枝野サンの質疑も紛糾しておりますが、午前中の山尾さんの質疑から。
あ、最初の政府参考人招致のところは、割とどうでも言い話ですが、衆議院規則で、答弁は基本的に、総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官がすることになっているので、政府参考人は「細目的または、技術的事項について審査または、調査を行う場合において、必要があると認めるときは、政府参考人の出頭を求め、その説明を聴く」存在でしかないので、質疑を行う議員が要請しない場合、普通出てこないんですが、金田大臣に答弁させるとやばいというのは与党側でも認識されているので、委員会で与党側が必要だとしたのならば、まぁ過去にほとんど例はないだろうけれども、それほど大きな問題ではないと思いますよ。ただし、細目的、技術的事項でない、基本的事項で、質疑者が政務三役を指名しているのに、委員長が参考人に答弁させるのは衆議院規則に反しているといわれても仕方ないと思いますけどね。
4/19 法務委員会
今日の山尾議員は「なぜ第一次安倍政権ではやらなかったのか」から入ってるわけですが、これは、安倍さんが「民主党時代にできなかった」と言ってるからと、その後のブレの話につなげるためにやってるんだろうけど、クリティカルじゃないので、正直時間の無駄に感じましたね。まともに答えるわけもないのに。
山尾「・・・テロ対策のために絶対共謀罪が必要だと、第一次安倍政権のときからずっと持っていて、ぶれない方針の下にマジメにテロ対策を考えていたら、発言にこれだけのブレは生じないと私は思うからです。」
山尾「たとえばぱらぱら発言というのがありますね。たとえば、1月26日の予算委員会で、安倍総理はこうおっしゃいました。一言一句申し上げますね。私とのやりとりです。
安倍”前の共謀罪との違いにおいては、共謀罪というのは、まさにここで、たとえば、そんな組織的なものでなくても、ぱらぱら集まって、今度やってやろうぜ、と話をしただけで、これはもう罪になるわけでありますが”、こういう風におっしゃっています。
一方で。先日の決算行政監視委員会。わが党の階委員に対する答弁で、安倍"かつて政府が提出した共謀罪においても、不当に処罰範囲が広がる危険性があったとは考えていない"。どちらが正しいんですか。組織的でなくてもぱらぱら集まって、今度やってやろうぜと、話をするだけで罪になる。これはもう不当に処罰範囲を広げている以外の何物でもないと思うんですが、どちらが正しいんですか」
安倍「まぁまさに、今、あ、山尾委員がですね、言われた点、がですね、ま、今回、の、我々がテロ等準備罪を提出をさせていただいた、その中で、えー、この、えー277ですか、に、限ってきた。明示的に限ってきた、点と大きな違い、であると、このように思うわけでー、ござます。えー私が、最初に予算委員会で、答弁をさせて、いただいた、のは、ですね、まさに、当時ですね、我々は解釈によって、いわば、この、組織的犯罪集団というオプションをとって、はいた、わけで、ごぜますが、いわば明確に、それをですね、罪を限ってはいなかったわけでござます。そのことを、明確、明示的に書いてはいなかった、のでござまして、あの、そういう、今、私、私の発言を引用していただいた、ようなですね、そういう印象を与えたのは、事実でござます。そういう中においてですね、今回は、まさに、我々が、階議員とのやりとりで、申し上げさせていただいた、ようにですね、今回は組織的犯罪集団、組織的犯罪集団にですね、ということにですね、を、明確にさせていただき、明確にする中においてですね、えーこの、犯罪の、対象を、絞る、絞ったと、明確に絞ったと、こういうことでございます、前回のとき、前回においてはですね、これはオプションとしてとっているわけでごぜますから、結果として捜査の対象にする、適用する範囲は、実態としては絞られていた、ということに関しては、同じ、ということになるわけでございますが、あーしかしですね、えーしかし、ちょっと静かにしていただきたいと思います(山尾”そっちのほうがうるさい”)、よろしいでしょうか、よろしいですか、えーそこでですね、えーいわばしぼらさせていただいた、実際は、実際は、絞られるわけでございますが、これを、その中に、その中にですね、その中において、これを実際に絞っていくという発想を、いわば明示的に絞っていく、えー、というこの、発想には、いたらなかったわけであります。えー、実態としてはですね、捜査の適用、捜査対象としての、適用、範囲は狭まって、今回と同程度、に絞る、ということになるわけでございますが、今回の違いにおいては、まさにそれを明確にさせていただいた、とこういうことでありまして、国民のそうした不安を払拭することにもなったのではないかと、こう考えている次第でございます。」(意訳したらあってるかわからんから書き起こしたよ。)
意訳「前回は解釈で、組織的犯罪集団というオプションをとっていたものを、今回は明示的に組織的犯罪集団を規定しただけだから、実質的な捜査範囲は今回と同程度になっていたわけで、明示的にしたことで、国民の不安は払拭できたと考える」
という感じでしょうか。意味に自信はないけど、こういう答弁ならまったくかみ合ってないし、自分の言ったこととも矛盾してるけどね。前回と今回で、実質的な捜査範囲は同程度とするならば、今回の法案でもぱらぱらと集まって「今度やってやろうぜ」と言ったら罪になるということは、捜査当局が組織的犯罪集団か否かを判断する以上、「はい、公務執行妨害ね」というような感じで「はい、組織的犯罪集団ね」といえばいいだけなので、同じく罪になるっていってるわけよ。
一応書いとくとこれは山尾さんの質問の筋が悪い。「一変したら対象になる」が正しいよ。省略するけど、
山尾さんが、「前回はぱらぱら集まって、共謀しただけで罪だったけど、今回はそもそも犯罪を起こすことを目的としていなければなりません」と安倍さんが言ったことと、オウム真理教が「当初は宗教法人として活動していたが、テロ集団に一変した、一変したから捜査の対象となる」といったことのどちらが正しいか、と聞いたら、安倍さんが
「辞書で調べたら、そもそもは、最初からという理解だけでなく、基本的にという意味もある、山尾委員は知らなかったかもしれないが、これは常識だよ。」みたいな感じで、ニヤニヤしながら答弁した後に、「犯罪を目的とした集団であるか、ないか」が問題だ、いってます。これはそのとおりで、仁比議員や階議員や山尾さん自身がつめたように、これを判断するのは捜査当局で、「犯罪の合意がある」と疎明されれば捜査対象になる、ということが問題なんだからさ。そもそもが、基本的に、という意味だったとして、「基本的に犯罪を起こすことを目的としている」だったとして、誰が、いつ、普通の2人以上の集団(ちなみに法案では2人だけど、条約の要請は3人異常だよ)が、「基本的に犯罪を犯すことを目的としている」と判断するんですかって話だから、絞った、とかいう答弁に意味はないんだけどね。今回の法案はもともと、テロ対策で作られた法案じゃないから、途中から答弁が一貫性がなくなったのは事実だけど、ここで、安倍さんの論理に一貫性がないとつめるより、一変したか、してないかの基準を明示せよ、捜査当局に判断させるな、という方向につめないとさ。安倍さんは「結果を見れば」といってたけど、オウムがテロ集団に一変したことを、どの段階で判断できたんですか、とつめないとさ。それができないんだったら、組織的犯罪集団だと規定したらテロが防げるとかいう「立法事実」が示せないわけだからさ。結局オウムの件は事後的にテロ組織だったってわかっただけで、予防的な効果を発揮させようとすると、令状なしの盗聴や、ネット監視、SNS監視もやらないと無理なわけで、セッション22で平沢勝栄が「そこは捜査機関を信用していただけるかどうか」とか口を滑らしてたけど、そこに持っていくための布石としての立法だってことをもっとわかるようにやってほしいよね。これ苦言。
藤野「組織的犯罪集団と絞ったフリをしても、一般市民が対象になってしまうんじゃないんですか」という質問に対して、
安倍「組織的に、まさにそれで生計をたてている、生業にというのはそういう意味であります」と答弁していたことについて、オウムは犯罪で生計を立てていたわけじゃないけど、オウムは組織的犯罪集団ではないとなるんではないですか?と山尾さんが質問すると、グダグダと、さっきのそもそも発言についての言い訳を1分以上述べた後、こういいいます。
安倍「ま、そこで、生業、等について、でございますが、そのとき私がどういうやりとりをしたか、はですね、事前に通告をしていただかなければ、そこの文脈全体をですね、今、私が、もう一度、確かめて、答弁することが、できない、わけでございますから、中身のある、丁寧な議論が必要というのであれば、ですね、そうした形で、いきなり、えー当時のこの委員会でのやりとりをですね、えー例として挙げられる、てもですね、正確な答弁を期すためには、その時のやりとりを私ももう一度、もう一度、全部、文脈として、えーこれは、あらかじめですね、えー確認をさせていただかなければ、答弁はできないわけで、ございます。いずれにせよですね、ではこのテロ集団と、このテロ集団と、いわば資金、を集める、えーためにさまざまな、犯罪を犯していく、関係においてはですね、つまり、テロ集団というのは、テロそのものをやっていくことにおいてはですね、これにおいて、これを利益とする、こっから利益をあげて、生計の足しにすることは、これはできないわけであります。テロを専門にしていくことにおいてはですね、その資金源を獲得して、テロ行為を行いながら、生活を立てていく、えーこの、糧を、得ていく必要がある、とこういうことではないかと、こう思うしだいで、ございます。その中において、えーいわば、テロ行為を行う、集団と、さまざま組織的にですね、えーこの、法を犯しながら、資金を集めている、この行為がですね、合体する、そのその、その中において、資金を集めつつ、テロ行為を行っていくということは、十分に有り得るのではないかと、こう思うしだいでございます。ま、そこでですね、その時の私のやりとりについて、今、正確な答弁を求めるんであれば、これ、簡単なことなんですよ、通告をしていただければ、と思います」
これ、まあ共産党藤野さんへの答弁が間違いだったと堂々と述べておられるわけですが、麻薬組織を例に挙げて、組織的に、犯罪を生業にしていない、一般市民をこれで対象にするということはない、といって、共謀罪の対象は「麻薬組織、テロ組織、暴力団」だけですよー、という「印象操作」をやっておきながら、同じ舌でテロ集団は、テロで生業を立てていないから、資金源となる犯罪も対象にする、とおっしゃる。しかし、総理自身が言っているような「組織的に生業を立てている集団」のような規定ができない以上、一般市民の組織が突如、犯罪集団に一変したと捜査当局が判断すれば、対象になるんだとこうおっしゃるわけですからね。こういうゴマカシを突っ込まれると、「通告がないから」といって逃げるんですよ。
山尾さんがテロ対策とはならないのに、こういう法律を通すと、捜査機関の監視が強まるということになるだけで、百害あって一利なしだから、廃案にすべきだ、といって安倍総理の答弁を引用します。
山尾「総理は4月26日(*4月6日の誤読と思う)に”この法律を新設することで、捜査機関が常時、国民の動静を監視する監視社会にはなりません”とおっしゃいました。最後の質問です。それでは安倍政権においては、常時ではないけれども、国民を捜査として、監視をしているのか、していないのか、どちらですか」
安倍「(また前の質問の言い訳をする)そこで、監視、その、いわば、監視という意味は、どのような意味で使っておられるかということを、ちょっとその、お伺いさせていただかないと、ですね(山尾「ご自身が使っておられます」)いやいや、今、委員がどういう意味で使われたかということについては、(山尾「じゃあどういう意味でご自身は使われたんですか」)いや今私が、手を上げて、ちょっと説明していただきたいと思います。」
山尾「ご自身が使ったんでしょ。監視社会には繋がらないって。なんでこっちに聞くんですか。おかしいでしょ。」
時間切れで質問の答弁はなかったけど、聞きたかったよ、安倍さん。
共産党が「トランプ大統領に、強攻策に出ないように諌めてください」といったら、「それは北朝鮮に言ってください」とかいう意味不明な答弁にも顕著に出ておりますが、答弁をしない理由とか、相手に責任を摩り替えたりする、姑息な技術だけは、どんどん使ってるくせに(報道されないしね)、通告がないと、自分の国会での発言の意味も答えられないのかって話ですよ。無責任にぺらぺらしゃべっても、通告してもらって、官僚に作文してもわないとこたえられないもーんて開き直ってる最高指揮官様、すげぇとおもうよ。
消えろ活動家
消えろ工作員
http://netgeek.biz/archives/95426 これについてはどうお考えですか