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2021-05-27

テニスラケット破壊する彼女を見て

 90年代前半、講談社から出版されていた『Mr.マガジン』という漫画雑誌で『ピカイチ』(原作木内一雅作画・三山のぼる)という作品が連載されていた。ストーリーの細部は忘れてしまったが、以下のようなエピソードが有った。

= ここから粗筋 =

 主人公中間材となる工業部品製造する工場に勤務しているが、工場従業員たちは「自分たち仕事は取るに足りない、価値の無い仕事」と考えて意欲を失っていた。それを見かねた主人公は、彼らを大人見学旅行へ連れ出す。

 主人公労働者たちを連れて行った先は、彼らが製造した中間部品が、新幹線を始めとする鉄道車両使用されて組み立てられる工場であった。

 彼らが従事する工業部品製造仕事は、華々しさとは無縁で地味な仕事かもしれないが、もしも部品の性能に問題が有れば、事故の発生などにも繋がりかねない。

 彼らの部品が使われている鉄道だけでなく、我々の社会が滞りなく機能するのには、彼らのような工場労働者の真面目な仕事ぶりと、それによって生み出される信頼性の高い工業部品が有ればこそなのである

 こうして、主人公見学旅行に連れ出した労働者たちは「自分たち工場労働者仕事は、決して無価値ではない」と、人間としての誇りを取り戻し、仕事に前向きになる。

= 粗筋ここまで =

 「フィクションにすぎない。そんな簡単労働者が誇りを獲得できるものか」と言ってしまえばそれまでかもしれないが、それでも、リアルタイムで読んだ時に私は、日本労働者琴線に触れるものが有る話だと思った。このエピソードに心を動かされたのは、私自身が非都市部低所得者層労働者階級層に生まれ育ったからだ。この漫画で出てくる工場労働者の姿は、私が生まれ育った社会を思い起こさせたのだ。

 私の両親は、経済的理由から高校進学を断念して中卒だったが、真面目な労働者だった。子供時代の私が馬鹿なことを仕出かしたのを叱るのに、時々手が出ることはあった(昭和時代には当たり前のことだった)ものの、癇癪を起こして物に当たるようなこと、物を壊すようなことは決して無かった。私が生まれ育った地域社会は、どちらかと言えば粗野な部類だったと思うし、隣近所や学校では、一時的感情の爆発で物に当たり散らして、物を破壊する人間など珍しくもなかった。学校では週に一回ぐらい、授業中に何処かのクラスの窓ガラス割れていた。隣近所の家々でも似たようなものだった。しかし私の両親は、そういう粗暴な行為には走らなかった。裕福な暮らしではなかったが、乱暴地域社会の中で節度を保って紳士的に生きてきた両親のことを、今でも私は誇りに思っている。

 物を故意破壊しないようにするというのは、貧しい家庭の多くが贅沢を敵とし、節約生活美徳としているのだから何ら珍しくないと、世の人は思うことだろう。物を壊したら修理や買換で出費を招くのだから

 しかし、それ以上に、私の父は物作りの人間だったから、我が家では「人が作った物を故意破壊する」という行為は「それを作る仕事に実際に従事した労働者の誇りを踏みにじる、恥ずべき悪徳。卑しい振る舞い」と両親から教育された。「人間として、卑しい真似をするな」というのは、両親が口を酸っぱくして常々私に言い聞かせてきた言葉だ。

 私はテニスしたことは無いが、聞いたところによれば、テニスラケット価格一般人使用するものでも数万円以上はするものらしい。それを叩きつけて破壊するというのだから、何とも豪勢で贅沢な話である。金は天下の回りものと言うが、その順回路に今も昔も含まれていない我が家からすれば、数万円もする物を自分の手で故意に叩き壊すことなど、夢のまた夢である

 それとも、こんな私でも、何かの弾みで大金持ちになったとしたら、ひょっとしたら数万円のもの簡単に壊すようになるのだろうか。その物の向こう側に存在する、それを作った労働者存在を忘れて。

 私は、彼女テニスラケットを平気で叩き壊す姿を見ると「ひょっとしたら彼女は、物を作る労働者階級の人間のことを、自分と同じ『人間』と思っていないのではないか?」という思いを拭えない。

 おそらく彼女も、最初から何億円もの賞金を稼ぐトップアスリートではなかったはずである人生のどの時点で、彼女は何万円もするテニスラケットを心置き無く壊すようになったのだろうか?それを壊せるようになった時、彼女は「こんな贅沢もできるぐらい、自分金持ちになったのだ」と誇りに思ったのだろうか?

 たとえ何億円もの賞金を稼ごうとも、物を作る労働者の誇りなど知らぬと言わんばかりにテニスラケット破壊する彼女の姿は、私の目には非常に卑しく見える。

2017-12-01

日本マンガの50巻到達順

書誌情報に50冊目であることが確認できる作品(よって超人ロックは該当しない,石ノ森の文庫マンガ日本の歴史は一応該当とする),サブタイトル割愛,同一作品でも合算はしない(ドラえもんプラス,ダイヤのAact2等)
サザエさんを追加,クレヨンしんちゃんを追加,絶対可憐チルドレンを追加,キングダムを追加,(試験的に)文庫版のマンガ日本の歴史を追加,劇画人間革命を追加

2018年5月1日現在

順位作品タイトル作者(作画者)原作者50巻出版出版巻数連載開始年連載終了年備考
1サザエさん長谷川町子 1968姉妹6819461974 
2釣りキチ三平矢口高雄 1981.06講談社6519731983 
3ゴルゴ13さいとう・たかを 1983.09リイド社1881968  
4750ライダー石井いさみ 1985.05秋田書店5019751985 
5三国志横山光輝 1986.08潮出版社6019711986 
6こちら葛飾区亀有公園前派出所秋本治 1988.02集英社20019762016 
7まんだら屋の良太畑中純 1989.07実業之日本社5319791989 
8弐十手物語神江里見小池一夫1990.02小学館11019782003 
9あした天気になあれちばてつや 1990.05講談社5819811991 
10じゃりン子チエはるき悦巳 1992.09双葉社6719781997 
11あぶさん水島新司 1992.10小学館10719732014 
12パタリロ!魔夜峰央 1992.12白泉社991978  
13コータローまかりとおる!蛭田達也 1992.12講談社5919821994 
14浮浪雲ジョージ秋山 1993.07小学館11219732017 
15美味しんぼ花咲アキラ雁屋哲1995.02小学館1111983  
16あさりちゃん室山まゆみ 1996.03小学館10019782014 
174P田中くん川三番地七三太朗1996.05秋田書店5119861996 
18本気!立原あゆみ 1996.10秋田書店5019861996 
19ジョジョの奇妙な冒険荒木飛呂彦 1996.11集英社6319862004 
20まるごし刑事渡辺みちお北芝健1997.07実業之日本社7519852002 
21クッキングパパうえやまとち 1997.10講談社1441985  
22マンガ日本の歴史石ノ森章太郎 1999.02中央公論新社5519901994現代篇を合わせた文庫版による
23釣りバカ日誌北見けんいちやまさき十三1999.09小学館991979  
24はじめの一歩森川ジョージ 1999.10講談社1201989  
25コボちゃん植田まさし 2000.04蒼鷹社601982  
26静かなるドン新田たつお 2000.06実業之日本社10819882013同社の異なる版でも後に出版される
27わたるがぴゅん!なかいま強 2000.11集英社5819842004 
28ミナミの帝王郷力也天王寺大2000.12日本文芸社1471992  
29なんと孫六さだやす圭 2000.12講談社8119812014 
30劇画人間革命石井いさみ池田大作2001.07聖教新聞社5619892003 
31代紋TAKE2渡辺木内一雅2001.11講談社6219902004 
32ケイリン野郎くさか里樹 2002.08小学館5619892004 
33鬼平犯科帳さいとう・たかを池波正太郎2002.08文藝春秋1031993  
34ドカベン プロ野球水島新司 2003.12秋田書店5219952003 
35MAJOR満田拓也 2004.09小学館7819942010 
36夕焼けの詩西岸良平 2004.09小学館651974  
37ゼロ里見桂愛英史2004.12集英社7819902011 
38妖精国の騎士中山星香 2005.06秋田書店5419862006 
39名探偵コナン青山剛昌 2005.07小学館941994  
40王家の紋章細川智栄子あんど芙~みん 2005.08秋田書店631976  
41総務部総務課山口六平太高井研一郎林律雄2005.10小学館8119862016 
42工業哀歌バレーボーイズ村田ひろゆき 2006.04講談社5019892006 
43犬夜叉高橋留美子 2007.07小学館5619962008 
44銀牙伝説ウィード高橋よしひろ 2008.03日本文芸社6019992009 
45ONE PIECE尾田栄一郎 2008.06集英社881997  
46Dreams川三番地七三太朗2008.09講談社7119962017 
47天牌嶺岸信明来賀友志2009.08日本文芸社931999  
48風の大地かざま鋭二坂田信弘2009.09小学館711990  
49ゴッドハンド輝山本航暉 2010.01講談社6220012011 
50江戸前の旬さとう輝九十九2010.01日本文芸社931999  
51NARUTO岸本斉史 2010.03集英社7219992014 
52いのちの器上原きみこ 2010.03秋田書店751991  
53クレヨンしんちゃん臼井儀人 2010.07双葉社5019902010 
54BLEACH久保帯人 2011.06集英社7420012016 
55かりあげクン植田まさし 2011.06双葉社611980  
56ふたりエッチ克・亜樹 2011.07白泉社751997  
57落第忍者乱太郎尼子騒兵衛 2011.12朝日新聞出版631986  
58空手小公子小日向海流馬場康誌 2012.10講談社5020002012 
59史上最強の弟子ケンイチ松江名俊 2013.02小学館6120022014 
60銀魂空知英秋 2013.07集英社722004  
61ポケットモンスターSPECIAL山本サトシ日下秀憲2014.03小学館531997 作画者は途中で真斗山本サトシに交代
62Q.E.D.証明終了加藤元浩 2015.02講談社5019972014 
63キン肉マンゆでたまご 2015.04集英社621979 連載期間は1979~1987と2011~に分かれる
64FAIRY TAIL真島ヒロ 2015.07講談社6320062017 
65黄昏流星群弘兼憲史 2015.08小学館561995  
66スーパーマリオくん沢田ユキオ 2015.10小学館531990  
67エリアの騎士月山可也伊賀大晃2016.02講談社5720062017 
68土竜の唄高橋のぼる 2016.07小学館572005  
69ハヤテのごとく!畑健二郎 2017.02小学館5220042017 
70弱虫ペダル渡辺 2017.04秋田書店562008  
71絶対可憐チルドレン椎名高志 2017.12小学館512004  
72キングダム原泰久 2018.04集英社502006  
 
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