「何をインプットとするか」も確かに重要だが、「学んだふりをしているかどうか」なんてことは確かめようがない。
したがって「技術者(実際に技術を仕事としている人)」はお前よりも常に上だし、ただのブロガーは常に技術者以下だし、属性を一切公開していない人はそのブロガー以下。
お前の人生それでいいのか……?
何で信者じゃない前提で考えないの?
26歳だった去年の3月ごろの昼間、青天を衝けのまとめ回をたまたまテレビで見た。ハマった。感銘を受けた。泣きそうになった。留年し就活もせずに大学を卒業して以来親から小銭をもらってブラブラしていた自分を強く恥じた。すぐにその夜に放送される最新話をスマホのリマインダーに入れ、自宅から二駅のオフィス街で募集をしていたコールセンターに応募。すぐに電話がかかってきて面接の日程が決まる。その夜は母の作った夕食を自室で食べながら視聴した。
面接へ。応募理由と勤務日数のみ聞かれ、平日5日フルで入れると言ったところ即採用された。面接から3日後に勤務を開始。慣れない早起き、質問するたびに睨みつけてくる不潔な社員、受話器の向こうで理不尽な爺さんや執拗に本名を聞き出そうとするおばさんに早々に心が折れそうになるも、藍作りに励む栄一青年を思い出し踏みとどまった。
二ヶ月ほど勤務する中でこの仕事に主に人間関係の面で嫌気が差す。社員もバイトも目が死んでいた。栄一が故郷を立ち一橋家に仕え始めたタイミングで別の仕事を探し始める。やりたいことはなかったが、大学時代に宅建の勉強をしかけたことを思い出し、手始めに資格を取ることを決意。その年の秋の合格を目指して格安の映像授業とテキストのある講座を受講。家だと怠けるのでバイト終わりと休日は近所の祖父母の家で勉強。権利関係や税で挫けそうになるも、映像をさっさと終わらせてひたすら問題を解く。
10月に宅建を受験。受かったような落ちたような微妙な気持ちになる。翌日月曜のバイトはあらかじめ休みをとって一日寝た。11月、発表直前の放送で千代が倒れて暗い気持ちになるも、無事合格していた。バイトをしながら不動産業界で転職?就職?活動を開始。年末には晩年の栄一と孫からエールを貰いつつ、年明けに関東郊外を拠点とするハウスメーカーに採用される。これを機会に人生初めての一人暮らし(埼玉だけど)。現在に至る。
試験勉強、就職、一人暮らし、営業活動、休日に職場の人たちとの外出など昔の自分なら考えられなかった。ただのニートがただのサラリーマンになっただけなのだが、俺にとっては大きな進歩なんだ。渋沢栄一氏とNHKには感謝してもしきれない。ありがとうございます。
青天を衝け!
気温が下がりエアコンなしでも快適に過ごせる朝夕の時間帯に、近所から男性の裏声で会話する声が聞こえてくる
夏の暑い盛りや冬の凍えるような日には窓ガラスによって遮断されていた声が、この時期の心地よい風を入れてくれる網戸を通り抜けて聞こえるのだろう
まるで男性が考える女性のような上目遣いな声と内容と抑揚は、女性になりたい男性、過去の表現でいうところの「オカマ」な風合いを醸していて、聞き苦しい上に率直に気持ちが悪い
誰かと会話をしているような内容なのだが、聞こえてくるのは近所付き合いを拒絶するアラフォー男性が一人で暮らす部屋からで、彼の風体を知っていることもあり、気色の悪さに拍車がかかる
もしかすると何かしらの配信サービスで生配信をしているのかもしれない
そうなると、ボイチェンなどで声を加工していたりするのだろう
そして、正体を知らない画面越しの誰かは、声や会話と画面に表示されるイラストなどから可愛らしい女性を想像し、少なくない金銭を投じているかもしれない
と、書いている時に「今日はもう眠くなっちゃったぁー!次はまた火曜日か水曜日かなぁ?それじゃあみんなバイバーイ!」という裏声が聞こえ、代わりに秋の虫の声が響き始めた
姿形を想像力で補って、都合のよい偶像を生み出して、月曜日の仕事への活力へしている人もいるだろうが、ひどく手荒い詐欺を見ているようで、さらに嫌悪感が募る日々だ