも上がるはずだ。

土地の値段が高いせいで、土地の上に建てる家屋にお金をかけられないという心配も、地価の切り下げで解消される。な

にしろ今まで土地にまわさざるを得なかった部分を家屋にまわせるようになるのだから、その分耐震設計に重点をおくこ

とができるようになるに違いない。

建設ラッシュも起きて、景気回復を牽引するだろう。土地が安くなるので今までの家主たちも建て替えをするかもしれな

い。建築基準法があるから、簡単にはアパートマンションの粗製濫造はできないはずだ。

このようにして日本の景気は回復するのだった。

あれ? タイトルと内容がちげーじゃねぇかとか言いやがって、ちっ、うっせーな。反省してまーす

http://anond.hatelabo.jp/20100217215359

ふーん。ブランチャードはリフレ政策に効果がないと主張し、一方ではインフレターゲットの数値を引き上げることを検討すべきだと主張してると。

ところで、リフレ政策の理論的基礎とインフレ目標政策理論的基礎はそんなに異なるものなのかいw リフレ政策の時だけはなぜか合理的な期待形成は行われなかったりコミットメントができなかったりするとか?

2010-02-17

リフレ村の司祭様かく戦えり

せっかく2時間もかけて前のエントリーを書いたのに、丸一日経っても誰も読んでくれないよ…と涙に暮れていたのですが、なんとお褒めの言葉付きで長文のリプライが!「もうこれは2chに自作自演宣伝書き込みをするしかない」、と悲壮な決意を固めかけていたのですが、ああ、神様、どうやら私は人の道を踏み外さずにすみそうです。

馬鹿なことを書くのはこれくらいにして本題に入りましょう。

http://anond.hatelabo.jp/20100217164344

「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行する」能力も意志もないのです。処方箋はあるのに肝心の中銀がそれを採用しようという意思がないのです。

こんな中銀ですから、平時においてインフレ率を高めに誘導しておく必要が、すなわち名目金利引き下げの余地を残しておく必要があるのです。

名目金利引き下げの余地を残しておいて流動性の罠に陥らないようにしておかないといけないのです。

まず、ブランチャード(フランス語読みではブランシャール)らがここで書いた文章の表題をもう一度確認してみましょう。”What we thought we knew”とあります。直訳すれば「我々が理解していると考えていたこと」でしょうか。

ここで過去形になっていることは非常に大きな意味を持ちます。これは「今はもうそうは考えていない」ことを意味しているからです。日本語的な発想では「過去にそう考えていたとして、今どう考えているかは分からないのでは?」と思いがちですが、今も引き続きそう考えているなら英語では現在完了形を使わなければなりません。

英語はこの辺りの時制のコントロールに対して非常に厳密です。ですから、1970年のJohn Smithの論文がこう主張している、という表現をするときには、J. Smith (1970) arguesと書くのが普通です。論文自体が書かれたのは40年前ですが、Smithの主張が今も有効であるならば、現在形になるのです。逆に Smith (1970) arguedと書いた場合、この著者はSmithの意見を既に時代遅れなものと見なしていることになります。

つまり、私の翻訳した部分はブランチャード自身が「既に時代遅れである」と判断したことについて書いてあるのです。翻訳では若干時制が不明確になってしまっていますが、『中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来る』という下りは、原文では

The formal argument was that, to the extent that central banks could commit to higher nominal money growth and thus higher inflation in the future, they could increase future inflation expectations and thus decrease future anticipated real rates and stimulate activity today.

となっています。過去形に注目してください。ブランチャードはこの議論を最早信じてはいないことがここからも分かります。過去形解釈について納得がいかない方はマークピーターセンの「日本人英語」辺りを読んでみると良いでしょう。

つまり、ブランチャードが批判的に取り上げているのは、「処方箋があるにもかかわらずそれを採用しようとしない中銀の存在」ではありません。処方箋に問題があるにもかかわらず、それを中銀の意思と能力の問題に矮小化してしまった経済学者の態度こそが批判されているのです。だからこそ、前回翻訳した最後の部分で『公平を期しておくと、Fed日本経験を無視したわけではなく、2000年の初めにデフレリスクを憂慮した論文を発表している』と添え書きされているわけです。経済学者にも良心的な態度を取った人がいたことは、公平のために言及しておく、と。もしも「リフレ処方箋」にコミットする能力と意思を中銀が欠いていることをブランチャードらが問題視しているなら、to be fairなどと書くはずもないことは文脈から明らかでしょう。

ですから、

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、4%のインフレ率が必要となるのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、流動性の罠など恐るるに足るのです。

流動性の罠に陥らないようにするために、4%(具体的な数値は検討の余地があるでしょう)のインフレ目標が必要になるのです。

この解釈ブランチャードらの論文から引き出すことは出来ないと思います。この論文で議論されているのは徹頭徹尾経済学の問題であって、「能力と意思を欠いた」中央銀行に対して批判的な表現は、(上でも書いたとおり)少なくとも私の読んだ限りでは全く見当たりませんでした。中央銀行能力も意思もないから、それを前提に現実的な経済理論を再構築しよう、とも書いていません。今まで半ば普遍的に信じられていた、「2%前後で安定したインフレ率が望ましい」という経済学者コンセンサスそれ自体に疑義を唱えているのです。

加えて、中銀が無能ないしは怠惰であるという理由以外で能力/意思を欠いているのであれば、それは中銀の問題(だけ)ではなく処方箋の側に(も)問題があると考えるのはごく普通の理解であろうと思います。例えば、中銀にそもそもコミットメント能力が備わっていないならば、それを前提とした処方箋は無効であることは当然ですよね。

「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているブランチャードが、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題への処方箋であるリフレ政策を支持するはずも否定するはずもないのです。

前回翻訳した部分をもう一度参照してください。なぜブランチャードらは2%のインフレ率を望ましくないと判断したのでしょうか。ブランチャードらは過去にも「2%のインフレでは低すぎる、利下げ余地が小さすぎる」という懸念があったことを紹介しています。そして、その懸念は「ゼロ金利になっても、中銀が将来のインフレコミットすれば大丈夫だ。」という、Eggertsson and Woodford (2003)らの議論によって葬り去られました。そして、日本金融政策の失敗を受けても、一度葬り去られた懸念が見直されることはありませんでした。

そして、世界中ゼロ金利の罠にハマった後、ブランチャードらはようやく「2%のインフレでは低すぎる、利下げ余地が小さすぎる」という懸念を復活させます。それは、「いやいや利下げ余地が小さくても問題ない、打つ手は他にある」、というリフレ派の議論がもはや有効とは言えないと考えられたからこそなのです。繰り返し書きますが、「流動性の罠から抜け出す簡単な方法は存在しない」からこそ、利下げ余地が論点として再浮上し、高いインフレに伴う経済への負担を覚悟してでも流動性の罠に陥らないようにしようという結論に至る、という論理構成なのです。この論文はかなり読みやすい英語で書かれていますので、暇があれば通読なさると良いでしょう。

また、以上の説明から、最終段落で言及されている「ブランチャードらは流動性の罠から脱出するためのリフレ政策を支持していると読めないこともない」点は、誤読であると申し上げるより他ないことはご理解頂けるのではないかと思います。この辺りも、原文に当たられた方が文章の雰囲気と構成("stood more uneasily in the way"や"to be fair"など)をよりはっきりと掴めるでしょうから、原文を当たられることを繰り返しお勧めします。

最後に、ブランチャードが書いた部分を、少し分かり易く脚色してみます。

とあるところにあるリフレ村で司祭様が村人に説教をしています。

司祭 「全能なる我らが神はこの村の人々を温かく見守ってくださっておる。なんの心配もいらないよ、君たちは選ばれた民なのだから。100年前の大飢饉大恐慌)では人々は神への祈りを捧げなかった。だから多くの民が死に絶えたのだ。だが今は違う。私が正しい神への祈り方を教え授けている。神は我らの祈りを請け給うたのだ。」

 「司祭様。それでは何故私の父は病に苦しんでいるのでしょうか。既に10年以上、病床を離れることが出来ません。」

司祭 「…それは、あなたの父親の信心が足りないからだ。神を理解する能力に欠けるからだ。彼が心から神を信じているならば、彼の病が長引くことなどあり得なかった。家に帰って彼に伝えなさい。悔い改めよ、と。さすれば彼はたちどころに快復するであろう。」

これは新興宗教の必勝パターンでありまして、この父親が毎日祈りを捧げても(量的緩和)、喜捨の額を増やしても(国債買いオペ増額)、病から快復しないならば「信心が足りない!まだ不十分だ!」と言い続ければよいのです。楽な商売でございます。

ただし、この戦法は多くの村人が病にかかってしまうと通用しなくなります。挙句の果てに村の外からは賢者様がやってきて、「いや、そのお祈りじゃ患者は救えないでしょ。治療法は確立されてないし、一度病気なっちゃうと後が大変だから、とりあえず患者が増えないように予防策を考えようか」とおっしゃっておられます。

さぁ司祭様の立場は一気に悪くなってまいりました。石もて追われる5秒前!しかしこのまま大人しく村を去る司祭様ではありません。一発逆転の隠し玉は当然用意してあるはず。疫病快癒の大祈祷でもって見事リフレの神のご威光を天下に知らしめ、村人達笑顔を取り戻して下さるに違いありません。

というわけで、外野増田矢野先生(及びリフレ村の司祭様方)の逆転の一撃を心よりお待ちしております。

ブランチャードはリフレを支持も否定もしていない件について

http://anond.hatelabo.jp/20100216112730

明快かつ痛快な解説。ただ一点だけ同意できない点があるのです。

池田先生なんかよりずっと英語が読めている我らが増田一同の代表氏曰く、

リフレ派の人たちが主張するとおり、「ゼロ金利制約に陥っても、中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すればデフレから脱却できる!」のであれば、なにも4%のインフレを許容してまでゼロ金利回避する必要などありません。処方箋はあるのですから、それを粛々と実行して安定成長へと復帰すればよろしい。」

おっしゃる通りです。ただし、「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すれば」という点がなかなかに厄介な障害なのです。

ブランチャード他は以下のように指摘しております(素晴らしい訳を利用させていただきましょう)。

日銀が将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力ないしは意思に欠けるからであると片付けられてしまった」

「中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行する」能力も意志もないのです。処方箋はあるのに肝心の中銀がそれを採用しようという意思がないのです。

こんな中銀ですから、平時においてインフレ率を高めに誘導しておく必要が、すなわち名目金利引き下げの余地を残しておく必要があるのです。

名目金利引き下げの余地を残しておいて流動性の罠に陥らないようにしておかないといけないのです。

というのも、この国の中銀は将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思もございませんから、一旦流動性の罠に陥ってしまえば、長引くデフレ不況という辛い未来約束されているからです。

そういうわけで「リフレ政策があれば流動性の罠など恐るるに足らない、だから4%のインフレ率なんか必要ない!」と高らかに宣言することはできないのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、4%のインフレ率が必要となるのです。

将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力も意思も欠いた中銀だからこそ、流動性の罠など恐るるに足るのです。

流動性の罠に陥らないようにするために、4%(具体的な数値は検討の余地があるでしょう)のインフレ目標が必要になるのです。

ただ、以上の話はいかにして流動性の罠に陥らないようにするかという話であります。

一旦流動性の罠に陥ってしまった経済がいかにして流動性の罠から脱却すればよいのか、という話とは次元の違う話です。

つまりは、ブランチャードらによるインフレ目標4%の提案は現在日本経済が抱える問題、いかにして流動性の罠から抜け出したらよいのかという問題とは分けて考えるべきなのです。

ブランチャードはリフレを支持もしていなければ否定もしていないのです。

ブランチャードは「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているのです。

リフレ政策というのは、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題に対する一つの処方箋であります。

「いかにして流動性の罠に陥らないようにすればよいのか」を問題にしているブランチャードが、「いかにして流動性の罠から抜け出せばいいのか」という問題への処方箋であるリフレ政策を支持するはずも否定するはずもないのです。

そもそも取り組んでいる問題が違うのです。

(ただし、ブランチャード他はリフレ政策の有効性もきちんと指摘しております。再度素晴らしい訳を利用させていただきますと、

なぜなら、中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来るからだ(脚注

この文章にはEggertsson and Woodford (2003)への参照がなされていますから、ブランチャードら自身の意見というよりは、こういう議論もあるよ、という紹介にすぎないのかもしれません。この点に留意しつつも、「中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら」流動性の罠から脱出できる、という話でありますから、流動性の罠から脱出するためのリフレ政策を支持していると読めないこともないでしょう。)

2010-02-16

ブランチャードはリフレを支持していない件について

リフレ村の方では「ブランチャードがインフレ率を4%前後に誘導することに言及した」ことで色々と盛り上がっているようでありますな。

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20100214#p2

要するに、マクロ経済学大御所ブランチャードが「今まではインフレ率は2%前後に誘導するのが望ましいとされていたが、2%程度だとゼロ金利に陥りやすいので、もう少し高めの4%前後インフレ率を誘導した方がいいのかもしれない」という論文を発表したと。で、日頃から高めのインフレターゲットによる景気回復を主張なさっている皆様が盛り上がったという構図のようであります。

で、それに対して(直接言及があったわけではないものの)、我らが池田先生が果敢に反論。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51377205.html

あちこちで話題になっているIMF論文をざっと読んでみた。日経の記事には「平時から4%など高めの物価上昇率を容認し金利水準も引き上げることで、金融危機のような経済ショック時の利下げの余地を広げることが望ましい」と書いてあるが、この記者は明らかに原論文を読んでいない(か英語が読めない)。論文にはこう書いてある:

Should policymakers therefore aim for a higher target inflation rate in normal times, in order to increase the room for monetary policy to react to such shocks? To be concrete, are the net costs of inflation much higher at, say, 4 percent than at 2 percent, the current target range?

[...]

Perhaps more important is the risk that higher inflation rates may induce changes in the structure of the economy (such as the widespread use of wage indexation) that magnify inflation shocks and reduce the effectiveness of policy action.But the question remains whether these costs are outweighed by the potential benefits in terms of avoiding the zero interest rate bound.

と書いており、むしろ高いインフレ目標には否定的だ。


うわぁ。読めてない。全然読めてないよ池田先生。ここでブランチャードが書いているのは、

ということであって、「高いインフレ目標には否定的」なんてこの段落から読み取れるわけがありません。これでは突っ込まれてもしょうがない。池田先生にはエントリーをアップする前に深呼吸を3回することをお勧めしたいと思います。


さて、一方でリフレ村で給食当番をなさっているらしい矢野先生は、高らかに以下のエントリーをアップされました。

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20100215/p1

主要国のインフレ目標「平時から4%に」 IMF提言

(以下略)

「まあ、当然の話だよね」とリフレ派なら誰もが思う訳ですが、(以下略)

リフレ政策論争を巡って、誰が正しくて誰が間違っていたのか?」が明らかになる日が近づいていると思います。


…いや、先生ブランチャードの論文リフレを全然サポートしてません。ちょっと考えれば分かる話です。なぜブランチャードは2%ではなく4%のインフレを検討課題としてあげているのでしょうか?ご自身も翻訳されているとおり、「ゼロ金利制約(それ以上利下げできない状態)にハマるリスク回避するため」です。リフレ派の人たちが主張するとおり、「ゼロ金利制約に陥っても、中銀が高めのレートでインフレターゲットを実行すればデフレから脱却できる!」のであれば、なにも4%のインフレを許容してまでゼロ金利回避する必要などありません。処方箋はあるのですから、それを粛々と実行して安定成長へと復帰すればよろしい。

ブランチャードらがここまで繰り返しゼロ金利制約の問題を強調するのは、その処方箋が当てにならないと判断したからです。この点を明確にするために、以下でブランチャード論文の一節を翻訳します。この論文

  1. What we thought we knew (以前はコンセンサスとして認められていたが、今回の危機で否定されたか、疑問符が付いたアイデアを列挙している)
  2. What we have learned from the crisis (文字通り、今回の危機の教訓)
  3. Implications for the design of policy (今後の経済政策へのインプリケーション)

という3部構成になっており、問題の4%インフレは第3部の一項目です。以下で翻訳するのは第1部のB節、つまり「今や否定されつつある過去コンセンサス」について語った一節です。

http://www.imf.org/external/pubs/ft/spn/2010/spn1003.pdf

B. Low Inflation

インフレーションはただ安定しているだけでなく、非常に低く抑えられているべきだ(多くの中央銀行は2%前後ターゲットに選んでいる)」という広いコンセンサス(increasing consensus)があった。これはインフレによって流動性の罠へ陥ってしまうのではないかという議論へと繋がった。低い平均インフレは低い平均名目金利を招き、そして名目金利ゼロ以下には下げられないので、低インフレの下では不景気の際に利下げ(金融緩和)の余地が小さいと言うことになる。しかしながら、この低インフレ危険性は低いと見なされた。なぜなら、中央銀行が将来の高い名目マネーサプライ成長率とひいては将来の高いインフレーションコミット訳注約束)できるなら、中銀は期待インフレ率の上昇によって将来の予想実質金利を低下させ、それによって現在の景気を刺激することが出来るからだ脚注)。そして、それほど景気へのショックが大きくない世界では、2%のインフレがあればゼロ金利制約を回避するのには十分だと思われたのである。こうして、議論の焦点は、コミットメント重要性と中央銀行インフレ期待への影響力へと絞られたのである。

大恐慌時に発生した流動性の罠、それに伴うひどいデフレと低い名目金利は、もはや歴史上の出来事であると認識され、そのような政策の失敗は今や回避可能であると考えられた。1990年代日本経験、すなわちデフレゼロ金利および長く続く不景気は、この認識の前に不愉快に立ちふさがる問題だった。しかし、これは日銀が将来のマネーサプライ増と将来のインフレとにコミットする能力ないしは意思に欠けるからであると片付けられてしまった(公平を期しておくと、Fed日本経験を無視したわけではなく、2000年の初めにデフレリスクを憂慮した論文を発表している)。

脚注ではEggertsson and Woodford (2003)が参照されている)

ブランチャードらがなぜゼロ金利流動性の罠)に陥るリスクを重視するのか、このB節から明らかであると言えると思います。 特に太字で強調した部分を参照してください。どこかで見たことがある主張ではありませんか。少し分かり易く言い換えれば、リフレ政策が役に立ちそうにないから、「低インフレによって流動性の罠へ陥ってしまうのではないか」という懸念が復活しており、だからこそリフレ政策が必要になるような状況に陥らないように政策を運営すべきだと彼らは主張しているのです。4%のインフレ率というのはそのための政策案です(ただし、ブランチャードらもイマイチ自信がないのか、6つ挙げられた政策オプションのうち、この4%インフレの案だけは表題にクエスションマークが付いています)。

紅茶を片手に「まぁ、当然の話だよね」などと余裕をかましている場合ではありません。さぁ、今こそ高らかに「リフレ政策があれば流動性の罠など恐るるに足らない、だから4%のインフレ率なんか必要ない!」と宣言を!

外野増田池田先生矢野先生の熱い戦いを心から応援しております。

2009-11-12

http://anond.hatelabo.jp/20091112083448

リフレ派は、日銀金融緩和が不十分で、かつすぐに引き締めにはいろうとする姿勢を問題視しているんでしょ。実際、2006年の引き締めは時期尚早だって批判をしてたし。

あと、インフレターゲットによるインフレ抑制は他の国ではそれなりに機能しているでしょ。導入している国は結構多いと聞くしね。

ただ、リフレ派の主張の難点は実はここにあるんじゃないだろうか。

どういうことかと言うと、リフレ派の主張は、日銀というのは基本的に経済学の素養のない東大法学部出身者によって動かされていて、インフレ抑止を主眼とする伝統的な金融政策(日銀理論)に固執している。だから、効果もろくに出ないうちにすぐに引き締めに入るし、そのせいで日本経済はずっとデフレに悩まされてきたのだという。要するに、日銀が無能だという話。

他方で、ハイパーインフレを懸念する声に対しては、上で書いたように、インタゲを導入している他の国ではインフレ抑止に成功しているのだから、日銀がことさら無能でもない限り、そんなことは起こらないという。

ということは、もし世間の声(?)に押されて日銀がいま以上の金融緩和に踏み込んだとしても、中の人が無能なままだったら、インフレコントロールできず、結果としてハイパーインフレになってしまうのではないだろうか。(もっとも、生産能力をもてあましている今の日本で、ハイパーインフレって言われてもピンとこないのも確かなんだけど)あるいは、バブルの時みたいに極端な引き締めを反動的にやって、えらいダメージ引き起こしてしまうかもしれない。

というわけで、日銀中の人が完全に入れ替わらない限り、リフレ派の主張には怖さがあると言えるかもしれない。

2009-11-11

リフレ論争雑感

経済学にはとんと疎い素人だけど、最近はてな界隈で盛り上がっているリフレ論争はなかなか面白い。

難しいところはぜんぜん判らないし、いくつか論点があるような気がするけど、要するにお金がどうやったら廻るようなるのか、という話だよね。

リフレ派の人は、日銀国債を買ったり、インフレターゲットを宣言することで、みんなに将来的にインフレになると予想させればお金が廻るようになると考える。インフレだと現金を持ってても価値が目減りしていくからね。構造改革の必要性を否定するものでは必ずしもないけど、いまはそのタイミングじゃない。リフレ派とされるエコノミスト言葉を借りれば、風邪を引いてるときにわざわざ体力つけるためにトレーニングをするのはイクナイ、みたいな感じだろうか。

他方で、反リフレ派の人によれば、いまの不況日銀お金を刷れば解決なんて単純な話ではなくて、日本産業構造(たとえば解雇規制とか)にそもそもの元凶がある。だから、規制緩和によって企業が余剰労働力放出しやすくして体力を回復させ、イノベーションの創出を通じて新しい需要を生み出すことが必要だと考える。日銀通貨供給量を増やしても、どうせ銀行に貯まるだけの話でインフレにはならない。それでも無理に流通させようとすれば、国債暴落したり、ハイパーインフレを生じさせる可能性がある。

ここからさらに憶測交じりのいい加減な話をしてみたい。

リフレ派的な視点からすると、2000年代前半のシバキアゲ型の景気回復は、輸出産業にはよかったかもしれない。けど、国内はずっとデフレ基調だったわけで、派遣労働者バイトを増やすことで表面的には失業率を低く抑えていたかもしれないものの、平均所得はどんどん下がっていった。そりゃ、みんなお金使わなくなるよね。

ところが、それでも日本の国内市場の規模は実はかなり大きく、本当ならそれほど輸出に依存する必要はない。だから、とにかく国内市場需要の回復が必要だという話になる。そのためにはみんなが気持ちよくお金を使うことが必要だから、気持ち的にもハッピーなほうがいい。解雇規制の緩和とか今やれば、雇用も促進されるかもしれないけど、むしろ正社員やそれに依存するパートタイマーの人たちなんかがみんな不安になって需要が一層冷え込んじゃうかも。要は、国民を「甘やかす」ことが大事だという話。バブルアゲイン、プリーズ。てか、バブルなんてはじけてみないとバブルだったかどうかなんてわからね~んだよ、みたいな。

ところがどっこい、反リフレ派からすれば、そんな甘いこと言ってんじゃないよという話になる。労働力安価途上国がどんどん伸びている以上、国内のデフレは不可避なのだ。比較優位なんて幻想。だから、生産性が低くて人口が減っていく日本には、国民を甘やかしている余裕はない。みんなで希望を捨てて、突然の解雇にもめげないメンタリティを獲得し、生活水準の低下も耐え忍びつつ、生産性を上げて衰退のペースをゆるやかなものにする以外にない。そのためには、非効率的な富の再分配とか論外だし、地方なんぞ切り捨てて効率のよい東京にみんなで住もうとかいう話にもなる。だから、反リフレ派の人の話を聞いていると、だんだんと暗い気持ちになる。

国民に甘言ばかり弄するのはポピュリストで、たとえ嫌われても厳しい正論を告げるのが真の知識人」なんていう発想からすれば、反リフレ派の人はなかなかカッコいいような感じもする。

でも、超個人的な話をすれば、1歳のうちの子どもなんて「つねに希望をもって生きていきますように」という発想から名前をつけたわけだが、希望を捨てろとか言われたら、いったいどうすれば…orz 

それは措くとしても、「個人の悪徳は公共の利益」とか、「合成の誤謬」なんて言葉もあるし、みんなが希望を捨てて、厳しい将来に備えちゃったら、それこそお先真っ暗じゃないかと思うんだけど、どうなんでしょうかね。果てしない縮小均衡が続いて、結局のところ、本当にみんなが貧乏になるんじゃないだろうか。社会学的に言えば「予言自己成就」というやつだ。

あと、反リフレ派の人は「物が売れないのは、みんながもう物を持っているからだ」とか「若い人がブランドの服よりもユニクロを買うようになった」からイノベーションが必要だって言うけど、本当にそうなのかな。みんな本当はいろいろと買いたいと思ってるけど、懐が寂しいし、将来が不安だから、財布の紐を締めてるだけなんじゃないのかな。少なくともうちはブルーレイ欲しいし、新しいPC欲しいVAIO-Xとかいいよね。ディズニーランドももっと遊びに行けるといいんだけど、高いよね~。

それとも、そういう個人消費の話ではなくて、投資マーケットの話になるとやっぱり変わってくるのだろうか。そこら辺、ぜんぜんわからないんだけども。

上の理解はたぶん間違いだらけなんだろうけど、どこが間違えてるのか教えてもらえると嬉しいなあ。

2009-11-09

デフレFAQリフレ派版)

* Q1. デフレインフレもどちらもよくないのではないか?

* A1. インフレ率は2%くらいがちょうどいいというのが世界常識です。

   あまり低すぎるとすぐにデフレにはまってしまう危険性があり、一度はまってしまうと

   デフレから脱却するのは難しいからです。ちなみに統計的にインフレ率が低くなると

   失業率が高くなるというのが経験的にわかっています(フィリップスカーブ)。

   日本には失業者がたくさんいるので、インフレ率をもっと上げたいところです。

* Q2. 日銀はいくらでも紙幣印刷できるのだから、インフレにできるのでは?

* A2. 中央銀行マネタリーベースを増やしても銀行の貸し出しが増えず、市中に流通するマネーストックは増えません。

     安心してお金を市中の流通量を増やすためには、最適なインフレを必ず実現すると宣言して、目標に達するまで

     緩和政策を続け、市場に絶えずメッセージを発信する必要があります。総裁の発言をたどればわかるように、

     日銀デフレ脱却にあまり熱心ではないとみられているので、いつまでたってもデフレにはまったままなのです。

     でも簡単な話、いくらおカネを発行してもインフレにならないなら、政府予算無限大に使えることになってしまう。

     実際にはそんなはずはないので、いつかは必ずインフレになります(バーナンキ背理法)。

* Q3. 日銀はすでに0-2%インフレ目標を設定しているのにインフレになってない、インフレにするのは無理なのでは?

* A3. 目標にすることと実現できることは別。日銀無責任にうだうだやっているだけなので、

     本当にインフレにする気があると思われていません。東大に入ると宣言しても一生懸命勉強しなけりゃ

     実現できないのと同じです。政府日銀をきちんと監視して、目標を達成を約束をとりつける必要があります。

     つーかバーナンキ背理法参照。

* Q3. 日銀が「4%のインフレを15年間続ける」と宣言すればインフレが起こるのでは?

* A4. クルーグマンも今年に入ってからのインタビューで、日本に4%インフレを薦めています。

     撤回したというのは英語の読めない池田妄想です。もちろん宣言しただけではダメで、

     それを裏付けるような積極的な手段をとらないとダメです。

* Q5. あらゆる資産日銀無限に買えば、インフレが起こるのでは?

* A5. 確実にインフレが起こります。日銀も非伝統的な政策に踏み込んで株を買ったりといろいろ試してはいるようですが、

     言い訳程度にやっているだけなので結局デフレ脱却は果たされていません。「2-4%のインフレを達成するまであらゆる

     手段を尽くす」と明確に宣言させる必要があります。ちなみにトヨタ自動車に300万台以上の余剰生産力があります。

     日本供給力がありあまっているので、ジンバブエのようなハイパーインフレは起こり得ません。

* Q6. インフレが起こっても、中央銀行コントロールできないのでは?

* A6. 総裁や政策委員が無能でなければコントロールできます。インフレターゲットを設定している諸国では、

     長期に渡って目標値を逸脱することは許されず、おおむね達成できています。ハイパーインフレなどと

     極端なことを言いだす人ような人に政策を任せなければ大丈夫です。

* Q7. 欧米中央銀行通貨供給を大幅に増やしたのはプルーデンス政策日銀欧米並みに供給を増やす必要ないのでは

* A7. 欧米通貨供給が増えたのに日本通貨供給を増やさないと、需給関係で円高が進みます。

     円高のせいで日本輸出産業は壊滅状態です。ますますデフレの進む要因になってしまっているので、

     日本欧米並みに通貨供給を増やすのが当然です

* Q8. かつて量的緩和ドル買い介入によって日本経済不況を脱出したのでは?

* A8. 日銀も一時、「時間軸政策」などによってリフレ的な政策をとり、ある程度効果がありました。

     が、デフレ脱却を実現する前にやめてしまいました。ほんとやる気がないんですね日銀は。

* Q9. 政府紙幣を発行すれば、財政赤字を増やさないでインフレが起こせるのでは?

* A9. それは国債日銀引き受けで確実に効果があります。インフレターゲットと連動させて行うのが肝要です。

* Q10. なんらかの方法で「マイナス金利」を実現することはできないか?

* A10. 深尾光洋氏のいうように、現金に課税するなどの方法をとれば不可能ではありませんが、

     わざわざそこまでしなくても、市中の国債をすべて買い切ることからはじめればOKです。

* Q11. 今の日本需要不足だから、供給を増やす構造改革よりGDPギャップを埋めるリフレのほうが重要では?

* Q11.その通りです。構造改革リフレ政策は矛盾しません。いくらトヨタ自動車世界最高品質自動車

     作っても(供給の強化)、買ってくれる人がいなければ意味がありません。デフレが進むだけです。

     構造改革をすすめるためにもリフレ政策(需要の回復)は重要です。

     今の日本ブラック企業でバカみたいに働かされている人が多い半面、働きたいのに

     職がない奴がたくさんいる状態です。労働市場がまともに機能していません。

     自然産出量水準=完全雇用産出量水準のはずがありません。

あと適当ブラッシュアップしてください。>誰か

デフレFAQ

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51308946.html

http://b.hatena.ne.jp/entry/ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51308946.html

2009-11-06

http://anond.hatelabo.jp/20091106103742

元増田です。コメントありがとうございます。

インタゲにしたってインフレが起こるという「期待」を形成することに主眼があるわけで、

そういう意味では一種の「物語」だと言えるわけで。元増田の求めることとあまり差があるとは思えない。

インフレターゲットという物語だけでは需要喚起できないのではないか?と認識しています。

金利税金を下げても需要喚起が出来ないように。

貨幣供給を滞らせたまま、そういう消費のための「物語」に信用を持たせることは困難なのではないかなあ。

物語の信頼性は通貨供給がその根拠の1つになるのは同意します。(通貨供給量が信用力に繋がるのは考えていませんでした)

ただ信頼性を上げる要因の1つにはなると思うのですが、それだけでは不足していると思います。

貨幣供給の議論が先行していますが、それだけ足り無いのではないのか?と考えてエントリーを書きました。

元増田経済専門家ではなので、よくご存知の方に補足していただいて大変勉強になりました。

2009-02-13

[][]インタゲ

クルーグマン金融政策がきかないといっているとしている。しかしソース読めばわかるようにと80年代にやったような金融政策はゼロ金利なので無効っていってるだけ。スティグリッツの話もインフレが「輸入」されているから、インフレ管理としてのインフレターゲットには意味がないといっているだけ。どちらも景気対策としてのインタゲについては言及していない。

http://d.hatena.ne.jp/PyTest/20090211/1234363015

スティグリッツ教授経済教室』

インフレターゲットは導入すべきでない

多くの国の中央銀行が導入しているインフレターゲット日本も導入するべきだという声が一部にはある。

中央銀行制度宗教のようなものだ。ほとんどの国の中央銀行が熱烈に報じているいくつかの信条があり、

彼らはそれを確信を持って唱え、その論理の進め方にはまるで判で押したような画一化が見られる。

しかもこれらの信条には往々にして、それを裏付ける科学的証拠がほとんどないのである。そのため、

彼らのご託宣はえてして間違っており、彼らの政策は予想された結果や望ましい結果をもたらさないことが多い。

2009-01-04

[][]インフレ目標

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090103-OYT1T00071.htm

クルーグマン

一方、バーナンキ議長の率いる米連邦準備制度理事会FRB)は、慣例にとらわれない融資資産買い取りを進め、08年12月にはゼロ金利政策に踏み切った。私はこれを支持するし、FRB現実を正しく認識していると思う。

 つまり、米国は1998年当時の日本と同じ状況、金利を上下させる通常の金融政策が効かない「流動性の罠(わな)」に陥っているのだ。

 私は98年、日本銀行に対して、政策目標とする物価上昇率を示す「インフレ目標」政策を採用すべきだと指摘したが、この議論も再び活発になってきた。

 達成できると、国民に信じてもらうのは難しいが、現在米国で実際に効果を発揮させるには「向こう10年間、物価を年4%ずつ上昇させる」くらいのインフレ目標が必要だ。

スティグリッツ教授経済教室』

インフレターゲットは導入すべきでない

多くの国の中央銀行が導入しているインフレターゲット日本も導入するべきだという声が一部にはある。

中央銀行制度宗教のようなものだ。ほとんどの国の中央銀行が熱烈に報じているいくつかの信条があり、

彼らはそれを確信を持って唱え、その論理の進め方にはまるで判で押したような画一化が見られる。

しかもこれらの信条には往々にして、それを裏付ける科学的証拠がほとんどないのである。そのため、

彼らのご託宣はえてして間違っており、彼らの政策は予想された結果や望ましい結果をもたらさないことが多い。

2008-12-31

http://anond.hatelabo.jp/20081231004926

デフレ対策としてインフレターゲットやってる国はないっていうことでは? インフレ対策として有効なインタゲを、デフレ日本でそのまま適用できるという考えは、やっぱり変だと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20081231001754

一応つられとくがインフレターゲットやってる中央銀行はいくつもあるわけで実務と乖離してるという事はないはず。むしろ乖離してるというほうが実務を知らないんじゃないかと。リフレだってアメリカが今やってるわけだし歴史上何度も行われたことある。

あとリフレ派にしろはてな左翼にしろおおくは文系なわけで別に理系ってわけでもないと思う。インテリ社会派を自称してる人だって見たことないし。

はてなユーザー層は、一昔前の朝日新聞購読者層と同じなんじゃ?

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0812/03/news119.html

そこそこ高学歴理系、自称インテリ、自称社会派・・・

はてなユーザー層ってだいたいこんなとこでしょ。

これって今の団塊世代朝日新聞を購読してた層とユーザー属性が一緒だな。

朝日新聞購読者層が心のどこかで社会主義シンパを持っていたように、

社会の実態に疎くて理論的にすっきりする言説にはまってしまうのも似ていると思う。

たとえばリフレとかインフレターゲット共感してしまってるのがいい例。

実態や実務をわかってる人なら明らかにおかしいと思うようなことでも、

いくつもの仮定の上に築き上げられたにすぎない理論であっても、

金科玉条のごとく信奉し、思考停止に陥っているのが特徴。

こんな状態だから、会社社会では影響力を持てず、

せいぜい「中の上」人生で終わってしまうのも同じなんだろうな。

2008-12-22

[][]信頼させる方法はあるか。

http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/4_0a85.html

クルーグマンが提案したのが、中央銀行が民間に「今は何も出来ないけど、放っといてもいつか景気が回復して金利ゼロで無くなる日が来る。だから、そのときに必要の無い利下げをやってインフレを起こすよ。」と約束すべきだ、というものだ。もしこの約束を民間が信じるなら、将来のインフレを予想した民間は期待インフレ率を引き上げる。そして、期待インフレ率の上昇は今の「実際の」インフレ率の上昇に繋がり、見事デフレから脱出できるはず、というわけだ。

約束するのは簡単でもそれを信じてもらうことは百倍難しい。

いざその「将来」が来たところで、日銀には積極的に約束を果たす動機は全く無い。むしろ、とりあえず今約束だけしておいて、民間が信じたところで(期待インフレ率上昇→デフレ脱出)約束を反故にするのが一番いいということになる。

そして、民間は当然のことながらこんな日銀約束を信じない。信じられない約束が期待インフレ率に影響を与えることも無い。結局、この日銀空手形は完全に不発に終わることになる。ちなみに、クルーグマン自身も当然そのことは認識しており、論文では民間が日銀を信じない可能性(=日銀コミットメントできない)についても何度か言及されている。ただ、筆者の知る限りこの部分の記述は都合よく、かつ丁重に無視されることが多かったように思うが。

「だったら日銀約束を守らざるを得ないような仕組みを作ればいいじゃん」と思った方もおられるだろう。

(中略)

誰でも約束を守りたくなるくらい罰則を厳しくすればいい、と思う人もいるかもしれない。まぁ、ターゲットを守れなければ打ち首、だったら皆必死で約束を守ろうとするだろう。ただし、処罰が厳しくなると今度は総裁を引き受ける人間がいなくなる。それなりに有能な人間を雇うことが出来、その人間約束を守らせることが出来るような絶妙な処罰メカニズム存在する可能性はかなり低い。だからこそ、インフレターゲットの処罰メカニズム大家であるカール・ウォルシュ(カリフォルニア教授)自身が、処罰メカニズムは”useful fiction”に過ぎないと書いているのだ。

一番現実味があるのが「日銀総裁インフレOKな人間にすげ替えてしまう」こと。例えば、今日銀は「日本インフレ率は1%が適正」と信じていたとする。彼らが「将来3%までインフレ率を高めます」と言ったところで、その約束には全く信頼性が無い。しかし、ここで「インフレ率は3%くらいが適正だ!」と信じる総裁が着任したら、日銀は放っておいても嬉々として3%のインフレ率を達成しようとするはずだ。これならば日銀約束は民間に受け入れられる。

この方法の問題は、候補者が信じる「適正インフレ率」は本人にしか分からないということ。福井総裁にしたって当初はこれほどのインフレ馬鹿だとは思われていなかったわけだし。

[][]中央銀行失業率改善させるために、物価抑制をないがしろにするのではという疑心暗鬼インフレバイアス

http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/3_f611.html

インフレターゲットは「中央銀行失業率改善させるために、物価抑制をないがしろにするのでは?」

という疑心暗鬼インフレバイアス)の解消の為に存在する。

では、この逆、デフレバイアスとでも呼ぶべき疑心暗鬼存在するのだろうか?

これはありえない。昨今の日銀の言動は好意的な解釈がほとんど不可能な代物だが、

日銀は、失業率をもっと悪化させたいので、

その結果デフレが進行してもしょうがないと思っている」

などと民間が信じるほどにトチ狂っているわけでもあるまい。

今の日銀には解決すべき疑心暗鬼など存在しないのだ

(これは、今の日銀の信頼性が実は高いことを意味する。

残念ながらこの信頼性はネガティブな代物なのだが

2008-11-19

[][]スティグリッツ  インフレターゲットは導入すべきでない

スティグリッツ教授経済教室』

インフレターゲットは導入すべきでない

多くの国の中央銀行が導入しているインフレターゲット日本も導入するべきだという声が一部にはある。

中央銀行制度は宗教のようなものだ。ほとんどの国の中央銀行が熱烈に報じているいくつかの信条があり、

彼らはそれを確信を持って唱え、その論理の進め方にはまるで判で押したような画一化が見られる。

しかもこれらの信条には往々にして、それを裏付ける科学的証拠がほとんどないのである。そのため、

彼らのご託宣はえてして間違っており、彼らの政策は予想された結果や望ましい結果をもたらさないことが多い。

一九八〇年代にミルトン・フリードマンの感化を受けて、世界中中央銀行マネタリズム、すなわち中央銀行のなすべきことは マネーサプライ(通貨供給量)をコントロールすることだけだ、という信条採用した。通貨供給量を厳しくコントロールすれば、低く安定したインフレ率に導くことができ、それによって安定した高成長を実現できる、という考えである。

改めて言うが、マネタリズムを裏づける理論存在せず、限られた実証分析結果があるだけだった。

実際、マネタリズムは機能しなかったし、いくつかの点では完全な失敗だった。今日では、

事実上すべての中央銀行がこの信条を捨て去っている。(この破棄された信条の名残りとして、

欧州中央銀行はいまだにマネーサプライを重視している。)


アメリカが、そして世界が、一九八〇年代に経験した経済的苦難の多くは、マネタリズムに対する

盲目的な信仰にその原因があった。中央銀行通貨供給量コントロールに関心を集中したことは

未曾有の高金利を招き、短期で借り入れて長期で貸し付けていた金融機関―――とりわけ

何百万人ものアメリカ人住宅ローンを提供していた貯蓄貸付組合(S&L)―――は、一夜にして

事実上破綻した。レーガン大統領規制緩和―――そのおかげでこれらの金融機関は高リスク

高リターンのローンに乗り出すことができた―――と、いくつかの会計上のトリックによって

崩壊は先送りされたが、それは必ず訪れる報いの日が来た時、納税者が負担するコスト

さらに大きくなるということだった。この救済事件のあと融資基準は当然引き締められたが、

今度はそれが、一九九一-九三年の景気後退の一因となった。

アメリカにはこの嵐を比較的楽に切り抜けるだけの資源があった。(もっとも一九八〇年代

初めの景気後退は、巨額の財政出動にもかかわらず大恐慌以来の厳しいものになったのではあるが。)

だが、マネタリズム発展途上国に及ぼした影響は悲惨だった。金利の上昇は、

ラテンアメリカ諸国が一九七〇年代の石油価格ショックを切り抜けるために借り入れていた債務が、

突如として背負いきれないほどの額に膨らんだということだった。ラテンアメリカ諸国は相次いで

デフォルト(債務不履行)を起こし、この地域は一〇年にわたる停滞―――いわゆる「失われた一〇年」―――に陥ったのである。

中央銀行はいつも単純なルールを求めており、今日の単純なルールは「インフレターゲット

(目標インフレ率)」である。目標インフレ率を設定して、インフレ率がその目標より低ければ金利を下げ、

高ければ金利を上げろ、というわけだ。インフレ率の変化を生んだショックが

どこから来たのかも、失業率や為替レートがどうなるかも気にする必要はない。その論旨はこうだ。

インフレ抑制に専念することが「信頼性」を生み、その信頼性こそが、経済がショックに対して

より効果的に反応することを可能にする。石油価格が上昇するときは、インフレ率は(一九七〇年代のようには)

上昇しない。中央銀行が素早く行動してそれを抑え込むことを

市場参加者が知っているからだ。インフレ率が将来上昇しないことがわかっているということは、

物価今日、安定を保つということだ。

世界の大部分でインフレ率がこれほど低く抑えられてきたことには、もちろん別の理由がある。

グローバリゼーション全般、そしてとりわけ中国である。海外からの低価格の財が

供給されることで、国内の物価抑制されてきたわけだ。貿易財は多くの非貿易材の優れた

代替財となる。グローバリゼーション製造業分野(および他の貿易財分野)の賃金に下降圧力をかけ、

それが経済全体の賃金に下降圧力をかけてきた。市場に十分な競争がある限り、これは

とりもなおさず物価はどの国でも安定を保つということだ。

インフレターゲット論は、少なくとも短期的にはマネタリズムより害の少ない宗教である。

それは一九八〇年代初めのアメリカの異常な高金利のような極端な振る舞いには、概して繋がらない。

しかし、長期的には、ヨーロッパが実証してきたように、景気の悪化を招くことがある。

レベル失業にもっと関心が払われていたら、ヨーロッパ金利はもっと低く

抑えられていたはずだ。

金利投資抑制してきただけでなく、為替レートの上昇ももたらし、

それがヨーロッパの景気を低迷させてきたのである。


日本の場合には、インフレターゲット論はデフレ対策として唱えられてきた。

デフレが問題なのは、一つには名目金利ゼロであっても(デフレ考慮すると)実質金利プラスになる

からだ。デフレが続く限り政府金利を低く抑え続けるとわかっていれば、市場参加者は、

長期実質金利がやがて低下することを確信して、消費や投資にもっとカネを使う気になるだろうと、

インフレターゲット論者は主張する。日本の場合のインフレターゲット論の問題点は、それが

短期的に間違った変数に着目することにあり、インフレターゲット政策への

コミットメントが信用できるものだとすれば、そのために金融当局は間違った戦略を長期にわたって

推進することになる。

金融政策は実質金利(インフレターゲット論者はこれに着目する)よりも、むしろ

信用のアベイラビリティ(可用性)を通じて景気に影響を及ぼすのである。金融当局が景気をどの程度刺激しているかは、今現在の実質金利(あるいは長期実質金利)よりも信用供給の拡大に注目

した方が正しく測定できる。金融当局が信用のアベイラビリティに影響を及ぼす方法は

いくつもあり、これらの方法が金融政策の中心に据えられるべきである。


さらに、金融当局が長期実質金利に影響を及ぼすことを望んだとしても、それを達成するには

インフレターゲットの導入よりも効果的な方法がある(インフレターゲットの効果は、

せいぜいよくて不確実といったところだ)。一例を挙げると、短期国債と長期国債の相対的な

供給量を変えることによって、これらの資産の相対的な価格に影響を及ぼし、それによって

長期実質金利に影響を及ぼすことができる。

2008-11-11

[][]この清算主義的一致半解は、ろくに自からの主張も理解してないんですよねー

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081110#p3

田中秀臣

いつも頂く『Voice』12月号。ありがとうございます。しかし今回の号も充実ですねえ。

ところでとりあえず山形浩生さんの「クルーグマン景気回復策」。

「そしてインフレターゲット論を口を極めて罵っている一知半解な論者が、ブログで実質金利マイナスにすべきだと得意げに主張したりする姿も見られる。クルーグマンは基本的に正しいのだ」

とあります。誰なんでしょうか、一知半解の論者って。まあ、それは山形さんにおまかせしましょう。

しかも一番へんなのはその噂では「マイナスの実質金利にするのがいいんだ!」といっているそうです。でもへんなの、マイナス自然利子率の長期的ショックを自然成長率を高めることで行う真の「目的」は、マイナス自然利子率(マイナスの均衡実質金利)のショックを解消することなのに わざわざまたマイナスにしてどうするんだろか????

参考

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/cmt/6cdb3dea0bb4403bfeb5700075dcb754

池田信夫

きょう届いた『Voice』12月号で、山形浩生氏が「クルーグマンは正しかった」とか繰り言を書いているが、そこにこういう一節があります:

インフレターゲットを口を極めて罵っている一知半解な論者が、ブログで実質金利マイナスにすべきだと得意げに主張している>

一知半解はどっちかね。このブログの昔の記事からずっと読んでもわかるが、私はクルーグマンの「日本自然利子率が負になっていた」という主張は正しく、実質金利を負にできれば望ましいと一貫して書いている。問題は、デフレのときはインフレ目標がきかないということなんだよ(それはクルーグマンも認めている)。

この目的マイナス金利)と手段(インフレ目標)の区別のつかない手合いが実に多い。これはWoodfordもGaliも書いているから、くだらない悪口を書く前に、大学院以上のマクロ経済学教科書を読んでみろ。まぁ読んでも君にはわからないだろうけど。

2008-11-09

[][]目的と手段の区別

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/cmt/6cdb3dea0bb4403bfeb5700075dcb754

池田信夫

きょう届いた『Voice』12月号で、山形浩生氏が「クルーグマンは正しかった」とか繰り言を書いているが、そこにこういう一節があります:

インフレターゲットを口を極めて罵っている一知半解な論者が、ブログで実質金利マイナスにすべきだと得意げに主張している>

一知半解はどっちかね。このブログの昔の記事からずっと読んでもわかるが、私はクルーグマンの「日本自然利子率が負になっていた」という主張は正しく、実質金利を負にできれば望ましいと一貫して書いている。問題は、デフレのときはインフレ目標がきかないということなんだよ(それはクルーグマンも認めている)。

この目的マイナス金利)と手段(インフレ目標)の区別のつかない手合いが実に多い。これはWoodfordもGaliも書いているから、くだらない悪口を書く前に、大学院以上のマクロ経済学教科書を読んでみろ。まぁ読んでも君にはわからないだろうけど。

参考

http://anond.hatelabo.jp/20081029051532

クルーグマン米国日本になってしまった」

クルーグマン氏は、ブルームバーグインタビューに対し「あらゆる点から考えて、われわれは“流動性の罠”の領域にいる。バーナンキ議長はあと何回か利下げを実施できるが、実体経済に影響を及ぼさないだろう。ええ、そう。伝統的で従来型の金融政策が奏功する余地はない。弾切れだ」と述べ、さらに「米国日本になってしまった」と語っている。

2008-11-04

インフレターゲットについて。

麻生内閣や小沢民主のより、はるかに強力に日本経済を立て直すと思われる政策を、中学生でも分かるように解説してみる

こちらでインフレターゲットが話題になってるようですからインフレターゲットに関する説明が載ってるサイトを貼っておきます。

RIETI(リエティ)関連

インタゲ賛成派

高橋洋一

http://www.rieti.go.jp/jp/special/policy_discussion/07_rd.html

5年前の2003年頃のものらしいですがあの池田信夫さんとディスカッションしてます。

http://www.rieti.go.jp/jp/special/policy_discussion/07_rd_01.html

池田さんはリフレ反対派なのかな?

でまあ反対派の人達に対する高橋氏の回答

http://www.rieti.go.jp/jp/special/policy_discussion/07.html

5年前の内容ですがフロムダさんよりは現実的なことを書いてると思います。

高橋洋一氏に関してはこちらの動画でも面白い事をいってるので是非見てください。

博士も知らないニッポンのウラ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm4646372

インタゲ反対派

小林慶一郎氏

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kobayashi/05.html

同じく5年前のものですが反対派論としては王道的な内容なので参考になると思います。

藤原美喜子氏

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0075.html

これも5年前のもですが自民党支持率を気にしてたりして自民党員の方かなと疑いたくなりますねw

あと1400兆円については逆に吐き出させた方が良いような気もします。

であとはめんどくさくなったのでgoogleでw

http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%88%E8%AB%96&sourceid=navclient-ff&ie=UTF-8&rlz=1B3GGGL_jaJP216JP216&aq=t

グーグルインフレターゲットなどでググレばいくらでも関連サイトは出てきます。

なので自分で見つけてくださいw

で私もフロムダ氏と同じくリフレ派ですがフロムダ氏の言ってる事は方向性は間違ってないんですが少し大仰です。

高橋氏も言ってますがリフレするのに日銀が何百兆円もお札を印刷しまくる必要性はありません。

あと後半がなんだかよく意味がわかりませんね。

それと今だに流動性の罠だとかゼロ金利のせいでお金が消えたとか言う人達がいますがそんな事はありません。

ただリフレ国債の値が下がったら郵貯が傷つくとか長期金利が上がるのを日銀財務省も嫌がってるとかリフレ政策するためには政治的ないくつかの障壁があるのは確かです。

あと50代以上は約1400兆円の金融資産を持ってますが50代以下は270兆円ぐらいしか持ってません。

若者は今現在も所得が減ってますし少子化も続いてます。

なのに国の借金である国債800兆円は若い人たちが返す事になってます。

せめて相続税を上げるぐらいはやらないと若者は安心できないでしょう。

とりあえず他にも色々とあるんですがそれを書いてたらフロムダ氏より長いエントリーになるので書きませんがデフレを脱却するためにはリフレ以外にないと思います。

そして日本デフレから脱却できなければお終いです。

詳しい事はまあ偉い人達の本を読んでください。

そもそも学者の間でも賛否両論ありますので経済に関しては自分で勉強して納得する以外にないと思います。

まあただ単に説明するのがめんどくさいだけなんですけどねw

2008-09-11

http://anond.hatelabo.jp/20080911074935

物価があがる=企業がもうかる=属人の給与が増える

んなこたーねぇよなぁー。

労働力獲得市場が国内限定じゃなくなってんだもん。

国産っつっても半製品海外から買ってきてるだけだったりするし。

あまつさえ企業の事態がもう国内になかったりするし。

しかも原価からの物価の上昇だから企業収益は人件費転嫁できない。

景気減退下にある物価上昇がどんな事態を生み出すのかといえばすたーぶあっぷぐらいしか思い浮かばない。

「泳ぐのは俺」じゃないけど、「働くのは俺」みたいな。

3000円で仕入れたものが2800円で売っても売れない。

仕入価格の改定のお知らせだけは毎月のようにくる。無理だって。

結構みんなピンチだ。

もっともいままでも現状をみれてこれなかった人たちだから今後もインフレターゲットと言い続けるのかもしれないけど、

いま一番インフレさせなきゃいけないのは未来への希望

将来の展望がいまどんどんデフレになっている。

政治とか行政がやらなきゃいけないのは将来のビジョンをみんなに共有させることだろ。

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