2016-01-10

喪女的外見を脱皮出来た理由

私は変にプライドが高く、黒髪メイクに抵抗があるスッピン喪女だった。外見に関しては世間の人様が私と一緒に歩いてる所を「誰かに見られたくない」と思われない程度の「清潔感」や「小奇麗」なスタイルをしていた程度だった。因みに腫れぼったい一重。コンタクトレンズも怖くて出来ない人間だったから授業中だけ眼鏡

勉強を頑張ったり、何かしらの成果物を残す方向で、皆に認められようと努力し、クサイ言葉だけど「ありのまま自分」の姿で生きてきた。

メイクに抵抗があるのは、中学の頃からずっと。何だか顔に美術を施してるみたいで…何よりもメイクしたら最後。まるっきり自分の顔じゃあない。本来自分はどこ?

正直顔面詐欺だ。詐欺な顔で友達を作っても(釣っても)、この顔で寄ってきた子達と友達になっても真の友達じゃないし、何か仕事をしても正当な評価じゃないから。だから不細工だけど小奇麗にしていて数字を残していれば、私はそれで良いと思い込んでいた。

それは、非常に浅はかな考え方だった。それに気が付いたのは、進学してからだ。

1個上の先輩を好きになった。電車の窓に映ったスッピンの私の顔がどこか「女」の顔になっているのが、自分でも解った。ほっぺたはどこか赤いし、表情が違う。変な言い方をすると、世界中人達を愛せる様な、今なら何でも許せる、そんな大らかな気持ちを抱いてた。体中がポカポカして、無意識スキップでもしちゃうんじゃないかって位。

先輩に告白したい。でも出来ない。しちゃいけないって解ってた。理由は2つ。

好きだったけど、偏差値も人として(既に先輩は大人と対等に会話できる人だった)色々スペックが違い過ぎて。お呼びでない感はもう空気感で伝わった。私は告白なんてする土俵にすら上がれない事は、本能的に悟った。だから告白できなかった。

それから、先輩は煌びやかな造形美な女性が好きだった。北川景子佐々木希滝川クリステル同級生学内に居る女子に対しても、そう言った華やかな女子に対する態度と、素朴な女子に対する態度とはあからさまに違っていた。

私は自分のちっぽけなプライドをへし折って、メイクしたり垢抜ける事は出来なかった。結局は自分個性を、私は取ったんだ。初恋だったのに。今ある自分の素材の範囲内でのオシャレと減量(163cn 46kgになった)。私のプライドと折り合いを付けた努力は、その程度だった。案の定、造形美な華やかな女子や先輩方とは、足元にも及ばなかったし、一緒の空気さえ吸えない程の外見。

そうこうしていると、私は某男子から告白された。外見が太ってて背も低くてキモい男子だった。例えるなら、銀魂の「ハタ皇子」そっくりだ。性格社交辞令を真に受ける様な、それでいてナルシスト男子学校の皆は彼を茶化しちゃいけない相手として接してきた。何か茶化したら、ちょっとした一言自殺ちゃうんじゃないか。そんな様な男子

どこかのブログで「僕は性の対象として観てない女子から、性の対象として見られていたと知った時ゾッとした。好きでも無い女子から告白された時、「死ね」と思った。精神的にもダメージが大きかった。だから不細工自覚している自分から絶対告白しない。正直言って、相手の女性からしてみたらテロ被害者である。」というのを読んだ事がある。

まさにその通りだった。私は彼から告白された時、丸で末期がんを診断されたかのような、奈落の底に突き落とされた。

私の事が好きな事は何となく解ってたけど、クラスメートとして、適度な距離を取りつつ、挨拶をする程度にしていた。私は彼に対して決して誤解を招く様な発言も行動もしてなかったと思う。害はないと、思っていた。だから、ノーガードだった。突然呼び出されて、告白された。

「何で私なの?」

だって、〇〇さんは美人だし、△△さんは可愛いし、僕には到底告白なんて無理だから。でも、貴女は僕とあいさつしてくれるし…」下を向いたまま、何故かコーヒーストローの紙でずっと折り紙?をしている。

まり、私は彼にでさえ「コイツなら嫌とは言わないだろう。素直だから自分意見を持たない良い子だから自分にも手が届きそう。」と思われていた程度の存在だった。

自分市場価値というものを、痛いほど実感した。先輩に好かれたいとか告白なんて、もう絶望的なレベル人間である事も、十分痛感した。

こんな精神的に病む事を、先輩に経験して欲しくない。だから、今の私は、先輩を好きになる事すら迷惑がかかる存在。一方、ハタ皇子気持ちもよく解る。だから丁重お断りした。それでも毎日毎日距離を縮めてきて「友達から、良いよね?」と昼食を同席してきたり、フィールドワークの際もついてきた。終いには、「昨日、忙しそうだったけど、なんのイベントだったの?友達なんだから聞いても良いよね?」とやたら詰め寄ってきた。

友達」という大義名分で、どんどんとハタ皇子が近寄って来て、気持ち悪いという気持ちがやがて、「ウザイ」になった。

「いい加減にしてよ!」と叫びたかった。でも、言えなかった。私も、一歩間違えれば絶対に先輩に盲目になり猛アピールしてたと思う。そうなったら先輩は私を再起不能にするまでに一喝するだろう。それを想像すると、背筋が凍った。だからハタ皇子気持ちも解るし強い口調で「いい加減にしてよ!」だなんて言えなかった。

私は、考えるに考え、笑顔を作りつつも、徐々にフェードアウトして、なるべく同じ授業を取らない様に、気を使いながらニアミスしない様に、学校生活を送った。

そして7年が経った。

私は卒業してからアイプチに手を出し、都内の有名美容院巡りを経て出会った女性スタイリストさんが独立して経営する小さな美容院に通っている。

お堅い仕事柄、スーツだけれども、私服も、シンプルながらも地味すぎない、小物を使ったファッションを採り入れて、無理のない、背伸びをしない、オシャレを楽しむ女性になった。雑誌は買わないけれど、オシャレな女性を見ては真似をしたり、服の配色や自分絶対似合う服を把握。女を楽しんでると思う。

アイプチ効果は偉大だった。周囲の人たちの態度がまるで違った。人扱いから、贔屓扱いしてくれるようになった。「可愛くなったねえ」「お姉さんになっちゃってまあ」。苦手だったコンタクトも克服できた。因みに、つけまカラコン無し。アイメイクアイプチだけ。と言うか出来ないよね、アイプチノリだし。

社会に出てから男性から告白されるようになったし、「美人」とか「班のマドンナ」とか言われるようになったり、視線も多く浴びるようになった。周囲から見返りを求めずチヤホヤされる事も初めてされた。女扱いが初めてばかりので必然的に私は、しどろもどろで腰が低くなる。「調子に乗らない良い子」「付け上がったり高飛車じゃないから良い」とか。

人間ってここまで私は変われるんだ…プライドをへし折った、それだけで。別世界社会人生活を送っている。

人間ってここまで外見が違うと扱い方が変わるんだ…。人間不信じゃないけれど、人間の心って不思議だな、と思った。同じ「私」なのに。

漸く、軍資金も、経済基盤も、社会人としての生活も、衣食住も、整った。

けれど、卒業から同窓会などには一切出ていない。例の先輩に私が何故か告白しフラれた事になっている様だ。そしてハタ皇子からリベンジをされそうなので(実際FB友達申請が来た)恐いし、正直行けない。先輩の件も、ハタ皇子の件にしても、その二つを考えると、どうにも腰が重くなった。

経済的にも精神的にも女としても、成長したら、先輩に告白するつもりだった。今がその時だと、思ってた。腰が重い…でも、その思いはムダだった。

既に先輩は就職して赴任先で出会った、同業他社女性結婚したみたい。去年から東京に戻ってきたみたいだけれども、もうパパなのかな。

「遅かったか」と思ったけれど、不思議とショックはそこまでなかった。だって、好きならお互い自然にそうなってたはずだし。それに、社会人になってから「人を好きになる事」という事を改めて実感した。身が焦がれるような恋が、この世にこんなにあるんだって事も知ってしまたから。素敵な男性が、沢山いるんだって、知ってしまった。

だったら学生時代に、告白してればよかった?という思いがよぎる度に、ハタ皇子から告白精神ダメージを思い出し「私は正しかったんだ。」と思えた。

何よりも、このプライドの高い私が、メイクに手を出し、自分を変える・捨てる、なんて一新させ、今の生活があるのも、ハタ皇子のおかげなのだ

ハタ皇子が私の市場価値の低さを、結果的には教えてくれた、目を覚まさせてくれたんだ。

いつか、私が好きになる男性に、失礼のない様に、見た目も可愛くなる様に、ほどほどに気を配るつもり。

因みに、二重になったので、今はアイプチ卒業。今は普通に昔の同期と会ったり、先生と会ったり、コミュ障大分なくなったかな。

私にとって、自分を見つめる事は、とても大きな壁だったけれど、強引な形で向き合わざるをえなかった事で、喪女的外見から卒業できました。

でも、矛盾しているけれど、今でもスッピン勝負している女性達にはエールを送りたい。私は負けたけれど、彼女たちの「ありのままの姿」で家族を持ち生活を送る方々には敬意を示したいと思っている。

乱文で御免。ここまで読んでくれて、有難う。

  • マジでキモイ。 ブスは文までブス。

  • こういうプロセスをたどると本当に人間不信になるよね。 でも挫折するといかに見た目が大切か本当に本当にわかる。 これは男女かかわらず。 男性はそれを収入や地位で代替できるか...

  • 先輩は「私綺麗になったし今こそ告白する!」というスタンスで告白されて喜ぶだろうか?美人好きとは言え、俺だったら「お前外見しか見てないよな」と言われてるみたいで嫌…。

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