はてなキーワード: マイル修行とは
同じくアメリカでソフトウェアエンジニアをしている自分がアドバイスしてみる(が、ブコメにも書かれた内容とかぶるところが多々ある)。
勝手に元増田の情報を整理&推測してみると、以下のようになりそうだ。
・RSU:不明 (書き方的に年収には含んでいないように見える)
普通はRSUを年収に含むのが一般的なのだが、元増田はRSUは全額貯金主義なのだろうか。自分が20万ドルほど稼いでいたとき(独身)の内訳は、
・RSU:6万ドル
(しかしちょっとした違和感なのだが、元増田はアメリカに来てからそんなに経っていないのだろうか?RSUを年収に含まないところや、クレジットカードに疎そうなところが少し気になった)
このときにはプレミアムエコノミーさえ高いと思っていたし、自分よりも倹約家であることが想像できる元増田は(東京-NY往復9万円はすごい…直行ではなく経由便?)、よりそう思うことは想像に難くないが、それでもビジネスクラスに乗る敷居を下げるためのテクニックを自分の知る範囲で書いてみる。
当たり前のようなアドバイスだが、出張や帰省時の利用航空会社は最低限同じアライアンスで揃えておくべき。ANAならスターアライアンス加盟会社(United)、JALならワンワールド加盟会社(American)だ。ちなみに自分は日本の航空会社(ANA)で貯めているので、残念ながらアメリカの航空会社のマイレージプログラムには詳しくない。なので、以下は日系の航空会社で貯める前提の話になるが、元増田が日系航空会社のビジネスクラスで帰省したいと思うのなら実際これが近道だろう。
アメリカ国内線では目的地によって使いやすい航空会社は変わってしまうが、大陸横断便を利用するときにもできるだけ揃えた方が貯めやすいだろう。AmericanならJFKに、UnitedならEWRにハブがあるし、ニューヨークから西海岸に飛ぶ便はスターアライアンスでもワンワールドでも潤沢にありそうだ。
マイルの使用方法だが、元増田が書いている通り、ビジネスクラス往復航空券は(コスパは良いとはいえ)マイルを大量に使うので、自分は基本的に後述するアップグレードの時のみ使っている。
せっかく会社でビジネスクラス乗せてくれたりするのなら、ステータスをゲットしてしまおう。ただし毎年ステータスをゲットできるほどの出張頻度ではないなら、持っているだけでステータスを維持することができるクレジットカードを作るといい。ステータスを持ってもビジネスクラスに乗れるわけではないが、ラウンジを使えたりよりマイルがつきやすくなったりするので、持っていて損はない。
元増田もご存知かもしれないが、”マイル修行”と俗に呼ばれる、ステータスをゲットするために航空機を利用しまくる行動は、実は”マイル”をゲットするためではなく、プレミアムポイント(ANA)/FLY ONポイント(JAL)をゲットするために行う。このポイントとマイルのつき方はやや違うので注意されたい。これらのポイントを5万マイルまで貯めて、ANAではプラチナ、JALではサファイアまで達成した上でクレジットカード(ANAならSFC、JALならJGC)を作ろう。
このポイントの仕組み上、アメリカ在住組は比較的不利になってしまう。国内線や日本からのアジア路線をたくさん乗る方が簡単に達成できてしまうからだ。でもビジネスを東京NY間で乗れたりするなら達成までのハードルは低いだろう。
3.プレミアムエコノミーのチケットを買ってアップグレードしよう
ご存知かもしれないが、アップグレード可能なエコノミーのチケットというのは意外と高い。東京NY間だと、エコノミー最安値16万くらいの時、アップグレード可能なエコノミーは32万ほどになる。もらえるマイル数が倍になるとは言え、得られるサービスが全く一緒なのに、アップグレード可能というだけで倍の値段を払うのは難しいだろう。しかしこのチケットに2ー3万ほどのせるとプレミアムエコノミーに乗れる。エコノミーに比べてプレミアムエコノミーが2倍強の価値があるかどうかは微妙なところではあるが、シートピッチも広いしレッグレストもあるし、食事やドリンクもそれぞれグレードアップされているのでロングフライトではその恩恵を十分に受けられるだろう。プレミアムエコノミークラスは必ずアップグレード可能なチケットなので、アップグレードに28000マイル(ANA)/30000マイル(JAL)を使えば片道ビジネスを楽しむことができ、さらにマイルも100%換算で稼げる。ちなみにANAだとアップグレードポイントという、アップグレードのみに使えるポイントが上級会員には付与されるので、これを使えばマイルを消費せずにアップグレードが可能になる。
元増田がいう”心の余裕”は”ビジネスクラスを個人のお金で買える余裕”であるようだが、とりあえず”プレミアムエコノミーを買える余裕”程度から目指してみるのが良い気がした。
ここまではマイルを飛ぶことで貯める、マイルの消費を抑えてビジネスクラスに乗る敷居を下げる方法について書いてきた。そうではなく、元増田が軽く触れているようにクレジットカードでもマイルを稼ぐことができる。
元増田は”100円に対して1マイル”と書いていたが、実はアメリカではカード/工夫次第でもう少し還元率を上げることができる。以下はANAのマイルの話になるが、AmexのポイントからANAのマイルには1:1で交換できるので、Amexのカードを作ると効率よくANAマイルを貯めることができる。具体的には以下のようなカードが候補になるだろう。
よく飛行機乗るなら100ドル分のエアラインクレジットは簡単に回収できてしまうので、実質150ドルの年会費となるだろう。3500ドルの航空券には1万マイル以上つくし、年間の外食費はNYなら5000ドル(2万マイル)は行くのではと思われるので余裕で年会費分も回収できてしまいそうだ。
Amex EveryDay Preferred
このカードの良いところは、とりあえず毎日切っていれば服やらAmazonで頼む家電やらの全ての買い物のポイントが50%増になるところだ。レストランや旅費に対してポイントを増すカードは沢山あるので、すでにそういうカードを持っていて手放したくないならこちらのカードの方が良いかもしれない。
これらのカードを使えば10万マイル貯めるのは実質4-5万ドルくらいの持ち出しで抑えられるのではないだろうか。ちなみにもしアメリカ来てからそう経っていないのであればクレジットヒストリーがないので、これらのクレジットカードを作るまで渡米後一年ほど待つ必要があるかもしれない。大抵JAL USAカードかANAカードUSAか何かを使ってヒストリーをためることが一般的だが、これらは上記のようなカードを持ったら基本的には使わない方が良い。
(JALのマイルをアメリカのクレジットカードで効率よくためる方法は知らないので誰か教えてください)
5.インカムが増えるまで待つ
…というのは元も子もないかもしれない話だが、NYでソフトウェアエンジニアをやっているのであれば、もう少し上が狙えるのではないだろうか。というかそもそもRSUのvesting scheduleが4年程度なのだとすれば、3-4年RSU refreshを貰いながら暮らせば(当然株価にもよるが)RSU分だけで8万ドルくらいは余裕で行きそうなので、年収は30万ドルくらい、今の出費ペースなら貯金も年10万ドルくらいは問題なく行くだろう。ベースだけで18-20万ドル程度行ってるのであれば、シニアエンジニアクラスだと思われるので、そろそろ家族ができたりしてそんなに自由に使えなくなるのかもしれないが。順調にキャリアが育てば(RSU含んでの)年収30-40万ドルは(少なくともBay Area/NYでは)一般的と思われるので、それくらいを独身(または夫婦それぞれ)稼げばプレエコへの出費くらいは高くないであろう。エコノミーに乗りながら心の余裕がないとポエティックに嘆く元増田にとっては特に。
ちなみにシリコンバレーの給与の話は以下の記事を参考にしたが、levels.fyiを見る限りNYもシリコンバレーもそう給与水準は変わらないだろう:
https://medium.com/@sakamoto.kazuki/2018-01-demystify-compensation-489fd16b40c5
https://www.levels.fyi/salary/Google/
まあ在米日本人にとって、これくらいの情報はよく出回っている話なので、すでに知っている話だったかもしれないが、知っている範囲の情報をまとめてみた。ちなみに自分は日本人の中でも小柄な方なので幸いエコノミークラスでもそこまでシートピッチに苦しむことはないが、プレミアムエコノミーで席を倒してレッグレストで足を浮かせるとまあまあ気持ちよく寝られることを発見して以来、やめられなくなってしまった。せっかく稼いでいるし、これくらいの贅沢は許されるだろう、と思いながらほぼ毎回乗っている。