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2014-04-21

生徒と教師、それぞれの音楽・娯楽が重なるとき-例えばボカロとか

卒業式で桜ノ雨」「お昼の放送でボカロ禁止」といった話題がネットに上がってから3年~5年、

ニコニコ動画におけるVOCALOID初期作品の『みくみくにしてあげる』や『メルトからおよそ6年半。

青春音楽ボカロって層はまだ学生だろうけど、大学くらいでボカロに触れて楽しんだ人が教職に進んでクラス担任を受け持っていることはありえると思う。


すると生徒とくだけた話もするタイプの教師なら、ボカロ好きな生徒との会話を試みて

先生学生のころは〇〇Pを聴いてたんだよー」「そんなP知らなーい」「えっ」

といったシチュエーションがあるかもしれない。


でも私が中学校の頃はどんなに若い教師でも、私たち(のものと思っている)の娯楽にすり寄られるとウザいと感じた。

しろ私たちけがその娯楽の面白さを知ってればいいとさえ思っていたから、

冒頭で挙げたネタで出てきた「自分の好きなものを否定されて辛い」って感情

否定してくる相手が同級生なら共感できるけど、教師だとできない。


86年生まれの私だと99-01年度が中学の3年間。

モーニング娘。・嵐・浜崎あゆみ宇多田ヒカルaiko椎名林檎・19・ポルノグラフィティDragon AshBUMP OF CHICKEN私たちのもので、教師が入ってくるのを拒んでた。

二宮くん可愛いよねー」より「私の1番は今でもかーくんなの!」という女性教師の方が誠実そうに見えた。

吹奏楽部定期演奏会で『ザ☆ピ〜ス!』を下級生のダンス付きで披露したとき、飛び入りでダンスに参加した副顧問男性教師にはかなり白けた。


一方で自身の思い入れのある曲・歌手・娯楽を紹介できる教師は、ちゃんと青春を謳歌して大人になったんだなと好印象だった。

その教師の思い入れ私たち世界が重なったこともある。


TSUNAMI』、『波乗りジョニー』の大ヒットで当時40代の教師たちがサザンオールスターズ桑田佳祐を熱く語った。おかげで男子に『マンピーのG★SPOT』が大流行した。

ドラマ人にやさしく』でTHE BLUE HEARTSを知った子も多かった。体育教師は持久走の授業で『リンダリンダ』『TRAIN-TRAIN』をBGMに流して生徒が関心を示すと、どこか満足気だった。


一番印象に残ってるのは卒業式とは別にあった、教師のくだけた訓話と生徒の出し物がメインのお別れ会

男子生徒のバンド演奏で2人の男性クラス担任ボーカルの子と並んで歌った、スピッツチェリー』。

桜坂』は大ヒットしてたけど、後発の桜ソングはまだなくて桜ソング卒業ソングというイメージもまだなかった時代

それでも春と旅立ちのイメージで選ばれたんだと思う。



チェリー』のCDリリースは96年。私たちは小4で、大流行してたJ-POPを主にテレビからどんどん吸収していた。

歌った先生たちは教員になったかならないか、でも『青い車』『ロビンソン』なら学生だった世代


男子生徒たちは普段Dragon Ashを体をくねらせながらコピーしていたせいか『チェリー』だとかっこつけきれず、はにかむような顔を見せた。

先生たちは学生のころの気持ちに戻ったと言いながら、ノリノリで歌い終わったあと赤面してた。

お互いの照れがとても印象的だった。

これがスピッツではなく19だったら、あるいは尾崎豊だったら、生徒と教師が一緒につくった思い出としては今の私に強く残らなかったと思う。



私たち先生でつくったスピッツ、今の中学生のそれがボカロだったら面白いかもしれないと思った経緯でした。

2013-08-26

コンビニ店長と「放射脳

前の「学歴」騒ぎのときぼんやりと思ってたんだけど(こっちは記事読んでないので誤解があったらごめんなさい)、やっぱりこの人学歴とか学問とかに対してコンプレックスがあるんだろうな。

(前提。「放射脳」は侮蔑言葉である。)

この人は野菜放射能に汚染されているのではないか不安がるおばさんに対し、「あんたは放射能汚染についていったいなにを調べたんだ」、どうせ知りもせずに怯えているだけだろう、と考えているようだ。

そのおばさんが放射能汚染についてどれだけのことを調べたのかは分からない。実際、原爆チェルノブイリ事故などの影響で漠然と「放射能はこわい」というイメージを持っているだけかもしれない。

しかし、ではひるがえってコンビニ店長はどうなのか。

過去の言動を見るに高等教育を受けたことがないようだが、放射能汚染についていったいなにを調べ、なにを知っているというのか。どのような根拠で不安に感じる必要はないと考えているのか。

専門家の言を信じただけ、というのであれば、それは信仰の対象が違うだけのオカルトしかない。専門家の言の根拠を調べその妥当性を検証するだけの能力を、コンビニ店長は備えているのか。私にはとてもそうは思えない。




結局のところ、おばさんもコンビニ店長オカルトなのだろう。私はそれが悪いことだとは思わない。人は誰もが専門家になれるわけではないし、専門家になれる者もあらゆる分野におい専門家であることはできない。そして専門家でない者が「本当に」科学的に考えることは、多くの場合困難であるからだ。

しかコンビニ店長はそうは考えないのだろう。学歴学問に対する憧れ、それを持たない自分に対する怒り。そうしたものが形を変え、おばさんに向かった――件のエントリは、あるいはそういう構図なのかもしれない。

TRAIN-TRAIN

2013-05-27

http://anond.hatelabo.jp/20130527163210

個人的な経験で言うと、スキル仕事の外で身につけるものであって、仕事はそれを(直接的又は間接的に)裏づける実績を出すところ、という感じ。

投資銀行屋がM&Aノウハウを身につけるとかだと仕事を通してしか学べないかもしれないが、そういう仕事に就いてる奴は大抵「誰でもできる仕事から」と言う。

これはおそらくそういう意味(ノウハウであってスキルではない)だと思う。

例えば俺は仕事線形代数とかバリバリ使うんだけど、これは教えろと言われてもとても難しい。

教科書に書いてあることは教えられるけど、使いこなすにはそれじゃ全然足りなくて、学生時代から数えて10年以上、様々な状況で実際に使ったり失敗したり、より抽象的な理論(関数解析とか量子力学とか群論とか)を何度も勉強して開眼したり、やっぱり勘違いだったことが分かったり、無数の経験を通じて脳内ニューラルネットが構築されていい感じに枝刈りされた状態が今なわけだ。

こういうものは恐らく「スキル」と言っていいんじゃないかと思う。

そして、仕事だけではこういうプロセスを経ることは基本的にできないと思う。


ニューラルネットというのは極めて複雑な構造物で、ループバックがあったりフリップフロップみたいな記憶構造があったりで、straightforwardなシーケンス処理としては絶対に記述できない。対して「ノウハウ」というのは、それがどんなに複雑であっても、本質的シーケンスとして記述できる処理の集まりのことを言うのかもしれない。

うそう、ジャンプマンガの「トリコ」に出てきた話で「プロは考えない」というのがある。

これはほんとにそういうところがあって、要するにニューラルネットが十分にtrainされているから、論理的に考えなくてもニューロン情報をぶっこめば適切な答えが得られるということ。

俺程度でも、数式が書いてあるのを見ると意味を考えなくても何となく間違ってるのが分かったりする。よく考えないと何で間違ってるのかは分からないんだけど、何となく違和感があって間違ってるっぽいなと分かる。

あとは知らない本をパラパラめくってなんとなーく数式の雰囲気を見ると自分に理解できる本かどうか判別できるw

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