君たちはどう生きるか、をみた。
自分はジブリファンではないので、物語の先にある「モデル」や「元ネタ」までは考えが及ばないのだが、
「こんなお話だと解釈したぞ〜」ってのを書きたい!(ネタバレあり)
「ライフステージ転換期の、戸惑いと受容を描いたお話」だと思った。
転換期の渦中、心や体の変化に戸惑いを抱える者たちが神隠しにあった〜みたいな。
キリコに関しては、次のステージに引き上げてくれるキャラに感じた。
ちょっと悪知恵をくれる先輩だったり、手助けしてくれる産婆さんみたいな(実際物語では船頭や見守り役に徹するし)。
だけど眞人はこの先の人生に興味がなさそうで、疎開先の学校も嫌、新しいお母さんも嫌、
気持ちはこれから先の「生」よりも、死んでしまったお母さん、つまり「過去」に向いている。
しかし体や心は先へ先へと成長していて、ナツコや父親の「性」に触れて戸惑い、怒りを感じている。
塔への侵入が失敗に終わった後の眞人の声の低さに驚いた。
2次成長の強調を感じて、眞人は少年→青年になりかけている状態なんだなと思った。
初期、アオサギヘ異常な攻撃性を持って接しているのも思春期のあまりあるパワーを感じたw
自傷行為は、クラスメイトへの嫌がらせではなく「こんな環境に送り込んだ父親」を責めたい面もありそう。
「自分が拒否しているんじゃない、周りが自分を拒否しているんだ」という状態を作り出したい、
社会への拒絶を相手のせいにしたい…という受け身な心の表現のように思えた。
アオサギはそんな「社会的死を望む眞人の心の表れ、葛藤」なのかなと。
成長なんかしないでずっと自分の中にいたい!ずっと子供でいたい!みたいな願い。
異世界に行ったのもの「ナツコを取り返しにいくぞ〜!」みたいなモチベがあったわけではなく、
ただただお母さんに会うために、流されるままにいった印象。
なんなら「お母さん=過去」に向かって、成長したくない〜〜みたいな思いも抱えながら向かっている感じ。
同様に、ナツコもつわりに苦しみ、出産が怖かった。いきなりできた息子(眞人)が怖かった。
言われなきゃ妊娠中なんてわからない、母親感のない妖艶なお姉さんビジュ。
そんな、変化が怖い!変わりたくない!状態の眞人とナツコが、同じく殻に閉じこもった大叔父に導かれて異世界へ行ったのかな〜というのが物語の始まりの捉え方。
ヒミとの出会いは、「自分の中の母親像に別の面を見つける」という体験だったんじゃないかなあ。
母親が元少女だったことを知る、そして少女が母親になるということのヒミツを知るというか。
産屋に入る=禁忌を犯す…というのは、「性行為」を知る?とかなんじゃないかなと。
(ナツコとヤったとか、ナツコで抜いたとかじゃなく、どうやったら子供ができるか知っちゃう…みたいな)
ヒミ/ヒサコ、ナツコ、眞人は性行為を知っているから楽園から追い出される…みたいな見方もできるのかなあ。大叔父はそれを知ることを拒んだからずっと楽園にいる。
血の表現の多さや、おどろおどろしいジャムパンは処女性の喪失のようにも思えたし、ジャムとパンはキリスト教で言うワイン(血)とパン(肉)にも思えた。
(あの食事シーンでキリストとの契約=人類を繁栄させ続けることを約束させられたのかな?とも思ったり。)
精子っぽい表現の多用、「命を奪う、頂く」「命が死ぬ、命をつくる」みたいなモチーフも多くて、全体的に「命の受け継ぎ」が描かれてる感じがした。
ワラワラの邪魔をする老ペリカンたちは、戦争によって死んでしまった人や今で言う氷河期世代なんかの
「そう生きざるをえなかった人々=命を繋げなかった人々」なのかなあとも思えて、
その選択や悲しみを否定する気にはならず、敵キャラだとは思わなかった。
このへんは私が出産適齢期を過ぎつつある未婚女性だからそう感じ取ったのかも。
そしてこれだけ性的な印象を感じておきながら、物語全体を通して「子を産め」というメッセージだとは思わなかった。
というか、大叔父の世界で作り出されるワラワラたち=精子たち?は…なんか受精しなさそうな感じがするw
殺生もせず、無垢なもの(加害意識を持たざるもの)の精子の放出は、オナニーなんでないかい…?と。。
ナツコが「あんたなんて大嫌い」みたいに言うのは、眞人だけに向けられた言葉じゃなくて
子供を産み育てることへの恐怖、与えられる存在から「与える・守る存在」に変わらなければならない、母になることへの恐怖の表現なんじゃないかなと。
眞人が「お母さん」と呼びかけることでやや柔和な表情に変わるのは、眞人への好意ではなくて覚悟が決まったような、我を取り戻したような感じがした。
あのシーンでナツコは母になる覚悟、眞人は大人になる覚悟(母親の死を受け入れ新しい母親を受け入れる、実社会と向き合う覚悟)が決まった感じ。
そういう意味ではこの物語は神隠しではなくて、「ナツコの出産」の寓意でもあるのかな?
13個の石の積み木が駿の作品数を意味しているとは思いもしなかった〜!(というかそんな知識なかった!)
英語で12まではeleven…twelve…て数えるけど、13からはteenで数え始めるので、そういうキッズとティーンの境目に留まる…みたいな意味なのかなと思って見てた。
大叔父はキッズにしがみついて、1から13まで積み続けるが13を超えられない(13個詰むとバランスが崩れてしまう)
眞人にとってのアオサギは、大叔父にとってのインコ大王なんじゃないかな。大叔父は、インコ大王と共に自分の楽園に閉じこもることを決めた。
眞人はアオサギを説得し、社会と向き合うことを決めた。13よりその先の世界を作っていくことを決めた。
(この異世界が聖書の楽園だとしたら、キリコは蛇の側面もあるのかな…)
大叔父もけして悪役とは思えなかった。
本をたくさん読んで知識と理想の社会への願いはたくさんあったんだろう。だけど実社会で石を積むことを選ばず、自分の楽園を"理想の世界"にすることを選んだ。
大叔父は眞人を楽園に閉じ込めようなんて思ってなくて、世界へ送り出すことを心から喜び、希望を託しているように思えた。
このシーン、これが駿からのメッセージなんだろうなと思って見ていた。
自分の理想や知識や教養を大切に、でも自分の中だけでもなく、血縁でもなく、半径5mでもない、外の世界と折り合いつけて"よく生きてくれ"みたいな。
いつまでも誰かの作品や誰かに庇護される世界に留まっているなよ〜みたいな。
私たちはみんな14個目のブロックを渡されていて、この世界をよくするためにそれを投じる責任がある。そんなことを思った。
神隠しのような、蘇りのような、胎内回りのような鑑賞体験を通して自分が感じたのは「やだ〜〜思春期追体験みたい〜〜〜」という感想。
アオサギが言ったように、私たちはじきにこの感情を忘れてしまう。
成長と共に、私たちの世界への意志(理想や希望や野望)はどんどん弱まってしまう。だけどカケラぐらいはみんな持っている。
自分が忘れても、キリコ(私たちの思春期を見守っていてくれた少し上の先輩)はうっすらとその青い時代を覚えていてくれる。
この社会の暖かさと、この社会を大人として生きていく自分の責任…みたいなものを感じらせられて、鑑賞後はなんだかじんわりと涙目になってしまったのだった。
アッ…そういえばこの映画には「おわり」がなかった。たぶん。
監督から後世を生きるわたしたちに対して「社会と関わること」「命を紡ぐこと」「ものをつくること」のバトンを受け渡されてるような気がして、
この世界はおわらない、つづいてく…さぁ、君たちはどう生きるか?みたいなメッセージを感じた。(タイトルのまんまァ!!)
この映画難しいなって思ったのは、小さな感情の動きやメタファーっぽいものがバラ撒かれていて、
それらが調理されて最終的にハンバーグやらカレーになって出されるでもなく、そのまま終わるところ。
見る人は、物語のカケラを自分なりに取捨選択して、頭のなかでそれぞれのストーリーに調理しなければいけない。
それゆえ、ジブリや駿ファンはそれを彼らの社史や人生だと捉えるし、そうでない人は何か別のものに捉えるのかも。
(当然"カケラ"だけ渡されるわけなので「なんのストーリーもなかった…なにこれ?」となるのも当たり前。)
私は出産適齢期を過ぎつつある未婚女性なので、どうしてもカケラの拾い方や積み方にクセがあると思う。
でもそういう、「見る人によって様々なミスリードが生まれる=見る人の中にいろんなストーリーが生まれる作品」って本当に面白いと思うんだよね。
結局この映画が見せているのは映画ではなく、自分自身のような気がする。
私の勝手な解釈を読んでイラだった人もいるかもだけど、もしよかったら他の方が感じたストーリーも教えてほしい!
先人の皆さんたちの解説も楽しく読みました〜!!(ジブリいろいろ未視聴なのでほ〜そう読み取ると確かにおもろ〜と勉強になった…
https://anond.hatelabo.jp/20230714205336
初日に見たのでネタバレ感想。 未見の人や面白かったって人に水差すのもアレなので増田で。 以下ネタバレ (吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は未読なので、そこからの引用が...
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面白かった メタファーを読み解くこと自体を馬鹿にするような風潮もあるけど、 この映画に限っては正しい楽しみ方だと思うよ 見る人の立場や状況によって解釈が違うこと自体が面...
ハヤオ本人が飛行機を作る会社の倅でいいとこのボンボンだったんだから仕方ない
ワイは料金以上に楽しんだで😁 お前は楽しめなかった お前の「負け」やで😁 お前は一生ワイに負けたんや😁
オタクくんってつまんないこと気にしてこだわって楽しむことを忘れた可哀想な生き物だね 哀れね
ワイも見てきたけど、アレはむしろワイみたいなオタクしか楽しめない作品やと思うやで😁 最初から100%売る気0。だから元増田の「失敗作」という評価も的を得ていない。宮崎駿が作り...
怪作ってのに同意 駄作って言ってるから見る目ないなって思うわ
セオリーから外れて売れてるんやからこれもパヤオの価値よな
庵野氏に負けたくなかったんじゃない? 自分の人生アニメに自費でやったらうけちゃって趣味のビデオ撮影を俳優つかって実際に自分の仮面ライダーなんてものつくって、その一部を世...
マジでこいつみたいなレベルの低い感想とかゴミやん エンターテイメントしか評価軸ないやろこのゴミ ラピュタ一生見てバルスって言ってろよゴミ
そこまで言うなら他の評価軸でどうなのか考察はよとしか言いようがない
見たままで良いだろ 気になるならチケ代払えばいいだけだよ 批評なんていらねえよ
批評に文句つける批評なら作品の批評のようが有益。というかそうじゃないと文句つけられんやろ
「批評とかどうでもええねんカス」って姿勢で作られた作品にまで批評したがるやつにどんな批評聞かせても無駄だよ 人間性が欠如してる
作品は作者だけのものじゃないから批評したって関係ないぞ
流石に浅すぎて文句言うレベルにも達してないな 駿の生い立ちについてだったり、前Qが触れてる作品でもちょろっと復習してきたら?
はてなやばくない? このレベルの低い感想とブコメ欄の同調する偉そうなコメント
素晴らしい考察はよ
ヤバいやつみてヤバいとしか言えないのは凄いもの見てヤバいとしか言えないやつよりヤバいで さらにヤバい俺がいうんだからそれ以上にヤバいでな
パヤオも最後は客席うつしてこれは君たちの物語でもあるをやりたかったんやろなあ
https://anond.hatelabo.jp/20230714205336 何度も「父が好きな人だ」連呼するのは筋は通ってんのよ 自己中心的な主人公が僕たちはどう生きるかを読んで他人の気持ちも考えるようになり行動が変...
今作は千と千尋以上にメタファーの連続だから、メタファー込みで読み解く必要がある 例えば以下の様なメタファーがあると俺は思ってる これでもまだ一部だけど 石⇒アメリカから渡...
メタファーをどう読み解くかによって、全体の印象も変わりそう。石は「意思・意志」である、という宮崎駿渾身のオヤジギャク説を提唱したい。
欧米のロリコンの意志を継ぎたかったけど色々厳しいから商業的には辞めて趣味でやるはヨロシコてことやろ
岡田斗司夫がYoutubeで話しそうな考察やな
インコは ・人の真似ばかり ・食うことしか考えていない ・表面的なルールに囚われ本質を考えない ってことでジブリ、業界、日本社会のいずれにも解釈可能だよな
こっちの増田と解釈結構違っていて草。 君たちはどう生きるかのストーリーが理解できない人に解説する 当てずっぽうでクイズごっこしているのを「考察」「分析」と言い張るのってや...
メタファーはクイズじゃないので唯一の正解なんてないんだよ 解釈の数だけ正解があるので作者が込めた意味が正解とは限らない
プロットを考える上でメタファーが元になってるのは間違いないけど、 個々のメタファー間の整合性はとってないので 勝手に整合性取ろうとしても絶対無理が出るよ あそこはアレのメ...
監督が宮崎駿じゃなかったら酷評されてそう
遺作になるだろうからまぁ…みたいな消極的擁護多いけど、アニメって線画動画彩色背景撮影etcみたいな『画面を作る』だけでもいったい何人必要なんだろう?と思うとなんだかなあと...
事前情報一切なかったのが気に入らなくて観に行く気がしない
最初の着替えるシークエンスは「つかみ」だろ つかみとして派手で贅沢なシーンを持ってきてるわけで、その派手さいる?っていうのは指摘としては少しズレてる。 あの着替えを派手な...
ストーリーに乗れてないからダメ、とかいう判断基準を、こと映画というジャンルに、もはや適応できないよ。 スーパーマリオをどう思ったんだ。 批評家たちは、あれはストーリー...
そーね。 自分が(メタファーや物語構造、隠されているかもしれないメッセージ、どういった角度から楽しむ作品か等を)読み取れているのか?という疑問を持たない感想は、暴論に見...
ジャニ自ポシカト俳優起用でご高説も意味わからんしな 知ってたけど無視してすみませんでしたからだろ 君たちはどう生きるかとか言ってる場合か?
「私(宮崎駿)はこう生きた。君たちはどう生きる。」って映画なんだから、作劇なんてしたら「私はこう生きた」が嘘になるだろうが
なるほどねー。 一貫性もなければ無駄も多い人生だったということか。
ところどころ分かる。 特にアオサギの動機不明。 お館様に案内しろって言われたのにしないし、仲良くなるし。 お母さんも火に巻かれてからヒミになったわけじゃなかったし。 真人の...
増田に同意できない部分が多々あるので私の解釈を書いた。 ちなみに「君たちはどう生きるか」の小説は未読、過去のジブリは金ローで流し見(ハウル・ぽにょ・風立ちは映画館で観た...
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ペリカン=高畑勲 宮崎駿は高畑勲がよくパンをパクパク食べてる様子からパクさんと呼んでいた + 映画制作において理想が高すぎてスタッフを使い潰してしまうことに宮崎駿は何度とな...
この映画は宮崎駿によるブラタモリ:ジブリの元ネタ大公開スペシャルなんだと思った。 「夢と狂気の王国」の引退会見前のシーンを見たらわかる。 宮崎駿はホテルから見た都会の家の...
■意味をなさない設定の多さ 主人公が宮崎駿(親が飛行機工場経営)の少年期をモデルとしていることを表しているが、普通しらんわな 意味がない設定ではない 旧家の立派な入り口...
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後妻も一度は主人公の助けを拒否するのに、 あれ、いつの間にか救われてる。じゃああの描写いらないじゃん。 え? マジ? あれって「危ないからコッチに来るな!お前だけでも逃...
こまけぇこたぁいいだよ! 楽しめればいいの!
「君たちはどう生きるか」が完全に失敗作だった件 ここで書かれてる疑問はぜーんぶぜーんぶ「見てる側の理解力が低いから分からなかった」だよ。 ブコメじゃ説明しきれねえからこっ...
ろくに宣伝もされてないプライベートムービーを「私これ嫌い!!!」するためだけにわざわざ見に行く暇人ってパヤオが一番嫌いなタイプだから合わなくて当然なんだよな
■意味をなさない設定の多さ 釜爺と銭婆の関係ってなにか生かされた? なぜハクは冷たくなるの?なんで豚になるの? ■謎展開 冒険活劇にしたいわりにはパートナーがコロコロ変わる...
> 父親が(多分)軍用機のキャノピーを作る工場を経営してて、主人公はいいとこの子、って設定、なにかに生かされた? あれ、父親の方が今の宮崎駿なんだよ。 強権で押しつけが...