はてなキーワード: 換羽とは
つい先日、一緒に暮らしていた文鳥が落鳥した。落鳥という言葉は一般的なのかな?平たく言うと、死んだ。5歳なので、中年からおじいちゃんに差し掛かったあたりのイメージだと思う。風邪からの炎症がひどくなっていて、冬の換羽を乗り切れなかった。
いつものように仕事から帰宅して枝の上にいるはずの文鳥に「ただいま」を言おうとしたら、いるはずの場所におらず、ケージの網の上に横たわっていた。見た瞬間「あ、これはもう生きてないな……」と分かったけど、現実をうまく受け止めることができず、ケージから亡骸を出して手の上で温めたりふわふわの羽で包まれた体を撫でたりしていた。しばらくして冷静に観察して嘴が少し黒くなってきていること、足の指に血が通っている気配がないことを確認して、全部終わったのだときちんと頭で理解することができた。「コンビニで買ってきた晩御飯、温めてもらったしな……食べないと冷めちゃうし……」と思って、亡骸を綺麗な白いタオルハンカチの上に乗せて、まずは落ち着こうと思ってご飯を食べた。当人はその時はいたって冷静なつもりだったけど、今考えると全く冷静じゃないな……。
ご飯を食べ終わって、恋人に報告しなきゃと思ってLINEを送った。すぐに折り返しの電話があって、状況を冷静に伝えようと喋り始めたところでボロボロと涙が出てきた。父親が亡くなった時は涙ひとつこぼさなかったのに、多分人生で一番泣いたんじゃないかな。電話を切ったあと、ネットで文鳥の火葬の方法や火葬するまでの保存の方法について調べた。冷蔵庫に入れておくとしばらく保つと書いてあったので、申し訳ないけど週末まで冷蔵庫に入っていてもらうことにした。
翌日は「家の事情で」と会社に連絡して午前半休をもらって、火葬の依頼の電話をした。なんでか、電話をするまでに随分時間がかかった。かけるまでの間にまたちょっと泣いたりしていた。仕事が忙しい時期だったのでなんとか気持ちを切り替えて平日を乗り切って、ようやく昨日、火葬して送り出すことができた。
思えば一緒に暮らした4年半くらいの間、ずっと文鳥に支えていてもらったように思う。人生において一番シンドい出来事が起こったときに、ペットショップで予約していた文鳥が「一人餌(自分で餌を食べられるようになること)になったから引き取りに来てください」と連絡があった。タイミングが良すぎて、運命かな?と思った。
初めて我が家にやってきた文鳥は慣れない場所に戸惑って、ずっとまんじりともせず動かずに無表情だった。餌も食べず水も飲まないから(文鳥は警戒心がとても強い)「大丈夫かな……」と、文鳥が神経質にならないよう布団の中に隠れてずっと観察をしていた。ようやく餌をついばみ始めたときに「やっと大丈夫だー!」と、ホッとしたのを覚えている。
家に来てしばらくして下手くそな歌の練習を始めて、ようやくちゃんとオスだと分かった(大まかなオスメスの見分け方はあるけど、ちゃんと分かるのはオスは求愛ダンスを踊ったとき、メスは卵を産んだときだと思う)。幼い時は手の中が大好きで、放っておくと手の中に無理やり入りこんできた。大きくなってからは相変わらず手が好きで、でも幼い頃ほどではなく、たまに「仕方ない、入っててやるか……」と握られてやってる感を出すこともあった。春も、夏も、秋も、冬も一緒で、仕事が終わって帰ってきたら放鳥して毎日必ず遊んだ。IT戦士の家庭なので、他所の文鳥より生活が不規則ではあったけど(すまん、文鳥)、仕事から帰宅すると大体「出せー」と言わんばかりにチュンチュン鳴いた。
「毎日一緒に遊ぶ時間とられて、自由になる時間が少なくなる」とか、
「飲んで帰った日も文鳥のお世話しないと」とか、
そう思ったことがなかったわけじゃないけど、でも、そういうんじゃないんだよ。いなくなったら意味ないじゃん。なんなんだよー、ちくしょう。ちょっと落ち着いたと思っていたけど、また涙目になってきた。
こうやってここに書いたのは、なんとなく今日の気持ちをどこかに残しておきたかったのと、気持ちを整理して日常を取り戻したかったから。辛くて悲しくても、腹は減るし、時は進むし、働かなくちゃ食っていけないし。日常をどうにかして「やっていく」しかない。
飲酒をしながらこれを書いてる。こんなに長い文章あんま読んでもらえないだろうけど、もし読んでくれる人がいたならありがとうと言いたい。
今まで一緒にいてくれた文鳥には、ただただ感謝しかない。本当にありがとう。「10歳を超える長寿の子も!」と言われる中、長生きさせてあげられなくてごめんなさい。夢の中にも出てきてくれてもいいよ。お盆に帰ってきてくれてもいいよ。四十九日までの間はケージは片付けないでおくから、帰ってきたら揺らして知らせてほしい。(でも実際やられるとホラーだしビビりそう……)
自分が死んだら虹の橋でもう一度会えるはずなので。それまでの間、もうちょい待ってて。またね、文鳥。
初の増田投稿なのにこんなにたくさんの人に暖かい言葉をもらえてとてもありがたい。全部のコメント読ませてもらってます。
四十九日待たずあの世に行ける、というのはホントに良い情報でした。1分1秒でも早く文鳥がハッピーになれるなら、それは何より素晴らしいことだし。
死に目にあいたかったなと思っていたけど、その瞬間を看取る辛さもあるんだね……。
これだけは言っておかねば。文鳥と暮らした日々、「こうすれば良かった」「ああすれば良かった」という後悔はあれど、お迎えしたことを後悔したことは一度も無いです。また将来一緒に暮らしたいなという気持ちはあるけど、まあ当面はないかな……。
とりあえず文鳥へのご奉公が終わったらしようと思っていた、二泊以上の旅行に行こうかなと今は思ってる。ハワイ行きたいんだよな、野生の文鳥いるし。色んなところに行って、後々にウチの文鳥にその感想を伝えたい。
ここ2ヶ月以上、ずっと毎日何本か綺麗な色の羽が抜け落ちている。別にハゲるわけでもなく元気いっぱいなので、まぁ雛換羽としてはそこそこ順調なのだろう。おでこの生え際も大変美しくなり、とてもうれしい。
抜け落ちた羽で汚れていないものはガラス容器に入れて保存してる。透き通った黄色の中に時々青やオレンジが混じっていて綺麗。成長記録みたいなものかもしれない。
抜け毛のなかで飼い主増田のお気に入りは、おでこに生えてた赤い毛。
2~3mmくらいの大きさでかわいい。発見すると指に乗せてしばし鑑賞するのだが、あまりにも軽く小さいので空気の流れに飛ばされて行方不明になるのが常だ。