2022-10-29

新興宗教Sへのウッカリ入会からスピード退会まで

■はじめに

気づかないうちに宗教団体Sの信徒になっていたので退会しました。

ネット見てたらそう珍しいことではない(Sにとっては常套手段)だけど個人的には初めてだったし、

知恵袋とかで自分と同様の状況にある方から質問を見かけたりもしたので、せっかくなので書いておこうといった程度の忘備録です。

若干のフェイクも含めてぼかしつつ書いていますが、困っている人がいたとして

検索に多少でも引っかかることが出来ればとも思い、いくつかの固有名詞は生かしました。

増田作法をよく知らないので、馴染まないところがあったらごめんなさい。




宗教団体Sを知る

遠方に住んでいる友人から連絡があった。

私が転職したこと友達伝いに知って数年振りに連絡をくれた。嬉しかった。

近況報告をする中で、通っているという宗教団体Sについて熱く教えてくれた。

電話で何十分と教義を語る友人の熱意には驚いたが、私は宗教全般にそこそこ興味があったので、

その時点でSという団体名すら知らなったものの、友人の話をフンフンと聞いていた。

関心といっても、あくまで観察対象としての関心である

■友人と会う

しばらくして、友人が私の暮らす地方に遊びに来るという。

たまには日常を離れたいだろうし、そうした先に私の暮らす場所を選んでくれたのが嬉しかった。ここは良いところなのだ

友人がこちらに滞在している間、ちょうどSで盛大に護摩を焚く行事があるので、

ぜひ当地にある分院に立ち寄って参加したいという。

てっきり護摩を見られると思った私は賛成し同行。護摩大好き。

集会に参加する

久しぶりに対面した友人と施設に向かう。

清潔感のある施設の中に入るやいなや、教団の建物教祖一家写真彫像が各所にあり、友人がいろいろ解説してくれる。

集まる人も多かった。心持ちは完全に社会科見学

集会ができるようなスペースに通された。祭壇などがある空間スクリーンがかかっている。……スクリーン

じきに、スクリーンに中継映像が映る。

結局、護摩とは本拠地で焚くもので、そこから離れた当地ではネット中継を見守るということだった。

てっきり生の護摩を見られるものかと…。

私は周囲の人々がそうするように正座して中継映像を見守る。

しかし思いのほか、この中継映像がすごかった。

複数ドローン含め10台はあるか)のカメラ効果的に切り替わって飽きさせない。

世界各国から本拠地へと集まった何人もの信徒名前テロップが即座に入る。

めくるめくこなされる儀式名目テロップで分かる。

離れたところにいるらしい合唱隊やオーケストラ生演奏も映る。

かに登場した教祖の姿に、故人である始祖の過去映像が重なる。始祖の生前スピーチ流れる

大きなスクリーン投影された映像は常に高精細で、乱れることが一切ない。

中継でありながらも綿密かつ予定調和的に作りこまれ映像にどことなく「ゆく年くる年」感を覚えながら、

リハーサルにどれだけ時間かけているんだろうとか、

音楽隊はどんなメンバー構成されているのか(職員一般信徒?)とか、ボンヤリ考えながら、

厳粛にこなされる儀式の数々を相席食堂千鳥気持ちで見守っていた。

■お浄めを受ける

儀式が終わった後、友人に「お浄め受ける?」と聞かれる。

Sについてネットで軽く予習していたがこれについてはよく分からなかったので尋ねると、

短冊形の用紙と黄色い用紙を棚から持ってきてくれた。

短冊形の用紙にお願いする内容を記入する。

浄めが結局何なのかよくわからなかったけれど、一つのお願いを500円で聞き入れてくれるというなら、

賽銭社会科見学のお礼のつもりで浄化してもらおう。ついでに知人の商売繁盛の祈願もしておこう。

友人も短冊形の用紙に色々書き込んでいた。

黄色複写式の用紙には自分名前、住所、電話番号を書く。

寺社で御祈祷を受ける時も同じような内容を書くので、こんなもんだろう。

友人の名前やSでの所属情報などを書く欄もあったのでそこは友人に記入をお願いした。

カウンターで用紙を渡し、お浄め商売繫盛の祈願代として1000円を払う。それとは別に1400円かかるという。

ん?聞いていなかったけれど、お金を払うカウンターで突っかかるのも嫌なのでとりあえず払っておいた。

友人は「ご先祖様も喜ぶね」とニコニコしていた。

対応してくれた職員さんは気のいい人でお菓子をくれた。今はこの地域に勤務しているが全世界に転勤があるらしい。大変だ。

ご老人もいたが若い世代も多く、公民館的な空気感だった。

施設に入ったときに「お帰りなさい」と言われたのも、そういうアットホーム雰囲気づくりに一役買っているのだろうか。

帰宅する

帰宅後、控えの用紙を改めて見てみる。

精進願い」と書かれたその控えを見ると、追加で払った1400円の内訳が「登録費」と年度末までの「会費」だということが分かった。

え、私、登録されてる?会費、払ってる?つまり信徒になったんか??ここで初めて気づいたのだ。

友人に連絡を取って確認してみると「この用紙を提出したことあなた信徒になった。説明足りてなくてごめんね、退会はいつでもできる」とのこと。

本人確認もなく、押印もなく、教団の教義ルール説明も、意思表示の機会もないままに、どうやら私は信徒カウントされる存在になっていたらしい。

私は「こうした大事なことは、まず家族との話し合いが必要」「自分スタンスとは合わない」とそれとなく退会の意思を伝えるも、

友人からの返事は要約すると「あなた気持ちは分かった。けれど、ここは様々な考えの人を受け入れるから大丈夫」と。

……もう何を言っても通じないと思うから、説得や議論はやめて、ほとぼりが冷めてから退会しようと決意した。

自分一人で解決しても良かったが、万一後から家庭内トラブルが勃発しても嫌なので家族顛末を話すと「ちょっとそれはどうかと思う、賛同できない」と。そりゃそうだ。

しばらくしてから友人に退会すると伝えたところ、すぐに退会に必要手続きを教えてくれた。

■退会する

精進届けの提出から半月後、退会届を提出しに行った。

先日お菓子をくれた気のいい職員が居たらちょっと気まずいので、その人と会いませんようにと思いながら向かった。

施設に入ると、数名の信徒が談笑していた。こちらをちらりとも見ず、挨拶もせずといった感じで、こんなもんかと思った。

平日の昼間という時間帯のせいかもしれないが、初めて行った日のように「お帰りなさい」と言ってくれる人もいなかった。

前回友人が精進届けを取ったのと同じ棚から退会届を出し、書けるところだけ書いた(ID部会名などは空欄。氏名や住所のみ)。

望みも空しく対応してくれたのはあの気のいい職員だったので、なんかごめんよ、と内心思いつつ提出すると、

職員は退会届に受領印を押し、「はい大丈夫ですよ~」と控えを渡してくれた。

こんなもんかと思った。施設に入ってから出るまで5分と掛からなかった。

あとがき

結果、入会もあっけなければ、退会も超あっけなくできた。

信徒職員にとって、こうした形で入会・退会する人の存在は珍しくもないのかもしれない。もう少し引き留められるものかと覚悟していたのに。

新興宗教では珍しく信徒が増えているというS。個々の宗教バックボーン否定しない(他宗教行事参加OKなど)教義

信徒を増やしているのかと思っていたけれど、こりゃ増えますな。

それにしても、入会させた人数で信徒としてのランクも上がっていくらしいのに、すぐ退会してもノーカンにはならないのだろうか?

入会~退会の渦中にいた時は正常性バイアスが働いて

「友人だって騙そうと思って私を入会させた訳ではないのだ」と信じていたけれど、

時間が経った今、友人の態度は誠実なものではなかったと思うようになった。

施設に行く前に「こんな田舎護摩が直接見れるのは楽しみ」と言った私に

「直接じゃなくてリモート」と言ってくれなかったこととか。

そもそも一緒に施設へ行かなきゃ良かったのにと思うけれど、

「友人がわざわざ私の居住地に来る(当地はお互いの出身地ではないので、私以外に知人も居ない)」、

「私の運転観光地をまわる予定」という中で「お寺に行きたい」と言われたら断りにくく。


友人には「退会届け出したよ」との事後報告もしていないし、

「退会届け出したんだね」との連絡も来ていない(知らないはずもないと思うんだけど)。

今後、よほどのことが無い限り、私から連絡を取ることはないと思う。


入会~退会の間の約半月、Sからの連絡(郵送物、電話集会への参加呼びかけなど)が

一切無かったことにはほっとした。もしかすると、もうしばらく経っていればIDカード等が届いたのかもしれない。

ネット情報によると、退会届けを出さずともフェードアウトしてSに関与しないことは可能だが、

導き親(今回のケースでは友人)が自分費用も年度ごとに払うのであれば会員は継続されるらしい。

もし私のように意思とは関係なく入会してしまった人は、モヤモヤするくらいなら退会届けを出しても良いかもしれない。拍子抜けするくらいあっさり退会できる。

ただ、導き親と頻繁に会う仲だったり、悩みを抱えていたりしたら私も退会を躊躇ったかもしれない。

でも、なーにがお救け、導き親じゃ。救けてくれとも導いてくれとも頼んでなんかないんじゃ。

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