2020-12-26

私が男の娘が嫌いな7の理由

 男の娘おとこのこ、おとこのむすめ)とは、肉体的な性別男性でありながら女性しか見えない容姿を持つ人物を指す言葉である

 漫画アニメゲームといったサブカルチャーに触れている人であれば、一人か二人は該当するキャラクターが思いつくであろう程度にはよく知られている存在である。言い換えれば、一定需要のあるジャンルなのだ

 だが私は、この男の娘というジャンルが嫌いだ。

 地雷と言っても差し支えない程に苦手である

 不満が溜まりに溜まってしまったので、今回は「私が男の娘を苦手な10の理由」をここに吐き捨てていく。

 先に言っておくと、私の肉体的な性別は男で、性自認は男、恋愛性的関心の対象女性である

 いわゆるシスヘテロである

 それを前提とした上で読んでいただきたい。

 

 

(1)一見して判別が難しい

 

 冒頭で挙げた通り、男の娘女性しか見えない容姿をしている。

 

 これがもうとにもかくにも厄介である

 

女の子だと思って作品を観賞し始めたら、実は男だった」

 というのは男の娘が登場する作品では日常茶飯である。私も何回かやられた。

 

 女の子恋愛性的関心の対象にしている人間からしてみれば、男の娘詐欺や罠としか思えない。この悪質さがよく分からない人は性別を逆にした「男の娘に見せかけた女の子」をイメージして欲しい。本質的にはそれと同じだ。

 

 一番悲惨なのは男の娘キャラクター女性だと思い込み女性キャラクターとして性愛対象にした後に判明するパターン。強烈なトラウマになるほか、一部の猛者はそれが原因で“目覚める”らしい。

 

 風の噂では、同人作家とあるキャラクター同人女の子であること前提で作っていたら、後に男の娘であることが判明し、ちんちんを描き足す作業必要になったとか。

 

 今日も「男じゃねえか!」という悲鳴インターネットの海に反響する。

   

 

(2)幅広いジャンル作品にいるので回避が困難

 

 これは男の娘メジャーになったが故の(私にとっての)悲劇と言える。

 女児向けアニメにすらいる。ポケモンにすらいる。深夜アニメにも当然のようにいる。

 というか草分け的存在の一人、「男の桜ちゃんが好きなんや」でおなじみの有栖川桜はコロコロコミック連載『バーコードファイター出身だったりする。

 もはや「この作品なら男の娘は出ないやろwwww」みたいなのは通用しない。震えて眠れ。

 

 

(3)本物の女の子よりも女の子らしいという風潮

 男の娘女性しか見えない容姿を持っていることは再三述べた通りだが、彼らは性格や振る舞い、言葉遣いも女性であることが多い。理由は様々であり、「女性的な外見がコンプレックスであり、それを指摘されないよう最初から女性のように振る舞う」「女性として育てられた」「性自認女性」といったものがある。

 

 その結果、同じ作品に登場する他の女性キャラクターボーイッシュだったりお転婆だったりすると、女性的な振る舞いをする男の娘がより女性的ではという風潮が出来上がってしまう。

 

 そこまではまあネタとして許せる範疇なのだが、それが発展して「ヒロインよりも可愛い!」「こいつが真のヒロイン」とか言われてるのを見ると他のヒロイン推している人からしてみれば腹が立つ。

 

 こんな記事を書いている私にこれを言う資格はないかもしれないが、何かを褒めるときに何かを貶める手法は多大なヘイトを買うのでやめた方がよいだろう。

   

 

(4)本物の女の子よりも理想的女の子であるという風潮

 上と近いことを言っているが、微妙ニュアンスが違うので分けた。

 

 性別の違いがある以上、男性目線で言えば、女性には怖いものであるとも言える。 

 それを考えると、女性の見た目をした男性である男の娘は、「女の面倒くさい部分が嫌な人向け女の子」と言えなくもない。ヴィーガン大豆で作った肉を食べるように。

 

 だが、それを理由に本物の女の子否定して欲しくはない。何かを褒めるときに何かを貶める手法は(以下略)。

 

 

(5)男の娘が受け入れられないことによる劣等感

 男の娘が登場する作品において、以下のようなシチュエーションを見たことはないだろうか。

 

 男性主人公男の娘ヒロインが仲良くなり、ついに恋愛にまで発展する。

 だが、男の娘自分が男であることに負い目を感じており、このように尋ねる。

「私(僕)は男なのに、それでもいいの?」

 男性主人公は広い心でこれを受け止め、男の娘と結ばれるだった。

 

 私はこのようなシチュエーションを見ると、「いや、女の子じゃないと無理でーす! なぜなら私は女の子が好きだからでーす!」とか考えてしまう。

 男の娘を受け入れることのできる主人公と、受け入れられない私。

 完全に被害妄想なのだが、「お前は俺と違って、男の娘を受け入れられない差別主義者だ」とマウントを取られているような感覚一方的に陥ってしまう。

 

 最近ではポリコレ圧力があるので、それと男の娘悪魔合体して本物の女の子が好きな我々が攻撃されるのではと、内心ビクビクしている。

 

 

(6)男を辞めたい人間の苦しみが分かるから

 一口男の娘と言っても様々なタイプ男の娘存在する。

 ただ顔が女っぽいだけのタイプ趣味女装しているタイプ女の子として育てられたタイプ。 

 その中でも私が特に苦手なのは、男である自分が嫌で本気で女の子になりたいと思っているタイプ男の娘である

 

 男はつらい。

 

 いや、女の人にもつらい部分があるのも分かっている。生理があれば体調はしっちゃかめっちゃかになるし、性犯罪に遭遇する危険性もある。

 

 だが私は男なので、どちらかと言えば男のつらさに共感してしまうのだ。どうしても。

 強くあれという圧力。女の人と比べて性的価値が低いことによる、支援や同情を得ることの難しさ及びそれによる孤独・将来への不安。異性から性的承認を得られないことによる悔しさ。自分の肉体や性欲を汚らわしいと感じてしま自己嫌悪。それら全てに心当たりがある。

 最近オタクが「美少女になりたい」と語っているのをしばしば見かけるが、これは男であることのつらさが関係していると思える。

 

 私は男でありながら女性らしくあるタイプ男の娘が持つ「男である苦しさ」がなんとなく分かってしまうので、見ていてつらいのだ。「生物学的メスに成り損なった落伍者」「性別ガチャの敗者」といった悪口を吐き捨てては、それがブーメランになって返ってくる。創作物世界ぐらい、正真正銘女の子を見て癒されたい。

 

 

(7)荒れやす

 男の娘というジャンル殺伐としている。

 その理由の一つは男の娘という属性が、他の属性混同されやすいからだろう。

 具体例としては女装男子というものがある。これは単に女装している男を指すので、一目で男と分かる場合でも含まれる。つまり男の娘女装男子は異なる定義を持つのだ。混同すれば、愛好家からバッシングを受けることだろう。

 他にも、美少年ショタ・TS娘・ふたなりといったもの男の娘をごっちゃにした言動を取れば、炎上すること間違いなし。

  

 このように定義付けで荒れる男の娘界隈には「怖い」という印象があるのだ。

 

 長々と男の娘が苦手な理由を語ってきたが、これをもって男の娘を滅ぼそうとは思わない。

 こんなにも広まってしまった以上、男の娘蛇蝎のごとく憎んでいる私の方が時代に取り残された淘汰されるべき存在なのだろう……そう考えているからだ。

 私は世界から隔絶された洞窟に潜み、生物学的に女性であることが保証された女の子だけを愛好し続けることにする。

 

 余談だが、私は「男である可能性が低い」という理由巨乳女性キャラが好きだ。

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