2022-01-24

友人がフェミニズムで変わったのをみて我が振り直した話

あったこ

結構から友達に、色々ちゃん自分で考えるタイプで、波長が合うし尊敬してるタイプの子がいるんだけど、その子の様子が最近ちょっと変わっていて。

何かというと、所謂能力主義正義か?』的な話(成功は本人の努力によるものではない的なやつ)と、フェミニズムにすごい傾倒してて。

こうやって、特に"フェミニズムに傾倒"って書くのは実はかなり抵抗がある。

というのは自分自身そういう考えを持ってるし、そもそもこうやって"フェミニズム"って日本語で書いた時、それが何を指すのか今はすごい曖昧になってしまってるからだと思う。

※ここでいう"フェミニズム"は、所謂揶揄されるときに使われる"行き過ぎたツイフェミ"みたいな意味ではなくて、女性人権を守ろうとする考え方や運動、つまり本来辞書的な意味フェミニズムです。

そういう"真っ当な"ものだと考えているなら、なんで"傾倒"なんて言葉を使うのかというと、そうとしか言えない状態に友人が見えたからで、それがこんな長々と文章を書いて自分の考えをまとめようとしている理由でもある。

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その友達は昔から本当によく考える人で、ともすれば面倒臭い人なんて扱いを受けることも多かったそうだが、こちらも"自分の頭で考えずに生きるなんて"、という方だったのですごくウマが合った。

ウマが合うといってもずっと一緒につるんでいたわけでなく、中学の時から接触が増えたり減ったりしながら、社会人になった今でも繋がってるといる感じ。

(ずっと友達でそういうことになったことはない)

で、最近電話で話し込む機会があったんだが、そしたらなんか友達がその、ちょっと変わっていた。

能力主義正義か?という話も、フェミニズムも、今ある当たり前を疑うという話ではあるし、それ自体自分アレルギーがないどころか、特にフェミニズムについてはかなり友達と似た意見を持っていたはずだ。

ただなんだろう、自分の頭で考えていたはずの友達の口からインターネットやそこらで聞き飽きたような話がつらつらと出てくるのには結構違和感を感じてしまった。

能力主義のあれそれやフェミニズム的な話を"聞き飽きたような話"と書くのもすごく抵抗があるが、じゃあ例えばそれが何かというと、エリートへの怨嗟結婚制度は家父長制を助長するであるとか、現状に対する特権側の無知厚顔さであるとか…。

それらの主張や感じ方自体に反対かというと、そうでないどころか自分も同じような考えを持っていさえする。

から所謂"ウワッフェミニズムの人だ!(笑)"みたいな気持ちには当然ならなかったし、途中までフンフンそうだよな的な気持ちですらいた。

のにも関わらず、だんだん違和感が大きくなっていった。だって、あまりにもその、聞いたことあるし思ったことある話だから

いやそりゃ、同じ問題について課題意識を持ってるんだから、同じことを考えるのは必然だろうというのもわかるし、それはそうだと思うんだが(例えばフェミニズムじゃなかったとしても)。

ただ、あまりにもその単語の全て、怒りの方向性結論雰囲気(としかいいようがない)などがあまり既視感のあるもので。

似たような人間が同じ本を読んで感想を熱く語っているような、そんな印象を受けた。

思ったこ

で、じゃあその何が問題なのか?というと、それでその友達ものすっっごく生きづらそうだったのと、自分にも同じ生きづらさについて思い当たるところがあったというところ。

いやさ、フェミニズムなんて女性の生きづらさに対する考えや運動なんだからそれを意識すれば大変なのは当たり前で、でもそれに無関心、無知で生きるよりよっぽど良いだろと思うし、それは別に間違ってないとも思う。

ただその"フェミニズム"的考えが本当に全部自分のものなのか、考えたほうがいいなと思った。

別に自分原体験じゃなくたって、他の人の怒りに同調することは全く悪ではないし、実際日本ジェンダー格差がやべ〜のは事実だし、それに怒ることはマジで大事だと思う。

でも、そういった考え方や感情のどこまでが本当に自分のものなのかを間違えたり、わからなくなると、なんというか現実までそれに歪められてしまって、目の前の人間現実をそのまま受け入れられなくなってしまう気がする。

"よく考える人である"はずの友達あらためて客観的に見た時に、あまりにも『能力主義正義か?』とかフェミニズム的な考え…イデオロギーを外からガッツリインストールしてしまって、それに雁字搦めになっているように見えた。

そこで改めて自分や"フェミニズム"というものを顧みてみると、やっぱりかなり思うところがあった。

今のツイッターの"フェミニズム"ってさ、まぁあくま自分観測範囲であることは先に強く言っておきたいけど、こんな感じじゃん:

・みんなが個々で色々考えて言っているように見えて、そのベースにはある程度共通イデオロギーがある(ように見える)

・そのイデオロギー別に特定有名人一人の考えではないが、複数人拡散力の強い人はいる(本の著者やSNS上のインフルエンサーなど)

・対抗勢力めいたものがいる(その雰囲気を帯びた投稿にめちゃめちゃ噛み付くユーザとか)

・程度の差はあれ、現実認識がそのイデオロギーに影響されている

これってさ…この特徴って、フェミニズムだけじゃないインターネット上の"運動"でよく見かける気がしないか

ネトウヨとか、スピリチュアルとか、陰謀論とか、そういう、「自分の頭で考えれば良いのになぁ」って感じの人達

↑の箇条書きのテーマフェミニズムからこれらに読み替えてみてほしいけど、どれでも結構当てはまると思う。

まとめ

まぁ、だからどうなのかと言われると、少し困る。

ジェンダー格差現実の切実な課題としてそこにあることも、それを自分問題に感じることも変わるわけじゃない。

ただ、少なくともインターネットで多く繰り広げられてる"フェミニズム的なもの"については、↑のような要素や部分も少なからず有るようには感じる。

人間というものがなんらかのイデオロギーを持って活動しようとすると、多かれ少なかれ似たようなことになるのかもしれないな、とも。

から、これもどこかで聞いた話だが、"その怒り(じゃなくてもいいけどなにかの強い感情、そして多くの場合は怒り)は本当にあなた自身の怒りなのか?"というところがわからなくなったら、一旦距離を置くというのも(その人自身人生にとって)良い選択肢なのではないかな、と思う。

別にインターネット上のフェミニズム自体を全く否定するわけではないし、拡散力がある以上その手の運動にとってインターネット活用は不可欠だと思う。

具体的に名前が浮かぶアカウントも、普通に応援したいというか頑張れ…とは思っている。でも、俺は一旦離れようかな、という感じ。

こんだけつらつら書いて結論弱?!って感じだが(笑)自分が信じ込んでるものについて、リアル他人挙動を見せられたのは結構衝撃だったし、それをみて自分にも思い当たるところ(振る舞いもだけどそれより特に考え方について)があったのも衝撃だったし、それを整理するのに分量が必要でした、という感じだ。

その友達も変わらず俺の大事友達なので、別にそのイデオロギーめいた部分以外は変わってないし話してて楽しいし、同じ考えを持つことを強要されだすとかしない限りは(そしてそういうことはしない人だとは思う)、仲良くしていきたいと思う…(書いてて改めて思うけどほんと陰謀論の人とかに対する感じ方だな…)。

蛇足

ちなみに自分の振る舞いや考え方で特に思い当たったのは、同性パートナー(男)への評価の仕方がなんか、毒されてるな(あえてこういう日本語を使う)と思った(し実際相手から微妙に指摘された)という感じです

こういうちょっとした違和感が重なっていた所に、ドーンと友人の挙動を見せられたのがトリガーになった感はある

蛇足にしたのは本編でしていたイデオロギー云々の話に、自分個人的な話(特に属性)を入れると話が発散しそうだなと思ったので…

男でフェミニズムモテたいの?とかよく言われるけどゲイだと結構色々思うところはある。

ただあんまりこの話をするとそもそもフェミニズム女性の権利の回復の話であって(勝手に男のものにするな)、みたいな話にもなるし、別にその話をしたいわけじゃないのであまり脱線させたくなかった

フェミニズム運動女性のためのものというのは当たり前だし普通に同意です)

あとこれも話が発散するのであまり触れなかったが、能力主義の方も結構強烈にイデオロギーインストールしてる感があった…

  • めんどいなー もうフェミニズム「中道派」とでもいっとけばぁ~ (てかもうフェミニズムて女権主義でいいんじゃね?)

  • ただなんだろう、自分の頭で考えていたはずの友達の口から、インターネットやそこらで聞き飽きたような話がつらつらと出てくるのには結構な違和感を感じてしまった。 クリエイタ...

  • フェミニスト兼オタクとか本当いっちゃ悪いんだけど 「自分の頭で考えてんのか?」ってのが多すぎる そりゃあゾーニングだけで済ませようとしてくれるフェミニストもいるけど、普通...

    • ソドミー法を推進する悪名高い議員がゲイだった、みたいな話もあるしな。

    • メジャーなフェミニズムと全然違う行動原理を見つけても、ただちに矛盾という訳ではない ツイッター広し、理論系の学会でもまだケース報告されていない珍しいフェミが見つかる場合...

      • 亀だけどそれはわかる、(フェミニストに限らないけど)フェミニストは一人一派ってのも見た事があるし フェミニスト兼オタクに対する違和感ってのは、たとえるならトランスジェン...

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