2018-10-11

日本臨床心理学における査読論文価値

anond:20181009215657

心理学について書こうと思ったら、お一人書いてくださった方がいたので、そこで「特殊」とされていた臨床心理学について書きます

臨床心理学系の大学院博士号を取って、現在大学で臨床と研究をしています

論文事情を書こうと思ったら、背景にある臨床心理学事情になりました…。そして「日本の」と書いたのは、日本の固有の事情もあるためです。

はじめに

臨床心理学における研究は、おおよそ以下の3つに分けられます

 1:ブコメであったような、症例報告から始まってランダム対照試験まで行くという医学疫学的な研究

 2:事例研究やそれを踏まえた臨床論的研究

 3:その他の調査研究ちょっと大雑把ですがゆるしてください、そして私のメインはここです)

少々雑な括りで、中間位置する方や例外もままいることを踏まえ、あくまでも概要を述べているということを踏まえたうえでお付き合いください。

論文事情

https://anond.hatelabo.jp/20181009215657 では心理学論文事情として以下の順序を挙げていらっしゃいました、

 査読付き英語論文>>>>査読日本論文>>査読なし日本論文(いわゆる紀要査読有り紀要も含む)

これは、1と3を自分研究領域にしている臨床心理学者にもほぼそのまま当てはまりますし、海外でも同様です。

そのため、競争が激しい業界院生さんだと、Predatory Journalに投稿しているケースも残念ながら見ます

特殊なのは、「2:事例研究やそれを踏まえた臨床論的研究」を中心としている人たちです。

この方々の多く(全員ではありません)は、場合によっては「論文」というものを軽視すらしていますし、査読論文の数も非常に少ないです(大学に勤めている以上、建前で「論文書かないとね」と言ったりはしますが)。

これは分野外の人からはよく見えないため(もちろん業績調べればわかります)、中々ややこしい問題です。

私の観測範囲ですが、下手にこういう人たちが多い大学就職しようとしたり、あるいは就職してしまったりすると、論文業績が多い人はかえって冷めた目で見られたりすることすらあります

このような信じられない断絶が臨床心理学の中にあるので、業界からはわかりにくいのです。

ちなみに「2:事例研究やそれを踏まえた臨床論的研究」の人たちの業績に対する意識は人文系に近く、私も完全にはよくわかりません。ただ少なくとも、英語査読論文を無条件でありがたがったりはしません。

しろ”深みのある”事例研究理論検討が尊ばれ、そうしたものに特化した特定学術雑誌論文や、あるいは書籍などを重視する印象です。

業界事情(長いです)

なぜ学問を行う場である筈の大学において、こんな断絶が起こるのでしょうか。

つの要因は単純に「世代」です(繰り返しますが大雑把な区切りです)。

世代によって何が違うかというと「臨床心理学に対する考え方」が違います

もっと具体的には「エビデンスを重視するか否か」の違いです。

エビデンスを重視しないなんてバカ?」と思う方も多いと思います

私も7割同意しますが、これにはこれで事情があります

先ほど書きましたが、2の人たちが重視するのは事例研究です。

https://anond.hatelabo.jp/20181009215657 には、「事例研究には物語以上の価値はないのでは」とありました。

「そう見えるのは仕方ないだろうな」と思う気持ちと「物語価値過小評価しすぎですよ」という両方の気持ちを抱きます

なぜかと言えば、「クライエントの人生」を理解しようとすれば、どうしても「物語」というフレーム必要になるからです。

古典的な臨床家(心理療法をやる人)は、クライエントの人生全体を見ます

クライエントが訴える問題(やる気が出ないとか、落ち込むとか)を全てと考えるのでなく、むしろ人生における氷山の一角と捉えます

そして、クライエントの人生をそのものを見つめ、その人がより良く人生を歩んでいけるよう、どうにかこうにか支援をしていくわけです。

(「大きなお世話」「思いあがるな」と思われる方もいるでしょうし、下手すると実際にクライエントにとっても大きなお世話になります

その人の知能や症状の程度、パーソナリティなどを数値化して客観的に捉えることは心理学の得意技ですが、それでその人の人生全ては捉え切れません。

人生というものを捉えようとした時、どうしても物語必要になります

もちろん、物語ですから完全に同じ事象再現されることはまずありません。そのため、厳密な「エビデンス」はそこから得ることはできません。

ですが、だからといって物語意味がないわけでもありません。

物語から自分は何も学んだ覚えはない」という人がいたら、それは物語意味がないのではなく、恐らくその人に学習能力がないためです。

物語を蓄積していくことで、我々は人間に対する理解をより深いものにしていくことができます

そのため、日本臨床心理学者は「エビデンスなんかいらない」というよりも、「物語を蓄積してくしか、やりようがない」と思っていた部分もあると思います

またもう少しフォローしますと、単に物語を乱立させるのでなく、蓄積された様々な「物語」を体系づける理論の構築自体は脈々と行われてきました。

それが、「2」の後ろ半分「それを踏まえた臨床論的研究」です。

フロイト精神分析なんかは、今でも理論精緻化され続けていて、それはそれで読むと非常に面白いですし、人間理解に大いに役立ちます

というわけで昔の臨床心理学は、多分に人文的というかアート的な学問領域でした。学んでみると非常に面白いのですが学問としての欠点もたくさんあります

最たる点が、多くの方が既に感じていらっしゃる通り、物語性を重視するあまり客観性エビデンスをあまりに軽んじてしまたことです。

 ◆

しか1990年代の後半頃でしょうか、「認知行動療法」と「エビデンス重視」の立場が、アメリカから日本へ本格的にやってきました。

心理療法の一つである認知行動療法エビデンスを非常に重視します。

例えば「うつ病」ならば、患者抑うつの程度を測定し、「認知行動療法を行うと抑うつの程度が有意に下がる!」みたいな研究バンバンやるわけです。

当時の学会の様子は今でも覚えていますエビデンス重視の方々は「それエビデンスあるんですか?」と、どこかの誰かのようなセリフを旧来の臨床心理学者に容赦なく投げつけ、大変気まずい空気を作り出していました。(別に悪いことではないですが)

残念ながら旧来の臨床心理学者はそれに真っ向から反論することができません。なぜなら、実際の所エビデンスは無いからです。

ただし、客観的エビデンスが求められる研究では、「客観的に扱える要素」しか扱うことができません。

そういう「客観性」では捉え切れない人間の心を探求していったのが、これまでの臨床心理学だったはずです。

ですから多くの人にとって、「エビデンス」というものが極めて底の浅いものに見えたという部分もあると思います

実際私もそう感じる部分はありました。確かにエビデンス大事だけど、余りに機械的人間の心を扱いすぎていないか?と。

それって、本当に臨床心理学が目指していたことだっけ?

とはいえ、旧来の臨床心理学者がその文学性に浸りすぎ、客観性過小評価していたのは間違いないと思います

エビデンスに対して「人生の深みをわかっていない」「客観性が全てではない」と言っても、インチキしか聞こえないでしょう。

要するに、物語偏重し、エビデンス全否定する姿勢は間違っていますが、エビデンス偏重し、物語全否定するのも同様におかしいと、私自身は思います

そういう微妙バランスというか面白さが臨床心理学の中にはありますし、どちらも人を支援する上では大事視点だと思います

 ◆


まぁその後は各学会大学内で、明に暗に色々な小競り合いがあって、現在は昔よりもだいぶ両者が折り合いつつある雰囲気です。

一つは、純粋な「2:事例研究やそれを踏まえた臨床論的研究」の人たちが減ったという単純な理由です。大御所の多くが高齢化し、以前よりはだいぶ比率が少なくなりました。

逆に、認知行動療法がだいぶ浸透した結果、若い世代では認知行動療法が専門外でも、エビデンス重視の考えは馴染みのあるものになっています

また、認知行動療法の人たちも”表面的な”エビデンスが全てではないという姿勢の人が増えてきました。

また、個人的にすごく大事だと思うのが、実証重視の方々にとっては「物語」の代表に見えるであろう精神分析系の心理療法も、ちゃん効果確認されるようになってきたたことです。

これによって、「エビデンスが全てではない」と意地を張らなくても良くなってきたのだと思います

結局、エビデンス否定するのではなく、自らエビデンスを出すことで (とはいえ研究殆ど海外ですが)、問題は解消されつつあります学問としてこれはとてもよいことだと思います

 ◆

つい最近中室牧子さんとかによって、教育業界エビデンス視点を持ち込む動きがありますが、同じように、日本臨床心理学にもエビデンス視点を持ち込もうという動きが20年程前にあったのです。

エビデンスに対する考え方の違いは、人間理解に対する考え方の違いであり、それが論文業績に対する考え方の違いにもつながっていたという話です。

これを読んでみて、改めて「臨床心理学ってクソだな」と思った人もいるかもしれませんが、こういうゴタゴタも乗り越えつつ、少しずつ学問としてブラッシュアップされていっている臨床心理学が私は大好きです。

長くなってしまいました、すいません。

おまけ

長くなったついでで恐縮です。

https://anond.hatelabo.jp/20181011091532 「再現可能性が4割」の部分に

https://anond.hatelabo.jp/20181011091734 「びっくりするほど信用できない学問だな てか学問かそれ 」というコメントを見かけましたが、これ心理学だけの問題じゃないんですよ。

Natureが少し前にいろんな研究者に調査しましたが、理系領域だって再現性は決して高くありません。

https://www.nature.com/news/1-500-scientists-lift-the-lid-on-reproducibility-1.19970

しろ追試をちゃんとやって、どれが再現できるか否かをふるいにかけ、学問を発展させようとする態度こそが科学的だと私は思います

記事への反応 -
  • 人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ - dlitの殴り書き こちらの記事に賛同したので続いてみます。 確かに異分野の事情をお互いにわかっていたほうがみんな幸せにな...

    • https://anond.hatelabo.jp/20181010122823の流れに乗って、先日心理学についても書いたので少し補足して再投稿してみる。  最初に断っておくと私見に満ちている文章なので心理学者からも異論...

      • anond:20181009215657 心理学について書こうと思ったら、お一人書いてくださった方がいたので、そこで「特殊」とされていた臨床心理学について書きます。 臨床心理学系の大学院で博士号...

        • ▼エビデンス 実証重視の方々にとっては「物語」の代表に見えるであろう精神分析系の心理療法も、ちゃんと効果が確認されるようになってきたたことです。 それこそ、そのエビデン...

        • 医学生物学論文の 70%以上が、再現できない - 目次 | Nature 心理学の研究結果、6割以上が再現不可能 検証調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News 心理学研究の信頼性に疑問を呈した論文は...

      • ちょっと待ってください。 Predatory Journalは、本当に詐欺雑誌でしょうか? 詐欺罪は、 刑法246条 1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。 2.前項の方法により、...

      • 心理学の研究結果、6割以上が再現不可能 検証調査 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News https://anond.hatelabo.jp/20181009215657

      • 経済学もこんな感じですね.

      • 一言でまとめると日本語で高等教育が受けられるのはメリット厨はうそつきだってこと

    • ちゃんと勉強しなかったんで、対称性からノンゼロな形状因子導くことすらできない。群論をやりなおしたい

    • ただ今集中砲火浴びてるジェンダー論や法学(右側の政治的な理由も相まってるのが気持ち悪いし、理系の偏見で査読英語言うのは周りにも飛び火しそうで迷惑だってのは理解したが)...

      • そびえ立つゴミの山を築けば素人はビビって言うこと聞いてくれるだろって調子なわけねなるほど

      • 言ってることはわかるんだけど、公的な資金援助を受ける以上、受ける側が透明性や有用性をアピールする必要があって、無関係の納税者に「お前らもっと勉強しろ」っていうのは、相...

        • 120%同意しかない。げにその通り。 素人勉強しろといきってるのが文系、理系は金がかかるだけになんとか理解してもらおうとプレスリリースや教育に必死である。はやぶさ2号とか涙ぐ...

        • お気持ち表現規制派を殴るついでに社会構築主義殴られても困るんだよねぇ,正直. 私は人文系で別にジェンダーの問題には関心ないけど,構築主義的な考え方は別にフェミニズムに限...

          • 面白くなってきたなもっとやってくれ

          • 何で社会人文がぶん殴られるか、て言うと、ソーカル事件をきちんと処理してないからだよ。 何かあるたびにあそこに戻る。スター哲学者やら思想家やらがホイホイのっかって騙されて...

            • そーかるそーかるってお前某D社のC++エバンゲリオンかよ

            • ソーカルに対しては批判的だけど衒学的なのは改めなくちゃねってことで処理しましたよ、って言っても納得しないでしょ。

              • つか内輪で勝手に処理して解決したことにしてんじゃねーよって話だから ちゃんと第三者が見てもわかるような形でやれってことだよ

            • 社会学は内容が人智を越えて反証不可能性を失ったんだよ 脳に直結するAIが登場するまでこのままだよ(適当)

            • baikoku_sensei あんまりSTAP細胞のこと言わないで欲しいんだけど・・・ STAP論文は査読で見抜くことの困難な実験の中身に問題があったのであって科学用語をデタラメに並べ立てた無内...

          • いや、社会学学会に参加してたり博士論文取ったりしてるやん。それ排除しないと、意味ないよ。自分の学問からうんこ垂れ流してる証拠そのままでこっちに来ないでなんて言われても...

          • 「正直もう本当にうんざりなんだけど,お気持ちフェミニストを殴りたかったらお気持ちフェミニストをピンポイントで殴ってほしい.社会学批判とか始めるならネット上の断片的な社...

            • 増田やん、それお気持ち男性じゃね?

              • 元のツリーから読み込んでくと、そうかどうか結論出してここに言及するにはもうちょっと時間がかかると思う。

                • 俺はフェミニズムは運動だと思ってて社会学と重なる部分はあるとおもうけど、基本的には「自分がどんな社会を望むか」だという運動だとおもうよ。

            • 同じツリーにこんなのもあった。 「ぶっちゃけ話をすると,私はこれまで「別に査読はなくてもいいだろ」という話を延々としてきたのだが,ブコメやらtwitterやらで文系擁護派の一部の...

          • なんかまたキズナアイバッシングで名を馳せた先生が燃えてますね. 千田有紀「「女」の境界線を引きなおす:「ターフ」をめぐる対立を超えて」(『現代思想3月臨時増刊号 総特集...

      • 腹話術長すぎw

      • (cf. http://synodos.jp/society/19195) 北村紗衣、こいつWezzyなんぞに投稿してるカルト宗教家じゃん

      • 社会学は他の学問と比べても分野内の差異が大きすぎるんだよなぁ。 ゲーム理論を援用して数理モデルを構築する者、RやPythonを使って統計モデリングを行う者、 教区簿冊や宗門人別改...

      • 人文学と社会科学か。社会科学のほうが科学なのに怪しさが入り込む余地がある気がしてしまうのも奇妙だが、哲学とかだと論理的な議論はあっても「正しさ」を決めることはできない...

        • 理系でも教授の贔屓やコネはないわけじゃないけど論文数(あるいは引用数)で無能認定する仕組みは馬鹿の排除には有効なんだよ(捏造の動機にもなるけど)。 論文数で無能認定は...

          • 文系は査読が怖いからやりたくない、のが本音じゃないのかw 「AはBであるから、AでなければBではない」と強弁するのが文系のトップだからね 「請求の原因を正当なりとする判決は 上...

        • ぶっちゃけ話をすると,私はこれまで「別に査読はなくてもいいだろ」という話を延々としてきたのだが,ブコメやらtwitterやらで文系擁護派の一部の人が「人文系の学問は査読になじま...

          • 文系に査読があるかないかなんて外の世界の人間にはぶっちゃけどうでもいいので むやみに外の世界に殴り込みをかけてこないでくれ 無茶な殴り込みをかけようとしてるやつはちゃんと...

          • 文系の翻訳に対する感覚の話、ブコメにちょっと反応してみる。 何が書いてあるか、誰が書いているか、の違いか|文学作品ならそら後者やろうけど、技術書や理論論文で後者重視し...

            • このへん、文学研究と経済学研究とのあいだの感覚の違いだよねえ。 文学研究、というか人文系のあいだには 翻訳は原典ではない(「翻訳の研究」をするような場合を除く) 作品の...

              • 単に仕事のスピードだけではなく経済学の専門的な知識を有しているかどうかも考慮した人選でしょ フランス語で書かれた専門書を翻訳する際に当該分野の専門知識を有する人間に英語...

                • フランス語で書かれた専門書を翻訳する際に当該分野の専門知識を有する人間に英語からの重訳をさせるよりも 当該分野は素人でもフランス語の翻訳家に原書を訳させる方が適切な...

                  • やっぱ人文って経済学とくらべておままごとなんやなって

                    • 山形の重訳の問題点は指摘できないけど、とにかくワシのムラでは掟破りなんじゃ!だからムカついたんじゃ!とかいうしょうもない結論になってて呆れた

                      • だいたいどうせ自分のお仲間がやる分には何重訳でも許容しちゃうの目に見えちゃってんだもんなあ

                  • その相場感や人文系の感覚というのは粗悪な翻訳が行われることに対する懸念に由来するものだろうが しかし人選を批判する北村も翻訳の内容に対する具体的な批判はできておらず、山...

                    • その相場感や人文系の感覚というのは粗悪な翻訳が行われることに対する懸念に由来するものだろうが もちろんそれもあるけど、質じゃなくて規範の問題なんだよね。マトモな研究や...

                      • つまり人文村の独自ルールを外の人間に押し付けてくるヤバイ人間ってコト!?

                      • 「重訳だけど正確な訳だし……」っていうのは、「査読されてないけど面白い論文だし……」って言われてるみたいな感じ。 「正確」と「面白い」を同質の評価とするのはヤバすぎで...

                      • 人文知は社会科学や自然科学に優越するから、結局今回の案件では出版社も素直に人文学の先生の苦言を受け止めて方針転換した方がよさそう。 Phってなんで哲学がついてるのか改めて...

                  • 結局、21世紀の資本を文学として読むか技術書として読むかの違いなのだろうね。 文学として読むなら、原著にあたりながら細かなニュアンスまで可能な限り訳すべきとなるから、重訳...

                  • ちなみにその主張は典型的な文学至上主義としてここしばらく(といっても10年以上)Translation Studiesではそれなりに問題視されていたりする。

                    • 無駄に山形氏の知名度があって出版業界が彼に依頼して市場独占してるって理解で合ってる?

                      • 逆の話。Translationを文学メインのものとして考えてる、ってこと。 原典であるかどうかは本来研究者の研究に対する振るまいの話であって、翻訳がどういう投影なのかを含めての領域に...

              • そもそも、ピケティの本はフランス語版が「原書」なのかね。 経済学者なら、普通は英語版の方に力を入れて書くと思うんだよな。 仮に本人以外の英訳担当者がいたとしてもそれは英語...

                • ピケティ、まずはフランスの知識人だから、そりゃフランス語が原書でしょ。フランスの知識人は著書をフランス語で書くことが多いよ。思想とかそういう分野ではフランス語はまだ全...

              • 今回のような学術書の場合はフランス語に堪能で且つ経済学に明るい人でないと、すごく問題がある訳になってしまう可能性がある。フランス語と日本語の対応しては完全に正しくても...

              • 山形浩生は多くの重要な経済学系書籍の翻訳実績があるから、トータルで見ても山形浩生が適任だったということだろ。 文句付けてるのは経済学素人の奴ばかりで、経済学専門の人ほど...

                • この程度のことを知らないで首を突っ込んでいるのがいるんだろうかと思うが、ついたトラバをみるともしかするとそういうこともあるんだろうな。

                • わかる、オレも山形氏を初めて知ったのはクルーグマン教授の流動性の罠の翻訳だったからな。 あれが日本の停滞を見事に説明していて、それにいち早く目を付けて翻訳した山形氏の有...

            • >文系が大事にしているのは「文章それ自体」であって、文章それ自体を忠実に原語から訳すことが重要である、というのが文系の考え方。 いや正にそれが文脈を読むということであり...

              • 文章それ自体が重要なら、人間と区別のつかない精度のAIと人間が文を書いたとして、AIの側が人間と同等の評価をされないとおかしいけど、現実はそうなってないよね

                • いまでもタンパク質の構造解析とか計算機が弾き出したのを論文にしたりしてるからね 自然科学を言語で記述するとき、語られる物理世界の現象および法則のイデアは物理空間にあるの...

            • まあ著書が論文と同等に実績と評価される分野ではそうなんでしょうねとしか で、この論文が形式上査読なしであることに特段の問題はないですよね。だって研究結果が間違ってるわ...

            • 改訳を出せるわけでも誤訳の指摘ができるわけでもない人の 僕が私が考える理想の翻訳論に付き合ってあげるほど著者も訳者も出版社も読者も暇ではないという感想しかない

          • 「何をするにあたって」原典にあたるという当然の事を重要視するか、って話ではあるよね これメチャクチャ思いました。過去の査読云々の論争を思い出しちゃいましたよ( anond:2018100...

            • 数学で公理を使用する場合、まず原典の論文を読むこと!

      • 今に至るまで因習を是正できなかったダメ学問である証言を長々とありがとう 学問の国際標準化とやらをこちらに散々強制しておいて自分のところは安全圏でのほほんとだらけてたとい...

      • ふむ、評価の手法も多様性があり、画一的な評価方法は却って学問の自由を阻害するというのはわかった。 で、あの千田とかいう頭のおかしいヤツが社会学者ヅラして教授でござい、...

      • はぁ?????? 俺はさんざん怒ってきたよ!!!!!! コミケだって夏冬3日間ずつ参加しとるわ!!!!!! 味方を撃ってんじゃねえって言ってんだよ!!!!!! 増田で...

      • 色々と勉強になったし、分野ごとに評価の基準も様々ある事情や理由もわかった。 ただ、やはり理系の学問でよくあるように仲間内での評価と論文誌ベースでの評価の両建てとなるよう...

      • この説明を読んで文系は論文の正確性が担保されていない、信頼性が低いとか言ってるのは何を考えているのだろう。 例えば学士助手は、「学内でみっちり審査する」ことで正確性や信...

      • 法学:ほぼ実務に即するので、最高裁判決を頂点にある程度の客観性は担保されてる。ただ、憲法学は宗教論争化しており、政治学側からの批判が多い。海外の考え方を持ち込む意欲は...

        • 追試ができないことが問題っていうけど じゃあさ仮にAIや計算科学の発展で社会をシミュレーションすることができるようになって追試が可能になったとして このあいだの40代独身が日...

        • 逆に日本の考え方を海外に発信しようという気概はほぼない 途上国において未整備の法律を立法する際に日本の法律を参考にする、みたいなことはあって(例えばこの間台湾著作権法...

      • 肝心の千田が教授として不適格かつその不適格性を見抜けてない社会学の査読その他の評価体制に係る妥当性について完全に無視を決め込む詭弁の集大成、 と思ったのだがブクマの反応...

      • Dragoonriders まあ、こうして知見が溜まるのは、素朴な疑問って大事だよな、と言っておく。疲れると思うが存分に書いていただきたい。 単に文系アカデミアでのキャリアパスを聞かれ...

      • 博士課程単位取得退学 理系にも博士課程単位取得退学はいますよ。東京大学だと、博士課程に進学して、授業の単位を一コマ分取ればこの肩書を得られます

      • ■公取委「クッキー規制検討」報道を読む あなたにも他人事じゃない   今、エンジニアの個人情報をウェブ上から勝手に集め、勝手に履歴書サイト作っている個人格付けサイトが現れ...

      • なんで理系の査読を攻撃しだすのか本当にわからない

    • http://dlit.hatenablog.com/entry/2018/10/10/080521 https://anond.hatelabo.jp/20181010122823 私もこの流れに賛同したので続きます。私は博士課程の学生なので、多少間違いがあるかもしれませんが、大筋は合...

      • 良いまとめだと思う。ただレンダリングがスタープレーヤーかって言うと、うーんって感じになる。アニメーションの研究は結果が一発でよく分かるのに対して、レンダリングは主流に...

      • 結構よくまとまっているとは思うんですけど、博士学生だからか少し偏りがあるので、もし参考にする学生が居たときのために、少し補足させてください(ちなみに私は本職です)。 分...

    • どうでもよいことなのですが、「情報系では」は主語ではありません。ただ、主題ではあるかもしれませんね by 情報系の自然言語処理の博士号取得者。

    • 「素粒子論では査読が重視されていない」というのは Empirical Science である Physics の一分野であるにもかかわらず Empirical な Evidence と結びつくのは査読のだいぶ後で、査読でチェックされ...

    • 周りに現象論の人が多かったですが、修論で教員メインの論文に少し関わって共著で一本、博士課程の間に同じ感じでもう一、二本出しつつ博士論文までに自力のものを一つ出す、くら...

    • 分野名として使うときのLatticeは、ほぼ計算機シミュレーションのことを指すことは触れておいたほうがいいかも。 計算機とは関係なく場の理論の格子離散化を研究している人はいますが...

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