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2018-09-18

欧州がなぜインターネット規制しようとしているのか

はてなではこの辺の話を全然わかってる人がいないようなので少し書こうと思う。

まぁ大した話じゃないので聞いてくれ。


EU一般データ保護規則(GDPR)やリンク税の推進など昨今EUインターネット上における様々な法案日本国内でも取りざたされるようになってきた。

はてブ内では批判的な論調大勢を占めるが多くのコメントを見ていてもなかなか大局的な指摘をするコメントが少ないように見える(もちろん知っている人もいるだろうけどあえて言っていないような気がするんだけど気のせい?)


これらの法案はざっくりまとめると以下のような法案だ。

GDPR

 EU域内において個人情報を扱うモノは規則にしたがって個人情報を扱わなければならない


リンク税(副次的著作権法

 リンク先のサイト著作権管理下に置かれたものだった場合リンクを張られた側は著作権料を請求できる。


また、ここまで大きくないところでも配信事業者一定自国コンテンツ流通させるようにする話も出ている。

これらの規制に関して着目すべき点は「インターネット国境などない」という点に非常に自覚的である点だ。

特にGDPREU域外企業にもEU域内データを扱う場合規則を課すというのは決定的な点である

またリンク税に関しても一定の規模以上のサイトGAFA etc...)と限定した点からも伺える。

アメリカに端を発するWWWはあらゆる国境をなくし、自由電子世界標榜してきた。

こういった、カリフォルニアン・イデオロギー的な態度は現インターネット内で大いに力を奮ってきた。

世界中の人々の情報を共有し、伝達速度を限りなく0に近づけ理想的世界を目指してまい進してきた。

しかし、近年そういったカリフォルニアン・イデオロギー、つまり新自由主義的な態度が果たしてインターネット及び現実世界によい影響を与えているのだろうか?

という疑義が巻き起こってきている。

Twitterはてブを使っているはてな民諸氏には最早言うまでもないだろうが、インターネット差別罵詈雑言、他クラスタに対する憎悪を溜め、社会を徐々に分断していった。

そういった事態は徐々に現実世界侵食し始め、極右政権の台頭やナチズム歴史修正主義の台頭を促してしまった側面は否めない。

ガンダムいわく、誤解なく分かり合える人々として定義されたニュータイプであったが、他者の真の感情理解してしまったニュータイプはむしろ憎悪つのらせ戦争プロパガンダの道具となってしまった。

インターネットはまさに同様の現象引き起こし共感歓喜を生むと同時に人々を分断する道具になってしまったと言うことだ。

EUはそういった事態認識し、今まさにインターネット上におけるカリフォルニアン・イデオロギー破壊しようとしている。

おそらく当初この事態で想定されていたのは中国である

中国の急速なAIテクノロジー進歩中国国民個人情報データ化による社会コントロールの有様を見て最早猶予余地はないと判断したように思える。

国境のないインターネットを介しての中国の影響力を回避しようとしたわけだ。

しかし、事ここに至っては想定しているのは最早中国だけではない。

近年のメインターゲットはアメリカである

英語圏の影響力が強すぎる日本インターネット圏に生息している場合気づきづらいが、インターネット社会全体が明らかにアメリカ人だけの影響を異様に受けるようになりつつある。

英語圏での主義主張ネット上に拡散させ多国間でその生息域を拡大しつつある。

先日行われた全米テニス選手権における報道で気づいた方も多いと思われるが、アメリカで行われた報道に影響される日本人が増大している。

しか事件のあらましをよく精査せずにそのままアメリカメディア)の思想を垂れ流していると言ってもいい。

これは明らかに危険兆候である

インターネット社会は各国の事情をまったく意に介さずに全てアメリカ規準物事を見てしまうのだ。

こういったアメリカ思想を全て正しいものとし、全世界に拡大することを私は"アメリカイデオロギー"あるいはより限定的に"ユナイテッド・ステーツイデオロギー"と呼ぶ。


テニス選手権の話以外にも、近年であればMeTooの事案が記憶にあたらしいだろう。

フランス女優安易MeTooに苦言を呈した話だ。

批判を受けて一部謝罪しているが、根本メッセージは変わっていない。


これは日本例外ではない。

例えばヴィーガン欧米流行し始めているが、この思想日本流行した際に発生するリスクがやはりある

日本人であれば誰でも思いつくと思うが「部落差別復興である

もちろん文脈の違う部分からおこった思想であり単純に現ヴィーガン過去日本思想比較することは出来ない。

しかしだからしてより危険なのではないかと考えられる。

部落差別であるという批判をあっさりすり抜けて肉食業者に対する過剰な批判が巻き起こる可能性があるからだ。

現在日本では比較的穏健なベジタリアン等が多いし、かなりのマイノリティの為に特に問題は起きていない。

しかし先日フランスで発生したヴィーガン肉屋襲撃を見れば想定されるべき事態は深刻である

日本では部落出身者に対する差別が横行し、戦後漸進的にそれを解消して行った。

いまだその差別は消えはしないが多少はましになったと言える。

それをアメリカイデオロギーによって再興されては困るのだ。

現代日本肉屋テロリズムを仕掛けることなどあってはならないことだ。

アメリカインターネット上の議論を見ても、ネイティブアメリカンと重ねあわされることが多いアイヌ米軍基地存在し、中国と関連してくることの多い沖縄についての議論は時たま発生しているように見える。

しか部落差別欧州はともかくアメリカではむしろ忌避すらされているのではないかとすら思える。

これは明らかに利害衝突が発生するからだ。


ともかく我々ネット住民及び日本国民、いや世界は岐路に立たされているのだ。

EUのこれらの規制はこういったアメリカ思想の過剰流入を食い止めようとしているように見える。

真っ先にコンテンツ規制があがるのもそういった思想を過剰に拡散されては困るからだ。

しかし、日本ではそのような議論がまったく巻き起こらない。

唯一そのような主張をしている人をただ一人知っているがあまり賛同は得られていないようだ。

私自身も完全にグレートファイアウォールネットを分断しろとまで言うつもりはない。

しかし何らかの形でインターネット構造再考を迫られているのは確かだ。


ちなみに私は専門家でもなんでもない。

単なる素人である

よってこの文書怪文書の類として読んでもらっても構わない。

どのような行動をとるかはあなた次第だ。

 
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