はてなキーワード: 新青年とは
初出:「新小説 第五年第三巻」春陽堂 1900(明治33)年
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礫はばらばら、飛石のようにひょいひょいと大跨で伝えそうにずっと見ごたえのあるのが、それでも人の手で並べたに違いはない。
初出:「新青年(第二巻第九號)夏季増刊」1921(大正10)年8月
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大正10年の「新青年」に一挙掲載された無署名の訳稿。(中略)その号の編集後記には森下雨村の筆で「一方に於て、相当読み応えのする作品を(中略)」と付記されている。
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日本ミステリ史をまとめようとしている人を見たので自分でもやってみようと思った。
箇条書きでも大体分かるだろう。あと本格中心なのは許してくれ。
◆探偵小説輸入の開始
http://fuboku.o.oo7.jp/e_text/nipponbungakukouza_19270530.html
・神田孝平訳「楊牙児奇獄」1877
・須藤南翠『殺人犯』1888(『無惨』に先立つ創作) "まづ未成品で、単に先駆的なものとしか見られない"(柳田泉)
◆黒岩涙香『無惨』1889 "日本探偵小説の嚆矢とは此無惨を云うなり"
・「探偵叢話」連載開始(都新聞) 1893 ……探偵実話の流行
・谷崎潤一郎「秘密」1911「白昼鬼語」1918 「途上」1920 日本探偵小説 "中興の祖"(中島河太郎)
・『中央公論』「芸術的新探偵小説」企画(谷崎・芥川・佐藤春夫・里見弴)1918
・当初は翻訳を重視
・横溝正史(1921)、水谷準(1922)、甲賀三郎(1924)、小酒井不木(1925)、大下宇陀児(1925)、夢野久作(1926)、海野十三(1928)など登場
・乱歩「二銭銅貨」1923 "これが日本人の創作だろうか。日本にもこんな作家がいるであろうか"(森下雨村)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001826/files/57173_58183.html
◆戦前探偵小説最盛期 "第二の山"(乱歩)"第一の波"(笠井)
・『ぷろふいる』創刊 1933
・蒼井雄『船富家の惨劇』 1935
◇「本格探偵小説」
http://d.hatena.ne.jp/mystery_YM/20081205/1228485253
・甲賀三郎「印象に残る作家作品」1925 が初出 http://kohga-world.com/insyouninokorusakukasakuhin.htm
・小酒井不木「当選作所管」1926 (「本格」「変格」使用)
・当時の「探偵小説」という語の広さ……「本来の」探偵小説detective storyとそれ以外を区別
・"理知的作品"と"恐怖的作品"、"健全派"と"不健全派" 1926(平林初之輔)
・本格・変格論争 1931(甲賀、大下)
◆戦時下の中断
◆戦後のミステリ復興 "第三の山"(乱歩)"第二の波"(笠井)
・横溝『獄門島』1948
・『宝石』第一回公募 1946(香山滋、飛鳥高、山田風太郎、島田一男)
・『宝石』第四回公募 1949(鮎川哲也、土屋隆夫、日影丈吉)
・清張『点と線』1958 (表紙に「推理小説」https://www.amazon.co.jp/dp/B000JAVVEU)
・講談社「書下ろし長編推理小説シリーズ」1959-1960?
参考…
・甲賀三郎『音と幻想』1942 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007753808-00
・"探偵小説を「お化屋敷」の掛小屋からリアリズムの外に出したかった"(清張)
◇「本格冬の時代」?
・謎解きの興味の強い作品は絶えていない……『本格ミステリ・フラッシュバック』
・清張は謎解きを排斥していない。「新本格推理小説全集」1966 "ネオ・本格"
・「現実離れ」の作品が世に出にくかった……らしい https://togetter.com/li/300116
・風俗を描いただけの謎解きの要素の薄い作品が氾濫していた……らしい?
"社会派ということで、風俗小説か推理小説かわからないようなものが多い。推理小説的な意味で言えば水増しだよ"(清張、1976)
◇複数の対立軸? http://d.hatena.ne.jp/noririn414/20070314
・「おじさん」――「稚気」
・都会・洗練――土着
・歴史ミステリ、ハードボイルド、エスピオナージュ、「冒険小説」、伝奇小説、SF、……
◆「新本格」以前の非・サラリーマンリアリズムの系譜 "2.5波"(笠井)
・桃源社「大ロマンの復活」1968- (国枝史郎、小栗虫太郎、海野十三、久生十蘭、香山滋……etc)
・雑誌『幻影城』1975-1979(泡坂妻夫、連城三紀彦、栗本薫、竹本健治……etc)"探偵小説復権"
・江戸川乱歩賞の青春ミステリ……小峰元『アルキメデスは手を汚さない』1973、梶龍雄『透明な季節』1977、栗本薫『ぼくらの時代』1978、小森健太郎『ローウェル城の密室』(最終候補)1982、東野圭吾『放課後』1985
・「新本格」の公称は『水車館の殺人』から……講談社文三によるブランディングの側面
・鮎川哲也賞 1990-
・『競作 五十円玉二十枚の謎』1993
・『本格推理』1993-2008
http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
…
まあ、どのくらいの数のミスオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、「ミスオタではまったくないんだが、しかし自分の探偵小説趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らない日本の古典探偵小説の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、戦前と戦後の日本の探偵小説のことを紹介するために読ませるべき10本を選んでみたいのだけれど。
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う三大奇書は避けたい。
できれば短編、長くても中編程度の分量にとどめたい。
あと、いくら戦後を含むといっても高度経済成長期の雰囲気を醸し出す作品は避けたい。
古典SF好きが筒井康隆は外せないと言っても、それはちょっと現役だし、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
ミステリ知識はいわゆる「少年探偵団」的なものを除けば、シャーロック・ホームズ程度は読んでいる。犯人当ては苦手だが、頭はけっこう良い
という条件で。
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「本陣以前」を濃縮しきっていて、「本陣以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも丁度いいし。ただ、ここで探偵小説批評トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
このプロットの複雑な作品について、どれだけさらりと、ネタバレにならず単調すぎず、それでいて必要最小限の宣伝惹句を彼女に伝えられるかということは、ミスオタの「編者解説&訳者あとがき能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
アレって典型的な「ミスオタが考える一般人に受け入れられそうな探偵小説(そうミスオタが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。「ミスオタとしてはこの二つは“文学”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種のSFオタが持ってる科学への憧憬と、新青年監修のミスオタ的な本格トリックへのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも海野的な
を中心として、昭和の香りのするとぼけた世界観を作り上げているのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを読んだ彼女は「八○屋○○だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。大阪圭吉が戦死したこと、彼の作品が戦前の推理小説としては破格の完成度を持っていること。戦後なら実写テレビドラマになって、それがお茶の間を賑わしてもおかしくはなさそうなのに、死んでからはその存在すら忘れられてしまったこと、なんかを非ミスオタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱり本格探偵小説は男性読者のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは『牧師館の殺人』でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける水谷準の思いが好きだから。
断腸の思いで女流探偵キャラを作って、彼女が車椅子の障害者、っていうのが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「社会的弱者」への視線がいかにも新青年的な左翼だなあと思えてしまうから。
カナカナ姫の性格を俺自身は詮索好きとは思わないし、限りなく魅力的とは思うけれど、一方でこれが乱歩や正史だったらきっちり狂人にしてしまうだろうとも思う。
今の若年層で岡本綺堂を読んだことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。乱歩よりも前の段階で、探偵小説の技法とかは捕物帳で基礎を築いていたとも言えて、こういうクオリティの作品が雑誌連載でこの時代に載っていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく探偵小説好きとしては不思議に誇らしいし、岡っぴきといえば銭形平次くらいしか知らない彼女には読ませてあげたいなと思う。
夢野の「近代の文学は総て探偵小説である」という思想をミスオタとして伝えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「狂気と近親相姦」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそ最近の妹萌えブームは『瓶詰地獄』以外ではあり得なかったとも思う。
「社会から逸脱して虚構的性愛を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は『瓶詰地獄』にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。こういうゴシック風味の殺人事件をこういうかたちで密室化して、それが非ミスオタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に神津恭介を選んだ。
密室から始まって密室で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、戦後の社会派ミステリの先駆けとなった作家の処女作でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だこの幻影城は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。