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2023-06-13

子供がいなくて良かったと日常で感じる時

女性として生まれることは、強制的教職課程を取らされるようなものだ。

教職課程を取ることができない外部の人達が、「教員不足が深刻だ」と騒いでいる。それはは聞こえているけれども、「教員にならなくてよかった」と表明することはそんなに罪深いことだろうか。


私自身は子供がいない30代既婚者。子供ができたら産んでもいいと思っていたが、できる気配はない。かといって不妊治療をする気は起こらない。

何故なら、日頃から子供がいなくてよかったと思うことばかりだから。その場面を列挙してみる。


選択夫婦別姓制度がない

学生生活就職活動等を通して、性別によって違う扱いを受けていると感じたことは無かった。だから結婚して改姓イベントが訪れた時は、社会制度からいきなり女性差別でぶん殴られたような衝撃があった。

会社では旧姓で働いているけれど、それは関係ない。名字を変えるための各種手続きは発生したし、そうやって名字強制的に変えさせられた意味は未だに理解できないから。

こう書くと、「結婚したら名前が変わることは分かっていただろう」というクソリプが飛んできそうだが(どこから?まずは政府から)、そういった感覚が、「子供が生まれたら、『苦労することは分かっていただろう』が大量発生するんだろうな」という想像に繋がっている。

インターン先の会社から理不尽嫌がらせを受けたら、そこに就職した暁にはもっと嫌がらせを受けると予想するのが普通だろう。

夫の名字に塗り替えられた自分名前。見る度に複雑な気持ちになるが、「子供がいないか被害がこの程度で済んでいる」と言う感覚も呼び起こしてくれる。


経済的負担が増す少子化推進政策

15歳以下の扶養控除は既に無くなっていて、さらに16歳以上19歳未満の扶養控除も無くそうと言う議論がなされている。

こういった異次元少子化推進政策を聞く度に、子供がいなくてよかったと思う。

これも「子供がいたら経済的負担が増えるということは分かっていただろう」と言われる類のものだろう。いや、ある程度覚悟はしていたけれど、子供を育てる20年の間にこんなにも負担が増すとはね‥という事態になっても、自己責任なのである


子育てしないこと前提の仕事

今の仕事は気に入っているけれど、残業対応できるからしがみつけている感がある。子供がいたら同じ働き方を継続することはできず、マミトラックに乗ることになるだろう。なにしろ子育てをしなかった人達が、子育て存在しない前提の職場環境を作っているのだから

残業している時、子供がいなくて幸せだと思う。


育児放棄しそびれた罰

全ての子供には生物学的な親が男女二人いる。この二人のうち、育児放棄を先に行なった方はお咎め無しで、残された方が放棄するとペナルティを受けるシステムになっている。

先に育児放棄するのは圧倒的に男性が多いのは言わずもがなである

  妊娠を知った時点で逃げる

  新生児育児で逃げる

  子供身体障害発達障害があったら逃げる

  子供不登校になったら逃げる

そして、女性が遅れて逃げたら罰を受ける。当然といえば当然だが、不平等が過ぎる。

保護責任者遺棄の疑いで11逮捕されたのは、防府市警固町無職母親(36)です。警察によります容疑者11日正午ごろ、防府市内の保育園前に設置されたごみ箱に、生後1か月の女児を置き去りにした疑いがもたれています容疑者が置き去りにした後、すぐに「赤ちゃんを捨てました」と名乗らず110番通報。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481102?display=1

こうやって、育児に行き詰まった女性逮捕されるニュースを見る度に、子供がいなくて良かったと思う。夫のことが好きで信頼しているけれど、人生何があるか分からない。

出産は、一馬力で住宅ローンを組むようなもの地震火災保険無し。リセール不可。近所トラブルがあっても引越し不可。ちなみに身体ダメージあり。あらゆるリスクを背負って、約20年間、夫と子供と一緒に住んだ後は、住宅の名義が子供になる。男性の「子育て楽しい」が時に批判を集めるのは、男性がこの住宅からいつでも逃げられるからかもしれない。

男性が逃げないように縛るのは難しい(縛ってもDVに繋がる可能性がある)から、いっそのこと、女性もいつでも逃げられるようにしてほしい。まず、中絶費用無料にする。男性無料で逃げられて、ペナルティが無いのだから。そして中絶可能な期間を過ぎたら、定期検診でお金を払うのではなく受け取れられるようにしてほしい。そうすることで福祉につながる必要がある人が見つけやすくなる。そして、各都道府県赤ちゃんポストを設置する。子育てに行き詰まったら、電話一本で即座に解放されるようにする(一時的あるいは長期的)。そこまで育児が手放しやすくなれば、男性の「育児楽しい」に「よかったね」と言える女性が増えるのではないか


子供社会邪魔者

公共交通機関に乗ると「混雑時はベビーカーを折りたたんでのご乗車にご協力ください」というアナウンス流れる子供は重い。友人の子供を数分抱くだけでも腕が疲れるのだが、この子供をベビーカーから降ろして抱いて乗車せよということだろうか。しかベビーカーには、外出用のミルクオムツなど色々乗っていて、重さも体積もあるだろうと思う。それを折りたためと。

ベビーカーは折りたたまないことを前提に、車椅子に準じた扱いができないだろうか。「混雑時は車椅子を折りたたんで」あるいは「混雑時は車椅子の方は利用を遠慮して」とわざわざ言わないならば、ベビーカーを折りたためとアナウンスする必要はないだろう。

こういうアナウンスを聞くと、子供社会邪魔者で、子供と一緒にいる親も邪魔者なのだと感じる。子供がいなくてよかったと思う瞬間である

ネット愚痴ってないで、投書するなり何かしらの行動を起こせと言われそうだけれど、身近な人と選択夫婦別姓の話をするだけでも消耗してるんで、これ以上のことは求めないでほしい。一生名前を変えない人の多くは、「選択夫婦別姓に賛成!特に何もしないけれど」という立場だろう(え、反対?それはすまん)。「ベビーカーに関するアナウンスを無くすことに賛成!特に何もしないけれど」という立場は非常に楽で、でも『あっち側』に行ったら当事者になってしまうんだと思うと、やはり子供がいなくて良かったなと思う。

私自身は、交通公共機関子供を見かけると、意識して笑顔を向けるようにしている。飛行機座席指定する際に子連れマークが見えたら率先して隣を取る(そして機嫌良く過ごす)。それが、この社会に対するささやか抵抗だ。

 
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