これだいぶ根が深い話だよ
CtoCサービスにおいて、黎明期に著作権侵害を放置することで伸びたサービスが有る
こういうサービスは、著作権侵害しちゃダメですよとか言いつつユーザーの行動を黙認することで一定の水準まで規模を拡大してきた
個人的に印象に残ってるのがimgur(http://imgur.com/)
世界的なアングラ画像うpろだだと思ってたら、一昨年に40億調達してる
彼らのスタンスは巧妙だ
著作権的にアウトだったり、エロ的にアウトな画像などは「通報されたら消す」「やるユーザーが悪い」というスタンスで
(ちなみにこれらのサービス、私は大好きだ)
それらを利用するのがキュレーションサービスを持っている企業だ
彼らはSNSなどにアカウントを作り、そこを通してサービス内のコンテンツを利用する
[コンテンツ] → [誰かがアップロード] → CtoCサービス → [解析用アカウント] → ぶっこ抜き → キュレーション(見せ方を工夫する) → ユーザー
著作権違反の責任を「アップロードした誰か」に全部かぶせることで、多くのサービスが成り立っている
既に上場しているキュレーションメディアでさえ、ほとんどこの手法を使っているか、過去に使っていたと思っていい
今回パレット側で画像ロンダが燃え始めたのはもちろん「誰かがアップロード」の部分を自分たちでやっていたからというのと
あくまでキュレーションというサービスがBtoC(B側はライターや編集者だけど)なので、批判されたときに「ユーザーを指導しておきます」などと言い訳できないからだ
でもじゃあこのCtoCサービスは問題ないの? と問われるともちろん問題ある
問題あるが、世界的な慣例で行われすぎて、誰が騒ごうがどうにもならないレベルにあると思う
それほどまでに彼ら泥棒サービスは成長してしまったし、コンテンツ業界としても「無視できないビジネスパートナー」になってしまった
今更「Youtubeは著作権侵害を助長している!」と声を荒げたところで株価に何ら影響すら無い
それどころかコンテンツプロバイダー側が「Youtubeが無くなったら困る」時代にすら突入している
パレットはそこら辺の根回しがお粗末だったと思う
コンテンツプロバイダーにとって利益になるなら、アングラ文化だったゲーム実況文化ですらあそこまで広がるのだ(とても意外だった)
もう既に「勝ち逃げした」憎いやつらへの感情は脇に置いておくとして(炎上したら皆で叩く)
これから立ち上がるサービスでも、まだまだそういったコンプライアンス的にアウトなものが多い理由もある
規制されていないとやったもん勝ちになる
キュレーションメディアも、襟を正そうとかじゃなく、もっと燃えないように巧妙にやることしか考えないはずだ
襟を正した瞬間他に負ける
一つは勝ち逃げした奴らがいること
彼らがペナルティを負ってないから「火の輪をくぐって逃げ切ったら勝ち」という考えが
もちろん焼け死んだらアウトなので、常に「超えちゃいけないライン」を必死になって模索している
welq騒動で他のキュレーションサービスがボーダーラインを変更してきたのもそういうアレだ
(※一応擁護すると、多くのベンチャーは何かしら社会的に価値あるテーマを取り扱っているが
それを成長させるためにどれだけ無茶をするか、という悩みを常に抱えていると思う。狂気は必要だが、やり過ぎると燃えると言う状態)
最後に、皆逸脱行為をしているせいでボーダーラインがわからなくなっているということ
著作権違反というのは、ユーザー個々としては楽しいので多くの人は批判しない
そのうちに、著作権リテラシーが低い人(IT業界、創作業界内にすら相当多い)は、ボーダーラインがわからなくなる
個人的に印象的なのがLGTMの文化だ(例:http://www.lgtm.in/ https://www.google.co.jp/search?q=LGTM&source=lnms&tbm=isch&sa=X)
プログラムの修正のレビューをしてもらった際、レビュアーが「いいと思うよ」という時に画像を用いてLGTM!と言う流行りがある(LGTM=Looks Good To Me)
その時使う画像やgifは、どこかからか拾ってきたもので、もちろんほぼ著作権無視だ
しかしこの文化はシリコンバレーから火がつき、今や多くの日本企業でも「素晴らしい文化だ」と受け入れられている
(※個人的な経験から言うと、法務部がきちんとあるような上場大企業では「普通にダメでしょ」という空気だったので、どこかにボーダーがありそう)
要はWeb系に居る、最先端のサービスを開発している人間や会社にとって、コンテンツの著作権とはその程度の認識なのだ
気にしているのはあくまで怒られるか、怒られないか、怒られたら致命的か、という点だ
(それらがどこに端を発しているか考えると、おそらくGoogleやOSSの思想に行き着くのだろうと予想している。
検索でいろんなコンテンツがヒットするようになってから、ボーダーラインはよくわからなくなった)
slackやskypeやその他のチャットシステム、あるいはSNSにURLを貼るとサムネイルが表示されるが
厳密に言えばあれもアウトだそうだ
皆それを知っているのだろうか
じゃあそういうのをどうすればいいか? と言えば、すごく現実的な話になるが社会的に監視するしかないのではないかと思う
そして法律が及ばない領域が確かにあるし、企業間でwin-winなら外野が怒ってもしょうがないという事情もある
もちろん全てを解決するシステムができれば、それが一番いいのだけれど(世界を敵に回しそう)
あとサービスプロバイダー側は、わざわざチキンレースするんじゃなくて、もう少し利害関係者の感情を考えたいよね
サービス提供というのは、個人的にはどれだけ関係者全員をハッピーにできるかというゲームだと思っている
極一部の利益とか、自分たちの利益ばかり追求しすぎると、いずれ誰かが地雷を踏んで燃えてしまう
しかもユーザーというのはいきなり炎上する「いきなりキレるような奴」だ
普段から市場の声を聞かないと、いきなりブスリと腹を刺されることになる
「他がやってるから大丈夫」は言い訳にできないというのも、今回の件で分かったはずだ
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http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoppy/20161209-00065195/
著作権ロンダで伸し上がったサービスが多くて、一つの勝ちパターンになっちゃってる問題
にしてもヨッピーはすごいなぁ
じゃあそういうのをどうすればいいか? と言えば、すごく現実的な話になるが社会的に監視するしかないのではないかと思う (世界的に)企業は怒られない限り限界を攻めてくる ...
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