https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/7a2e64e31ea00735807668d279903d9206e0a486
いっそ全員同じラケット使えばいいのに。試合前に新しいの配る。それじゃやりづらいのはもちろんわかるけど、フェアではあるでしょ。何種類かの中から選べるのでもいいよ。マリカーみたいね。
これ自体は個人のひとり言のようなものですし強く咎める気はありませんが、これに大量のスターが付いていたことに何よりも愕然としました。
いくらなんでもエアプが過ぎるでしょと。もうね、アホかと、馬鹿かと。
お前らな、金メダル如きで普段観てない卓球にいっちょ噛みしてんじゃねーよ、ボケが。
なんか涙とか色々出てるし。旧知のペアで金メダルか。おめでてーな。
実況がよーし3-3で最終ゲームだぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。頭抱えて音だけ聞いてたわ。
卓球用具にどれだけ種類があるのかという話と、補助剤問題についての話をします。
最も使用者が多い形状。アジア以外の選手はほぼ全員これと言っていい
両面にラバーを貼って使い分ける
汎用性が高く様々な戦い方ができる
基本的にラバーを片面にしか貼らない(=同じ面でフォア・バック両方に対応する)ものだったが、今は両面に貼って戦うスタイルが主流
シェイクハンドに比べて手首を動かしやすいなどのメリットがある
先日水谷・伊藤ペアと決勝で戦った中国の許昕(Xu Xin:男性の方)は現代最強の中ペン使い
かつて日本の選手たちはこのラケットを手に世界を席巻したが、現在は絶滅危惧種
「ピンポン」のペコはこれ
木の一枚板。ヒノキとか
厚いほど反発力が増すが、コントロールが難しくなるし重くなる
木の合板。3枚とか5枚とか7枚とか
枚数の多い方が反発力が増すが、コントロールが難しくなるし重くなる
合板より軽く反発力も高いが、独特な打球感を好まない人もいる
中~上級者向け
ラケットの両面にラバーを貼る場合、ルール上「どちらかが赤、もう片方が黒」でなければならない
(同じ色で性質の異なるラバーを各面に貼って相手を混乱させる選手が現れるため)
球との表面積が大きく、回転をかけやすいオールラウンドに使えるラバー
実はこのつぶつぶのある方が「表」
裏ソフトに比べ球との表面積が小さいので球離れが良く強打に向く
相手の回転をいなしたり逆回転にして返したりと、相手のかけた回転を利用したトリッキーな戦いができる。触ると気持ちいい
後方で相手の強打をいなす守備的な戦型や、打球が変化する性質を利用して前陣でブロックを駆使する戦型と相性が良い
いずれにせよ、回転を熟知しないとその特殊な性能を生かしづらい上級者向けラバー
「ピンポン」のスマイルが物語後半でバック面に採用したのがこれ
ぱっと見は普通の裏ソフトラバーだが摩擦力が殆どなく、回転が命の卓球において自ら回転をかけるのが難しいという特異な性質を持つ
したがって粒高のように相手の回転を利用する戦い方になるが、粒高よりもナックル性の球を返しやすい
よって片面にアンチ、もう片面に裏ソフトや表ソフトを貼り、両面の回転量の差で相手を翻弄するのが基本戦術となる
(両面同色が許された時代はそれで猛威を振るった…らしい)
現役選手ではアメリー・ゾルヤ(オーストリア)くらいしか使用者を知らない 粒高以上に変態向け
更にラバーのゴムの下に貼るスポンジにも厚さや硬さなどに違いがある
卓球用具最大手のバタフライではラバー1種につき少なくとも3段階のスポンジ厚が用意されている
厚いほど威力が増すので攻撃的な選手は基本厚み全ツッパだが、重みが増したりコントロールがしづらくなる
守備的に戦う選手は調節して両面で厚さや固さの違うラバーを貼ることもある
ごくまれにスポンジのない、ゴムだけのラバーを使用する選手もいる
グリップの形状も色々種類があり、更に各自が手になじむように削ったりテープを巻いたりする
というわけでね、ざっくり説明しましたけども「全員同じラケットで」試合をするということがいかに困難かお分かりいただけるかと思います。やりづらいとかいう以前に、そもそも物が違うんです
上記の用具の多様な組み合わせを「何種類かの中から選べる」ようにしたところでカバーできるものでもありません
(そもそもトップ選手の多くは特注ラケットだというのはさておき)
卓球には各選手の個性に加えて様々なプレイスタイル(戦型)があり、それぞれに合った用具の組み合わせがあります
ドライブ型、前陣速攻型、カット主戦型、前陣攻守型、異質攻撃型…
もし使用ラケットを「シェイクハンド/7枚合板/裏裏/テンション系/ストレートグリップ」の規格品に統一したら、卓球は同じような戦い方ばかりになり、プロもアマチュアもプレイの面白みを失っていくでしょう。自分に合うプレイスタイル、合う用具を見つける面白さも卓球の魅力なので。
あと単純にコストの問題として、トップ選手は早くて1~2週間ほどでラバーを交換するなど、ラケット周りは消耗品です。大会側で検査済のものを用意して全て賄うというのはさすがに無茶です。
そして何より、規格品を使用せよという意見は各選手の身体的差異(性別、身長、体重、骨格、手の大きさ、筋肉量…etc)をはっきり無視しています
人によって良好なパフォーマンスを発揮できる用具の組み合わせが異なる中で、たまたま規格品に適応した選手が有利になる、すなわち規格品の変更次第で有利不利が変わり得る状態は競技として適切とは言えません
様々なハンディキャップを抱えながら競技に挑む人々に対しても規格品の使用を強いるべきでしょうか?卓球というかそもそもスポーツに大して興味がないのは分かりますが、興味がないなりに最低限の思慮と検索を以て、そのスターを押す前に少しだけ立ち止まって考えてみてほしいと切に願います
と思ったけど簡潔で分かりやすい記事があったのでそれ貼って終わりにします
https://rallys.online/forplayers/whats-hojozai/
「2016年には日本卓球協会が反発係数を測定するラケット検査の導入を提案したが、ITTFはコスト面などを理由にこれを否決した」
まあそういうことですわ やボ神(やっぱりボルって神だわ)
あと「技術の発展で用具が進化するのは当然」という意見もあって、原則論としてはそうなんですけど、今は卓球のラバーに限った話なので的外れです。
「ラバーの後加工(出荷された後のラバーに加工を加えて性能を変化させること)」がルールで禁止されている中で、正規に出荷された商品に選手がそれぞれ勝手に薬剤を使用することを容認してしまったら、フェアネスを保つことは困難です。
陸上のシューズにしろ、競泳の水着にしろ、国際的な競技団体による承認を得た上で使用されているはずです(だよね?)。卓球も同様です。
ただ、ITTFの承認を得ているかどうかが見て取れるラバーやラケットと異なり、塗布された薬剤はその場で承認の有無を判別できる代物ではありません。承認済みの薬剤なのか、それとも未承認でフェアネスを著しく乱す薬剤なのか、正確に判別できるでしょうか?
なのでラバーを貼った状態での反発係数に上限を設けて試合前に測定するのがベストだと思うんですけどね~ITTFがね~
測定コストをより削減できたとしても首を縦に振るかは怪しいところ
やってるのは中国の選手だけじゃないだろうけど、中国の選手がこの問題に言及してるところはまあ~見たことないですね
あったら教えて!
あ、あと五輪卓球は女子シングルス準決勝に伊藤美誠が今出ていて、シングルスが終わったら男女団体戦があります!興味があればよろしくね!