■レイプ後の女性がするべき対処が多すぎて死にそうだけどまとめる

先週、レイプされた。私はもう既婚子持ちだからそういうのないと思ってた。

仕事の会議室で、取引先の人と、そうなってしまった。

実は若い頃から何回もレイプ経験があってPTSD治療中で、なんとか寛解に向かってたんだけど、やっぱり事に直面すると動けない、声が出せない、抵抗できない。なるはやで終わってください、としか考えられずじっとするしかない。「死ぬまで暴れなければ合意と見なす」とか死ねよと思う。

で、「あ〜〜〜最高〜〜〜〜」とか言ってる至福の顔のおじさんを無言で見上げてた。枕営業でも何でもないよ。ただ、会議に呼ばれたから行っただけ。まじめに資料つくってね。でもそんなの見もされず、打合せ内容はそれだった。仕事は担当外してもらった。いけると思われたのが悲しかった。

問題はここからで。数日ぼーーーーーーーーーーっと魂飛んだような幽体離脱状態で過ごしてたんだけど、やられた側はいろいろやらなきゃいけない。

だいたい、被害に遭うとエネルギーが枯れ果てて、

「自分は無力だ、私が悪かった、汚い、モノ、どうでもいい、死にたい」

そういう気持ちになるから自分をケアする行動をとるのがすごく難しい。こういうのは、何度経験しても、30になっても慣れないもんだってわかった。

今回もかなり死にたいけど、もう家庭があるから死ぬわけにいかない。んで、これから動くので、やることをまとめる。

ないに越したことはないけど、もしトラブルに巻き込まれた女性や、身近な人の様子がおかしくて訳を聞いたらこんなだった、という場面があったら、ちょっと思い出してもらえると嬉しい。

妊娠対策

• 72時間以内（着床前）に「緊急避妊薬（モーニングアフターピル）」を飲めば妊娠を防げる「可能性が高い」。ゼロとは言えない。
• 薬の種類は2種類。（参考：http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20110713/111519/）
• 2回飲むタイプ（安価だが副作用が強い旧型）、3500円〜6000円程度。
• 2回飲むタイプ（高価だが副作用が弱く負担が少ない）、15000円程度（ノルレボ錠0.75mg）。
• 1回飲むタイプ（あまり普及していない、価格はわからない）（ノルレボ錠1.5mg）。
• 次の生理が来るまでの不安たるや、だけど、これしか方法がない。
• 中をコーラで洗うとかは都市伝説なのでやめよう、傷が悪化するだけだ。
• 2回飲むタイプは、時間を間違えるとやばい。例えば昼の15時に飲んだら、夜中の3時に2回目を飲まなきゃいけない。だとしても、なるべく早く飲まないとどんどん避妊成功率は下がっていくので、飲むしかない。
• 私の場合は普段から生理のコントロールのために低用量ピルを飲んでいるので今回その心配はなかったが、学生時代初めてレイプされた時は緊急避妊薬の存在を知らず、どうやって情報にたどりつけたのか思い出せないが、親にも言えず、何とかバイト代からその費用を払って、悔しくて泣いた。
• 他にも、夫婦間・カップル間で悪意や故意がなくても避妊具脱落など「げっ」というタイミングは正直みんなあると思う。そういうときはこの手段になる。

性感染症対策

• 相手がおっさんの場合特に、病気を持っていないかが心配。特に今、日本では梅毒がめちゃくちゃ流行っている。
• 産婦人科に電話をすると「無症状で、不安でということでしたら自費検査になりますので、現金を多めに（多分2万円くらい）持ってきてください」と言われて絶望する。
• しかし！公立の保健所が無料・匿名で検査を行ってくれるので、時間帯や曜日は病院ほど自由が効かないが、そちらをおすすめする。私も来週行ってくる。
  • ただし面倒なのが、性感染症のうち、すぐできるものと、潜伏期間が過ぎてからでないと検査できないものがあること。
  • HIVが該当。即日検査は90日以上空けてから、後日検査結果がわかるものは60日以上空けてから。
  • なので2回は行くと思っていた方がいい。
• その間ずっと不安だし、妊活中だとそれもストップじゃん。最悪すぎると思う。

メンタル対策

• もともとの性格や病歴によると思うが、直後に「急性ストレス障害（ASD）」の可能性があることはみんなが知っておこう。体の防衛反応だから自然に起こる。心が弱いからとかじゃない。
  • 症状1：フラッシュバック（トラウマの原因となった出来事が繰り返しはっきりと思い返されたり、悪夢を見たりする症状）
  • 症状2：回避（トラウマ（心的外傷）に関する出来事や、関連する事柄を避けようとする傾向）
  • 症状3：過覚醒（神経が高ぶった状態が続き、不眠や不安などが強く現れる症状）
  • これが1ヶ月以内に収まればASD、1ヶ月以上続くとPTSD（心的外傷後ストレス障害）と診断名や治療内容が変わる。
• 「ぼーっとする」は「離人」という症状のひとつなので、自分で自分のケアのために動くのが難しくなる。できれば周囲の人が連れて行って早めの初動をしてあげてほしい。
• 自分の場合は初回の暴行で発症し、もう治療歴15年になるが、未だに再現悪夢や対人恐怖が続いている。「昔膝に矢を受けてな」状態。そこにもう1回矢をぶっ刺されたので今後どう回復していけるのか自分でもわからない。とりあえず手持ちの精神安定剤や入眠剤ではまったく対処できないレベルに悪化してるので明日緊急で受診してくる。

その他、通報や法的対策

• 正直、これについては1回も正しい手順を踏んで相手を訴えたことがないのでわからない。その気力が湧かなかった。
• 事件の聞き取り、証拠の提出、合意がどうこう、誘ったんじゃないか、気のあるそぶりを見せなかったか、そういうセカンドレイプが嫌だ。
• 昨日は「弁護士ドットコム」の事案を見ていたけれど、そのパワーないわ、という解決方法しか見つからなかった。
• だいたい、知人（の、ちょっと立場が上）の人との間で起こることがほとんどで、とても訴えにくい。自分さえ我慢すれば、と思ってしまう。
• なので通りすがりの暴行の方が、命の危険も恐怖も上回ることを承知でいうと、通報や助けの求めやすさでいうと明瞭である。
• 知人からの「嫌がらなかったので合意があったと思った」が一番多いし、困る。だって声出して、まわりに裸見られて、今後もそういう目で見られて、しかも抵抗したら痛いし長引くし脅されるし「写真撮るよ」とか言われたら、とか考えちゃうんだ。で、なるはや終了を待つんだ。
• なので、今回も訴えないし、通報もしない。できない。

とりあえず直近の自分がやることは以上。学生時代は本当に恥ずかしくて自分の落ち度だったと思って誰にも言えなかったけど、今回は、翌日に、親友に助けを求めることができた。ぼーーーっと事実をLINEに書いて送るしかできなかった自分の代わりに怒ってくれた。怒っていいんだ、と思った。

夫に言うには、さらに数日かかった。「汚れちゃったよ、夫のなのに、他の人として、ごめん」と、言うのは、とても勇気がいった。本当にこれが一番苦しかった。汚くない、と抱きしめてもらって、こわくない程度に頬にキスしてもらって、でもそれ以上の接触は夫ですら今こわくなってしまってできない。どーしてくれんだこれ。でも、夫が私を責めないで一緒に対処に動いてくれていることで、今までで一番、「私のせいじゃないのかもしれない」と思えている。

方法まとめに愚痴を大盛り突っ込んだ乱文、ご容赦を。

「何回も遭ってるなんて普通じゃないからお前が普通じゃないんじゃないの」とは思わないでいただけると、とてもありがたい。ほんとにそのセカンドレイプがいちばんきついんだ。

Permalink | 記事への反応(2) | 16:20

ツイートシェア