2021-11-29

なぜ君らは与党になれないのか ~立憲民主党代表選に寄せて

立憲民主党代表選開票日を明日に控えているっての言うのに、これが全くと言っていい程盛り上がってない。

とは言え、野党第一党代表が誰になるのか?という結果は無視できないので、俺個人立憲民主党公式チャンネルを始め、動画で見れるものはおおよそ半分程度は観た。

その中で、単純に総理大臣を決める総裁選ではないからという言い逃れはあり得る一方で、単純に盛り上げようがないという理由も強く感じている。

立憲民主党代表選から垣間見える、立憲民主党問題とは何だろうか?

勝つ気がない(としか見えない)候補たち

大前提となる問題は、おそらく候補者のうちの複数名は勝つ気がない。あるいは勝てない事を前提とした口調、論調が目立つということ。

自民党総裁選候補序列に置き換えた場合、岸田=泉、河野小川高市逢坂野田西村 くらいの序列であると思う。

だが、立憲民主党候補のうちで、逢坂小川は勝つ気がないというよりも、勝ちたい(または勝ち目がある)と思ってないのでは?と感じる。

理由としてはシンプル

自分政策を強く主張できるタイミングで、西村アシストをしたり、自分には分からないと無知であることを告げたりするのだ。

立憲民主党党員の考えは分からんが、勝利を望まない様な言動をする議員を、熱烈なファンであったとしても政党代表に選べるとは思えない。

あの中に「俺が勝たなければ日本立憲民主党)は終わる」それくらいの言葉を言える議員は居ない。

この譲り合いの精神からは、「この代表選は、貧乏くじの押し付け合いなのだ」としか見えないから、見てるだけで何とも萎えてくる。

プロレスのような討論会

立憲民主党討論会は多くの場合議員から議員への質問に答える、という形式で行われる(自民党は、党員司会者から質問に答える形が多かった)。NNN番組で50分取り上げられた時ですら、その形式だった。

議員複数名が勝ちたくないという前提で出ているのだから、当然と言えば当然かもしれないが、この質問と言うのが予定調和なのだ

予定調和であるとはどういうことか?

質問の内容が、現在最も重要経済外交安保エネルギー政策コロナ対策といった質問ではない、なんとも答えやすイデオロギーに沿った質問に終始しているということ。

まだコロナが終息したわけでもないのに、テレビ局に取り上げられてアピールできるタイミングで、コロナ対策については議員から主張の機会を作らず、外国人実習生問題に焦点を当てるのは「温い」と言うしかない。

彼らの間では、これは外国人人権問題という、誰も反対しないし結論共通している幸せテーマについて質問したって、討論会をやる意味がない。予定調和的だ。

些末な問題とは言わないが、優先順位を考えれば、まず語るべきことがあるだろう?と言いたくなる議論をしているのでは、視聴者の関心と支持を得られないだろう。

更に問題なのは司会者コメンテーターの厳しい質問には真っ当な回答ができないことだ。

例えば、志位が毎日のように「共闘は間違いじゃない」「これしかない」「共闘公約」と援護射撃を続けるので代表選の焦点が共闘になっていく中で、

当然だが視聴者が強く関心を持っている「共産党との野党共闘は失敗だったと結論される事も多いが、やめるのか?」という問いが司会者からは出てくる。

それに対して、「失敗と言われるのは野党に対して厳しい(小選挙制度の事も理解してよ・・・)」と答えてしまうのが彼ら候補者だ。

候補の一本化は戦術的に重要である共産党との政策合意は破棄する、その上で戦術的に候補の一本化で相互の利害が一致するのであれば検討する」くらいの事が言えればいいのだけれど

共闘しないと戦えないことを理解して欲しい」という泣き言を言ってる様では、共産党との限定的な閣外協力とやらも、実質的には主従関係化するのでは?って不安は消えない。

他にも「原発再稼働するのか?」と言う司会からの問いに対して、「エネルギーの安定供給を考えれば、原発は予備電源として必要だが、でも再稼働とは言わない」という主張を苦し紛れにしている。

再生可能エネルギーで十分だなんてお花畑な事を言う西村候補のような人もいるんだろうが、現時点では再生可能エネルギー計算できるものではないし、原発火力発電の発電量は賄えない事は否定しようがない。

故に、「再生可能エネルギーの開発推進は行うが、現時点では十分な供給計算できるエネルギーではない、だが2050年カーボンニュートラルと言う目標重要だ、故に原発再稼働という選択肢は維持する」

と主張していた自民党の各候補の主張は妥当だし、立民も苦し紛れであっても否定しなかったのは立派だと思う。というか、立憲民主党委員会原発選択肢として必要結論していることが意外だった。

だが、従来の原発即時ゼロ強硬に求めて来た党の主張があるからだろう、小川などはかなり苦しそうに答えていた訳だ。

こんな風に彼らにとって聞かれると苦しくなってしま質問相互には行わず、温い質問をして和気あいあい対話しているから、予定調和であると感じるわけだ。

なぜ君らは与党になれないのか

選挙惨敗した後で変化を印象付けたいはずの代表選という絶好のアピールチャンスに、貧乏くじの押し付け合いを和やかに行っている事が、その象徴であると思う。

追求が大好きな立憲民主党ではあるけれど、厳しい問いを投げかけられれば「それは野党には厳しい」と言ってみたりする。

原発ゼロのような如何にも綺麗な主張をしながらも、実際に問題対処するに当たっては「原発廃止する事は出来ない」と言う事実を認めたりもする。

この代表選においても、街頭演説となると自民党への批判を威勢よく繰り返してきているのだが、彼らの強気言葉は、実際に責任を負う立場になれば原発ゼロの様に儚くも消えるものであることを随所に感じさせるのですよ。

なんというか、子供部屋おばさんの様な、甘えた大人集団なんだなって、そう感じられる事が与党になれない理由なのではないかと思う。

個人としては、立憲民主党ってのを改めてよく理解する機会になったので、代表選討論会を見て良かったとは思うが、敢えて時間を割いて見るようなものではないよ。

から、盛り上がらないのだろう。これはとても簡単な話だね。

あの中では一番マシな大人だし、おそらくは泉が勝つのだろうけど、彼も結局は大したことないなということが良く分かった2週間ではあった。まぁ立憲民主党はこれから地獄だね。

追記

ashigaru 俺はTBS Sessionの論戦で荻上氏がわざわざ参考にしている経済学者を訊いているのに小川氏以外はほとんど名前を挙げられていないのが気になった。数日後の玉木代表インタビューはすぐイエレンの高圧経済の話が出来た。

まさに、こういう能力不足の実例はキリがないくらいあるのは問題だ。玉木の株だけが近頃は上がり続けているように思う。

例えば、酷い質問ではあるのだが、ある女性党員が「女性議員比率が低い、女性議員を増やすために比例1位を女性にする考えはあるか?」と問うた時の逢坂の解答はこんな感じ

「私はかつて素晴らしい女性議員出会たか女性議員能力はしってるつもりだ。女性議員は増えて欲しいが、立候補を促してもしてくれない事が多い。比例1位は、これまで努力してきた男性議員はどうなるのかという問題もある。」

これでは、答えになってない。曖昧発言もこうして要約するとある程度理路整然とはしてしまうのだが、実際の逢坂発言は思い出話8割といったところで酷さがが際立つ印象が残るはずだ。同じ質問に対して泉の場合

「まず執行部の男女比率を半々にする。これは私が代表になれば実行する。能力のある女性活躍する事で議員になりたい女性を増やすことが大事だ。比例位については問題があると思う。」

これであれば、出来ないが、他のアプローチジェンダー問題対応したいという意思表示にはなっているだろう。

このまともな回答をした泉であっても他の問題では、逢坂の様な回答をしている。立憲の候補者が能力がないのか勝ちたくないか韜晦してるのか良く分からないが、表に見えてる姿は決して見栄えのいい物ではないし、有権者が呆れるだけだろうと思う。

  • もし本当にそれが理由なら、 それに当てはまらない国民と共産は与党になれたはずである。 なので誤り。

  • この増田も煽り口調が減って、文体が段々丸くなってきたな。 毎回毎回、書くのに何時間掛かるのかわからんくらいの長文を謎の執念で投稿を続けてきたんだから、だんだん情が移って...

  • まだコロナが終息したわけでもないのに、テレビ局に取り上げられてアピールできるタイミングで、コロナ対策については議員から主張の機会を作らず、外国人実習生問題に焦点を当て...

  • 変な小技

  • 野党に必要なのは、未来を変えるという物語。 現与党では達成できない、美しい未来のビジョンを描くことができるリーダーと、そのビジョンを分かりやすく、簡潔に、力強く表現した...

  • 他にも「原発再稼働するのか?」と言う司会からの問いに対して、「エネルギーの安定供給を考えれば、原発は予備電源として必要だが、でも再稼働とは言わない」という主張を苦し紛...

  • アンチ乙。 立憲議員は与党になれないのではなく、あえて「ならない」んだよ。 与党になることより自分が議員を続けることのほうが大事。 当たり前の話だ。

  • ここまで来るともう「ミンシュトーという悪神の降臨を防ぐためにミンシュトーが降臨しない理由をひたすら並べ立てる宗教的儀式」みたいだね。

  • まずこの増田が一番総理に相応しいと思う人物を理由と共に挙げてほしいな。話はそれから。

  • そりゃ与党と違って台本がある質問じゃないんだろ 回答に詰まる場合がある方が自然と言える

  • 増田は勘違いしている、立憲民主党はそんな真っ当なやり方で与党になろうとは思っていない。立憲民主党が与党になるときに1番必要なのは自民党への失望。だからそんなに目立つ必要...

    • 貧困者が増えているけど貧困は日本の全体的な傾向だから 自分より下がいて安心する貧困者もいて立憲共産支持者には中々ならないんだよね

      • 貧困者ほど自己責任の意識が高く、自分より貧乏な奴に厳しいんだよ 貧困者に優しくしたら貧困者の票がもらえると思ったら大間違い

        • 平均以下年収しかないけど貧困が自己責任だとは思わない…

    • これ、あながち間違ってないのが問題なんだよな 立民が与党になる可能性を求めるとしたら、世論が自民党の失脚そのものにカタルシスを得るような状態に持って行くしかないんだよね ...

  • 自民党の総裁選ですら一般市民は大して関心を持ってないのに(持ったところでどうしようもないから)、野党の党首なんか気にするわけないじゃん(誰がなっても何かが変わるわけで...

  • ここ追い出されたら議員としてやっていける場所がないから、仲間受けを狙うよねー。

  • 蓮舫とか辻元が出ないのなぜだろう

    • だれもついてこないからですよ

    • それじゃ新体制のアピールにならないからなんだろうけど そもそも今みたいにアピールする気が見られないんなら、そっちの方がマシだったかもね

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  • 自前の商売を伸ばしていくのではなくて、M&Aや業務提携だけで業績を伸ばそうとしてるからだよ

  • いやね、本当のところみんなそんな出たくないんじゃないかって、そういう本音はわかるんですよ。 負け戦の後のリーダーなんてやろうと思えば誰だって覚悟が要る。 まあ同盟相手は「...

  • 立憲民主や共産党などの野党について気になるのは、言っていることが全部キレイゴトばかりなんだよね。 脱原発とか女性の人権とかLGBTとか外国人参政権とか、正面から反論しに...

    • 外務省も自衛隊もアフガンから逃げたのが現実じゃん 安全な国内で勇ましい事を息巻くことは出来ても、外国で敵地上部隊の前ではできないと太平洋戦争の無条件降伏をまた繰り返すこ...

  • ウエメセ軍師様ネタで溜飲下げるのって毎日毎日よく飽きないよね そんなに関心があるなら党員サポーターになるなり手紙出すなりしたら?と思うけど絶対そうしないもんね

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