長い戦いがようやく終わりを迎えようとしている。素晴らしいことだ。
私はかつて熱心な未央Pだった。ある時までは熱心に応援していた。
今回は未央を勝たるべく必死だった。モバ、ステ合計2000票は軽く超えた。
このタイプの本田未央Pは絶滅危惧種だろう。だからこそ、私が書く意義があると思った。
私がモバマスにはまったのは5年以上前のことだろうか。SRのパーフェクトスター本田未央が実装されるほんの少し前である。
友人の藍子Pの勧めでパッション属性を選択した私はあのカードを偶然当ててしまった。そのときから彼女を担当していた。
未央はいい子だな。そう思った。どこか寂しげだが、明るく元気にふるまう姿に何度も救われた。
第3回総選挙で上位に食い込んだときは純粋に嬉しかった。頑張りが報われたような気がしたのだ。
2015年、アニメが放送された。アニメでの未央は良くも悪くも人間味あふれるキャラだった。確かに身勝手にも見える。しかし、行動の背景を注意深く観察すれば十分に理解できるものだった。
アニメ終了から1年くらいは幸せだった。苦しいことは多かった。アンチの攻撃がしんどくて辞めようとしたときもあった。しかし、未央を見ていると続けられたのだ。自分でもわからないが。
2017年の3月、転機が訪れた。自分をデレマスに誘った友人が、辞めると言い出した。私にモバマスを教えてくれた藍子Pである。彼が辞めることは衝撃だった。思わず問い詰めてしまった。彼はこう言った。「自分のアイドルは、主人公にはなれない。運営は本田未央を主人公にしたがっている。」と。
モバマス・デレステを少しばかり疑問視するようになったのはこのときからだ。
第6回総選挙のあと、誰かがこう呟いた。「どうせ来年は本田未央で決まりだ。運営様は必ずガチャブを仕掛け、シンデレラガールにさせる。」と。
界隈にどこか閉塞感が漂い始めた。ちょうど現実の日本のようだった。何も変わらないという諦めの雰囲気である。
その原因となっていたのが未央なのはうっすら気がついた。彼女をゴリ押す運営だった。私には耐えられなかった。自分が好きなアイドルが暴君にさせられてしまうことが。未央のことを上級国民様 のように扱う人がいることにも衝撃を受けた。
そんなとき、気がついた。多くのPが未央の名前を出さなくなっていたことに。
アンチ乙、で済ませていた言葉たちを次第に受け入れるようになってしまった。夢を見ていた私は目覚めてしまったのだ。
第7回が終わったころ、私はすっかりアンチになった。未央の、ではなく、運営とそれを意味不明な角度から養護するPの、である。このころには未央に過度な出番がないことを願うのみであった。皮肉にも、Spring Screaming からスパイスパラダイスまでの1年足らずで参加イベントが4つも来た上、ポジパSSRまで実装されるのが最高に笑えた。友人の言葉は正しかったのだ。もはや主人公として扱っているようにしか見えなかった。
ついに愚痴界隈に入り浸るようになった。精神衛生上見るものではないので詳しくは書かないでおく。住み分けを注意深くしていたほうだから、特にトラブルには巻き込まれなかった。
彼らを例えるなら「魔女」だろう。魔法少女の慣れの果てだ。魔法少女の段階で自死=他界を選ぶ勇気がなく、そのまま呪いをまき散らすようになった者たちだ。現在運営が大好きな者を魔法少女だとすると、なんだか綺麗に収まる。互いに敵対関係にありながら、アイドル好きだったというルーツが同じところもあてはまっているように思う。
話が逸れた。申し訳ない。
愚痴界隈に入り浸るようになってから、運営の考えがなんとなく読めるようになってきた。おそらく、運営大好きだった過去の自分と運営大嫌いの自分を比較するようになったからだ。
時は2018年年末に進む。新アイドル登場のメッセージを見た瞬間、遂に運営が血迷ったと思った。これでモバマスも、デレステも終わりだ。そんな呪いを込めた喜びだった。あとは他界するきっかけを求めているようなものだった。
2月になると、状況が大きく変わった。あいつが来たのだ。夢見りあむである。
りあむは中々気に入った。しかし、彼女が登場した時期からささやかれた言葉が引っかかった。
誰かが書き込んだメッセージを目にした。
「本田未央はCGにならないと今後も上位5人に残り、閉塞感を生む原因になる。第8回の投票先は本田未央にしなくてはならない。」
「総選挙に漂う閉塞感を打開したい」
未央を1位にすれば、主人公感のあるニュージェネが全員CGになる。次の総選挙から、出来レース感が薄れる。界隈から閉塞感が薄くなっていくだろう。
運営に愛された未央だけを否定するのなら、確かに夢見りあむが1位になるのは賛成だ。
しかし、同時に、他の頑張っているアイドルとPたちごと葬ってしまう。短期的にはモバマスから続くろくでもない総選挙システムを破壊できる。だが、その後はどうなる?破壊した後、がんばっているPたちは再生するのか?長期的に見ればいいことは何もない。むしろコンテンツの寿命が縮むだけだろう。
もう、アンチだの怨念だのと言っている場合ではなかった。運営と運営大好き頭空っぽ魔法少女が消えるのならともかく、歯を食いしばりながら楽しんでいる全ての既存Pを亡き者にすることは最悪だ。
今回、本田未央を主人公にしたい運営、まっとうに未央をCGにしたい未央Pとファン、 閉塞感を消し去りたいアンチの向く方向が一致したのだ。
あとは先に書いた通りだ。必死でイベントを走り、口座から金を引き出し、ありったけ投票した。これが5年間続けたゲームとのお別れだと思うと全力で楽しめた。
明日正午の発表は今までの総選挙とは根本的に質が異なる。モバ・ステの未来が決定付けられる。
本田未央が勝利すれば、運営の描いた物語が完成し、ニュージェネは主人公の座から退くだろう。やっと(多少の問題が残りながらも)「誰もがシンデレラ」の時代が到来する。
北条加蓮が勝てば、ガチャブの名の下、よりいっそう閉塞感が強まるだろう。
夢見りあむが勝ってしまえば、お祭り騒ぎの後、だんだん弱っていくだろう。
本田未央をCGにして、ニュージェネ全員を主人公にしたい。しかし、ずっとごり押ししてきたからあからさまに勝っても正当性がない(これは第4回の反省だろう)。ならば、少しずつ進める必要がある。
第6回では、ガチャブをかけないでおこう。運営に愛されたアイドルという立場を薄めておく必要がある。
(余談だが、あの時のガチャブにはもう1つ意味があったと思う。運営が散々冷遇した者達を“確実に”CGにしないためである。)
第7回では、選挙が出来る限り公平になるよう、手を打とう。上位2人になりそうなアイドル両方にガチャブをかけておけば、今回を逃しても次回で確実に筆頭候補になる。
第8回では、完全に正当であることをアピールする必要がある。選挙前にモバ・ステ両方で逆ガチャブをかけよう。選挙期間中は2位になりそうなアイドルにガチャブをかけて、継母=運営に打ち勝つシンデレラを演出しよう。
こんなことを運営は考えていたように思う。数多の犠牲をだしながら、感動的なストーリーを演出したのだ。実に感動的だ。
本田未央は太陽である。持ち前の明るさに加え、数多の祝福と、呪いを受けて膨張した赤色超巨星だ。明日の正午、ついに超新星爆発を引き起こすだろう。
「ちゃんみおは不憫」から続く、シンデレラガールまでの道のり。
これからネットに残り続けるのは、数値に裏付けされた英雄譚のみである。
デレステイベント最多登場回数は?未央だ。まさに主人公と呼ぶにふさわしい。
初回、第2回の圏外から頂点まで「這い上がった」のは誰か?本田未央だ。
生み出されてきた呪いの数々は残らないだろう。
ちゃんみおは不憫 の 地道な努力 項目で書かれたことが全て運営サイドのやったことだと。ただのごり押しの結果だと。おまけに不憫なのはあくまでニュージェネとしてであり、普通のアイドルと比べたら不遇でもん晩でもないこと。
ガチャブをローテ変更してまでもらった過去を。幾度ももらったことを。
未央を苦手とする者を全員アンチ認定したこと。彼らにクソ陰キャなんてレッテルを貼り、本質を見抜こうとしなかったこと。
意味不明なほどの楽曲参加率、イベント参加率を誇りながらも「過去の不遇を乗り越えたから当然だ」と正当化したこと。リミックス抜いて48曲は異常だ。本田未央の歌唱曲数はアイドル楽曲持ち下位16人に相当し、歌を持たない者も含めたら1人で108人相当である。これは正当か?
ニュージェネのリーダーならば当然?モバ・ステの主人公?ならば、他のアイドルは何だったのだろうか。所詮はサブキャラだったということか。笑わせる。
いずれにせよ。
運営へ
おめでとう。幾千もの屍の上に成り立つ英雄譚の完成と、生まれ変わるシンデレラガールズの門出に。
元同担へ
おめでとう。ひときわ輝くミツボシに未央を育て上げたこと、心から尊敬します。本田未央の英雄譚は最高のものとなる。今後色褪せることなく、歴史に残る。
共に運営を呪った君へ
おめでとう。ついに呪われたホンデレラガールズは終わる。永かった。本当に苦しかった。
その時は、笑おう。変わらなければやがて朽ちていくのだ。
悲しみながら消えた友人たちが戻ってきますように。