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2015-03-29

とは言え手作りも良いもんだでby手芸

http://anond.hatelabo.jp/20150328225013

拷問だー!」

とパニクるお母さん相手商売をしている手芸業界の人です。

手芸稼業から見る、手作り品をめぐる現状



幼稚園によっては前年の年末くらいまでには「来春用意するものリスト」が渡されて

パニクるお母さんたちが続出する。

夏休みの宿題みたく、早い人は秋くらいからコツコツ用意してるけど

やっぱり手芸苦手意識のある人は、時期が早かろうが遅かろうが「拷問」と感じてる模様。

「どうしたらいいのか途方にくれていたところ、御社のHPを拝見し・・・」なんてメール

ガンガン送られてくる。

納品後のお礼メールなんてのもしょっちゅう来るし、

「息子の喜んだ顔を見て子育ての喜びを感じられました」なんていうメールを受け取った日には

なんか情報教材を売ってるような錯覚さえ覚えた。

ミシン中学生以来触ったことがなく・・・って人もかなりいる。

家庭科室のバカみたいに壊れるミシンと格闘しながら、何ヶ月もかかってエプロンやら

ショートパンツやらを縫ってた頃の記憶をたどると、目の前に迫り来る納期

恐怖するのも分かる。

個人的には、幼稚園はともかく保育園で「手作り指定」をやるのは園が非道だと思う。

認可保育園にも色々あって、

「保育に欠ける児童の養育と親の就業担保する」という、社会での役割を踏み外さない園もあれば、

「とにかく質の良い保育を!(=園の持つ理想の保育の実践が一番で、

親の負担の増大なんて歯牙にも掛けない)」っつー強烈な園もある。

前者は公立とか大規模認可保育園が多い。

良い意味でも悪い意味でも主義主張が薄く、これといった特長も無いかわりに親の負担も少ない。

こういうところは、手作り品についても絵本バッグ1つとか、お着替え袋1つとか。

もちろん既成品でも別にOKだし、要求があるとしても「出来れば愛情のこもった手作り・・・」程度の

フワッとしたご指定のみ。

やっかいなのは後者で、認可私立保育園とか、認可外保育施設とか。

保育内容にも独自性が強くて、おやつからから全部手作り食育命!みたいな、

一種ありがたい丹精込めた保育をしてくれてる反面、

園の理想が高いだけに、親に要求される育児クオリティも高くて大変。

こういう園は、鬼のよう手作り指定をしてくる事が多い。

プラスキャラ物はNGだったりするし、布選びも一苦労。

通園用ショルダーバッグも出来れば手作りで、って言ってるのも見たことあるけど

あんなもんCreemaとかで出品してるハンクラーぐらいしか、満足できるレベルのもの作れんで。

「金より時間大事

家事外注して子供と笑顔

子育ては量より濃度」

とか考えるタイプワーキングマザーには、こっち系はほんと向かない保育園なんだけど、

教育とか保育の質とか考えだすと、親が地獄でも子供には良質な保育を・・・

となって結果泣き泣き通う事になる人が結構いる、ってこれはまあ別の話。

でもまあこんないいところもあるんですよ



とかくWM界隈では悪者にされがちな「手作り指定」だけど、まあバカにしたもんでも無いですよ。

という事を控えめに訴えたい。

手芸稼業をしてて言うことじゃないけど、なぜか子供は手作り品を喜ぶ。

このレベルでか・・・というものでも関係なし。

キレイな既成品より、親が試行錯誤したものを喜ぶ子が多い(あくまで多い、です)のは不思議

年齢が低いほど顕著かなあ。

それはもうペンとか落ちてくるやろ、というレベルのザックザックした

縫い目のバッグでもお構いなし。

DIY妖怪ウォッチでも子供は大喜びってアレと似てるんでしょうか。

キレイに揃った縫い目より、親が目の前で自分のためだけに作ってくれた、

という過程を見てるのかね。

親が作ってくれたものがあると園でも安心しやすいってのもあるみたいです。

後追いが激しい子や、環境に慣れにくいセンシティブな子は特に

あとはまあ、時を超えて残る、ってのが大きいかも。

大体の子供には、「親が作ってくれた(時にブサイクな)手作り品の思い出」がある。

私にもある。

親子関係は10点中3点くらいの悪さだったけど、幼稚園の時に母が作ってくれたブサイクな袋は

ずっと捨てられずに残っている。

あれも親は「園に言われてイヤイヤ作った」らしい。

イヤイヤ作ったたった1個の袋だから、こっちとしても余計捨てられない。

そこに愛情を見るのはただの子供側の悲しい願望なのかもしれないけど、30年経てば勘違いでも

思い込みでも何でもよくなって、ブサイクな袋だけが残る。

きっと一生残るだろうと思う。

感傷的になった。

手作り品」じゃなきゃ愛情を示せないなんて事言うつもりは全く無い。

でも、食えばなくなる日々の糧、の食事と違って、

「物」も「思い出」も両方残る手作り品って、もしかしたら相当コスパ良い贈り物かもよ。

カッツカツで日々を回してるWMからすると、手作り品もひとつタスクしか

無いことは良くわかる。

でもこの通過点に、センチメンタル感情乗っけてる親も子も結構いるのよ。

から、「滅びればいいのにこんな慣習」とか「親の手作りなんてムダな労力」

とかいう言説はナシで頼むわ。

滅びればいいのは手作りの「強制」かな。

園側がさ、「既成品でも全く構わんけど手作りもやる価値ありよ」

くらいのスタンスでいてくれると何の問題も無いと思うんだ。

まあ実際こういう園が大多数なんだけど、極端な例は目立つということで・・・

建設的なアドバイスとか、個人的要望とか



弁当袋が16cmだ17cmだって大騒ぎしなくても大丈夫

園がメジャーもって「はい作り直し~!」とかするワケじゃない。

通園バッグとかの類は、例えば園指定のお道具箱が入るサイズに、とか言われる事もあるけど

そんなもん大きめに作っときゃor大きめの袋買えば大丈夫です。

既成品もだいたい同じくらいの大きさで作ってるから安心せえ。

入園入学業界最近流行ってるのがデコ

シンプルな手提げとか買ってきて、ワッペンとかリボンとかレースとか付けまくって

ゴテゴテさせる。

子供に好きなデコ選ばせる事も出来るし、「作った感」もあるし、満足度高いみたい。

アイロンと手ぬいで出来るし。

あとはキットを売ってる店も多いし、ネットでも買えるし、

手芸店行って選んで計って型紙とってキー!!」ってならなくっても大丈夫

落ち着くんだ。ググるんだ。

http://www.bond.co.jp/bond/diy/detail2.php?item_name=%BA%DB%A4%DB%A4%A6%BE%E5%BC%EA

↑こういうの、一昨年くらいから売ってる。

洗濯もいけるし、たいていの布地はいけるっぽい。

凄い時代だ。

邪道とか関係無いよ。

私も1個買ったから、繁忙期抜けたら作ってみるわ。

子育てきっかけに新しい扉を開く、なんて例は枚挙に暇がないけど、

うちのお客さんでも「半べそで作り始めたら要領を掴んで、今や趣味手芸」って

人が結構いる。

定期的に通ってくれる人が教えてくれた。

体力とか関係ない趣味として、老後もいけるよ。

1ヶ月で用意できるかー!

細かい指定に応えられるかー!

手作り強制するなー!

なんていうのは、ガンガン園に言っていこう。

共働きの方がメジャーになる潮目にいる今だからこそ、来年以降は考慮されるかもよ。

これは手作り品に限らないけど、「自分はムリでも、後に続く人の助けにはなるかも」精神で。

せめて準備品がHPにでも掲載されてたら、心構えも出来るのにね。

手芸屋としても、夏くらいから用意してもらえる方が負荷分散されてマジありがたいんで、ゼヒ!

  • なんでお父さん作らないの?

これ、周りのお父さんにも聞きまくってるんだけど、手芸はほんと最後の砦、って感じがする。

イクメンカジメンだ言われる昨今、お父さんが進出してないほぼ唯一の家事分野かも。

なんかビジネスに繋がりそうな匂いさえする、未踏の地。

レザークラフトとかは男性多いんだけど、ミシンでカタカタ・・・全然見ないし聞かない。

その分、「お父さんが作ってくれた手作り品」持ってたらもう凄いよね。

母、先生、子供たち、全方面からの羨望と尊敬を集めまくると思うんだけどどうだろう。

家庭科男女必修の世代が親になってる時代だし、やってできない事ないでしょ?

正直「拷問だ!」っていうレベル手芸慣れしてないお母さんなら、父さんと

実力の差、無いと思う。

  • 弁当の方が大変じゃない?

手作り愛情だって言うならさ、弁当文化もなんとかして欲しいマジで

幼稚園毎日弁当とか、保育園でも月に何回か弁当の日があるとか、

結構負担じゃない?

キャラ弁作れという(主に子供からの)同調圧力も凄いし、

中学、高校も続くし、個人的にはこっちの負担の方がエグいかな。

これから10年以上続くのかと思うと泣きそう。

栄養も偏るし、もっと外注学校組織にも入って欲しいなー。


以上、繁忙期なのに一言いいたくて出てきちゃった手芸屋でした。

追記とお礼


増田でしたが、思いの外反応してもらいホクホク。

村民の皆様、Twitter民の皆様ありがとう!!

「やってみっかな・・・」「おもしろいかも」的つぶやきが、手芸屋としてはいっちゃん嬉しい。

フヒヒ。

何人かご指摘のとおり、「(強制されることによる)手芸憎し!」が最も危惧するところです。

はいえ、毎年3月くらいにはおかーさんたちの呪詛が渦巻くのだろうか。

またココ見つけて貰えるといいな。



手芸所詮「芸」。あくまで「芸」。



個人的にはこの感覚を推奨していきたいです。

既成品も製作代行もあるし、物好きハンクラーもしくはおかんもいるもん。

21世紀だし。

必須ライフスキルでも無ければ、母の愛情バロメーターでも無いはず。

自分が作りたいから作る。

作ったら褒められて嬉しいからもっと作る。

子供が既成品を欲しがったらそっと針箱を閉じる(涙)。

いつ作れってんだー!となるなら作らない。金で解決。

能力的、時間的に作れない自分を責めてしまナイーブさにも勝っていきたい。

あれこれ家事外注の話みたいになりますね。

ブコメにもあったけど、豊かさの一指標かなとも思う。

22世紀になっても自分の手を動かして「作りたい」「作ってあげたい」ってのは、たぶん無くならないでしょ。)

わたくしごとですが、この商売始める前に勤めてた会社が派手に倒産しまして。

明日から仕事無いわ給料未払いだわの状態を救ったのが、この芸事でした。

家政科も服飾科も出てない素人だけど、好きでずっと続けてただけ。

一般的ビジネススキル芸事出会った時、商売になるよね・・・


反応など

近所の手芸屋と結託してママさん教室でも開いたらええんや

→これやろっかな。

児童館で似たような事やってたし、「俺にやらせろ!」って言ってみる。

キャラクター物の布地などで作った作品の販売禁止のがあるのだけど、そういう布を持ち込んで作ってもらうのはダメなのかな。

→実店舗ある手芸屋ではこれやってくれるところが多数派

「ウチで買ってくれたのなら追加料金で加工しまっせ」的サービス

これに関しては著作権はそこまでシビアには運用されておらず、

明らかにNGなのは版権モノ生地を加工して勝手に「完成品」として販売する行為くらい。

販売元の生地メーカーによっても温度差が結構あるので、心当たりある諸氏は気をつけられたい。

一番難しいのはやはり設計。型紙使わない程度であれば誰でもいけると思うのだが。

入学入園備品のたぐいは、ほとんど直線カット、直線縫いでだいじょぶ。

型紙必要ものはまあ無いのでご安心を!

東儀秀樹!!


東儀秀樹ーー!!

びっくりしてブログ熟読。

凄いなーハンクラパパとして有名だったのか。

この凝りようが、メンズ手芸ジャンルポテンシャルを表してると思う。

ブコメでも「オレも(うちの夫も)やるでー」ってのが散見されたけど、ほんとこの分野、期待できますね。

手芸屋=甘味処説があったけど、とりあえずそういう気まずさを解消する店作りからどうでしょうユザワヤさん。

個人的にはクッソリアルな羊毛フェルトhttp://goo.gl/Yd01rh)とかも

割りとメンズ手芸向けジャンルかと思うんだけどどうだろう。

将来的には「お父さんが作った袋物」がチヤホヤされないレベルにまで

市民権得てくるといいなあ。


結局は園とのすり合わせかな・・・



Twitterのあのプリント(今見れなくなっとる)は、確かに凄かった。

色んな園のプリントを見てきた手芸増田としても、びっくりするレベル

アイテム多すぎ&謎の物体「おかけ&おかけ袋」!

「分かっててそこ選んで入ったんだから粛々と従え」ってトラバもあったけど、

大概分かって入ってないよ~w

リサーチ不足って言われりゃもう、それはその通りでございなんだけども。

これ、「意識高い園」に子供入って青息吐息だった時に私も同じ事言われたけど、

私立とは言えお役所が認可してて補助金出してるところで、

親の就業担保するための厚生労働省管轄社会福祉施設で、

まさかこんな事までさせられるとはー!!というのの連続なワケです。

「入れる園・通える園」を探してる段階で教育哲学どころかナゾローカルルールまで把握できないわな。

とにかく「教育独自性」の範疇と捉えられることと、

妥当性が低く負担は高い、理想押し付け」と捉えざるを得ないことと、

ちゃんと分けて、お互いすり合わせしていくのって大事ですよね、と言いたいです。

郷に入れば(ry って言うけど、元から住んでる人さえたいがい住みにくい郷なら、

郷を変えてく権利は誰にでもあると思うよ。


やっぱ長くなった。いつも話長いって言われる。ごめんね。

じゃあみん楽しい手芸ライフを!

2008-06-09

http://anond.hatelabo.jp/20080608231715

ぼくはたまに能を見に行くくらいで雅楽に詳しくないし、その「親父さん」がどの程度のものなんだか知る由もないが、

東儀秀樹音楽は宗次郎とか葉加瀬太郎レベルのしょうもないゴミだと思う。

雅楽が好きな人なら「雅楽はこんなダセぇもんじゃねえ」って言いたくなるのは分かる。

2008-06-08

増田の某欧州議員を思い出させるような事

これは実際に見たり聞いたりした話じゃなく、僕がよく巡回しているとあるサイトで見かけた記事に書かれていた事だ。

簡潔にいうと

マクドナルドCM篳篥を吹いていた人を見て、サイト主は親父さん(サイト主によると雅楽の権威、らしい)に「あんなに軽快に吹けるの?」と質問すると「あんなに軽快に吹けるものではない。」と親父さんに言われる。

だが、親父さんは次の一言で

「こいつはもうこういう事でしか拾えてもらえないんだよ。」

と、言ったらしい。

ちなみに篳篥を吹いていた方は東儀秀樹氏。

彼は雅楽器と現代楽器コラボレートで話題になり、映画テレビCMに楽曲を提供したり、音楽歴史バラエティー等のテレビ番組や、更に大河ドラマ篤姫にも出演。

雅楽の素晴らしさを一般に広く知らしめた功績として、文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した人物である。

 
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