2016-08-24

はてなーが案外やさしかった件と、その他のもろもろ

母親結構な金が注ぎ込まれてる」(http://anond.hatelabo.jp/20160823232626 )を書いた元増田です。


まずは予想をはるかに超えて、多くの方からかいコメントをいただいたことに感謝したい。

こんなにブコメがつくとは思わなかったし、ついたとしても、もう少し甲論乙駁するブコメになるかとおもっていた。



お金ことなど気にすることはない」という趣旨コメントを多くいただいた。

本当にありがたいし、そういうコメントに対してこんな返し方をするのも失礼なのかもしれないが、

本心を言えば、多分、そういう言葉をくださる優しい方々が心配するほどには気にしていない。

母は、当然の権利行使しているのだと思っている。

ただ、やっぱり現実に「60万円」という金額を見ると驚かざるを得ないのは事実だし、

どちらかというと気にしているのは「俺らが後期高齢者になっても、これが続けられるのか?」ということなのだと思う。

日本現在人口ピラミッドをみれば、そう思わざるを得ない。

その解決方法が、少子化対策なのか一億総活躍社会なのか、はたまた移民の受け入れなのか、難しいことはよく分からないが。




「きちんとQOLが保たれているから、ちゃんとしたお金の使われ方だ」「寝たきりに金を注ぎ込むのとは違う」という趣旨コメント散見された。

それはそうなのだが、ただ、では、どこで線を引くのかと言われると、それはそれで難しいのではないかと思う。

一度線を引いたら、その線の位置だんだんずらされていくのではないか? という危惧もあるし。

母はガンの罹患前、「あたしは別にそんなに長生きしたいとも思わない。元気なうちにポックリいきたい」という趣旨のことをよく言っていたが、

逆にガンと戦い始めてから生への執着が強まったように見える。

多分「長生きなんてしなくていい」というのは健康が当たり前な人の贅沢なのであって、

実際、死を意識し始めると、すこしでもそのタイミングを先に延ばしたいと思うのが本能なのではないか?と、最近考えている。

「いつ死んでもかまわない」といっている人に、「じゃあ、あした死んでもらいますね」というと、大多数は「え? ちょ、ちょっと、もう一日待ってくれ」と言い出すのではないか

で、「もう1日」が毎日続くのだろう。




自分の書いた増田リツイートされて回ってくるというのも、初めて経験した。

そのなかで @natorom さんが「はてな匿名ダイアリー抗がん剤加療中のstage 4の母親の話。医療費がメインのエントリーだけど、

現在抗がん剤治療リアル副作用がないわけではないけど普通に生活可能)が描かれている」

と、拙文を紹介してくださっていたので、この辺のことも触れておく。

母が抗がん剤治療を受けている、というと、患者ことなど考えない医者にやたらめったら薬を打たれ、

副作用でのた打ち回って悲惨きわまる闘病生活を送っているに違いないと勝手に思い込んで慰めてくれる人が、少なからずいる。

はっきりいって迷惑だ。

確かに、副作用がないわけではなく、特に新しい抗がん剤に切り替わった直後などは、食欲も落ち、夜中も何度もトイレにたって、

日中ほとんど寝たきりになっていることもあるし、母がレディースアデランスの愛用者になっているのも事実だ。

初めての薬を投与して、一週間後の最初の検診までの期間は、当人家族も緊張はする。

どの程度の副作用がでてくるのか、医者だって正確なところはわからないし。

薬を変えてはみたが、どうやら医者が当初想定したほど腫瘍マーカーが下がらなかったらしい、という局面にも遭遇した。

からといって、その他の期間は、時に温泉旅行に出かける程度に回復するわけだし、勝手イメージで同情されても困る。

そういう人に限って「自分想像しているような、苦しそうな闘病生活」を送っているわけではない母をみると

今度は、「あら~、大変かと思ったら元気そうじゃない! よかったよかった! もうすっかり良くなられたのかしら!」などと、トンチンカンを言う。

「アタシだって病気と闘っているのに・・・」という母の愚痴を聞くのは、こういう人とあった後だ。

確かに、今ほど抗がん剤進歩する前は、いろいろと悲惨な状況もあったのかもしれないし、病状によっては、かなり大変な副作用を併発することもあるのかもしれない。

だが、別にがん患者がすべて、あなた想像するような悲劇の中で生きているわけでもないし、だからといって病気の大変さがないというわけでもない。

おそらく大半の現場医療関係者は、真摯に最善の治療法を(保険でまかなえる範囲で)考えているし、

製薬会社だって別に人の命を食い物にして儲けることだけ考えているわけでもあるまい。

とりあえず、何十年前の知識で、抗がん剤批判を繰り広げて金儲けするのはやめろ、近藤誠

(実際、母親世代には、まだまだ近藤誠信者と思しき人がいる。そういう人との付き合いは、なんとしても切るのが吉だ)

早期発見できた人は違うのかもしれないが、「ステージⅣで発見」という状況だと、「基本的に治ることはない」というのが、周りの人間にとっても難しいところだ。

当人もっと大変なのだろうが、自分当人ではないので、本当のところは分からない)

普通病気のように「頑張って、治しましょうね」という励まし方はあり得ない。

いかに上手に付き合っていくか、いかに現状を維持していけるか、というスタンスで付き合えないと、患者家族双方にストレスたまることになろう。

しかも「いつまで続くか分からない」「いつ悪い方向に進むかわからない」という不安を抱えながら、である

この辺、バランスを取れなくなった人が、「奇跡治療法!」とかに走るのだろう。

奇跡はめったに起きないか奇跡なのであって、その奇跡自分には起こると考えてしまうのは「逃げ」だと思うけれど。


先日、とある観光名所にいったとき、「健康」とか「長寿」とか「家庭円満」などと書かれた名産品が売られていた。

ちょっと考えた上で「長寿」のヤツを、母の土産に買って帰った。本当の意味で「健康」を回復することがない人に、「健康」を祈願するグッズを渡しても白々しいからだ。

ちょっと迷ったが、母に「『健康』ってやつもあったんだけどさ、まあ、いまさら健康』ってのは無理だから、『長寿』にしたよ」と言ってみた。

母は、「そうねえ、もうちょっと早く『健康』のヤツがほしかったけど仕方ないわよねえ」といって笑っていた。

ああ、この人は強いな、と思った。

長くなってしまったが、最後にもう一つだけ。

60万超の治療費にたいして1万5000円という負担に関して。

これは、母が後期高齢者で、かつ、健康保険の仕組みにおいては、もっと収入の少ないカテゴリに分類されているので、この金額になる。

(なお、自分とは世帯は別)

もし、母がもっと若かったり、年金以外に収入があったり、夫(自分の父)が生きていて収入があったりしたら、もっと請求されている。

まり、母は医療費世界において「相対的貧困者」とされているおかげで、この程度の負担で済んでいるということだ。

ここで「でも、温泉旅行いったり、映画見に行ったりしてるんでしょ? もうちょっと払えるんじゃないの」とか

「息子、治療費全然だしてないのかよ。親子なんだから出させろよ」とか非難されたらと思うと、ぞっとする。

だが、どうやら世間は、子供貧困に対しては、似たようなことを平気で言うようだ。

ぶっちゃけていえば、あと長くても10年は持たない老女よりも、この先何10年もこの国を支えていく若者のほうが、

ROIは確実に大きいと思うのだが、なぜこうなるのかは、考察に値すると思う。


いずれにしろ、この話題は、増田でこそいろいろ吐き出せるネタであった。

この世に増田があったことに、感謝したい。

トラックバック - https://anond.hatelabo.jp/20160824212145
  • 母親に結構な金が注ぎ込まれてる

    母親がガンとの診断をうけて、もうすぐ5年半になる。 診断されたときには、ステージⅣで5年後生存率は20パーセントといわれていたが、幸運なことに、今でも調子がよいときは自分で車...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      世の中は持ちつ持たれつなのよ まぁ実際、医療費含む社会保障費はとんでもないことなってるんだけど。 でもそれは医療従事者が考えればいいこと お母さん大切にしてね。

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      確かに無駄な投与などもあるのかも知れませんが、先進ガン治療の場合は医学の発展のためにもなると思いますよ。

    • 俺は末期的な患者の医療と後期高齢者医療はムダがあると思う

      http://anond.hatelabo.jp/20160823232626 を読んで言いたいことがある。 今実際保険診療を受けてる人に対してなるべく抑圧的でない書き方をしたいと思ったが どう考えても抑圧性は入るので先に...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160824102251

      ニボルマブ(オプジーボ)? 高額新薬のジレンマ…高い効果 がん患者に希望、月260万円保険制度の危機 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞) 医学書院/週刊医学界新聞(第3165号 2016年0...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

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    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      自分の感情的には増田母のような医療費は気にならない。 でも「湿布貰いに行く(安いから)+待合室で友達と雑談しに行く」はやめて欲しいと思ってしまう。 毎日リハビリ通って整形外...

      • http://anond.hatelabo.jp/20160824103756

        デイケアセンター代わりの整形外科通いの年寄りもいるだろうが、傍から見ていて、病気の状態が分かるわけでもなし、 そもそも増田や他の誰かの主観で線引きしていいもんでもなし。...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      俺が毎月7万取られてる健康保険料を湯水の如く使ってるのはお前か。金返せ。今日も1袋のレトルトパスタソースを2回に分けて使うような生活やで。

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      『経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策』https://www.amazon.co.j/dp/4794220863 ぜひ増田にはこの本を読んでもらいたい。 この本には、財政再建をするという名目で医療費等の...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      安心しろ 国保で最高一人に月二億保険料がつぎ込まれて生かされてる人もいるから

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      私もおかげさまで両親ともに息災だが、二人とも後期高齢者なので骨折入院のリハビリ込みで2か月くらい入院しても自己負担は数万円だったりしました。 負担が軽くて良かったなと素直...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      日本の国民皆保険はみんなで負担していざというときは助けましょうねって精神だと思ってるから別に多少高くてもいいと思う(生活に困るようなら別だけど) まぁ社会保障費が財源...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

      ちょっと嫌な言い方になるけど、母上の身体使って新しい薬の副作用の研究しているような面もあると思う この薬なら副作用は比較的軽いとか、白血球数減らす率が比較的低いとか(映...

  • http://anond.hatelabo.jp/20160824212145

    うるせー無駄遣いしかしないのならさっさと死ね

  • http://anond.hatelabo.jp/20160824212145

    貧困JK  ← バカ。はてなーなら回避可能な問題で文句言ってる。 ガン老女 ← 回避不可。同情。

  • なんだコイツ。

    一つ目の記事はまあ普通に読めたけど、なんでコイツはこんなにやたらと偉そうなの? それに、急にみずからの思想(相対的貧困、云々)を絡めて語りだしたから、くっせーのなんのって...

  • http://anond.hatelabo.jp/20160824212145

    これたぶん解決方法は簡単で、ある一定以上の年齢層(相対的高齢者)の高額療養費制度を切ればいいんだよね。 イギリスも透析治療で年齢制限を設けたでしょ。それと同じこと。 まず...

  • 結構な金を注ぎ込まれた母のその後

    以前、『母親に結構な金が注ぎ込まれてる』(http://anond.hatelabo.jp/20160823232626)『はてなーが案外やさしかった件とその他のもろもろ』(http://anond.hatelabo.jp/20160824212145)というタイトルで...

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