俺は教材の入ったカバンを机に置いたまま、その輪に勢いよく跳び込んだ。
「そんなに気になるニュースがあったのか?」
だけど、その勢いはすぐに止まった。
何かと思えば、くっだらねえ。
「でも、かなり騒ぎになってるよ」
どこでだよ。
せいぜい、お前らが勝手に騒いでる位だろ。
「少なくとも、子供がハシャげる話じゃないな」
面白みのない話をするくらいなら、授業の準備をしておいたマシだ。
そうして自分の席に戻ろうとした時、タオナケの強烈なワードが俺を引き戻した。
「私も普段ならそう思うけど、ここまでの騒ぎになったのは、あの“M”という人間が裏で関係しているからなのよ」
「“M”……って誰だ?」
「な、な謎の人物なんだ」
俺は“M”の存在を知ったのは、その時が初めてだ。
だけど「謎の存在が裏で関係している」なんてシチュエーションを聞かされたら、さすがに澄ました顔じゃいられない。
「“M”はね。ネットで色んなことを告白をしている有名人なんだよ」
「え、“M”はすごいんだ。ひひ、一言呟くだけで、関係するものは大なり小なり影響を受ける」
「つまり、そいつが『ラボハテ』について喋った結果、ニュースになるほどの出来事になったのか」
すごい力を持っているんだな。
「私、詳しくないけど、いわゆる“インフルエンサー”ってやつね」
「インフルエンザ?」
“M”は人じゃないのか。
「“インフルエンザ”じゃなくて、“インフルエンサー”だよ。世間に大きな影響力を与える人のことをそう言うの」
なんだ、ウィルスじゃないのか。
ややこしい名前つけやがって。
「で、その“インフルエンザ”は……」
「……“インフルエンザー”は」
「混ざってる、混ざってる」
ミミセンがいちいち訂正してくる。
「……で、そのインフルエンサーは」
この時に話の腰を折られたことで、俺の“M”に対する知的好奇心はより強くなってしまう。
ああ、気になる。
何者なんだ、“M”って。
どこで生まれて、どこに住んでいるんだ。
年齢はいくつで、経歴はどんなだ。
性別は男か女か、それともどっちでもないのか、はたまた両方か?
算数の授業中、俺はそんなことばかり考えていた。
自ずと答えの分かる数字の計算よりも、いくら考えても分からない“M”が気になってしょうがない。
みんなおはよー
この増田の言ってることはわからんが、経済の勉強するとどの記事も本にもデフレは悪だとある。まともそうな経済学者もそう書いてる。しかし現実を見ると、ジャップは特殊すぎて経済学通りに動いていないように思える。日本人は論理的思考が苦手という記事があったけど、本当に合理的に動かない。デフレだと安くなるのを待って金を使わなくなると言うが、ジャップは安い安いと喜んで金を使う。インフレだと逆に使わなくなる。消費者が合理的に動かないこの国ではやはり物価は安く抑えて、消費税も下げた方が良いんではないか。