2022-03-12

3月11日 婚活してた私の心が地震とともにぶっ壊れた日

今だにこのサイトよくわかってなくて間違えてブログに書いちゃったから移動した

11年前の正月から私は婚活を始めていた

もういい歳だし、子供を産める年齢までには相手を見つけなければ死も同然という悲壮な思いだった

今になって考えると、本当はそれほど異性にも結婚にも興味が持てなかったのだが、それよりも未婚であることで社会不適合者の烙印を押されることの恐怖がはるかに勝っていた

しか出会いなんてそうそう転がっていない

今でこそマッチングアプリネット恋愛が堂々と語られているけど当時はやはり地下婚活というか、あまりに人に言えない出会い方だった

ただでさえネット出会う人は一癖二癖あって、辟易していたが背に腹はかえられぬと、しぶしぶ登録していた婚活サイトを久々に開くと、そこにウホッいい男!と思える男が表示された。

特定避けのため詳細は伏せるが男は外国人で、日本語が達者だった

何より私の目を惹いたのは、私がかなりの旅行好きでガイドブックに載ってないようなところに行くほどのマニアだったのだがその男も偶然、同じ場所に行っていた

正直、そこに行く人間なんて日本でも100人くらいなのではというほどレア場所だった

チャットの会話ではその話を中心におおいに盛り上がり、勝手運命を感じてしまった


しかし会ってみると「ないなー…」の一言だった

自分第一条件としては「会話が弾む人」だったのだが、チャットではあれほど盛り上がったのに喋りの日本語はかなり下手で何言ってるかわからなかったし、そのせいで会話が全然噛み合わなかった

ひたすら苦痛だった(向こうもそうだったかもしれないが)

しかし「何がなんでも相手を見つけないといけない、さもなくば死」とすら思っていた私は本音ねじ伏せ、彼をキーリストに入れた

おそらく向こうも私をキーリストに入れたのだろう、さほど盛り上がらなかったにも関わらずその後もやり取りは続き、ディナーや団旅行にも誘ってくれた

から、もしかしたら上手くいくのかもと勝手に思っていた



そんな中に起きた3.11

当時私は都内被災した。ビルが倒壊してくるかも知れない恐怖、帰宅できないしんどさ 思い出すと結構きついので省略する

この日は日本にとっても、自分人生にとっても転換点だった

以下、長いけど読んでもらえるとありがたい

男の母国大使館避難命令を出し、その国籍人間は某所にひとまとめにして待機させられたという

からもすぐさま「大丈夫?」というメールが来て、私も心配されていることに嬉しさをおぼえた

だが同時に男は、そこで同じ母国の女と運命出会い果たしていた

すべてが落ち着いた翌月、私はそろそろ会わない?とメールをした

すると一言


彼女いるからごめん」


は? いつの間に? ケータイを持つ手が震えた

納得いかねえ、ふざけんな

じゃあ私に連絡くれてたのは何だったの?

私のキチ◯イスイッチがそこで発動してしまった

とにかく目標年齢である32歳までに出産しておきたかった私にとって死活問題だった

なぜその男にそこまで執着したか? 

恥をしのんで言うと「これを逃したら次がない」という焦りだった

言葉も合わないし、一緒にいて楽しいわけではないが収入は平均以上で、ルックスも悪くないし家庭を築くことは可能である一方的に思っていた

要するに物件しか考えていなかったのだ

本当に恐ろしい考えだ

ただ唯一、彼の醸し出す雰囲気が何故かリラックスできて好きだったのは事実

何とでも言ってくれ 頭がおかしかった


ここからは本当に本当に恥ずかしい話で、今でも反省しているが私はその男に私がどれだけあなたを好きだったかという長文のメールを送り付け、レストランに呼び出した

まったく堂々としてるタイプストーカー

言うまでもないがそれは無意味時間だった

彼女とは出会った瞬間に惹かれあい、その日のうちに付き合ったという

彼女のことはクレイジーで、優しくて、とにかく大好きだと男は言った

そんな短期間で夢中にさせる女って何? 

私は劣等感を刺激されまくった

SNSでは男とまだ繋がっていたので、相手の女との様子が上がってくることがあった

はっきり言ってログインするたびに拷問だった

さら相手の女を見て衝撃を受けた

女は体がデカく髪がボサボサで化粧っ気がなく、骸骨のような顔をしていて笑うと歯茎が飛び出るなど、お世辞にも美人とは言えなかった 

だが恵まれた家庭で愛されて育ったようでSNSで親からコメントが付いていたり、笑顔を絶やさず、学歴欧米の超エリート大学卒業日本外資系企業で約2000万程度の年収を得ているらしかった

収入もともかく、男にみそめられるために無理して自分を押し殺し無理して男ウケするファッションや化粧をしたり、理解ある女を演じようとして失敗を重ねていた私とは正反対の女だった

しか毒親育ちでつねに不幸感しかなく、心から笑ったことなんて数えるほどしかない私とは天地の差だった

「誰かと結ばれれば幸せになれる」そう思い込んでいたのに、見せつけられたのは「もとから幸せな人同士が結ばれる」という光景だった

お前みたいな毒親育ちとは世界が違いまーす、そう言われているような錯覚に陥った

人格否定に等しかった


ともかく、ありのままでメロメロに愛されている様子のその女が大嫌いだった

しかも私は結婚相手とは休みのたびに旅行に行きたかったのだが、二人が頻繁に旅行していたのもグサリと刺さった

そして二人が交際してから3ヶ月後には結婚をほのめかすような投稿が上がってきて、1週間ほど寝込んだ

冗談みたいな話だが、それから3年ほどガチで病んで食事が喉を通らなかった

重度の鬱で寝てばかりいたが、這うようにして出勤してた

よせばいいのに、SNSで男とその女に繋がるような情報検索しては、幸せを見せつけられて落ち込むという時期が続いた

付き合ってもないのに、まるで10年つきあったラブラブ彼氏に捨てられたような感覚だった

これは失恋ではなく、自分が完膚なきまで否定された悲しみだったんだと思う

風の噂で、男は今はその女と家庭を築き子供日本で育てているらしい

良かったですね


あれから散々もがいたが、これを遥かに上回る衝撃的な出来事大事存在との突然の別れが複数回、鬱でクビになりかける等)が続き、この件が自分の中で薄らいでいった

心理的ショックから逃れようと心理学潜在意識世界に興味を持ち、大学に入り直して勉強した

大成功もしておらず相変わらずの毎日だが、あの時期よりも確実に世界観が広がったと思う


そしてアラフォーになった今も独身だが、これで良かったんだろうなと思う

婚活教に毒されていた私は明らかに頭がおかしかった

結婚できなければ社会的に死ぬと思いこんでいたか

何より、本当は非婚主義者である自分を怖くて認めることができなかったのだ

実際、ラブラブだったのに離婚した夫婦が周囲に多いし、ネットを見ても結婚しなくて良かったと思わざるを得ない話がゴロゴロ転がっている



それでもまだ、やはり結婚できない人間は欠陥人間だという教義が浮かんで苛まれる夜があったりする

  • おもしろかった わかりみがすぎた またこういうネタあれば読みたい

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