間男をやって6年になる。
途中、複数の女性の間男になったこともあったが、結局は最初の彼女のもとに落ち着いた。
まぁ、俺はあくまでも独身の間男なので、厳密には「不倫のメリット」を大げさに語れる立場ではないのだが、「間男を6年やってわかったこと」よりも「不倫のメリット」の方がいいかなぁと思ったのでこのようなタイトルにした。当然ながら非常に下世話な話になるので、注意してくれ。間男はいいぞ。
不倫と聞くと大体の人は即座に「死ぬべきだ」と思うだろう。しかし、実際の所不倫をしている人はどう思って不倫をしているのか、あまり聞いたことは無いんじゃないか。人は悪いことをしようとは思わないもんだ。本人にとって何かしらのメリットがあるからこそ(無意識だろうとも)不倫を行うというものだろう。「死ね屑」と叫びたい気持ちをぐっとこらえて、ちょっと耳を傾けてみてほしい。や、まぁ、叫んでもいいけど。
まず大前提として、不倫は他者に知られてはいけない恋の形態だ。女性の場合は親友なんかに話しちゃう場合もあるけどな。しかし不倫関係を長く深く続けたい場合は、誰にも話さないほうが良い。なぜなら、不倫というのはほぼ唯一と言っていい「一対一の恋愛」だからだ。この「一対一の恋愛」こそが不倫の絶大なメリットなので、親友に話してしまうとその関係が崩れる。他人に話すくらいなら、不倫はしないほうがいい。不倫をする意味がない。誰かにバレて内容証明郵便が届くその日まで一人の相手と添い遂げること。これが真の不倫であり、「不倫に悩むアタクシ」を演出する青二才は不倫の醍醐味を知らない。
これは男女の関係に限らずだが、一対一で向き合える関係というのは実に少ない。普通の彼女なら、仲が深まるに連れて両家の親に紹介しあったり、学校で噂になったり、親友からのアドバイスがあったりする。婚約、結婚となれば家族を超えて親戚との関係まで広がる。子供が生まれると更に多くの関係が増える。こういった関係の拡散はもちろん素晴らしいものだが、一方で関係が拡散するに連れて一つの関係性は薄く引き伸ばされていく。そう感じる人が増えてくる。
「不倫に走るバカ女」の典型例としてあちこちで見聞きする「旦那がかまってくれなかったから」「寂しくて」「自分の存在を誰かに認めてもらいたかったから」というような女性の「言い訳」は、この関係の拡散に疲れ「一対一の関係を欲した」ことの言い換えだ。これらの発言は簡単に一蹴してしまえるものではない。と思うぞ。
不倫というのは、拡散して薄まり続ける関係性から目をそらし、ひとつの濃厚な関係を欲する普遍的な感情が根っこにあるものだ。子供がいるのに不倫をする女性の中には、「○○ちゃんのお母さん」でいることに弱っていった結果という場合も多いだろう。その弱った気持ちをモラルでなんとかしろと言われても、実践できる人はそう多くない。揺るぎないモラルなんてものが万人にあるならサービス残業もブラック企業も存在しない。誰でもうつ病になる可能性があるように、誰にでも不倫をする可能性はあるということだ。うつ病よりも確率は相当高いと思うぞ。一夜限りのものも含めると。
また、不倫はお互いの関係性において面倒なことをすべてアウトソーシングできるというメリットもある。不倫相手はいつも小奇麗な身なりをしてくれている。デートの最中も気を使ってくれる。楽しませてくれる。私だけのために。生活臭のすることは言わないし、冷蔵庫の中の配置を勝手に変えたりしないしオナラもしない。自分だけを見てくれる。愛してくれる。恋愛初期のあの情熱が持続する。そうなると、オーガニック的に言う「情熱を秘めた肉体…」ということになるわけで、お子さんや旦那には大変申し訳無いことが日々ベッドで繰り広げられることになる。
反面、面倒なこと"だけ"を押し付けられる旦那は溜まったものではないな。すべてのライトサイドは間男に持って行かれ、自身にはダークサイドしか向けられない。愛も情も冷め切っていく。薄く伸ばされた希薄な関係だけが彼女と旦那を繋ぐのみだ。誠にお気の毒だが。高額な調査料を払って疑心を確信に変えた挙句、得られるのはいくばくかの金と広い部屋、そして女性不信というわけだ。
ちなみに、「不倫中の男女は芸能人の不倫報道をどう思っているか?」だけど、これは単純に「意識しない」で終わると思う。ベッキーの報道を見ても特に何も感じない。それどころか、ベッキーを非難する側に立つこともある。不倫を叩く人の中にも不倫真っ最中の人が結構いるものだ。後ろめたさから叩くのではなく、あくまでも他人事として叩いている。不倫をしていなかった時のように。不倫の話を振られても顔色なんて変わらない人のほうが多いだろう。「不倫野郎はこうあるべき」みたいなものは幻想だ。多くのことと同じく。ベッキーの「センテンススプリング!」の時の気持ちも結構わかる。寝取られ系のエロゲーをやって「なんで主人公はきっちり復讐しねえんだよ!破滅まで追い込めよ!そこまでやらないと片手落ちだろうが!」とか普通に思うよ。
とまぁ、よくも間男風情がペラペラと語るものだと思われているだろうが、実際の所、既婚者諸氏には気をつけてほしい。
配偶者あるいはパートナーと、どれだけ一対一の関係を意識しているか?しようとしているか?
もし少しでも不安に思ったとしたら、この日記を二人で読んでみてほしい。で、話し合ってみてほしい。すでに不倫をしているかもしれんが。その時は「あるある」と思っているかもな。顔色には出さないだろうが。
何にせよ、「一対一の関係」を改めて意識し、繋ぎ直すことは大事だ。上手く行くことを願っているよ。
それと、モテない人は間男になるのもいいぞ。結構いるだろ、「恋愛現役女子相手だとガチガチに緊張するけど、人妻相手なら緊張しない」って人。そういう人は「一対一の関係」に取り組んでもいいと思う。結構上手く行く。がっついちゃダメだが。俺も童貞卒業は既婚女性だからな。変に見栄をはる必要も無いし、恋愛経験のなさが逆に魅力になったりもする。まぁ、最悪刺されるリスクを負う行為なので手放しにおすすめはできないが。刺されるのだけは注意しろよな。心配してるぞ。誠意を持って付き合うようにな。
で、この日記を見て気分を害した人は、そのエネルギーを持ってきちんとパートナーとの関係に注力してくれ。じゃないと、俺が(あるいは他の俺が)寝取るぞ。いや正確には寝取るんでなく、正面突破でお前のパートナーの愛を奪うぞ。エロ漫画じゃないんだから、チンポに勝てなかったとかそういうのは無いぞ。年齢も容姿も性格も無関係だからな。注意するんだぞ。頼むぞ。しっかりやれよ。「うちの妻に限って」ってことがないのが恐ろしいところだからな。大丈夫か。それはもう凄いことをやるからな?やっているからな?今そこにいるお前の、その椅子の上で、ベッドで、な?よくある「最近急に妻の態度が」なんてことはあんまりないからな?そもそもそこに気づかないからこその事態だぞ。もう一度よく見て見るんだ。彼女、おかしいところはないか?ないな?それが怖いんだからな?運動と瞑想は今回はあんまり関係ないぞ。大脳が壊れた人間なんてまずいないぞ。だからこそ恐ろしいんだからな。
すげぇどうでもいいんだけど、俺は「○○はいいぞ」を「学校であった怖い話」の新堂さんの「スポーツはいいぞ」を念頭において使ってるんだけど、最近はガルパンと思われてしまう。非常に生きにくい世の中だ。なんとかならないか。無理か。
追記:
「メリットというのはデメリットと比較するものだろ?デメリットを語れない立場の奴がなにを言っても現時点での主観止まり」「たまたま修羅場がなかっただけだろう」というブコメがあったが、デメリットは誰もが承知だろ?デメリットやリスク、修羅場が誰にでも知られていることと対照的に、メリットは知られていないから書いたんだよ。知られていないというかまぁ、言う奴が少ないということだな。そしてこの日記は、「不倫してる奴がどういう主観を持っているか」を書いたものだ。客観的な不倫話なんてそこら中に溢れているからな。