2024-05-27

今期アニメ感想

ガールズバンドクライ

脳内物質の分泌に問題を抱えた女の子たちの、衝動に任せた刹那的生活物語

公共の場暴力行為や罵り合い繰り返す彼女たちに対し、周りの大人は冷たい目を向けるだけで何もしようとしない。

おそらく、それが川崎らしさなのだろう。

社交性が欠落しやたらと攻撃的で、互いの事を何も説明しないせいですれ違っていく感じは、ある意味で実際のバンドマンらしさもある。

いまのところ話の進展はほぼないが、なぜか主人公たちのバンドは人気が高まりつつあるらしい。

その前に登場人物の誰かしらの預金残高が尽きる気がするのだが。

彼女たちが福祉につながれることを切に願う。

性格ピーキー登場人物キャットファイトさせることで、何か物語が進展しているように見せかける手際は、いかにも花田十輝らしい。

ただ、見せ場のために非現実的衝動的な行動をキャラクターに取らせる悪癖が、このアニメにおいては奇跡的にマッチしている。

最新話で、雨の中、軽トラの前に飛び出す主人公や、メジャーアーティストステージ衣装のまま楽屋から屋外に駆けてくるシーンは、

わず「そうはならんやろ」とモニターツッコミを入れてしまった。


怪獣8号

1話で切った。1話はよくできていたが、オリジナルストーリーで再スタートを切れなかったのは致命的失敗だろう。

ダンジョン飯(2クール

やたらと軽薄なOPが鼻につくが、相変わらずいいアニメ化。

原作に詰め込まれ小ネタキモになる部分を巧みに採用しつつ、映像化に際してテンポを落とさないようにチューニングされている。

カットされているセリフが聞きたかった、と思うことはしばしばあるが、大きな不満はまったく無い。

「今期の覇権アニメ」といった刹那的ポジションではなく、耐用年数が長く何度も見返せる作品意識しているのだろうか。

映像化に際してかなりの準備期間・制作期間をもって作られているらしいところがあるので、

3クール目がまだまだ先になるのでは無いか懸念している。できれば、迫力のある絵で劇場でやってほしい。

ゆるきゃん△ SEASON3

制作会社が変わったせいか、どうも会話のテンポ感にハマりきらないところがある。

パッと見は作画が変わったくらいで、劇伴声優はこれまでと変わらないだけに、この「ハマらなさ」がどこから来るのかがよく分からない。

しかに、原作でもこのあたりの話は間延びしている感じはあったのだが、広角レンズを使った大コマの迫力があるぶんあまり気にならなかった。

アニメ場合、広角のシーンでもパンが振られていたり、キャラクターが動いているせいで逆に安っぽく見えるときがある。

視覚のすごみに欠けるせいで、見せ場となるシーンが単なる長回しになってしまい、テンポが悪く感じられるのかも。

予断だが、賛否両論あった映画オリジナルストーリーは、個人的には大好きです。本編に影響がない未来の話だし、あれくらいやったほうがよい。

冬のオフィスに出社したときのひんやりとした空気感などがよく伝わってきたところが良かった。

3期は、キャラクターに「寒い」と言わせなければ寒さが伝わってこないような感じがある。いちゃもんっぽい批判ですが。

狼と香辛料

前回のアニメ化は1話しか見ていないので、話も含めて実質初見視聴。

概ね楽しく見ているが、街の風景旅路宿屋酒場の描画が、全て同じに見える。リアリティが無いというか、生活感を感じられない点がちょっと気になる。

もっとも、この作品面白さは何と言っても会話劇にあるから、背景の描き込みはほとんど気にならない。

主役の二人はもちろん、モブも交えた会話でも、小粋なセリフ回しで心地がよい。セリフのものの魅力に、声優のバフがかかっている感じ。

この作品なら、動くアニメではなくて、朗読劇や舞台で見ても面白そう。

忘却バッテリー

原作未読で、アニメ初見。さすが横手美智子とうなる軽妙な脚本宮野の当て書きじゃねえか、とツッコミを入れたくなるくらい、宮野がハマっている。

記憶喪失人物を通じて、野球という題材の汗臭さや泥臭さをメタネタにしつつも、

当事者たちが取り込まれるある種の狂気も、野球経験者にも分かりやすく伝わってくる。

うっとうしいくらいのギャグが脳に残ったところで、登場人物シリアス過去もばっちりと魅せてくる。

過去編をしつこく感じさせない映像はいいですね。

ダンジョン飯もそうだが、このアニメキャラクター作画上の演技が細かくて見入ってしまう。

アクションシーンが長いのではなく、さりげなく差しまれる捕球のシーンなどの動きがよい。

グローブに球が収まるとき反動や、投げるときの重心移動の身体感覚が、視聴者自然に伝わってくる。

増田野球経験だが、バッティングセンターに行ってみたくなる。打てるのかな。

響け!ユーフォニアム

吹奏楽部を題材にした学園サスペンスものファムファタールに出てきそうな新キャラを交えて、陰湿さにもオーバードライブがかかっている。どう考えてもNHKの日曜夕方17時に放送していいアニメではない。なんとなくだが、売上の一部を不登校支援寄付などに回したほうがいいと思う。

要するに、そのくらい心理描写が細かいアニメだと思う。破綻の無い作画もさることながら、表情やカメラワークが良い。黒沢ともよは化け物。アニメ黒沢ともよの演技が凄すぎるせいで、この作品実写化できないんだと思う。

原作は未読だが、ねちっこい女性同士のからみにフォーカスして構成するあたりが花田十輝らしい。

それと、京アニキャラクターの演技ってやたらとわざとらしいよね。顔の前で手を合わせたり、わざとらしく頭を掻いたり。変に心理描写が細かいから、そういうアニメっぽい仕草が浮いて見える。

関係ないけど、井芹仁菜は北宇治高校ウジ虫と呼びそう。

  • 「脳内物質の分泌に問題を抱えた」←やめてね

  • 軽薄なOPって、フリーレンのときにも同じこと考えてそうだなと思った

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