「NTTによるブロッキングの何が許せないのか」http://kumagi.hatenablog.com/entry/why-ntt-blocking より。
憲法(けんぽう)とは、統治の根本規範(法)となる基本的な原理原則に関して定めた法規範をいう(法的意味の憲法)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%86%B2%E6%B3%95
電気通信事業(でんきつうしんじぎょう)は、電気通信事業法第2条に規定する電気通信役務を行う事業のことである。 ... 4. 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法第118条第1項に規定する放送局設備供給役務に係る事業を除く。) 5. 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第9条の登録を受けた者及び第16条第1項の規定による届出をした者 ...
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E9%80%9A%E4%BF%A1%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%B3%95
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E4%BE%BF%E6%B3%95
そこで、違法性阻却を用いる (正当業務行為も違法性阻却事由とするのが現代の一般的解釈)。
興味がある方は『「通信の秘密」の数奇な運命(要旨) - 序章「通信の秘密」に関する制定法の制定経過とその後の解釈の変遷調査』を読んでください。
憲法が検閲の禁止、通信の秘密を守れと言っているのだから、通信の秘密は固く守られている。中身を覗く行為は原則違法であり、違法性阻却 (違法と推定される行為について、特別の事情があるために違法性がないとすること。) により直ちに違法としないとの解釈がなされている。違法性阻却は珍しい論理のように聞こえるかもしれないが、お医者さんもメスで体を傷つければ傷害罪を侵しているが、医療行為を行うために必要である範囲において違法性阻却がなされている。
また、
は「従事する者」にかかっているので、通信の秘密を侵す違法行為の主体は個人にかかってくることに注意。
DNS ならブロッキングしてもいいじゃない? → だめです。ISP の提供する DNS はルートサーバーへの中継を行っているに過ぎず。通信の検閲にあたります。
迷惑メールが一時期問題になりましたよね。今は OPB25 (ざっくり言うと個々人が直接メールの中継をすることを禁止する方法) によって、個々人を踏み台にした迷惑メールが送れないようになっています。このために慎重な議論がなされ「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」が制定されています。立法によって合法的にブロッキングを行っている例です。
このように合法的なブロッキングができる前例があるのだから「裁判所で違法と認定されたサイトへのアクセスを禁止する」立法を行って合法的にブロッキングすればいいのです。
児童ポルノはインターネットの性質上、一度流出してしまえば回収が困難であり、同時に基本的人権の侵害、身体への危害を伴うものであるからブロッキングしても緊急回避として違法性阻却が行えるとのものです。詳しい議論は「ブロッキングの法律問題」を参照してください。
これは本来、立法によって合法化するべきものだと思われるのですが、誰も児童ポルノのブロッキングを違法だと訴えない → 裁判所が判断しない。ために現在認められている方法です。今回の海賊版サイトのブロッキングにもこれが用いられるでしょう。
児童ポルノのブロッキングにおける議論では「法益権衡の要件との関係でも財産権であり被害回復の可能性のある著作権を一度インターネット上で流通すれば被害回復が不可能となる児童の権利等と同様に考えることはできない」であったように、回復可能性のある著作権侵害は優先順位が低く、
「誰も児童ポルノのブロッキングを違法だと訴えない」と書いたように、社会通念上許容されるであろう範囲に検閲の範囲を広げると、名乗り出ることを恐れて誰も訴えることができなくなり、検閲の範囲は際限なく広がってしまうのです。
児童ポルノの議論が行われた10年前の慎重な議論をすっ飛ばすと
とできるかもしれません。しかし、果たして昨今の著作権侵害被害額は本当に回復不可能なのでしょうか?ブロッキングによって漫画の売り上げは来月から月に 500億円 (これは市場規模の 2倍に相当するはず) も上がるのでしょうか?
しかし、所轄官庁が「ブロッキングせよ」と言えば電気通信事業者はそれに従わなければなりません。それを覆すには最高裁まで争うしかないのです。
5京円に突っ込む人もいますけれども (なんで 5,000兆円でないのだろう)...
それほどの損害が生じていたら原状回復は不可能ですよね。5京円は冗談としても、売り上げが突如ゼロになってしまい、回復させる方法が他にないとしたら緊急回避は認められるでしょう。ただし、線引きについては裁判所なり立法で解決する必要が生じるはずです。
そもそも違法サイトを利用することによる損害は誰によって作られているのでしょうか。違法サイトによって損害が生じるためには
責任の度合いは、
通信事業者 < 利用者 < 保護を提供するもの < 運営を幇助する者 < 運営者
の順ではないでしょうか。
実はそのようにしてIPパケット通信すら合法性が自明ではない上で運用されているのが通信の秘密だ。お陰で通信事業者はただの土管に徹する事になる代わりにその通信が仮に犯罪に使われていてその通信を媒介することで結果的にその片棒を担がされたとしても不可抗力として裁かれる事はない(多分)。
米国でDMCAが制定され、プロバイダー (これは ISP だけでなく、サービス提供者も含む) が免責されるための手続きが、Takedown なのですが、日本ではそもそも合法性が認められた範囲でしか ISP は関与できないため、違法サイトの利用において通信事業者に違法性を問うことは難しいと思われます。
(後で書く)
米国の例についても書きたい
DNSブロッキングはNTTのDNSサーバにある対象のAレコードやCNAMEレコードのキャッシュをダミーのものに変更した後異様にタイムアウトを長く設定してるだけのはずだから、 「検閲」してい...
末端の端末がルートDNSにアクセスなんかできるかってーの。 え?
ルートサーバーから支持されているTTLに従ったキャッシュは規定された動作ですが、電気通信事業者は恣意的な挙動を示すサーバーをそれを明示することなく提供することはできません...
んじゃあ、よく駅とかコンビニとかにあるWi-Fiでどこにアクセスしても固定のページ返すような仕組みのやつはそのロジックでいうと検閲やんな? 厳密な仕組みは分からんけど、たぶん...
ただのアクセス制御です。
どういうロジックにしてるのかが興味あるけど、wi-fiに接続させておいてアクセス制御とは本来ならごはんショットガン撃ちこまれてもおかしくない案件の筈だろ…
UTMを使ったことないのかな。最近のAPですら搭載しているのだけれども。その時点ではインターネットにそもそも繋がっていません
通常、Wi-Fiに接続してもインターネットに接続していない(LAN接続)の場合は端末側がそれを検知するよな。 でも、駅Wi-Fiとかは一見インターネットに接続しているような状態になる。 ...
隔離ネットワークの段ではインターネットに接続されていないと検知されるはずです。行っていることは具体的には DNS Probing です。 1.2.3.4 といったでたらめな IP アドレスであっても認証...
インターネットには接続されていると検知される。>駅Wi-Fi しかしながらリクエストしたコンテンツは全てダミーのコンテンツが返される。 これを検閲でないとする理由について問うて...
アクセス制御の段階に検閲も何もないのですが。
公衆WIFIのログイン画面への誘導は、サービス開始前だからOKみたいな解釈になってた気がする。
UTMは知らないけど、UTMが法的なアレやソレを回避しているというのであればその論拠を知りたい。 真面目な話、UTM自体は今回の話とは関係なくね。 駅Wi-Fiが法的に白になる根拠が機器に...
あの…どういった関連があるんですかそれ
駅Wi-Fiの技術と今回のDNSブロッキングの技術はおそらく全く同一と言っていいはず。 それが片方が特に問題視とされないのに対してNTTだと黒判断? になっているのはなぜだという話だ...
キャプティブポータルのことかな? どこにアクセスしようとしてもまずユーザー認証画面が表示され、認証後は自由にアクセスできるってやつ。 まずwifiを利用させる前に、利用しよう...
そう。そこのロジックよ。今回のNTTのやつも「緊急避難(相手の攻撃に合わせてタイミングよく相手の方向にレバーを入れる)」対応であると言われてるんだから別にそこは違法にはな...
あれは透過プロクシみたいな方じゃないのかな
サラッと「通信の秘密を侵害するが違法ではない」とか言ってるけど結構デカいよな… SSLならちゃんとPOSTする前に警告してくれるが、普通のHTTP通信なら不意にPOSTした内容まるまる掠め...
つまり、通信の秘密を侵害するが違法ではない。 認証以外の情報を抜き取っていない (いきなり POST で始まっても、ブラックホールに投げ込むなど) 場合には、通信の秘密は守られてい...
キャッシュが無かったらアクセスするよね?
だからキャッシュを作るんだろ。
つーかDNSリクエストしたら即ルートサーバまでリクエスト飛ぶとかそういう発想の方がありえんから。末端の端末がルートDNSにアクセスなんかできるかってーの。 末端の端末がルート...
ユーザーがXというサイトにアクセスしようとしたときに、 ISPのDNSサーバーは「Xにアクセスしよう」という通信の秘密を知り、それに対して応答するのだから、これは通信の秘密の侵害...
特定のウェブサーバーからの通信を拒否する事ってできないの? ユーザーがどこに接続しようとしてるかは調べないで、 漫画村からの通信をとにかく遮断する。 ユーザーは常にタイム...
できなくともないけど、それをやるには本当にリクエスト内容を見て処理分岐させるって言う作業が必要。単にプロキシだけどね。 通常そんなことするのは中国みたいにネットワークに...
普通にパケットフィルタリングでできるんじゃないの。
「特定のウェブサーバー」かどうかをチェックすること自体が通信の秘密の侵害。
そっか、難しいのだな。
可能だと思います。違法なサイトとの Peering を制限することを認める立法がなされれば、漫画村なりを提供しているサービスとの接続を宛先側で遮断することは可能です。
ただの言葉遊びだろ>キャッシュを返すのではない 親DNSから取ってきたリアルデータじゃない嘘データをキャッシュさせることとリクエストされた内容を見てスペシャルデータを返すの...
その認識が一般的な解釈だと思われます。ISPは輻輳回避のためにDNSを提供しているに過ぎず、通信の宛先によって挙動を変えるのであればそれは「通信の秘密」の侵害であり「検閲の禁...
この元記事、ところどころで認識の間違いがあるんでその点は注意な。 論点的にはそれほど目新しいことは書いてないし、いちいち訂正や補足までして理解する内容ではない。 ざっくり...
この元記事、ところどころで認識の間違いがあるんでその点は注意な。 どの辺に認識の間違いありました?本人は中の人として書いたというより論点整理的な意味合いで書いていたは...